柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

葬儀ナレーションを作った理由

2009年11月01日 | お葬式
ブログをアクセスしてくださるキーワードに「葬儀ナレーション」があります。
結構頻繁に入っていきます。

昨日もコメントを頂きました。
コメントを頂くのって大変なことですね。
有難いです。

ナレーションを作り始めたのは葬儀の担当をしてすぐの頃からです。
葬儀司会のテキストがあり、そこにあるナレーションは
短い文章でしたが何パターンも例題がありました。
スタッフ皆でそれを利用してました。
司会するだけで精一杯でしたから。

ご遺族と打合せすると
ご遺族から見た故人が感じられますよね。
でも、強い思い入れがあって故人を語る方は少ない。

それより、葬儀の相談で頭が一杯だし、
その途中で電話は入るし、弔問客は見えるし
喪主様の気持ちは落ち着きません。

遺影写真を選んでいただくときに
何枚もの写真を前に家族同士で
写真にまつわる話しが聞こえてきます。
つい、おせっかいをして
「いいお顔ですね。これはいつ?」とお聞きすると
そこから故人の話に花が咲くことがあります。
そして、故人への思い出が皆さんから聞こえ出します。

「このときは、こうだった」
「あら、そうなの?私は知らなかった」
「でも、こんな事もあったじゃない!」

こんなやり取りを聞いていると
この方を紹介したい、と思ってきました。

葬儀には故人に直接あったことが無い方も来るし
会社だけのお付合いしかない人もいる。

最後に故人の人柄を再確認してもらえたら
焼香する気持ちも変わるのではないかと。

それを考えると、テキストにある例題は
あまりにも故人とかけ離れているようで、
ナレーションとして別に考えるようになりました。

気をつけた点は
ご遺族が語った言葉をそのままお伝えしよう、としたことです。
私の気持ちが入ってしまったり、綺麗に作り過ぎないように。

故人の欠点も皆さんから語られたのなら
隠さずに少し控えめに紹介しました。

私はこの方法で、葬儀に故人らしさを出してきました。
ナレーションも作り手の考えひとつで違ってきます。
私が以前勤めていた葬儀社では
故人を語る、といのがその会社のカラーでした。
そのために使える時間は3分ほどです。

この3分は
「私がご遺族から故人の話をきちんと聞き
その思いも受け止めました」という時間でした。