柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

鹿児島の熱い一日

2015年09月17日 | 私の半径100メートル
今月は九州に4回出張です。

その1つに鹿児島の株式会社マコセさんがあります。
オリジナル会葬礼状を作成されています。
その会社で講演を頼まれました。


葬儀社からの依頼で、喪主に故人のインタビューをし
直後に会葬礼状を作り葬儀社へFAX
喪主に確認して頂いて、礼状が出来上がります。

作成した礼状を見せて頂きました。
よく故人や遺族の想いがまとめられています。

そのインタビュー時間が5分と聞き
実は納得が出来ませんでした。

私も葬儀現場では、故人や遺族のありようを
お聞きしたままにナレーションで表現していました。
打合せの2時間内にそのあたりのお話も聞き込みます。

一体5分で何が聞けるのか?大きな疑問でしたが
実際に私自身がインタビューを体験し、その後に出来た礼状を見て
驚きました。

大げさではなく、悲しませる風でもなく故人と遺族の様子がまとめられていました。

インタビューは極自然です。
聞きたい事をそのまま聞いています。
実はこれが、一番遺族が応えやすい方法なのです。

悲嘆が濃いから
今は聞くにはちょっと・・・
などと考える葬儀社は、葬儀の企画に大事な話であるにもかかわらず
何も聴き取ってこない。

打合せは形式的なことばかりの受注で見積書を埋める作業に専念しがちです。
メモリアルと言われる空間も金太郎飴のように均一です。

それでは家族間の想いの違いや
故人の生き様は見えてきません。

その代わりをここの会社はやっているのだと、思いました。



本来は葬儀社が遺族と打合せをする中で
故人や遺族の情報を聴き取るべきものです。
どの故人にも遺族にもそこにしかない時間があったのですから。

また遺族が「こんな葬儀をしたいのです」と言うはずもありません。
これまで均一の葬儀しか見ていないのですから。

一人の人生が終わる時
「その人すら感じられない葬儀をしてもらいたくない」私は葬儀関係者の端くれとして
いつも思っています。

その人本来の葬儀が増えれば
遺族は縁があった人なら最後の場に来ることを拒まないでしょうし
会葬者はお別れに行ってみたいと思うものです。

均一な葬儀は、
人を呼ぶ理由も無く、会葬する理由ももたないのです。

「近頃は会葬者が激変して」と嘆く前に
もっと故人と遺族を知って、そのお別れの場を作ってあげて欲しいものです。


マコセさんをお尋ねして、鹿児島での熱い想いを感じました。