7月6日にイタリアの作曲家、エンニオ・モリコーネが亡くなられました。1950年代末から数多くの映画音楽を手掛け、名だたる映画賞の作曲賞を何度も受賞しています。手掛けた作品は数えきれないほど。
Wikipedia のフィルモグラフィを見て、初期の頃は西部劇の音楽を数多く手掛けていたと知って驚きました。
モリコーネの作品の中で、一番人気があるのはおそらく「ニュー・シネマ・パラダイス」だと思いますが、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」や「アンタッチャブル」などマフィア映画の哀愁を帯びたメロディも忘れ難いです。
でも音楽に着目すると、私が一番好きなのは「海の上のピアニスト」(The Legend of 1900)です。豪華客船の中で生まれ、生涯船を降りることのなかったピアニストの物語で、ヒューマンドラマであり、音楽映画でもあります。
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先日「ルース・エドガー」で久しぶりにティム・ロスを見て「海の上のピアニスト」を思い出し、 YouTubeで音楽を聴いたり、ピアノを弾いたりしていたばかりだったので、今回の訃報を不思議な偶然のように感じていました。
そしてこれも偶然ですが、「海の上のピアニスト」は8月に4Kデジタルリマスター版、9月にイタリア完全版が劇場公開されることが予定されています。
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前置きが長くなりましたが、エンニオ・モリコーネへの追悼を込めて「海の上のピアニスト」から2曲、映画のシーンとともにご紹介します。
The Legend of 1900 (1998) - 'Playing Love' scene [1080p]
主人公の 1900 が船の上で演奏するピアノが話題をよび、レコーディングの話が持ち上がります。そんな話はおかまいなしに、1900 は甲板を歩く美しい女性にひと目惚れし、彼女を思いながら即興でピアノを弾き始めます。
ティム・ロスの恋する切ない表情と、その気持ちとリンクするように奏でられる音楽がロマンティックで美しい "Playing Love" という曲です。
The Legend Of 1900 "Magic Waltz" HD Ennio Morricone
私が一番好きなシーンです。海が大荒れに荒れたある夜、船酔いしてぼろぼろになったマックスが 嵐に合わせてピアノを弾く1900 といっしょにいるうちに、いつしか楽しくなってニコニコしてくる ”Magic Waltz” という曲です。
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最後に「ニュー・シネマ・パラダイス」より ”Love Theme”。この曲はクラシックのアーティストもよく演奏していて、先日はチェリストのヨー・ヨーマが追悼の演奏を Twitter にアップしていました。
私が好きなのはヴァイオリニストのイツァーク・パールマンの演奏です。パールマンはユダヤ系ヴァイオリニストで、映画「シンドラーのリスト」の演奏でも知られていますね。
私も大好きなヴァイオリニストで、1980年頃と1993年頃、来日公演を聴きに行きました。20世紀を代表する偉大なアーティストのひとりです。
Cinema Paradiso Theme By Itzhak Perlman & The City of Praga Orchestra
これは、チリのオーケストラとの演奏ですが、美しいのびやかなヴァイオリンの音色が、映画とはまた別の感動を与えてくれます。