さて、長谷路さんでおいしいお蕎麦をいただいてから、参道のゆるやかな坂道を上り、長谷寺へと向かいました。
長谷寺といえば、私には鎌倉の長谷寺がなじみ深いですが、ここ奈良の長谷寺は全国にある長谷寺、真言宗豊山派の総本山で、創建686年と伝えられています。奈良の長谷寺は、春の牡丹をはじめ四季折々の花で知られ「花の御寺(みてら)」とよばれているそうです。
そして、なんといっても、入口の仁王門から本堂まで続く屋根付きの階段、399段の登廊(のぼりろう) が圧巻です。平安時代の1039年、春日大社の社司・中臣信清が子の病気平癒のお礼に造ったもので、下・中廊は明治の1894年に再建され、重要文化財となっています。
大晦日の夜には、万燈会(まんとうえ)といって登廊の両側に灯りがともされるそうで、柔らかなぼんぼりの灯りが本堂まで続く様子は、さぞ幻想的で美しいだろうと想像します。
4~5月にかけては登廊の両側が美しい牡丹に彩られるそうで、いつか見てみたい風景です。
小初瀬山中腹の絶壁に、舞台造りとなっている本堂 (国宝) は、空からでないと全体像が撮れないので、この角度からで失礼します。内部は暗く、しんと静まり返り、厳かで神聖な空気に満たされていました。
本堂の横の階段を、僧侶が連れ立って下りていく様子もまた絵になりました。
昭和29年、戦後初めて建てられたという五重塔。
12月半ばですが、みごとな紅葉を見ることができました。