さくら・たわわにたわごと

四季折々、愛しきものたちとの日々と思いを綴ります。

雨水・土脈潤い起こる~眠っていた振袖

2022-02-21 | お買い物・かわいいもの
新暦の、およそ2月19日~23日ごろの今の時期は、
旧暦では雨水の初候、
「土脈潤い起こる(どみゃくうるおいおこる)」
です。

雨水とは、降る雪が雨へと変わり、氷が解け出すころのことで、
昔からこの季節は、農耕の準備を始める目安とされてきたそうです。
土脈潤い起こる とは、早春の暖かな雨が降り注ぎ、
大地がうるおいめざめるころ。
古くは「獺魚を祭る(かわうそうおをまつる)」
という、不思議な季節とされていたとか。

捕った魚を岸に並べたあと
なかなか食べようとしない獺の様子が、
祭の供え物のように見えたことから、
この季節の名が生まれたそうですよ。
興味ぶかいですね。
お酒ずきの私としては、どうしても
「獺祭」
の酒の名が思い浮かんでしまいますが…^^

まだ大雪の心配があるこのごろ、
氷が解け出すのももうしばらくあとでしょうか。

昨年秋のことになりますが、
むかし着た振袖の袖を切り、訪問着として着られるよう
お直ししていただきました。

成人式、お正月、謝恩会、友人の結婚式、
そして沖縄・宮古島の従兄の、地元での結婚式で
新郎である従兄の自宅で三々九度の盃のお酒を酌む巫女役?を仰せつかったとき…
何度も着せてもらい、若かった私の晴れの日を彩ってくれた振袖でした。

袖の下部にきれいな刺繍があり、
それを切ってしまうのが惜しい気がして、
また、誰かあとに着てくれる人がいるかも知れないとの思いから、
ずっと袖を切る決心がつかなかったのです。

が、このたび一大決心。
娘も孫娘も、どうやら姪っ子も授からないめぐり合わせとなった私。
それならば、もういちど自分で着られないだろうか。
袖を惜しんで振袖のまま置いていても、
箪笥で眠らせているだけ。
だったら、袖を切ってでも自分が着られるかたちにしてもらえたら。

色が、あまりにも若々しく可愛らしいピンクの総絞りで
ためらいもありました。
が、着物に詳しいおかみさんや先生方みなさん、

 「着られるわよ! 帯や小物を落ち着いたものにすれば大丈夫!」

と言ってくださるので、ひと安心。

振袖と長襦袢の袖を切り、
今の私が着られるようにしていただきました。

そして、切ってしまった袖は…
ふたつの可愛い手提げバッグに生まれ変わりました。
着付の先生が作ってくださったものです。
デザイン違いで、ふたつとも素敵です。

 


裏地には、やはり長襦袢の切った袖部分を使っていただき、
中に小さなポケットや留めボタンなどの心遣いが。↓

 


姿を変えて、生まれ変わった振袖を
これからも着物として着たり
バッグとして使えるしあわせ。

 「おかあさんがのこしてくれた着物、
  たいせつに着てあげなさいね」

いつも言われるうれしい言葉。

まわりにモノが多く、
断捨離にはほど遠い自分を反省してはいるのですが、
もうしばらく、
父母がのこしてくれたもの、
まだ捨てられぬ愛着あるものたちとの暮らしを
楽しんで生きていたいと思います。


 生まれ変わりの花とふたたびめぐり逢う さくら

コメント (2)
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