セレンディピティ ダイアリー

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登大路ホテルの野菜たっぷり朝食

2018年10月26日 | +奈良

2日目と3日目は、近鉄奈良駅に近い登大路ホテルに宿泊しました。

こじんまりとしたホテルゆえに、万事にわたって細やかな心遣いが行き届いていて恐縮するほど。でも心地よく、思い出深い滞在となりました。お部屋はシンプルにてシック、広さも十分あり、窓から見える奈良公園の緑が美しかったです。

朝は野菜たっぷりのおいしい朝食をいただきました。

フレッシュジュースを飲んでいると、まもなく生野菜と根菜をふんだんに使った目覚ましサラダが運ばれてきました。写真は3人分です。

1人分ずつお皿に取り分け、3種のドレッシングから好きなものをかけていただきました。彩りも美しく生き返るようです。文字通り目が覚めました。

ヨーグルトと、ハーブティで煮たプルーン。

パンの盛合せ。このほかにトーストがありました。

メインのお料理は、和洋の3種類から選びます。私は”8種野菜と奈良の卵のブレゼ”にしました。細かく刻んだ野菜をスチームして上にポーチドエッグをのせたお料理です。黄身をくずして野菜にからませながらいただきました。

奈良名物の”大和の茶粥”。こちらではほうじ茶仕立てとなっていました。焼魚、お味噌汁、香の物がつきます。

卵料理を好きなスタイルで。これは中がとろとろのふわふわオムレツです。肉類はハム・ソーセージ・ベーコンをお好みで。

私は2日目は軽くしたかったので、「君の名前で僕を呼んで」に出てきた半熟卵にしてもらいました。ゆで時間は4分。アーミー・ハマーがやっていたように、スプーンの背でコツコツたたいて殻を割り、スプーンですくっていただきました。

最後はコーヒーとフルーツ。奥の小さいキューブは一口サイズのタルトタタンです。2日目はこれが一口サイズのアップルパイになっていました。朝からたっぷりいただいて、エネルギーをチャージしました。

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奈良町 雷門 & 四季彩菜 一条

2018年10月25日 | +奈良

奈良旅行記の続きです。

金曜日の夜に、仕事を終えた息子と合流することになっていたので、ホテルでくつろぎながら連絡を待ちました。7時過ぎには来れそうとのこと。奈良は夜が早く、7時頃に閉まるお店も少なくありませんが、近鉄奈良駅周辺は比較的遅くまで開いているので、この辺りの居酒屋さんで軽く飲みながら夕食を楽しむことにしました。

焼鳥とお鍋 奈良町 雷門さん。下調べもなく勘で入りましたが、鶏肉料理がおいしく、くつろげました。

秋にしか飲めない”ひやおろし”があったので、いただいてみることに。冬の生酒に火入れをして、夏の間寝かせたお酒で、この時期ならではのまろやかな味わいが楽しめるそうです。今回いただいたのは、喜楽長(きらくちょう)という滋賀のひやおろしです。

大根と水菜のさっぱりサラダ 特製南高梅ドレッシング。

焼鳥、串焼きなど、いろいろといただきました。

お店の看板料理、吟醸鶏ガラ鍋。おだしがしみじみとおいしい。

お鍋に入れる鶏肉いろいろ。〆までおいしくいただきました。

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この手軽さが気に入って、翌日もこのエリアの別の居酒屋さんに入りました。四季彩菜(しきさいさい) 一条さんという、魚介のおいしいお店です。

奈良のお酒を飲んでみたかったので、お店の人にお勧めをうかがって、五神というお酒をいただきました。フルーティで飲みやすかったです。

お刺身の盛り合わせ。お魚料理のお店ですが、お刺身以降は結局息子の志向でお肉になってしまいました。^^;

軟骨の唐揚げ。息子の注文ですが、こういうのが好きなんだ~とちょっとびっくりしました。

関西の出汁巻き卵は、繊細なおいしさ。

手羽先。奈良の夜を満喫しました。

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正倉院と、東大寺

2018年10月20日 | +奈良

奈良旅行記の続きです。

この日はこの後、正倉院へ。正倉院は東大寺大仏殿の裏にあり、もとは東大寺の正倉(倉庫)でしたが、現在はその重要性から宮内庁の管轄になっています。見学するのに予約はいりませんが、公開時間は月~金曜日の10~15時に限られています。のんびりしているうちに気がつくと午後2時半過ぎ! 慌てて走って、閉門5分前に滑り込みました。=3

