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参謀としての役割、経験-教訓の価値を説く『鬼神の如く』

2019-10-19 07:52:43 | 歴史から学ぶ

「敵を欺くにはまず味方から」、事の重要性を再認識させる、あるいは味方に失敗させないための策として味方を騙し誘導させる策略は現代ではあまり聞くことがない。この時代の策略家・参謀は裏の裏、騙しを騙しで返すくらい命を賭けた力量と勇気(鬼神)があったと、この小説を読んで思った。 権力者(2代目以降の経営者など)は何か先代とは違った戦略戦術で功績を残したいが為に昔の苦い経験-教訓を忘れ再び暴権(権限利用)することがある。それを正当な道に戻せる悪役を勝手でる参謀は現代でも必須だろう。(関西電力の賄賂事件・誰も善悪の分別もつかない状態になった会社組織・残念だが真の参謀が不在だ)

『鬼神の如く』葉室麟

『BookDataより出典』「わが主君に謀反の疑いあり」。筑前黒田藩家老・栗山大膳は、自藩が幕府の大名家取り潰しの標的となったことを悟りながら、あえて主君の黒田忠之を幕府に訴え出た。九州の覇権を求める細川家、海外出兵を目指す将軍家光、そして忠之―。様々な思惑のもと、藩主に疎まれながらも鬼となり幕府と戦う大膳を狙い刺客が押し寄せる。本当の忠義とは何かを描く著者会心の歴史小説。

『メモ』

  • 大膳と藩主との揉め事を利用し、有力藩を廃藩、藩主を蟄居させる江戸時代において、大膳はそれを利用とする幕府の幕閣と手先を利用しながら将軍の意思を確認する目的だった。 その意思とは九州の有力藩主に増え続けるキリシタンをルソン島まで遠征して弾圧させること。 大膳の意思とは豊臣の朝鮮出兵で豊臣は崩れ落ちたことは、まさに海外での遠征は意味のない藩武士勢力を利用することは間違いであったと幕府に認識させることだった。
    • 「兵は詭道なりと言う。つまるところ戦いとは詭道、すなわち騙し会いだ」
    • 毛利元就は「反間」(間者を味方に入れ敵を諜報する役割—二重スパイ)の策を利用し中国地方を手に入れた。厳島の戦いは長門周防の2万を4千で打ち破った。
    • 生きてある限り、この世の道全て荊で覆われている。傷つくことを恐れず、信じる道を行く者だけが神の国にいるのだ
    • 乱を起こすには率いる者がおらねばならなぬ。天草四郎はそれだけの器量があるとみた。乱を起こすに、若いも年寄りもあるまい。ただ、己の行く道を信じて迷わぬものだけが力強き者に抗して立つのだ。