蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

DUNE2(映画)

2024年12月04日 | 映画の感想
DUNE 2 (映画)

ポウルと母ジェシカはハルコンネンの追撃を逃れてフレーメンの支援を受ける。族長スティルガーはポールこそがアラキスの救世主と見定める。フレーメンはメレンジの生産施設を攻撃し始め、脅威を感じたハルコンネンは皇帝を巻き込んでフレーメンとポウルを攻めるが・・・という話。

パート1に比べると、アクションシーンが多くてより人気がでそうな展開になっているが、その分香り高さみたいなものが失われたような気がして残念。
ハルコンネンは不気味さがなくなってただのデ●だし、皇帝はひたすら軽いし、ベネ・ゲセリットの神秘性はあまり感じられなくなった。
ポウルは、もうちょっとガッチリした感じの俳優の方がストーリーには合いそうなんだけど、初代ハヤカワ文庫(矢野徹訳でやたらと読みにくかった)で読んだ者としては石森章太郎(当時はまだ石森だった)のイラストのイメージとティモシー・シャラメはぴったりと一致するので、満足?できた。

とにかくおカネがかかっていて、セットやVFXも立派だけどキャスティング(特に脇役)もすごい。ガー二イがジョシュ・ブローリン、スティルガーはハビエル・バルデム、皇帝がクリストファー・ウォーケン、教母はシャーロット・ランプリング(ウィキで調べるまで気が付かなかった)等々

日本では興収がイマイチっぽいが、海外では大人気だそうで、3も間違いなく見られそうでうれしい。原作はまだまだ続き(ポウルの子供の話)があるので、スター・ウォーズみたいにさらに続きも見られるかもしれない。
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銀色のステイヤー

2024年12月04日 | 本の感想
銀色のステイヤー(河崎秋子 角川書店)

菊地俊二は、北海道静内の競走馬生産牧場の社長。後にシルバーファーンと名付けられる期待の仔馬を二本松調教師に預ける。シルバーファーンは扱いづらい性格で時に騎手(俊二の弟:俊基)を振り落としたりしながらも勝ち上がり、クラシック戦に挑むことになるが・・・という話。

菊地牧場の従業員で馬あしらいはうまいものの自己中心的なアヤ、
二本松厩舎の厩務員の鉄子、
目立った戦績はないが手堅い俊基、
元銀行員で冷徹な経営手腕の二本松、
愛人宅で腹上死した夫に意趣返ししよう?とシルバーファーンの馬主になった広瀬裕子
といったシルバーファーンを巡る関係者たちを描くのだが、それぞれキャラが立っていて(特に鉄子。鉄子はニックネームで本名は大橋姫奈、ヘビースモーカーで趣味はパチンコ)、かつ、テンポよくストーリーが進むので、筋としてはありふれているものの、とても楽しく読めた。

「ホースマン」という言葉が頻出する。競馬関係者くらいの意味だと思うが、本書はシルバーファーンの成功物語が軸ではあるものの、テーマは「ホースマン」の気質や心意気を描くことにあったのかな、と思う。
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