いちよう:二千和会だより

 会報「いちよう」を通して、人生がさらに豊かに広がるよう「今も青春!」の心がけで楽しく交流しながら散策しましょう。

思いきって友!

2008年07月22日 | SO-Color

 思い切って行ってしまいました。会ってしまいました。

 「弱きものは、おのずと群れを成して行動する習性あり」…女性特有の持って生まれた性質は、弱い私にもあるし、そんな育ち方をしたと思っている。幼い時には特に他と同じでなければ嫌だと、同化したがった。両親から個人のもつ性質をもっと大事にしなさいと、自分は自分で他の人とは違うのが当たり前に考えなさいと注意された。
 弱さが未だに脳裏を支配しているようだ…。
 こんな老木になっても伸びる余地もあるやも知れないと、思い切ってこのたびは冒険をした。
 特定ブログを3、4年間愛読させて頂き、気持ちの上では親しんで私なりに彼女(あるブログの作者)のことを理解していたつもりだけれど、実は朧に想像するだけで自分の目で確認したくなった。駄目元は覚悟のうえでブログ作者に、会ってお話を伺いたいとメールしてみた。彼女は、雲を掴むような存在の私に会うことは、私以上に不安だったろうと思う。 …けれど会うことを承知してくださった。

 彼女Akoさんは、趣味や考え方が私にも似ている、通ずると勝手に解釈し、親しい気持ちであった。またブログを見たり読んでいくと、彼女は絵画、画家たちにお詳しい。
 彼女のブログは私の知識欲を充分に満たしてくれる。勉強家の彼女を尊敬する。また、2年前には介護し続けたお母様を亡くされたこともあり、コメント欄に書き込みをしながら、徐々に私を理解してもらい、お互い不安感のない間柄に少しずつなってきていたと思う。
 そんな時にAkoさんがボランティアをなさっているヒアシンスハウス(詩人・立原道造の設計図に従い実現された建物)のお当番の日を指定してくださった。
 「あなたの時間が取れるなら、別所沼までお出かけください。」とのお誘い。
          
    
 多分、Akoさんも、恐る恐るお誘いになったと思う。同じ世代の女性たちは、似たような世相の、同じような社会環境の常識のなかで育ってきている。だからその用心深さもよくわかる。
 けれど自分も、他人さまも「信じなければ」何も始まらない。
 思い切って行動に移そう!別所沼の風景を見たいし、沼を愛する心いっぱいのブログページを読ませて頂いて感じていた優しく奥ゆかしく頭脳明晰だと判断させて頂いたAkoさんに会おう…と決心したという訳だ。正直に言えば、尻込みしつつ…だが、しかし!…会いたい!という心境であった。

            初めて降りたったN駅 陸橋からの風景。
 どうしたら辿り着けるかのご案内は、Akoさんから詳しい地図がメール添付されて来ていた。
 私の最寄駅から1時間半くらいで着くのでそれ程遠いわけではないが、こちらの方角には知り合いが無く、全く初めての土地、私にとっては不案内で馴染みのない不安が伴う土地でもあった。
 そのN駅の改札口を出て、高い位置の歩道橋から見渡せたので、方向音痴の私でも迷わずに行けると判った、あのすっきりとした姿のメタセコイアの木立ちが見えた。その下は別所沼公園だろう…と心浮き立つ感じがした。

 会報「いちよう」の第2号に、いつも寄せてくださる片貝さんの文章が、「立原道造」について少し触れていらした。片貝さんご自身も建築関係に生業をもたれたこともあったという…関係からか、道造の言葉、詩、設計図などに関心をお持ちだったご様子。道造の有名な「5月の風をゼリーに固めて持ってきて欲しい」のフレーズを会報に書き記されたので、強く印象に残っている。
 その道造の心に近づけるとわくわくしながら、訪れたのは7月。そろそろ梅雨も明けるかという時期なので、そんなには爽やかな空気とは言えないし、むしろ無風で暑い。
 Akoさんが、氷をご用意になってきてくださって、ハンカチで氷を包んで首筋などに当てて涼味を振舞う心づくしは、これから後もず~っと私の心に残っていくだろうと思う。
 
 公園内の散歩は沼の周りを歩いただけではあったが、彫刻や神保光太郎の碑などもあるそうだ。次に来る楽しみのために見ずに残した。
 彼女とは公園内の会館でお食事を共に頂き、旧知の仲のような親しさでおしゃべりできたことが、嬉しかった。朧気だった彼女に初めて出あった印象は想像のままであった。ただ一つその域を越えたことは、吉永小百合に似ている!ということくらいだった。
 こういう縁というか邂逅は、意図されたものでない部分がことさら凄いことだったと、今、つくづく思いこのことをつい反芻してしまうのである。
 右の写真の幹の根元にあるのは根である。気根ということをAkoさんの説明で知った。大銀杏の枝からぶら下がった気根は鎌倉八幡宮でも見ることが出来たが、下から盛り上がっているのは初めて見た。この不思議な木は、落羽松(らくうしょう)という木だそうでメタセコイアに非常によく似ている。見分け方はわずか葉の互生か対生かで、わかるくらいだそうだ。