今議会に日本共産党市議団は、「私立高校授業料軽減措置の拡充を求める意見書」を提案しました。以下のようなものです。
「 貧困と不況の波が押し寄せる中で、高校生を持つ家庭の経済的困難は増大し、アルバイトの拡大や、中退を余儀なくされる生徒も過去最高水準に達しています。
こうした中で政府が2010年度予算において公立高校授業料無償化と私立高校生への授業料支援をおこなったことは、国民要求に応えて基本的人権の保障を拡充する重要な一歩として大いに評価するものです。
同時に、今回の措置では、初年度納付金が公立の5倍以上とされる私立高校生への支援が不十分なものであり、授業料以外の負担も含めて大きな公私の格差が一層拡大することになりました。
山形県でも高校生の3割が学ぶ私立高校は、高校教育の不可欠の担い手ですが、私立高校での授業料負担の軽減は保護者の要求として益々切実なものとなっています。
つきましては、私立高校生への授業料軽減措置の拡充を強く要望します。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 」
他会派と協議の上、鶴岡市議会として政府・関係機関に対して提出しようというものですが、9月22日の協議で反対に遭ってしまいました。
出席者は、新政クラブ本間新べえ議員、政友公明富樫正毅議員、市民クラブ渡辺洋井議員と私です。主張は次のようなものでした。
新政 東高、羽黒の学費は国の補助額約12~24万円を下回っており、十分な軽減措置がおこなわれている。
そもそも私立高校は公立との併願から私立専願が増えている。皆、望んでいっているので、「授業料軽減してくれ」という声は自分の周りでは聞かない。
政友 今年始まった制度であり、検証もしていないのに、今意見書を出すとは何を考えているのか!要望を挙げれば限りないが予算は限られている。
市民 経済的に困難な人への支援は、無償化すべきと思うが、新政の説明を聞くと、授業料に関して言えば、十分ではないがすごく前進しており、県は努力しているとわかった。
(「意見書に反対か」と質すと)意見書そのものには賛成する。
実は、昨年6月には、「公立高校の授業料減免を広げる国の財政措置」「私立高校の授業料を減免する制度をつくる」などのことを、「高校教育を保障するための国の経済的支援措置を求める意見書」として提案しています。
その時は、三つの会派(「政友公明」は当時は「黎明公明」、「市民クラブ」は「連合」)とも、「高校は義務教育でないから支援は必要無い」などとして、反対しました。
今回、国が打ち出した公立高校授業料無償化・私立授業料補助に、1年前に反対したことにはそ知らぬ顔ですが、それを拡充しようという意志はありません。
今回の主張もオソマツです。
不十分な私立への助成は「検証」などするまでもなく、いかに拡充するかが最初から今後の課題です。
「私立の授業料を補助がカバーしている」という主張は、私立高校が授業料を低く見せるために授業料額自体は抑え、授業料以外の名目で徴収する額が大きくなっているという背景を知らないということです。
来年度以降、授業料部分の比重が上げられていくということは誰の目にも明白です。
「私立の保護者が負担軽減を求めていない」とは、保護者が聞いたら何と思うでしょう!
あれやこれやと理由を並べて反対する、後ろ向きの姿勢は一貫しています。
共産党は議会の中では少数ですが、多くの保護者の声を代弁しているし、市民の声に背を向ける勢力は、今は多数でも未来は無いと、今回も改めて思いました。