正倉院は、校倉造の高床式倉庫。日本製品から唐やペルシャからの輸入品など、天平時代の貴重な美術工芸品が多数収蔵されました。優美な琵琶や螺鈿細工の鏡など、教科書で見たことを思い出します。現在これらの宝物は、新しく建てられたコンクリート造りの宝庫で保管されています。

宝物は通常非公開ですが、毎年秋に「正倉院展」として奈良国立博物館で一部が公開されています。今年の正倉院展は11月12日まで、ちょうど今開催中です。詳細はコチラ

5分で正倉院の外観を見学した後は、歩いてすぐの東大寺大仏殿に向かいました。

翌々日に、東大寺世界遺産登録20周年を記念して中村勘九郎さん、中村七之助による東大寺歌舞伎が予定されていたので、舞台の設営の真っ最中でした。重厚な大仏殿を前にして演じられる歌舞伎、すばらしかったでしょうね。

奈良の大仏さん。いろんな角度から何度もシャッターを切った中の渾身の一枚です。^^ 聖武天皇によって奈良時代(745年)に制作開始、752年に完成しました。その後、大仏殿が2度にわたって焼失し、大仏も焼損したため大部分が補作されています。

大仏さんの左後方にあった広目天像。なんとなく気に入ったのでパチリ。唐の武将風の衣装がかっこいい。江戸時代の作です。

大仏殿は大仏鋳造後の758年に完成し、その後、鎌倉時代、江戸時代と2回焼失しました。今の建物は3代目です。写真は鎌倉時代に建てられた大仏殿の模型です。今の大仏殿と比べるとわかりますが、再建する場合、まったく同じにするわけではないのですね。形も違いますし、大きさも今の1.5倍もあったようです。

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東大寺の境内はとにかく広い。大仏殿からさらにゆるやかな丘を上って、二月堂まで歩いてみました。

旧暦2月に”お水取り”があることから、この名がついたそうです。現在の建物は1667年に焼失した後に、再建されたもので、国宝となっています。急な階段を上ると、舞台のような張り出しがあって、ここからの眺めがすばらしかったです。

左寄り奥のちらりと見える三角屋根が、大仏殿です。その向こうに奈良盆地の街並みが広がっています。

二月堂の隣りに建つ法華堂(三月堂)。東大寺の建物では最も古く、奈良時代の建築が残っています。

鐘楼。中の梵鐘は、大仏と同じく752年に作られたもので、”奈良次郎”という名前がついているそうです。^^

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シェフェスタ 奈良フードフェスティバル2018 @奈良公園

2018年10月13日 | +奈良

ゆっくりペースで恐縮ですが、奈良旅行記の続きです。

滞在中、奈良公園で C'festa(シェフェスタ) 奈良フードフェスティバル2018 というイベントが開催されていたので、のぞいてみました。

奈良の食材とシェフの交流を目的として開催されるグルメイベントで、今年10回目となるそうです。人気シェフたちが日替わりで提供するお料理や、地域の人気店のお料理、地元のパンや食材、野菜が並ぶマルシェなどがあり、テーブルが用意されていてその場で楽しめます。私たちもここでお昼をいただくことにしました。

スパークリングワインとともに、ピッツァ・マルガリータをいただきました。テントにピッツァの窯が据え付けてあり、本格的なピッツァがいただけます。焼きたてもちもち香ばしくて、とてもおいしかったです。

この日の夜に合流した息子も行きたいというので、翌日もまたイベントに足を運びました。やはり平日より週末の方がお客さんが多く、盛り上がっていました。

私はモヒートと、牛肉のタコスをいただきました。赤味噌を使ったソースで、ナッツが散らしてあるのが新鮮。おいしかったです♪

手打ちパスタのボロネーゼ。

ラーメン焼きそば??

