@人の人生はさまざまな縁から成り、その縁が人生の深さを探り始めていく。「似合う着物に似合う帯、似合わない着物に似合わない帯」は必ずや恋仲に存在し、最後には別れか結びの絆に変わっていく。過去の思い出がよく見えるのは今の状況が不幸と見えてしまうから余計に過去に戻りたいと思ってしまうのかもしれない。 だが、過去を引きずるのは「臆病」(風)なのかもしれない。
『愛の領分』藤田宣永
仕立屋の淳蔵はかつての親友夫婦に招かれ三十五年ぶりに訪れた故郷で出会った佳世と齢の差を超えて魅かれ合うが。直木賞受賞作
ー因果なことから複雑な人間関係を作り出し、悪縁となっていく
親の代からの関係が、親しかった男のとの縁となり、その時愛した女性が男の妻なり、男の愛した女性が今の恋人になる。
ー人間関係のもつれあい
元恋人、元愛人、病気の妻、浮気の夫、親を気にする子供等の関係
複雑な人間関係には妙な因果関係から巻き起こりドラマを作る
愛した人が親しかった男の過去を暴き、その男の妻と愛した女性が被害妄想となる
「今が不幸だから過去がよく見える」
「人間の絆なんて、吹けば飛ぶようなもんだって」
「世知辛い世の中になった所為か、以前は無料だったものも最近は金を取られる」
「親父は酒が好きだったんじゃなくて、酒の席を楽しんでた」
「寂しい人生を送ってきた人は、他人がよく見えるんだと思う。鋭さや頭の良さとは関係ない」
「10年経っても変わらぬものを作る仕事の先行きが見えない。でも、良いものは細々と残っていくと信じている」
「本当はとても臆病な人なのよ。明暗のはっきりした世界で生きているから」
「私とは違う世界で生きているって痛感したよ」
「愛にも領分があるって思うんだ。着物似合わない帯がある。帯に似合わない着物がある」
「あたなには萎れても花がある」
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