DVDで見た旧作、3作品の感想です。
エゴン・シーレ 死と乙女 (Egon Schiele: Tod und Madchen / Egon Schiele: Death and the Maiden) 2016
20世紀初頭のオーストリアで活躍した早逝の天才画家エゴン・シーレの半生を描いた伝記ドラマです。師であるクリムトとともに語られることの多いエゴン・シーレ。シーレの作品は、以前ノイエ・ギャラリーで見たことが思い出されますが、ふだんは展覧会でもなかなか作品にお目にかかれないアーティストです。
本作ではシーレの奔放な人生をたどるとともに、スケッチなどもたくさん登場するので、アート好きとしてはわくわくと楽しめました。先日「北斎とジャポニズム」展で、クリムトが春画の影響を受けていることを知りましたが、本作でもシーレが何枚かの春画を見ているシーンがあり、クリムトからもらったのかも?と思わずにやりとしました。
クリムト以上に、背徳的で禁断の香りがするシーレの作品。それはクリムトが大人の女性を描いているのに対し、シーレがあどけなさの残る少女ばかりをモデルにし、しどけないポーズをとらせて描いているからでしょうか。自分の妹をモデルにしたり、クリムトのモデルを自分の恋人にしたり、幼女をモデルにして逮捕されたり、結婚相手の姉ともつきあったり...
シーレの私生活は彼の作品と同じく、背徳と自由に満ちていました。シーレにとって、魅力的な女性は創造力を支える女神のような存在だったのかもしれません。そして女性たちは彼を愛し、彼の才能を愛したから、見返りを求めることなく献身的に支え続けたのでしょう。主演の新人ノア・サーベトラがばっちりのキャスティングで、魔性の美しさが心に残りました。
ロスト・バケーション (The Shallows) 2016
ブレイク・ライブリー主演のサバイバル映画。てっきり美女がサメと格闘するB級映画?と思って楽しみにしていましたが^^ サメと直接対決するのは最後のクライマックスのみで、ほとんどが陸からわずかに離れた岩礁の上でひたすら救助を待ち続けるというサバイバル映画でした。私が本作を見て思い出したのは、ダニー・ボイル監督の「127時間」。
誰もいない浅瀬の岩礁の上で、ケガと飢えと寒さとサメから自分を守らなければならないのです。ライブリー演じるナンシーが医学生という設定が本作では功を奏していて、彼女はウェアの袖を破って止血し、アクセサリーを使って縫合します。>< サメの旋回サイクルと自分が泳ぐスピードから移動に必要な時間を割り出すところは理系心をくすぐりました。
孤独の中でずっといっしょにいてくれた、ケガしたカモメがかわいかった♪ 危険をおかしてビデオカメラを拾う必要があるのか?と最初は思いましたが、結果的にはそれが彼女を救うことになるのでした。サメとのバトルは少々劇画チックでしたが、全編ほとんどがライブリーの一人芝居。体当たりの演技に拍手しました。
マーク・ウォールバーグ主演のサスペンスアクション。元海兵隊の凄腕スナイパー スワガー(ウォルバーグ)は、大統領暗殺を阻止して欲しいとジョンソン大佐に依頼されて現地入りしますが、実際に狙撃されたのはエチオピア司教で、スワガー自身も銃撃され、容疑者として追われることに...。
前知識なく見始めたので、まさかのスワガーが銃撃されたのにびっくり。ジョンソン大佐の策に落ちたことを瞬時に悟ったスワガーは、銃弾を受けながら車を奪って逃走します。それからは大迫力のカーアクションに銃撃戦、爆発...と怒涛の展開が繰り広げられ、はらはらしながら引き込まれました。
序盤に出てきたいかにも冴えないFBIの新人くんが実はなかなかの切れ者で、上層部に疑問をもち独自に調べ始めます。やがてスワガーの無実を確信した彼はスワガーに助けられ、互いに協力して戦います。どことなくデジャヴ感があると思ったら「イコライザー」の監督さんだったのですね。正統派の勧善懲悪もので、後味すっきりと楽しめました。
今回の3本のうち、「エゴン・シーレ」と「シューター」は見ました!
「エゴン・シーレ」は見たのがかなり前なのですが、映画的にはいまひとつだった記憶が・・。^^;
ただ、シーレが恋人?から、ガミガミ言われるシーンで、彼がその間、オレンジの色の事を考えてるシーンが好きで、そこだけ記憶に鮮明です。
「シューター」は、私、これ大好きで、たぶん、ウォールバーグ映画の中ではマイベストです。原作も読みました。
「シューター」はスワガーものの第1作目で、スティーブン・ハンターっていう作家さんの大人気シリーズなんですよ~。
「ロスト・バケーション」は未見。セレンディピティさんがこういう作品を見るの珍しいですよね!
私が見たシーレは80年代の「愛欲と陶酔の日々」の方でした。(;'∀')
すみません。(;'∀')
「エゴン・シーレ 愛欲と陶酔の日々」は、今回記事を書こうとして知りました。
ジェーン・バーキンがエゴン・シーレの恋人ヴァリを演じていて
彼女の視点で描かれているのですね!
映画的には今ひとつでしたか...。
本作は、主演の男の子が(モデル出身で演技経験はないのですが)
耽美で繊細で残酷さもあってよかったですよ~
女性たちもそれぞれに魅力的でした。
「シューター」はごみつさんにご紹介いただいてから
ずっとレンタルのリストに入れていたのを、ようやく見たんですよ。
正統派のエンターテイメントで、とてもおもしろかったです!
