年末12月になると甲府では歳末助け合いのための托鉢姿の僧侶を見かけることが多くなります。
甲府仏教会主催の各宗派連合での托鉢、日蓮宗や浄土宗など各宗派ごとに行われる托鉢等いろいろあります。
元々の意味合いである修行ということはひとまずおいといて、枕草子風に見てみるとその姿がまずカッコ良い、見るのも楽しいしやるのも楽しいと私は思うのですがどうでしょう。
托鉢の衣姿も、禅宗系で多く使われる木綿素材も質実剛健でよいのですが、正絹の大きな袖が風にたなびく様は心惹かれるものがあります。
しかし見慣れない方にとっては異形のものとして映るらしく、このごろはマンションの入り口であわてて子供を隠す若いお母さんなども見受けられます。決して怪しいものではないのですがね。
それに対して昔から地元に住まわれている方は好意的に見てくださる方が多いようです。
私などもそうですが、まずチェックするのは托鉢僧が首から下げている頭陀袋に書かれている寺院名。
たとえお顔に見覚えがなくても見知った寺院名をみると親しみを感じます。
地元の方の中には見知った寺院名を見つけるとその僧侶に自分の菩提寺の住職も来ているのかなどと尋ねる方もあったりします。
そしてやるのも楽しいという面では日蓮宗では基本的に托鉢の修行はしないのでものすごく新鮮に感じるからなんですね。
ただこの時期は寒いので托鉢が終わって帰るころには体がすっかり冷え切ってしまうのが難点ですけれど。
私はここ数年体調が万全ではないので托鉢をお休みすることが多いので残念です。
それから、特に各宗派連合の托鉢の時に感じるのは宗派によって托鉢のスキルが違うということ。
日蓮宗では座る修行は多いのですが立つ修行は少ないので、立つのがあまりうまくありません。ですから、ひとところに立ち止って募金活動をする場面などではどうしてもどちらかの足に重心が傾いて立ち姿が美しくない傾向があります。それに比べて禅宗系の僧侶は軸が両足にあってまっすぐに立てるので立ち姿が美しい。
いろんな意味で見どころチェックしどころ満載です。
今度、托鉢姿の僧侶を見かけたらもう少し興味を持っていただけると嬉しいのですがどうでしょう。