M・ナイト・シャラマン監督の最新作は、時の流れが異常に速い、謎のビーチを舞台にしたスリラーです。
なんだかおもしろそう!とイクスピアリまで遠征して見に行ってきました。映画が始まる前にシャラマン監督からのメッセージ。監督の Welcome back ということばには、映画の内容とも相まって、コロナ時代をサヴァイヴし、映画館に足を運んで見に来てくれた観客への
感謝と歓迎の気持ちが込められていると私は受け止めましたが、いかがでしょうか。非常事態をしばし忘れて、映画館の大きなスクリーンならではの映像体験、摩訶不思議な映画体験ができて、私はとっても楽しめました。
リゾートホテルに向かう送迎の車中のシーンからはじまる本作。いかにもニューヨーク郊外の住宅地に住んでいそうな家族の、いかにも いかにもな会話がシニカルでおもしろく、一気に映画の世界に引き込まれました。
ネットでこのリゾートを見つけたという妻は「ほら、カンクン(ニューヨーカーに人気のメキシコのリゾート地)よりいいでしょ!」と誇らしげに胸を張りますが、実は彼女がここを見つけたのではなく、ここが彼女を見つけたのでした。
この作品、大部分は非科学的な話なのですが、ところどころに現代科学の要素をブレンドしていて、その匙加減の絶妙さが、ストーリーに程よいリアリティと緊張感を与えていると感心しました。
後になってから、序盤にさまざまな伏線が散りばめられていたとわかりますが、映画を見ている時は謎解きをする気はなく、ただただストーリーの流れに身を任せて見ていました。そしておそらくそれが正しい鑑賞方法だと思います。^^
最後の方で場面がパパッと変わって、短時間で手際よく真相が明らかになる手法も鮮やかでした。お勧めの作品です。