人気のお店のテントが並んでいます。地元の人から観光客まで大賑わいでした。

こちらはフードトラックのコーナー。メキシカンやエスニックフードなどがありました。

マルシェでは地元のグロッサリーショップや、ベーカリー、スイーツのお店などが出店していました。野菜のコーナーもありました。

鹿も遊びに来ていました。^^

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元興寺と、柿のタルト

2018年10月05日 | +奈良

館内ツアーのあと、ならまちにある元興寺まで散策に行きました。

こちらは、奈良ホテルに隣接する名勝 旧大乗院庭園です。1087年に創建した大乗院(興福寺の門跡寺院)の庭園で、荒れ果てていたのを復原し、昨年一般公開されたそうです。通りがかりに外から見学しました。一時は奈良ホテルのパターゴルフ場だったこともあるそうですが^^; 緩やかな起伏のある地形を見ると、なるほど...とうなずけました。

そしてこちらは元興寺。写真は本堂(国宝)です。がんごうじ??読み方さえ知らなかったお寺ですが、奈良公園にある東大寺・興福寺・春日大社と同じく、こちらも世界遺産に登録されています。593年、蘇我馬子によって飛鳥に創建され、平城京遷都に伴い、この地に移転してきたという由緒ある寺院です。

奈良時代には、今のならまちに広がる大寺院でしたが、その後衰退し、今は本堂、禅室(国宝)、東門(重要文化財)だけが残っています。この日はちょうど「大元興寺展」が開催されていて、貴重な所蔵品も見ることができました。

2500もの石塔、石仏類を田んぼのように並べた浮図田(ふとでん)。今の季節は、萩や彼岸花、リンドウが趣を添えていて、ひなびた佇まいに心安らぎました。

右手手前が本堂。その奥の禅室は、僧が生活していた場所だそうです。禅室はふだんは公開されていませんが、10月13日~11月11日に屋根裏に上って建築構造を見学する「屋根裏探検」(要予約)が開催されるそうです。おもしろそうですね。^^

浮図田の奥が少し小高いビュースポットとなっていて、本堂と禅室の屋根がよく見えました。赤い瓦と黒い瓦が入り交っているのが見えるでしょうか。これは日本最古の飛鳥時代の瓦だそうです。

境内には、萩の寺とよびたくなるほど、紅白の萩が咲き乱れ、雨粒にぬれてきれいでした。

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このあとホテルにもどって、ティーラウンジでお茶にしました。

私は季節限定の奈良県産あんぽ柿のタルトと、奈良県産ほうじ茶ラテのセットをいただきました。濃厚な焼菓子好きの私にはとても魅力的なお味でした。

アップルパイとコーヒーのセット。りんごがぎっしり入っていて、こちらも魅力的。

窓から見る緑と荒池の風景がとても美しかったです。

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奈良ホテル 茶がゆの朝食と、館内ツアー

2018年10月03日 | +奈良

奈良ホテルの続きです。翌朝、朝食に向かう途中、窓からお庭に鹿のファミリーがやってくるのが見えて、思わず顔がほころびました。

朝食の場所は、夕食と同じ”三笠”でした。洋食・和食・茶がゆの3種類があり、私はせっかくなのでここでしか食べられない茶がゆをいただくことにしました。茶がゆは奈良に伝わる伝統的な家庭料理で、各家庭でそれぞれ作り方があるようですが、こちらでは緑茶で炊き上げているということです。

ほどよく柔らかく、おなかに優しく収まる茶がゆは、しみじみとおいしかったです。焼魚、玉子焼き、胡麻豆腐、炊合せ、おひたし、お味噌汁、そして香の物には奈良名物の奈良漬けがついていました。

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食事のあとは、朝9時からの館内ツアーに参加しました。

ツアーは、ロビー”桜の間”からスタートです。ホテルの辻さんという方が案内してくださいましたが、実際に体験されたエピソードを交えたお話は、リアリティと臨場感があってとてもおもしろかったです。鮮やかな話術の中にもホテルに対する誇りと愛情が伝わってきて、心に響きました。

写真右の大時計は、1990年に今上天皇の即位をお祝いして記念に設置したものだそうです。15分ごとに美しい音を奏でますが、両陛下も左に見える2つの椅子に座られて、お聞きになられたそうです。

桜の間にはこのほか、アインシュタイン博士が1922年に演奏したピアノがありました。戦後GHQに接収される前に運び出したまま行方不明になっていましたが、1992年に発見。その後2008年に博士がピアノを弾く写真の原版が見つかって同一のものと確認が取れ、この場所に戻ることができたという、数奇な運命をたどったピアノです。

このほか館内では、昭和初期に所有していたオールドノリタケの貴賓用食器、大倉陶園の特別食器、カガミクリスタルの特別グラスを見ることができました。(写真は大倉陶園の食器)

