柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

葬儀担当者は初めから最後まで一人がいい、理由

2011年12月20日 | 葬儀の世界
葬儀社の社員の仕事は、葬儀社によって違います

私が葬儀責任者をしていた時は
葬儀のご依頼を受け、故人を病院へお迎えに伺った社員が
そのままそのお宅の葬儀担当者になります
ご遺体を安置し、打合せをし、葬儀を支度するための発注、企画、施行をし
故人らしさを表現する工夫をし、司会、進行、火葬場同行
初七日司会、ご自宅へ荷物のお届け、葬儀後のアフターサポートまで
一人が中心になって行ないます

大変です
でも、遺族の気持ちの動きや、口に出さない想いや
家族間の関係などが解ります
実は、目に見えないものが葬儀を施行し、進めて行くうえで
とても重要になります

葬儀社によっては、搬送する人
打合せをする人
葬儀の手配をする人
葬儀場を設営する人
葬儀の司会をする人
葬儀式のアシスタントをする人
火葬場に同行する人
葬儀後の後始末やサポートとする人
と全部、担当者が違う場合があります

いいえ、このように担当者が次から次へと
変わる方が多いかもしれません
この方が効率が良い、と考える会社も多く
葬儀をオールマイティーに習得しなくてもすむからです

ほとんどがパートタイマーでもつなげます
その部分だけプロのしておけば、葬儀はできると・・・
という判断です


葬儀を行う
事を進めるめる、という意味では問題ありません
たとえば
葬儀司会者あ葬儀アシスタントをする人たちは
葬儀会館にご遺族が入ればその中で、自分たちが気づいたことには対処できる、と考えがちです

一例でいえば
打合せをした時に、感じた「遺族の親戚への気遣い」を
会館内の担当者に伝えることは、かなり困難な事です
「確実な事実じゃないが、でもちょっと気になった」
それくらいの気がかりを伝えるのは、先ずありえません

その気がかりを打合せで感じた人が、そのまま葬儀を行っていくなら
初めに感じた気がかりが、やがてはっきりした確信になったり
気苦労だったか?と判断することはできます
それによって、遺族を守ることも、顔をつぶさぬ事もできます

≪葬儀を承る≫という事は
式を進行する、という意味ではない、と私は思っています
葬儀と同時に「遺族の後悔しない葬儀」を手伝うのだ、と
思っています
その為の費用を頂戴している
だからこそ、「人件費」「サービス料」のかかる安くない価格だと思っています

ご遺族はほとんど心の内面を出すことはなく
でもデリケートな心で葬儀に臨みます

「この葬儀社に頼んで良かった」というのは
そういう、安心感や信頼感も含めてのことではないでしょうか

葬儀担当者の重要性はここにあります
葬儀社員の質、葬儀社の質ですね