1969年 北アイルランド・ベルファストを舞台に、イギリスを代表する俳優 ケネス・ブラナーが監督した自伝的作品です。
公開時に見逃した本作が Amazon Prime に上がっていたので、新年早々に鑑賞しました。昨年のベストに選んでいた方がいらしたのも納得の、監督の家族愛、故郷への愛がノスタルジーたっぷりに描かれた、すてきな作品でした。
監督の子ども時代がモノクロームで描かれているといえば、アルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA」を思い出しますが、本作は、カラー映像で始まるので、最初は間違えて再生してしまったのかとあせりました。
静の ROMA に対して、動の BELFAST といった感じで、カトリックとプロテスタントが敵対する北アイルランドを舞台にしながらも、そこで明るく、力強く生きる人たちの姿がポジティブに描かれているのが印象的でした。
そもそもケネス・ブラナーはイングランド出身と勝手に思い込んでいたので、もとは北アイルランド出身ということを本作で初めて知りました。アイルランド独立運動や、独立後のイギリスとの紛争については
ケン・ローチ監督の「麦の穂をゆらす風」等で多少の知識はありましたが、北アイルランドはイギリスといっても文化的にはアイルランドに近く、安全を求めて家族でイングランドに移り住むことは当時どれほど覚悟がいることだったか、両親の胸の内に思いを馳せました。
映画を見ていて、心に残ったシーンをいくつか。
ラスト近くのダンスパーティで、父が「君が必要とする時に、そばにいてあげられなかった」と歌うシーン。生活のためにロンドンに出稼ぎし、家を空けることの多かった父が「これからはいつもいっしょだよ」と歌い、母とダンスするシーンがすてきでした。
少年バディが父に「(カトリック教徒の)キャサリンといつか結婚できる?」と尋ねた時、父が「もちろんできるよ。彼女がカトリックでも、ヒンズー教でも、バプテストでも」と答えるシーン。思いがこみあげてきて、胸がいっぱいになりました。
祖父の算数の教え。「1か7かわからないように書けば、〇がもらえる確率が上がる」のちに祖父が亡くなった時に「おじいちゃんは僕に算数を教えてくれた」といったバディに、父が「おじいちゃんの教えはいつも深かった」と答えたのに、にんまりしました。
それから家族全員で「チキチキバンバン」を見に行ったシーン。映画の中で車が落ちそうになって、家族全員わ~っと首をすくめるところが大好きです。
新春一番にご覧になったのですね~♪早速レビューを挙げてくださったんですね。
最初カラーで現代のベルファストを見せるんですよね、こういう色の使い方も上手いですよね。
私もケネスがアイルランド出身とは知らなかったので驚きました。
セレンさんが挙げてくださった心に残ったシーン、どれもとっても良かったですね。
読みながらまた思い出しました。
「チキチキバンバン」のシーン、映画を観る楽しさがすごく伝わってきましたね。
ケネス少年の家族愛、故郷愛、そして映画愛もしっかり感じる作品でした。
この作品、見たいと思いながら劇場で見逃してしまって...
瞳さんが記事にしてくださって、わっ、アマプラに上がっている
早く見なくちゃっ!となりました。
ご紹介ありがとうございました。
冒頭のカラーの使い方、とても印象的でした。
ビビッドなだけに、その後のモノクロの映像が生きましたね。
ケネスがアイルランド系(正確にはイギリスの北アイルランド)というのは意外でしたね。
家族で見るチキチキバンバン、映画の楽しさがすごく伝わってきて
きっと、ケネスが舞台や映画の世界に入るきっかけとなった
原風景だったんだろうなーと感じ入りました。
この映画、私も好きです!優しさとユーモア、そしてちょっぴり哀切なノルタルジーが心の琴線に触れますよね。貧しくてもいいから、私もあんな家族と暮らしたいです。でも当時のベルファストには住みたくない💦
私もパパとママのダンスシーン、すごく好きです。印象的なシーンや台詞が多くて、さすがオスカーで脚本賞を受賞しただけはある秀逸さでした。ケネス氏の新作も楽しみですね!
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
子どもの目で見ている、というのもあるのでしょうか。
有事にもかかわらず、どこか穏やかで、優しさとユーモアが感じられて、心が温まる作品でしたね。
北アイルランでは今も対立がくすぶり続けているので、パパとママの決断は正しかったと思います。
パパとママのダンス、すてきでしたねー。
かっこよくてしびれました。
印象的なシーンや台詞、たくさんありましたね☆
ようやっとこの映画見られました!!
私も最初カラーだったので、あれ?って驚いちゃいましたよ。
そしてテーマは深刻そうなのに、明るくポジティブなのは凄く良かったですよね。
これはバディ目線で描かれているからなのですね…
ママとパパのダンス、本当に魅力的でした。でも私はお葬式の後がこんな盛り上がるパーティなのね???とそこが気になって…いつまでもジメジメしている日本とは大違いと思っちゃいました(笑
まだ~むさんもご覧になられたのですね。
冒頭想像していたのと違う映像だったので、ええっ?となりましたが
この鮮やかな映像も、その後のモノクロームの映像もよかったですね。
バディ目線で描かれている故郷の子ども時代、有事にもかかわらず
幸せな思い出がたっぷりつまっていたんだろうなーと思います。
パパとママのダンスもすてきでしたね。
お葬式は故人の思い出を残された人たちが共有するものだから
ほんとうは明るくてよいのかもしれませんね。
数年前に読んだ
「狙われた秘密輸送船団」
を思いだしました。独立戦争で英国と闘った軍医が、なぜか英軍の巡洋艦で働いておるのです。両国の複雑な歴史が垣間見えました。
記事に書きそびれましたが、ジュディ・デンチ
さすがの存在感でしたね。
毅然とした姿勢を家族を送り出した祖母
その後の展開も気になりました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
イギリスとアイルランドは近しい間柄ゆえに
長年の因縁で結ばれているように思います。
映画などでその片鱗がうかがえて、はっとすることがありますね。