2013年に館内の倉庫で見つかったという銀食器。鉄道院・鉄道省がホテルを直営していた時代の貴重なカトラリーです。

同じく2013年に倉庫から見つかった謎の食器類。調べていくうちに、ナガサキホテル(1898-1908)で使われた食器と判明したそうです。ナガサキホテルはジョサイア・コンドルによる建築で、当時東洋一と謳われました。おそらくコンドル氏と辰野金吾氏の師弟関係、両ホテルの頭文字(NH)が同じことから、ナガサキホテルの廃業時に継承したと考えられているそうです。

本館入口正面にある赤絨毯の大階段です。絶好の撮影スポットで雑誌の撮影にもよく使われるそうです。撮影のコツも教えていただきました。^^ 館内には歴史を感じる調度品や、上村松園の「花嫁」をはじめ日本画の巨匠による美術品も多く、まさに”宿泊する博物館”とよぶのにふさわしい場所でした。

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奈良ホテルのメインダイニング 三笠

2018年10月01日 | +奈良

奈良旅行記の続きです。最初の日は奈良ホテルに宿泊しました。

半日歩いてホテルにもどると、暮れなずむ青色の空気の中、ぽっと灯りがともっていました。奈良ホテルは1909(明治42)年に開業した老舗ホテル。近畿において国賓・皇族が宿泊する”西の迎賓館”の役割を担ってきました。過去にはヘレン・ケラーやオードリー・ヘプバーンなど多くの著名人が宿泊しています。

設計は辰野金吾氏。ジョサイア・コンドルに師事し、東京駅や日本銀行本店など数々の西洋建築を手掛けてきた辰野氏ですが、奈良ホテルについては、地元の人たちに愛されるホテルでありたいと、周りの景観に配慮した寺院風の造りにしたそうです。内装は洋室が中心で、桃山風とドイツ風を取り入れた和洋折衷のスタイルとなっています。

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夕食は、部屋でくつろいでから街に出るのがめんどうだったので、ホテルのメインダイニングルーム「三笠」を予約しておき、フランス料理のコースをいただきました。

スパークリングワインで軽くのどを潤してから、まずはサーモンのオードブルをいただきました。豆苗がいいアクセントになっています。

本日のスープは2種類から。こちらはコンソメスープ。おなかに優しくしみわたる滋味深いお味でした。

私はコーンポタージュをいただきました。まろやかでほのかに甘く、ほっとするお味でした。

メインディッシュは3種類から選びます。こちらは、鴨フォワグラを包んだオマール海老のポワレ 甲殻類入りムースを巻いた太刀魚 ブールブランソースとアメリケーヌソース。それぞれ2つの素材を組み合わせた複雑な味わい、濃厚で赤ワインにもよく合いました。

私はお肉をいただきました。仔牛フィレ肉のソテー タルトに詰めた鴨フォワグラとリ・ド・ポー添え 鴨フォアグラムース入りマデールソース。リ・ド・ボーは胸腺とおっしゃっていましたが、仔牛の時にある内臓のひとつだそうです。いろいろなお味が楽しめて、全体のバランスがよかったです。

デザートのケーキは、チョコ・マロン・バニラを重ねたもの。チョコレートのまったりとした風味が楽しめました。きれいにカットされたフルーツもおいしかったです。コーヒーをいただいたら、すっかりリラックスしました。最近のヘルシーなフレンチも好きですが、久しぶりに濃厚な王道のフランス料理を堪能しました。

若干遅めのスタートだったので、私たちが食事が終わる頃にはほとんど皆さんお部屋にもどられたようです。窓からはほのかにライトアップした五重塔が見え、奈良にいることを実感しました。

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奈良女子大学記念館と、ならまち散策

2018年09月28日 | +奈良

9月2日の日経日曜版に奈良女子大学記念館のことが紹介されていて、洋館好きの私は気になっていました。大学HPを見ると、旅行初日がちょうど公開日にあたっていたので、午後2時半からのガイドツアーを予約しました。

正門から続くアプローチの向うに、淡いグリーンが印象的な美しい洋館が見えます。奈良女子高等師範学校(現奈良女子大学)が明治41(1908)年に創立した時から本館として使用していた建物で、現在は重要文化財に指定され、記念館として保存されています。建築は木の柱を装飾的に見せるハーフティンバー様式が取り入れられています。

