関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

市長に総括質問

2014年03月05日 | 市政全般

2月26日におこなった、総括質問と市長答弁の要旨を報告します。
鶴岡市議会のHPで動画もご覧になれます。約40分。

平和都市推進事業
 平和都市宣言を上げ、平和市長会議へも参加したが、事業予算は大きく縮小されたまま(約百万円が121000円に)。
 本市の鶴岡田川九条の会という市民団体が「平和への証言第二集」を発刊した。行政としても戦争の悲惨さと平和の大切さを次の世代にしっかり伝えていく事業をおこなっていくべき。
市長 過去の戦争体験を伝え、平和の大切さを市民に訴え、意識の高揚を図るため、8月の上旬から中旬にかけ、「戦争と平和の資料展」を開催してきた。
 今年は、学童疎開70周年に当たり、江戸川区の小学生と地元の小学生とが戦時中の話を聞くなどして、考える場を検討している。

日本国憲法についての認識

 安倍首相が、集団的自衛権行使容認を覆そうとしていることが市民に不安を与えている。
 日本国憲法の意義について、特に憲法九条と立憲主義についてどう考えるか。
市長 憲法及び個々の条文に対する私の考えを述べることは適当でない。
 国民主権、基本的人権の尊重と並び、我が国の憲法の基本をなす平和主義は、唯一の被爆国であり、恒久平和を願う我が国にとって、極めて重要なものであると認識している。

アベノミクスからの転換

 デフレ不況脱却、本市経済振興を図っていくためには、アベノミクス=大企業本位の構造改革の政治を転換することが求められているのではないか。
市長 輸出の増加や、株価の上昇など一定の効果があったと評価されており、「景気はゆるやかに回復しており、各種政策の効果が下支えするなかで、家計所得や投資が増加し、景気の回復基調が続くことが期待される」とされている。
 本市の経済情勢については、一定の回復がみられると推察しているが、景気回復には今少し時間を要するものと考えている。

地域内経済循環の重視

 地元の資源、人、企業や組織を重視する、経済振興が重要と考えるがどうか。
市長 公共事業や企業誘致は地域に大きな雇用を生み出す重要な施策であり、今後も粘り強く進めていく。
 地域内の循環のみならず地域外から資金を獲得することや、地域外への資金の漏出を防ぐことも必要で、圏域内の事業者の取引や、地域内の企業同士の連携が必要。

公契約条例制定を

 公共工事、業務委託などで、下請けの下層に至るまで、会社にもまともな利益を保障し、末端の労働者まで賃金・労働条件確保することを義務づける公契約条例の制定の考えはないか。
市長 公共工事の労働者の賃金や労働条件等について、下請けも含め適正に確保されることは大変重要であり、市建設工事元請下請関係適正化指導要領を制定、下請契約締結の義務化、賃金台帳の整備と報告、社会保険の加入などを規定して、必要な提出書類を確認するなどして指導に努めている。
 また、市建設工事における市内業者の受注確保取扱要領によって、下請が三次以降にわたることのないよう、元請業者の指導に努めている。
 国では昨年4月に続き、今月1日に建設工事並びに委託業務に係る労務単価等の引き上げを行うと同時に「技能労働者への適切な賃金水準の確保」について、建設業界と地方自治体に対応を求めるなど対策を強化している。
 これに対応して本市では、新労務単価を直ちに適用、既に契約済のものはインフレスライド条項を運用、2月5日以降に契約するものは、新労務単価に変更契約できる特例措置を運用する。
 公契約条例の制定は、引き続き導入した地方自治体における効果と課題などを把握しながら、検討していきたい。

住宅リフォーム助成制度

 本市で3年間に1257件、補助額約1億5500万円、対象工事費約34億円の経済効果があがった。住宅産業は裾野の広い産業であり、施工業者、資材業者などなど多くの企業と労働者を潤し、地域経済活性化に非常に効果をもたらした。消費税増税等による住宅新築の落ち込みが予測される中で、一層の拡充を図ることが重要だ。
市長 地域経済活性化、鶴岡産木材の利用促進、既存住宅ストックの質的な向上に、大きな効果があった。
 補助率は県と同率を基本としているが、鶴岡産木材を一定量以上使用する工事や、空き家発生の抑止に繋がる中古住宅購入工事など、市独自の上乗せを行い、制度の拡充を図ってきた。
 平成26年度は、県の上乗せに合わせて、鶴岡産木材を一定量以上使用する場合の上限額の嵩上げと、本市独自に婚姻や出産に伴う工事に制度の拡充を図る。

