久しぶりに銀座でアート・ギャラリーのはしごをしました。まず訪れたのは、銀座メゾンエルメス フォーラムで開催中の「コズミック・ガーデン サンドラ・シント展」(Cosmic Garden by Sandra Cinto)です。
コロナの影響で一時お休みしていましたが、再開して7月31日まで開催されています。ブランドには縁のない私もこちらのギャラリーは大好きで、これまで何度となく訪れてきました。
パリのポンピドゥー・センターと同じくレンゾ・ピアノが設計したこのメゾンは、ガラスのブリックでできているので、時間や天気の移り変わりをも取り入れた、この場所ならではの現代アートやインスタレーションが鑑賞できるのが魅力です。
本展のサンドラ・シントは、ブラジル・サンパウロを拠点に活動しているアーティストで、星や結晶、波などをモチーフとして用いたドローイングを主に、空間と関わり合いを持つインスタレーションを数多く手がけているそうです。
エレベータでギャラリーのある8階に上がると、壁に沿ってブルーのグラデーションが続き、その先には空色とも水色ともいえる淡いブルーの世界が広がっていました。極細の白い線やドットで描かれる繊細なドローイングは、島や橋、波を表しているようです。
あるいは、船や飛行機の航跡のようだったり、はえ縄漁業の網のようであったり、空中ブランコのようだったり。宇宙から見る地球は、こんな風に見えるのではないかと思われました。
シントさん自身、このような大きな作品を作るのは初めてのことで、今回は6人の仲間たちと作品を作り上げたのだとか。使っている画材はペンやマーカーなど、どこにでもあるもの。
シントさんは今は個人主義が進んで、誰もがコンピュータ上で自分の意見を言い合う時代だから、と仲間たちと手を取り合うことの大切さを語ります。
朝のスペースからグラデーションの通路を通って...
もうひとつのスペースは、がらりと変わって夜となっています。朝のスペースでは鳥の鳴き声や水のせせらぎが聞こえましたが、夜のスペースではコオロギの鳴き声や鳥の羽ばたきが聞こえます。
漆黒の空に満点の星。まるで宇宙空間に放り出されたようです。床には絨毯が敷き詰められ、クッションがぽんと置かれ、どちらにも星が描かれています。ここでは靴をぬいて、足で絨毯の感触を味わいながら作品を鑑賞します。
私は気がつかなかったのですが、ラベンダーとカモミールの香りも漂っていたようで、まさに五感で味わうアートでした。
2つのスペースをつなぐエレベータホールには、夜空いっぱいに打ち上げられた花火??
作品を鑑賞しながら、白の魅力を再認識しました。自宅の壁にドローイングしたくなりました。^^
EXHIBITIONS | Sandra Cinto, "Cosmic Garden" at Le Forum, Tokyo (1/2)
作品のメイキングと、シントさんのインタビューです。ゆったり語ることばに力を感じました。