柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

納棺に参加することの意義

2009年10月05日 | 悲しみのケア
お葬式の形が昔とは大分変わってきました。
お葬式の準備を自分たちでしなくてよくなりました。

私は結婚してから、ご近所のお葬式の手伝いに
何度か行ったことがあります。

まだ、自宅葬が当たり前の時代でしたから
そこの家族は、ご飯を食べる暇が無いくらい
大忙しでしたね。

台所仕事は近所の奥さんがしてくれるといっても
勝手も知らない人が家の中に入るのですから
お砂糖が無いといっては「奥さーん。お砂糖の買い置きあります?」から
始まって、結局なんでもかんでも「奥さん」と聞くわけです。

葬儀社さんも「喪主さん」「奥さん」の連呼でした。

でも今は、葬儀社の対応も幅広くなり
式場も自宅以外が多くなり
人出も、葬儀社が手配してくれるようになりました。

便利になったその分、故人との距離が少し開いてしまいました。
綺麗な式場は、祭壇前に故人が安置されると
その周りに遺族や親族が長時間いるのが難しくなってしまいました。

式場のイス席は式をするには便利ですが
夜通しで故人を見守るには、いい環境とは言い難いですね。

遺族が故人と別れる時間、柩によりそう時間が少ないのが現状です。

そう考えると「納棺」の時間はとても貴重です。

葬儀社が全部旅支度をしてしまうと無意味ですが
遺族や親族に1つ1つ旅支度をしていただくと
故人の顔を触り冷たさを感じ、
手を触って体の硬直を感じ、
生きているのでは無い・・・と実感できる時間です。
また、故人の為に何かをしてあげる・・・と言うのも
この時間だけかもしれません。

この時間をたっぷりとって
故人と遺族のふれあいを作ってあげれるといいですね。

納棺を見ているだけより、ずっといい時間が過せます。

最近、通夜が終わると親族控え室に柩を移動する式場が出来始めています。
故人と一緒に夜を過せるのです。

この方法を以前からとっている地域もあります。

チョット手を掛ければ、今の式場でも出来ますよね。