市民負担増と軽減施策

 4月に計画されている消費税増税は8兆円を超える史上最大の国民負担増であり、日本共産党は実施を中止することを強く求めているが、「消費税の目的」も投げ捨て、医療・年金・介護・福祉等々社会保障制度改悪が進められている。
 予算案では、48件の使用料・手数料等の値上げが提案されている一方、負担軽減策は、子ども医療費無料化、国の臨時福祉給付金など限られたものに止まっている。
 大負担増の下での市民生活の困難をどのように捉えているか。特別に負担軽減施策を進めていくべきではないか。使用料・手数料引き上げは、負担増に追い打ちをかけるものではないか。
市長 消費税増税は、医療や介護、年金や子育て支援などの社会保障の充実・安定化のために、財源を安定的に確保する目的で実施するもの。
 消費税率引き上げと経済対策が合わせて実施されることにより、経済の再生と財政健全化が図られ、本市を含めた国民生活の安定が図られていく。
 また、使用料は公の施設の使用、利用の対価であり、手数料は、特定の者のために提供する公共サービスに係る費用を受益者から徴収するもの。消費税率の引き上げや光熱水費の値上げ分などによる維持管理や経費増分に対し、受益者負担の原則に基づき相応の負担をいただく。

就学援助制度

 生活保護改悪で、就学援助制度の対象から外れる世帯が生まれないように市としての対処をおこなうとともに、制度全体の拡充を考えていくべき。
市長 準要保護認定と同じく生活保護基準を算定基礎としている「特別支援教育就学奨励費」が、来年度は別基準となるので、準要保護もその基準を用いることとしたい。
 それによって、現在準要保護に認定されている家庭は、おおむね、認定が継続される。
 対象拡大や支給項目・金額増額などの拡充は考えていないが、真に必要な項目はどのようなものなのか実態調査等行いながら検討
して参りたい。

国保税引き下げ

 今年度末の財源留保額見込みが5億7千万円。今こそこれを活用し、「2億円の取り崩しで一世帯1万円の引き上げ」をおこなうべき。
市長 基金は突発的な医療費の増大に備えるとともに、国保会計の健全性を維持する目的もあり、慎重に判断するべき。予定されている大きな制度改正の詳細が明確になった時点で有効活用を図りたい。
 また、来年度は、地方税法等の改正で低所得者に対する税額軽減措置の対象世帯拡大が予定されており、その効果を検証する。基金を活用した本市独自の軽減措置は予定しない。

福祉灯油の実施

 党市議団は市に実施を要請したが、県が実施を決め、国も特別地方交付税での対処を表明している。福祉灯油の必要性を認識し、実施を検討すべき。
市長 以前福祉灯油を実施した平成19年度、20年度のような価格急騰には至っていないこと、福祉、介護、子育て等に関する扶助費が今後ますます増加することが見込まれることから、実施しない。

子ども医療費無料化を評価

 中3まで完全無料化する事業は、子どもの命と健康を守るとともに、子育ての経済的負担を軽減する極めて重要な施策であり、この事業の実施・改善を一貫して求めてきた党市議団として、市長の決断を高く評価する。

市民要求に応える財政を

 2014年度政府財政計画は「消費税増税と社会保障改悪の、負担増元年予算」であるが、他方、消費税増税で落ち込む景気への弥縫策(とりつくろう策)も組まれている。
 補正予算では、「合併特例期間終了後への備え」として、基金の積み増し、市債の繰上償還などに多くを回してるが、市民要求に応えるために、国の交付金等をより積極的に活用していくべき。
市長 合併新市建設に必要な事業を実施しつつ、行財政改革にも取り組み、合併特例期間終了後の最大の課題である地方交付税の縮減にも対応できるように財政運営を行ってきた。
 基金の積み立てや市債の繰上償還は、将来を見据え、負担の軽減や財政調整を行いやすくするために実施している。
 一方で、鶴岡ルネサンス宣言のもと、積極的なまちづくり施策に取り組むとともに、人口減少・少子化対策であり、市民生活の安定に資する子育て支援医療給付をはじめ、市政の重要課題に対する予算措置はこれまでと同様に実施していく。

国への働きかけ強化を

 合併の矛盾、財政の困難性(※)を率直に明らかにし、全国の合併自治体と連携して、地方交付税算定見直し等の一層の拡大を国に強く訴えていくべき。
(※H27年度で地方交付税の合併特例措置が終わり、段階的に縮小、H33年度には年約40億円の縮減となる)
市長 全国的に合併特例期間の終了を迎える地方公共団体が急増するため、総務省では激変緩和を目的に普通交付税の算定方法の見直しを行うとしており、「平成26年度から5年程度かけて、支所の運営経費や消防サービス経費の基準を改める」「交付税算定の基礎となる標準団体の面積の見直し」などの作業を進める予定と聞いている。
 これまでも、庄内開発協議会での要望をはじめ、さまざまな形で国に見直しを要望してきたが、昨年10月に設立された「合併算定替終了に伴う財政対策連絡協議会」という全国組織に加盟し、関係自治体と連携して提言要望を実施した。県と酒田市、庄内町に働きかけて、調査研究を行うための会も昨年11月より開催、提言要望を行っていく。

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