菅原文太さんの苦節何十年かの鬱憤をはらすかのように東映さんでついに「現代やくざ」シリーズの主演を掴み、全六話あるうちの5話までは東映人きぃう路線の戦後版みたいな作風だったのが第6話の「現代やくざ 人斬り与太」で深作欣二さんが監督をしてその今までの鬱憤を主役のキャラに被せての無軌道ぶりが首脳陣に触れたのか
旬日を得ずに“人斬り与太”の続編を・・・
その他を顧みない彼なりのキャラが岡田さんの目に止まっての第二作
前作とは人物も何もかも違うものの東映初出演の渚まゆみの体当たり演技と
前作での薄気味悪さが買われての三谷昇さんがこの作品に立て続けに出演され
三谷さんはなんとその薄気味悪さをさらに強調したキャラで三兄弟の一人に
そして次男にはこれまた演技派の田中邦衛さんを充ってくると言うナイスキャスティング
そして今作での渚まゆみさんはもうお尻まるだしの全裸シーンまで披露してるんですが
彼女をよく見ると目だけでの演技なんですね
そうセリフが一言もない役で前作同様文太さんに犯され殴られてもその彼への愛を貫く女
全くセリフがないって言うたら梶芽衣子さんの「さそり」でもありましたよね
でもあれは深作欣二さんではなかった
まぁ弾けるだけ弾いた分その反動としての見返りが人の人生にはあるわけで
三谷昇は血塗れて、なんと田中邦衛さんは自分に母親に命を絶たれると言う最期を迎えるわけで
暴力の果の因果応報の世界観が色濃く出ており
その先に見えるものはラストシーンの渚まゆみさんが具現化して見せると言う
実によくできてる作品でした
1972年製作、日本映画、東映作品
深作欣二監督作品
出演:菅原文太、田中邦衛、渚まゆみ、今井健二、三谷昇、室田日出男、菅井きん、小林千枝、松井康子、藤山浩二、東竜子、由貴リエ、城恵美、河合絃司、小林稔持、日尾孝司、相馬剛三、高月忠、城春樹、誠直也、土山登志幸、谷本小夜子、渡辺文雄、須賀不二男、内田朝雄