蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

きりこについて

2024年10月08日 | 本の感想
きりこについて(西加奈子 角川文庫)

きりこの外見は誰が見てもブスなのだが、本人には全く自覚がなかった。しかし小学5年生のとき、好きになった同級生に指摘されて深く傷つく。きりこは捨て猫だったラムセス二世と部屋に閉じこもるが・・・という話。

私にとって西さんの作品は(あくまで私にとって、だが)当たり外れが非常に大きい。「漁港の肉子ちゃん」なんて我が読書史?の中でも有数の大傑作だと思えたし、賞を得た「サラバ!」も良かった。
一方で世評が高い「きいろいゾウ」なんかは全くピンとこなかった。

申し訳ないけど本作は(ワタシ的には)ハズレ(失礼)の方で、どこがよいのか理解できなかった。
私が読んだ本の奥付を見ると文庫(本作は単行本を文庫化したもの)で35版であるから世間の評価はとても高い、のではあるのだが。。。。

本作を買ったのは、表紙カバーが、くるねこ大和作だったから。中央に大きく描かれたラムセス二世は、兄ィがモデルかな?
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TOKYO MER(映画)

2024年10月08日 | 映画の感想
TOKYO MER(映画)

手術室を備えた救急車を装備して災害現場などに派遣される組織がMERで、東京都知事(石田ゆり子)の肝いりで創設された。そのチーフ格の喜多見幸太(鈴木亮平)は、筋トレを欠かさず、自ら危険な現場(本作では燃え盛る旅客機や高層ビル)に突入する・・・という話。

TV版では、MERを巡り、政治家や官僚の暗闘も主筋になっていたそうだが、本作ではほとんど描かれない。高層ビルはテロリストによって爆破炎上したみたいなのだが、テロリストが活躍?する場面は全くなく、探索したり追跡したりする場面もない。
ひたすら喜多見がマッチョに現場に飛び込み、現場や車載の手術室で手術を行うシーンのみが積み重ねられる。

この思い切った割り切り?が非常によくて、非現実極まりないストーリーを追うヒマがない。
手術シーンは、術野を映したりする野暮なことはせず、喜多見が恐ろしく早口で叫ぶスタッフへの(素人には理解できないが、いかにもそれらしい)指示で埋め尽くされて、これがまた本当の難手術場面をみているようで、楽しめた(といっては不謹慎か)。
やはり、小説でも映像でも医療ドラマは手術シーンがよくないとね。

映画の続編が作られるみたいで、本作と同じようなテンポと内容なら、見てみようかな、と思った。
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