喜べ、幸いなる魂よ(佐藤亜紀 KADOKAWA)
18世紀中後半のフランドル地方を舞台に、亜麻糸商のファンデール家の娘ヤネケと同家の養子格のヤンの生涯にわたる恋物語を描く。
当時のフランドルは製糸や紡績で富裕な地域だったが、オーストリアの支配はゆるやかで、大きな戦乱もなかったそうだ。そのせいかベギン会という緩め?の修道院みたいな組織で未婚の女性達が集団生活を送っていたという。
ヤネケは数学の天才で、天文や経済を数学的に説明する論文を次々に著して、家族の男の名前で発表していた。ヤネケがベギン会で暮らすのは学問に専念するためで、ベギン会を抜けていっしょに暮らそうというヤンの度重なる依頼を断り続ける。
著者の物語は、あまり事細かに説明をしないので序盤は晦渋な感じがして読みにくいのだが、そこを超えると終盤にクライマックスが待っていて、大きな感動が生まれる、というパターンが多いのだが、本作は(巻末の著者自身による簡単な解説を先に読んだせいかもしれないが)最初から読みやすくて、ヤネケのクールなキャラもよかったのだが、最後はちょっと尻すぼみ気味かな?
まあ、そういうのがなくても、毎度のことながら「読書の喜びってこういうことだな」と思わせてくれるような内容ではあったが。
18世紀中後半のフランドル地方を舞台に、亜麻糸商のファンデール家の娘ヤネケと同家の養子格のヤンの生涯にわたる恋物語を描く。
当時のフランドルは製糸や紡績で富裕な地域だったが、オーストリアの支配はゆるやかで、大きな戦乱もなかったそうだ。そのせいかベギン会という緩め?の修道院みたいな組織で未婚の女性達が集団生活を送っていたという。
ヤネケは数学の天才で、天文や経済を数学的に説明する論文を次々に著して、家族の男の名前で発表していた。ヤネケがベギン会で暮らすのは学問に専念するためで、ベギン会を抜けていっしょに暮らそうというヤンの度重なる依頼を断り続ける。
著者の物語は、あまり事細かに説明をしないので序盤は晦渋な感じがして読みにくいのだが、そこを超えると終盤にクライマックスが待っていて、大きな感動が生まれる、というパターンが多いのだが、本作は(巻末の著者自身による簡単な解説を先に読んだせいかもしれないが)最初から読みやすくて、ヤネケのクールなキャラもよかったのだが、最後はちょっと尻すぼみ気味かな?
まあ、そういうのがなくても、毎度のことながら「読書の喜びってこういうことだな」と思わせてくれるような内容ではあったが。