千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館に行ってきました。
この美術館は、DIC株式会社(旧・大日本インキ化学工業株式会社)の創業家である川村家三代が収集した美術品を展示しており、佐倉市郊外の森に広がる同社の研究所と同じ敷地内にあります。
美しい庭園に囲まれたこの美術館は、現代美術のすばらしいコレクションでも知られており、以前から訪れたいと思っていたのですが、東京から車で約1時間と少し距離があるため、なかなか足を運べずにいました。
この夏、突然同美術館が2025年1月末で休館することが発表され、慌てて訪れたという次第です。なお、休館の発表後、来場者が急増し、そのため休館開始は2025年3月末まで延長されたそうです。
エントランスを抜けて森の小径を進むと
視界が開け、美しい芝生と噴水のある池の風景が広がります。
写真で何度も目にしてきたこの美術館は、「ヨーロッパのワインセラーのよう」と形容されることが多いですが、私自身は密かに「ムーミンの家」と呼んでいました。設計は建築家・海老原一郎氏で、DIC二代目社長の旧制中学時代の同級生だそうです。
館内のコレクションは20世紀美術が中心ですが、それぞれの展示室が多彩なコレクションの特徴に合わせて設計されており、作品が最も映える環境で鑑賞できるような工夫が施されています。
マーク・ロスコの「シーグラム壁画」シリーズの7点が一堂に並ぶ展示室。作品に合わせて照明はやや暗くされ、まるで洞窟の壁画に向き合っているかのような感覚にとらわれました。
「西川勝人 静寂の響き」という企画展も開催されていました。西川勝人さんの作品を今回初めて知りましたが、白を基調としたさまざまな作品やインスタレーションが、心にそっと語りかけるような優しさと清らかさにあふれていて、深く感銘を受けました。
写真にある24枚組の「静物」という作品は、以前山梨県立美術館で見た栗田宏一さんの土のアートを思い出させました。
館内での鑑賞を終えた後は、広大な庭園を散策しました。自然散策路を進んでいくと、その先には広場が広がっていました。
広場の周囲には桜の木が並んでおり、春にはお花見を楽しむ人たちで賑わうことだろうな、と想像しました。庭園はチケットがなくても入れるエリアで、テニスコートなどもあり、地域の憩いの場として親しまれているようでした。
広場の中央にはヘンリー・ムーアのブロンズ彫刻が堂々たる存在感を見せていました。
気持ちのよいテラスもあり、休憩スペースとして利用できます。
紫陽花がきれいな色を保ったままドライフラワーになっていました。
かわいらしい赤い実。
お花の少ない時期ですが、ところどころで可憐な花々に出会えました。
池では白鳥の夫婦がのんびりと。のどかな風景が広がっていました。
(次の記事に続きます。)
佐倉にこんな立派な美術館があったなんてちっとも知らなかったです。
広大な敷地で秋のお花を発見するのって楽しそう!
セレンさんがご紹介下さる現代アートはいつも素敵なものばかりなので、私も東京帰ったら3月までに行ってみたいわ☆
東京は先々週、10月にはめずらしい夏日となって、いつになったら秋になることやら、と思っていましたが、先週くらいからようやく秋らしくなってきたでしょうか。
こちらの美術館は以前から気になっていたのですが、千葉方面はなじみがないせいか、湘南方面よりもなんとなく遠く感じてしまって、これまで行く機会を逸していました。
人里離れた研究所にあって、交通はやや不便ですが、佐倉駅からシャトルも出ていますし、機会がありましたら是非足を運ばれてみてください。
庭園もコレクションもすばらしかったです☆
佐倉市にあるDIC川村記念美術館
素敵ですねー。
HPを見て来たら、沢山のジャンルの有名な絵画等もお持ちな美術館なのですね。
建築物や、定期展示物も魅力的だったり。
西川勝人さんは初めて知りました。画像で見ただけですが、白っぽいイメージの作品たち、心落ち着く感じです。
佐倉は都内や西側からだと、ちょっと遠いですよね。
私は降りた事はまだ無いのですが、確か以前ちょっと調べた事があって、色々と見どころがあり、歴史のある処なんだなーって思った記憶があります。
全然知らなかった美術館ですが、とても素敵ですね。セレンさんの紹介してくださる美術館、どこも素敵で、行ってみたいところがどんどん増えちゃいます(*^-^*)
こちらは来年で休館されるのですか?残念です。
立地(自然の中)も素晴らしくて美術館の雰囲気にぴったり。
ムーミンの家、ほんとだ~!!可愛いです♡
西川勝人さんの作品、白が基調の作品なのですね。白は色の中で一番好き。
綺麗な色のまま残る紫陽花や、ピンクの秋明菊(シュウメイギク)、白鳥、庭園散歩に癒されますネ。
DIC川村記念美術館は、ルノアールやシャガールなどの近代絵画もありますが、現代アートが中心の美術館でした。展示室もそれぞれに工夫されていて、企画展も魅力的でしたよ。
西川勝人さんは、私も初めて知ったのですが、白い作品の数々に心が洗われるように思いました。とても気に入りました!
佐倉はだいぶ前になりますが、子どもの学校の課題があって、国立歴史民俗博物館を訪れたことがあります。
古くは城下町で、歴史的な街並みなんかも残っているみたいですね。
一度この辺りもゆっくり訪れてみたいなー。
DIC川村記念美術館はすばらしい美術館ですが、交通の不便な人里離れた森の中にあるので、維持していくのがなかなか大変でしょうね。企業が経営しているので、利益を出さないと株主から追及されたりすることもあるのでしょう。
社会的意義からなんとか存続していけたらと思うのですが... 地元では、文化の火を消さないよう、閉館に反対する運動も起こっているようです。
豊かな森の中に佇むムーミンの家。^^
周囲の環境もとてもすてきでした。
西川勝人さんの白い作品の静かな佇まいに心が洗われました。
秋の訪れを感じるお庭の散策も楽しかったです。
ピンクのお花は秋明菊なのですね!教えていただいてありがとうございます。
白鳥の堂々たる風格と気品にも圧倒されました。