1階は展示室となっていて、初期の頃の貴重な資料を見ることができました。写真は化学実験の様子。女学校としてはめずらしく理系の学部がありました。生徒たちは白衣ではなく割烹着を着ています。着物は質素に、髪型は”女高師まげ”と決められていました。男性教官はフロックコートや裁判官の法衣のような服を着ていたそうです。

別の展示室には、生物学の授業で使った貴重な動物標本がありました。学校は全寮制で、生徒たちは団体生活を通して切磋琢磨して助け合い、自学自修の精神から清掃や炊事も自分たちでこなしたそうです。

2階は講堂となっていて、今も大学院の入学・卒業式やコンサートなどに使われているそうです。長椅子も師範学校時代から使っているものです。檀上中央にあるのは奉安所。戦前の学校では、国家祝祭日に御真影を掲げ、校長が教育勅語を奉読しました。御真影と教育勅語は、ふだんは(後述する)奉安殿に保管されていたそうです。

天井中央にある花形装飾はスリットとなっていて、熱気を屋根に逃がす工夫がされています。シャンデリアも壁際の灯りも今では手に入らない貴重な材料と技術で作られているそうです。

前方にはピアノが2台。ひとつはスタインウェイで、もうひとつは”百年ピアノ”。創立当初に購入された山葉(ヤマハ)のピアノです。脚や楽譜台に華やかな装飾が施されていました。鍵盤のキーの数は今の88鍵より若干少ないです。講堂を改修する時に倉庫に保管されたまま忘れ去られていたのを近年になって発見。修復されてこの場所にもどりました。

こちらは正門の横にある守衛室です。正門と守衛室も創立時に建てられた明治の建築で、重要文化財となっています。今も現役で使われているのがすてきですね。

守衛室の近くにある奉安殿。戦前、御真影と教育勅語を納めていた建物です。戦後ほとんどの学校で奉安殿が解体される中、研究用のショウジョウバエの飼育に使うとGHQと交渉して奇跡的に残った貴重な歴史遺産です。

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大学近くのすてきな珈琲店 Cafe CROCO さんでゆっくり休憩した後、江戸時代の町家が並ぶ景観地区”ならまち”を散策しました。

こんな感じの趣のある建物が点在し、最近は町家の建物をそのまま生かしたカフェやレストラン、雑貨屋さんなどが増えています。味わいがあってすてきだなーと近づくと、登録有形文化財となっているお家もそこここにありました。

こちらは豆腐料理のこんどうさん。築180年の建物は登録有形文化財となっています。ならまちのお家の軒先には、どこもお人形の飾りがぶら下がっています。これは「身代わり申」(みがわりさる)といって、江戸時代に広まった庚申信仰に基づく魔除けのお守りだそうです。

レストランやクラフトショップが集まった一画。入り組んだ小路の風景が絵になります。

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天理スタミナラーメンと、興福寺

2018年09月26日 | +奈良

連休にお休みをつけて、奈良を旅行してきました。4日間のうち2日半は雨が降ったり止んだりのあいにくのお天気でしたが、空の様子をみながらのんびりすごしてきました。前回は京都からJRで奈良に向かいましたが、今回は近鉄を利用しました。着いたのが11時半だったので、まずはお昼と向かったのが...

近鉄奈良駅前にある天理スタミナラーメンです。奈良に住む息子から「ご当地ラーメンだから絶対食べて」と念を押されていたので...^^; 一言でいうと、キムチ鍋の〆のラーメンといった感じ。ほどよくピリ辛のスープに野菜たっぷり、麺が硬めでおいしかったです。ホテルに荷物を預けてから、奈良公園にある興福寺に向かいました。

創建710年、藤原一族ゆかりの寺院で世界遺産に登録されています。五重塔は奈良公園の中でひときわ高く、このエリアのランドマークとなっていました。この時は中金堂が再建中でしたが、来月落慶し、10月20日には一般公開されるそうです。

東金堂は、室町時代の再建。中には国宝の仏像が10体以上あり、よくわからないままに圧倒されました。建物は、唐招提寺と同じ天平様式で建てられています。隣りには、興福寺が所蔵する数々の国宝・文化財を安全に保管・展示するために建てられた国宝館がありました。

