
「感性の起源」 都甲 潔著 (中公新書) 定価:740円
【この本を読んだ理由】
都甲と書いて「とこう」と読む。変わった苗字である。
この人も、わたしの好きな日テレの「世界一受けたい授業」の先生として登場していた。
その先生の著書をネットで調べた結果、この本にたどり着いた。
「ヒトはなぜ苦いものが好きになったか」と言うサブ・タイトルにも興味をひかれた。
【読後感】
難しい本であった。
とにかく、最後まで読んでみた。
内容をきちっと理解するには、何回か読み直す必要がある。
それは、今のわたしには、できそうにない。時間はあるのだが・・・・。
ネット社会と人間の感性について。
二つの不安を感じた。
ネット情報社会は、視覚中心の感性が突出して発達した社会だと思う。
だが、われわれには、5感というものがある。
後の4つに対する感性は、どうなっていくのだろうかという不安・・・。
もう1つの不安は、
著者は言う。
苦い物質には、毒がある。単細胞生物の粘菌(アメーバーのようなもの)でも、苦い物質を避ける感性があると。
当然、高等動物であるわれわれ人間も苦いものは、本来嫌いなのだそうだ。
それは、生きていくためには苦いもの(毒)を避けるという感性が遺伝情報として受け継がれているからだそうだ。
[でも、どうしてビールを好きになるのか?、上記サブ・タイトルのこたえは、この本をよんでみて下さい。]
ところで、現在のネット社会で、溢れる情報のなかで、苦いものをどのようにして、選別していくのか、その感性はと思うと、不安になる・・・。
著者が必ずしも意図したものではないかもしれないが、これらの不安については、よく考えてみる必要があるかも・・・・?
さらに、この本の中で、味覚センサーによる味覚に関する最先端技術に触れることができたのは、とても収穫であった。
次は、匂いセンサーによる嗅覚に関する最先端技術にも興味があるのだが・・・。