医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

6歳児の小児喘息の状態はその後も10年間不変

2006年04月29日 | 小児科
小児喘息は症状が悪くなったり良くなったりと様々ですが、このほど、どの時期のどういう事が予後を決める因子になるのかという研究成果が発表になりました。

Outcome of asthma and wheezing in the first 6 years of life
American Journal of Respiratory and Clinical Care Medicine. 2005;172:1253
(インパクトファクター★★★☆☆、研究対象人数★★★★☆)

対象は、喘息が全くない小児425人、6歳以下のときに喘息を発症し6歳以下で軽快した小児164人(早期一過型)、6歳以下のときに喘息を発症し6歳を超えても喘息であった小児113人、(持続型)6歳を超えてから喘息を発症した小児124人(晩期発症型)で、全例で6歳時、8歳時、11歳時、13歳時、16歳時の年間の喘息発作の回数と1秒間にはくことができる空気の量などで示される呼吸機能が調査されました。

解析の結果、喘息発作の回数と呼吸機能ともに、早期一過型では6歳児の状態からその後に悪化することはなく、持続型では6歳児の状態が16歳になっても悪いままで、晩期発症型は6歳児には呼吸機能はよかったわけですからその後喘息を発症しても状態は悪くない事がわかりました。

また、「持続型」と「晩期発症型」の6歳時のアトピー性皮膚炎の罹患率は高く、16歳時まで持続しやすいことと、喘息がない小児と比較して11歳時の血清IgEが高いことが判明しました。

つまり、6歳時に喘息であったかなかったかに関係なく、6歳時の状態がその後の10年間の喘息の状態を規定しているということです。


今は何位かな?


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コメント (5)
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