「発達障害の疑いがあるので専門の医療機関を受診するように」と指導された子どもの保護者(Aさん)から、「専門の医療機関は予約が一杯と言われた。何とか早く診てもらえないだろうか」と相談されました。
LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、自閉症スペクトラム(自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群)など、発達障害とよばれる障害は、児童・生徒の6%程度存在すると言われ、近年急速に注目されています。
学校でも特別支援教育が開始され、保育園・幼稚園を始め、修学前の段階から早期に発見し、早期に支援をおこなうことの重要性が理解されるようになりました。
しかし、支援の中心になる専門家が余りに少ないことが、取り組みの障害になっています。
特に診断をおこなう専門医の不足は深刻です。
鶴岡の医療機関では、鶴岡協立病院の石川充先生が、早期からこの問題に取り組んでおられ、発達障害児の親の会である「アインシュタインの会」でも主宰者の一人として活躍されています。
しかし、このほかには、県立病院が月一回「思春期・子ども外来」をおこなっているのみです。
そのため、協立病院に受診が集中し、新規の診察は3ヶ月以上待つことになるようです(8月1日現在)。
県立病院でも、「8月は予約が一杯。9月になる」ということです。
そこで、Aさんの「内陸でも、仙台でも受診に行く」という強い意志を確認した上で、山大医学部付属病院に問い合わせをしたところ、「毎週水曜日午前中診療」ということで、いつでも受診可能のようでした。
Aさんは、早速付属病院にお子さんを連れて行き(当然、仕事を一日休んだ訳です)、二回目以降の診療は、県立病院の医師への紹介状を書いてもらいました。
実は県立病院では、週一回の「思春期・子ども外来」以外にも、専門の先生が診療をおこなっているということでした。
山大以外では、山形市の篠田病院でも子どもの発達障害の診療をおこなっていると聞きましたが、何とか鶴岡で週一回誰でも受診できる体制が欲しいものです。
医師不足はあらゆる診療科に渡って深刻ですが、子どものためにも、早急な改善が求められています。