映画「ダンケルク」で、ようやく救助船に乗り込むことができたトミー(フィン・ホワイトヘッド)たちを迎えたのは、温かい紅茶とジャムつきの食パンでした。
このシンプルなもてなしが、どれほど兵士たちの心と体を温めたことでしょう。なんだかとってもおいしそうに見えて、私も食べたくなりました。赤いジャムはいちごでしょうか。今の季節は、生のいちごが手に入りにくいので、冷凍のいちごを買ってきました。
150gと少なめですが、すぐ食べきるにはちょうどいい量です。私はジャムはある程度しっかり甘みがある方が好きなので、いつも果物の40~50%のグラニュー糖を使います。今回は75gのグラニュー糖を使いました。
ホウロウのミルクパンにいちごとグラニュー糖を入れて、そのまま2~3時間いちごから水分が出るまでおきます。こうすることで、いちごからしっかりペクチンを引き出すことができます。
いちごが少しとろんとなったら、火にかけコトコト煮込みます。
私はあえていちごの粒を残して作ることも多いのですが、今回は映画のシーンにあわせて、途中へらで軽くつぶしながら作りました。ペクチンの働きであとからとろみがついてくるので、まだ少しゆるいかな?というくらいで火を止めるとちょうどいい。
映画に出てきたようなぽってり厚手のマグカップがなかったので、イギリス風にウェッジウッドのピーターラビットと、ハロッズのイングリッシュ・ブレックファストの紅茶でいただきました。映画と同じく、食パンはトーストせず、ジャムは端まで塗らずにまん中にたっぷりのせて。
これが食べてみると、すごく合理的にできていることがわかります。ジャムを端まで塗らないことで、手を汚さずに食べることができる。そして、トーストしないことでパン屑が出ず、食パンが柔らかいままなので、たわませてジャムをこぼさずに食べることができるのです。
そして温かい紅茶に甘いいちごのジャムがこんなに合うなんて! おいしくて感激しました。
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