MOMENT

レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、店舗型レンタル店の残日録。

いかさま博奕

2022-12-21 23:23:39 | 邦画
東映チャンネルでの「博奕打ち」シリーズ全作品OAの企画OAでの録画視聴
「博奕打ち」シリーズの第六弾
今までの「博奕打ち」シリーズの中では一番賭場とか博奕シーンが一番多く費やされてる作品
全尺の六割くらいが博奕シーンということでこの作品をまさに「博奕打ち」シリーズの代表作と言っていいんでしょうが
実はタイトルが示すとおり、この作品の博奕は全てが“いかさま”の上で成り立ってて
親も賭ける側の子もお互いに知力と死力を尽くしてのいかさま合戦
 
いくつかの勝負でいかさまはしっかりと暴露されていますし
観客側にもいかさまの種明かしをしっかりと見せた上でクライマックスでの鶴田×若山のお互いのいかさま勝負に関しては
見破った方の勝ちなんでしょうが、それを見破れずに互いにいかさまを掛け合う勝負に凄い緊張感が生まれる見事な作品で言えるんでしょうね
 
ただ若山さんが主役乃一本立ちに昇格してしまった関係でこのシリーズでの一作目の
博奕打ち」や三作目の「博奕打ち 不死身の勝負」同様な悪逆非道に見える若富さんのような立ち位置で登場してきてるものの
なんとクライマックスでの立ち回りでは天津敏の親分を裏切る側に回ってきちゃうんですね
 
時美沙さんのサイドストーリーと中村玉緒さんの本筋での鶴田に想いを寄せる芯の強いヒロイン像がちゃんと生かされてて
これによって遠辰さんが死に至っての鶴田の殴り込みになるプロットは見事です
藤山直美さんはもう血筋ですね子役から芸達者でしたねぇ

1968年製作、日本映画、東映作品
小沢茂弘監督作品 
出演:鶴田浩二、若山富三郎、中村玉緒、時美沙、遠藤辰雄、天津敏、国一太郎、石井富子、都賀静子、沢彰謙、東龍子、藤山直子、八名信夫、有川正治、丘路千、野口泉、川谷拓三、平沢彰汐路章、蓑和田良太、日高綾子、浪花五郎、高並功、秋山賢、大木勝、那須伸太朗、上田吉二郎
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オフィサー・アンド・スパイ

2022-12-21 17:03:28 | 洋画
19世紀のお話ですが、冒頭事実をもとにした云々との断りが入るものの
日本人は全く知らんお話
フランス映画であるもののヨーロッパ全体的にユダヤ人排斥の風潮が根本に流れている作品でもある
ってことでロマン・ポランスキーが映画化したんでしょうね
 
全く時代的にも地域性でも知らないフランス軍のユダヤ人将校の冤罪というか実は作られた冤罪っていうか敵対国のドイツにフランス軍事機密を売ったって言うスパイ行為で、軍事裁判によって有罪判決を受け軍籍を剥奪されて、終身刑で絶海の孤島の軍刑務所に収監されたユダヤ人でフランス軍大尉の“ドレフェス事件”を映画化した作品
なんと私の苦手な131分もある長尺の作品
 
自分の部下であったドレフェス大尉が全陸軍士官注視の中で軍服の肩章から襟の階級章さらにサーベルまで折られていく姿を見せつけられた上官であるジョルジュ・ピカール少佐は
中佐に昇級し、防諜局の長官に異動を命じられるものの、この防諜曲には万年少佐の男がいて彼が昇進すると局全体が思っていたらしく
ピカール中佐はこの部局では歓迎される人物ではなかった
 
ってことで彼は様々な機密文書に触れることができるわけで
そんな勤務の中で通の一通の文章というかメモ書きを入手した事をきっかけに、エステラジー少佐にスパイ疑惑を抱く。
そしてエステラジーの身辺調査を続けていく中で、ドレフェス有罪の証拠とされた密書とエステラジーの手紙の筆跡が酷似している事に気づく・・・
さらに過去のエステラジーの筆跡とドレフェス大尉の筆跡を鑑定させて彼の冤罪を確信して将軍に具申しに行くものの
 
将軍たちによって彼の調査書類は破棄される
冤罪ってことが明るみに出れば軍の威信が崩れるっていうのとドレフィスがユダヤ人であることで
軍事法廷の裁定は絶対っであると言うことで、たとえ冤罪であってもエステラジー少佐がドイツのスパイであっても真実の公開はしないということで
ピカール中佐は軍でさらに防諜部でも孤立させられてしまう
 
ピカールは軍以外に真実を求めてエミール・ゾラとかの支援を受けるがゾラは逮捕されたりしてピカールは完全に軍からはみ出されて行く
いやこの軍の融通の効かなさと強大な国家権力の前に1人の男の無力さを見せられた作品だったが
信念を曲げないピカールの人間性も凄かった
まぁ、ポランスキーが自身のアイデンティティのために作った作品だったようですね
ってことでポランスキーの信念の凄さ自体をピカールに託した作品だったのかも知れなかった
 
ただこの信念にひきずられて私もオチずに二時間十分見てられた作品
 
2019年製作、フランス・イタリア合作映画
ロマン・ポランスキー共同脚本・監督作品
出演:ジャン・デュジャルダン、ルイ・ガレル、エマニュエル・セニエ、メルヴィル・プポー、マチュー・アマルリック
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