ウォルバーグにはまさにニンといった役どころでしたね。
あのFBIくんもよかったです。^^
ロスト・バケーションはノーマークだったのですが
昨年のベストに入れてる方がいたので見てみました。
サバイバルものって意外と好きなんですよね。(^_-)-☆
積極的にDVDをごらんになっていらっしゃるのね。
どれも見たことが無かった作品です。
鮫との闘いは気になっていた作品ですが、B級ものではなかったのですね~
私も1月の大半をhulu三昧に過ごしましたが、私の方はテレビドラマだったので、全話見るのがなかなかに体力使いました(笑)
ここのところ、劇場で見たい!と思う作品があまりなかったこともあって
DVDでの鑑賞が中心です。
これまではあまり感想も書けてませんでしたが
最近はちょっとだけがんばっています。^^
まだ~むさんもおうちシネマでしたか。
テレビドラマは私も見たいな~と思いつつ
続きものは全部見るのがたいへんなので躊躇しています。><
私のベスト作品をご覧になっていただいて嬉しいです!
エゴン・シーレはDVDも買いましたが
それはこういうだめんず的な男性に私も母性本能をかきたてられるからかもしれません。
というのは置いといて、映像や音楽や全体の雰囲気が好きなんですよね。
シーレという画家を私は初めて認識したのですが
そのシックで深みのある色彩感覚に魅了されました。
天才って・・・・ハチャメチャな生き方でもある意味許されるところもあると個人的には思います。
家族の中にいたら大変ですが・・・。
ロスト~は久々に観返したくなりました。
DVD借りようかな。
シューターは観たかもしれませんがストーリー忘れて居ます。
マーク・ウォルバーグが主演ならきっとチェックしたと思います。わりと好きです。
日本の江戸時代の版画に影響を受けたヨーロッパの画家ってたくさんいたのですよね?それってすごいことだと思います。
背徳的で禁断の香り...いやまさにそうですね。
エゴン・シーレの強烈な絵画には圧倒されます。
シーレ演じた彼良かったです。
「ロストバケーション」はwowowで見たのですが、展開が気になって夢中で見た記憶ありです。
「ザシューター...」はレビュー書いてます。
こちらも娯楽作品としては面白かったですね。
エゴン・シーレとロスト、どちらもおもしろかったです。
ご紹介ありがとうございました☆
ななさんは、エゴン・シーレのDVDも買われたのですね~
彼のまわりの女性たち、周りから見れば決して幸せとはいえないのでしょうけど
彼の磁力のような魅力に接したらもうどうすることもできないのでしょうね。
ノア・サーベトラが演じると、そのことが自然のこととして
受け止められました。
作品そのものがアートのように美しかったです。
ロストはライブリーの生命力あふれる演技が魅力的でした☆
ザ・シューターは陰謀ものではらはらドキドキと楽しめました。
マーク・ウォールバーグらしい正義感あふれる役どころでした。
エゴン・シーレ、よかったです。
ご紹介ありがとうございました。
パリのみならず、ウィーンにも浮世絵の影響が届いていたとは驚きましたが
シーレの作品を見ながらなるほど...とも思いました。
見る人の内面をゆさぶるようなシーレの作品に惹かれます。
ノア・サーベトラもすてきでしたね。
ロストバケーション、サメがなかなあ姿を現さないので
どきどきしました。おもしろかったですね。
そしてザ・シューターもご覧になってましたか。
王道のエンターテイメントですが、とっても楽しめました☆
「ザ・シューター 極大射程」は、原作がもう良くて良くて。原作から入ってしまった私としては、大好きなマーク・ウォルバーグが演じてくれたはいいけれど、少し物足りなさを感じていたのでした。でも、それは観てすぐの感想で、意外と時間が経つと、映画化するんだったら、彼しかないし、あの構成しかなかった!というような気がしてくるのですから不思議なもので。左利きのマーク・ウォルバーグが照準を合わせるポーズが結構好きです。
(あ、マーク・ウォルバーグ評になってしまいました。すみません…)
「ザ・シューター~」ここなつさんは、原作を先に読まれているのですね。
原作はもっとじっくりアプローチする感じでしょうか。
映画はきっとだいぶ省略しているのでしょうが
映画ならではのアクションや映像が楽しめましたね。
マッチョなウォールバーグは、ばっちりのキャスティングでした。
気がつきませんでしたが、ウォールバーグ左利きでしたか。
まったく要らない情報ですが、私も左利きです。^^
急に親しみがわいてきました☆
セレンディビティさん、左利きだったのですね!左利きの方は各方面で才能を発揮される方が多いという印象があります。スポーツの世界でも左利きは圧倒的に有利なんですよね(特に球技)!羨ましい!
原作はですね、もうずいぶん前の読了なので、あくまでもその時に感じた感想なのですが、じっくりというか、…重厚なんです。そして、銃器に対するリスペクトとノウハウの記述が半端無く、これがとても良かった記憶があります。
左利きに反応してくださってありがとうございます。
字を書くのと箸は右ですが(矯正されたわけではないですが)、はさみ、包丁、針仕事、ボールを投げる等々、全部左利きです。でもスポーツはからきし苦手なので、左利きがうまく生かせていなくて残念です。^^;
>銃器に対するリスペクトとノウハウの記述が半端無く
なるほど、きっと硬派でプロフェッショナルなお仕事小説なのでしょうね。
陳腐な言い方ですが、男のロマンをくすぐりそうです。
私も読んでみたくなりました☆