興福寺といえば、日本最古の阿修羅像がよく知られていますね。気高い美しさに私は夏目雅子さんを思い出しましたが^^ もとはインドの戦神だとか。修羅場といったことばも阿修羅から来ているそうです。

私は金剛力士像の筋肉の美しさに魅せられました。頭の中でミケランジェロのダビデ像とつい比較してしまいましたが、金剛力士の方が戦闘能力が高そう? 薄衣をまとっているところも奥ゆかしさがあって好きです。隣りにあった天燈鬼・龍燈鬼像も、いたずらっ子みたいで愛らしかったです。

八角形の南円堂。江戸時代中期の再建で重要文化財です。

南円堂の奥にひっそりと建つ三重塔は国宝で、鎌倉時代前期に再建されたもの。ここには人があまり入ってこないのか、鹿たちがたくさんいて、まるで秘密の鹿園?といった感じでした。静かな空間、気に入りました。

三重塔から北円堂に向かう途中で、鹿のファミリーが夢中になって草を食べていました。かわいいお尻が大集合。

興福寺最古、鎌倉時代前期に再建された北円堂です。人が入れないよう、柵で囲われていました。柵の間からパチリ。

猿沢の池から、五重塔をパチリ。右の階段が赤いのは、奈良国際映画祭開催に合わせて、レッドカーペットを模しているようです。

三条通にて。こんな体勢でくつろげるのかな~?というネコちゃん。(=^・^=)

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春日大社神苑 萬葉植物園の藤

2018年05月13日 | +奈良

先月、奈良・京都を一人旅してきました。といっても奈良での目的は息子に会うこと。ふだんLINEでやりとりしているので、あまり久しぶりという感じはなかったですが、元気な顔を見てほっとしました。待合せはJR奈良駅前のスターバックスです。

昔の奈良駅を移築した建物で、和洋折衷の帝冠様式に古都奈良の威厳が感じられました。中はスタバが併設された観光案内所となっています。(写真は翌朝撮影) 奈良公園や東大寺、春日大社などの中心地は、ここからおみやげ街を通って歩いて15分ほど。途中でお昼を食べてから奈良公園に向かいました。

奈良公園の緑の杜に入るや、いたるところに鹿、鹿、鹿...。人懐こくて怖がらず、あちらこちらでこんな光景が繰り広げられています。^^

ねえねえ、ボクたちにもちょうだい。

ちょうどツノが生え変わる時期なのか、立派なツノをもつ鹿はいなかったです。今にもツノが生えそうに頭が盛り上がっている鹿や、20cmくらいの短いツノが生えた鹿は時々見かけました。おとなしい動物ですが、気がつくとすぐ後ろにいたりしてびっくりします。^^

奈良も京都に劣らず、観光客がものすごく多かったです。京都駅でJR奈良線の特急みやこ路に乗り換えましたが、車内は通勤ラッシュ並みの混雑でした。ただ、奈良の町は建物も道路も空間も広々として余裕があるので、ゆったりした気分で散策できました。

奈良に来たのはたぶん修学旅行以来??でしたが、特に観光らしいことはせず、おしゃべりしながらただひたすら歩いていました。唯一、春日大社神苑 萬葉植物園で藤が見頃だというので入ってみました。

万葉植物園というのは「万葉集」の歌に詠まれている植物を栽培している植物園で、全国津々浦々にありますが、こちらの万葉植物園が日本でもっとも古いそうです。(1932年開園) 3ヘクタールの園内に万葉集に詠まれた約300種の植物が栽培されています。

また、春日大社の社紋が藤であることから”藤の園”が作られていて、20品種200本の藤の木が植栽されています。どの藤も藤棚ではなく、目の高さで鑑賞できるように作られていて、飾らなく素朴な印象でした。万葉歌人になったつもりで?藤から藤へと移り歩きました。

まずは藤の種類の多さに驚きました。青紫色から赤紫色、白色、濃い色から淡い色まで。そして長さ30㎝もの長い房から、ぶどうのような丸っこい房まで。花びらも大きいのから小さいのまで、ふっくらしたものとさまざまです。

そして藤の香りがこんなに強いなんて、と発見でした。(名前は失念しましたが)香りの強い白い藤があって、近くに寄っただけでめまいがするほど。でも決して嫌いな香りではありません。そういえば藤の香水ってあるのかな~?と思いましたが、お香はきっとあるでしょうね。すれ違いざまにこの香りがしたらドキッとしそうです。

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