柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

臓器提供をどう思いますか?

2021年10月13日 | 
アクティブノート(エンディングノート)の改訂版を作成中ですが
まだ、校正中で出来上がるまでにはもう少し時間がかかりそうです。
すでに新しいアクティブノートのご注文を下った方にはお待たせしてしまい申しわけありません。

ガイドブックを作る上で、以前より幅広く詳しくするためにいろいろな調べ物をしました。
その中で臓器提供が特に心に残りました。

臓器提供は
病気や事故で臓器の機能が低下し移植でしか治らない人に第三者が健康な臓器を提供し健康を回復させるためです。

自分の死後に臓器を提供する意思表示項目がアクティブノートにはあります。
健康保険証、運転免許証、マイナンバーカードにも臓器提供の意思表示がありますよね。

死っていつ訪れるかわかりません。
もし、私が重篤な病気になり、これ以上治療しても回復が望めず、死が間近に迫っている場合
私は延命措置を拒否するつもりです。
そして臓器提供を希望しているので前もって私や家族から主治医に伝えておきます。
死の兆候が見えたときに主治医から家族に死亡後に臓器提供の機会があるという選択肢提示がある場合もあります。
実際には、臓器移植コーディネーターから臓器提供に関しての詳細な説明がされ臓器提供が決定します。
臓器提供には家族の同意が必要なので、元気な時から家族ともよく話し合いをして承諾を得ておきましょう。

私の身体の衰えは進み、脳の全ての働きが停止した状態が「脳死」です。
もし、脳内の脳幹という部位の機能が残り、回復する可能性があるのが植物状態だそうです。
脳死になるとどんな治療をしても助かることはなく、時間をおいて心臓が止まります。
私が主治医から脳死の判定を受け6時間後に更に同じ状況を確認すると「脳死」が決定します。


脳死状態で取り出せる臓器は心臓(50歳)、肺(70才)、肝臓(制限なし)、すい臓(60才)、小腸(60才)、眼球(制限なし)、腎臓(70才)です。()内の年齢は提供の目安ですが、意思表示は年齢に関係なくして欲しいそうです。
その時に専門医が調べて提供を受けるかどうかを決めるからだそうです。

心臓が停止した後で摘出できる臓器は、腎臓、膵臓、眼球となります。

家族が死亡した私とお別れをした後に臓器の摘出手術が3~5時間で行われ、私の臓器は必要とされる人の元に運ばれ移植されます。
きれいに修復された私は家族と一緒に自宅に帰ります。

もし私が意思表示をしていなかった場合、家族が承諾すれば臓器提供は成立します。
もし私が「臓器提供をしません」の意思表示をJOT(公益社団法人日本臓器移植ネットワーク)へ登録、又は意思表示のカードにしておけば、家族が承諾したとしても私の意志が優先され臓器提供はできません。

15歳未満の子供の場合は親の承諾があれば臓器提供ができます。

今回、私が臓器提供に心が動いたのも、幼いわが子が心臓の移植を待ちながら、間に合わずに亡くなった我が子の臓器提供をご両親が決断した記事を読んだからです。
この親子の話は数年前にTY番組で紹介されています。
この話は、私は終活セミナーで臓器提供の話をするときに必ず皆さんに聞いていただいてました。
セミナー時に質問すると臓器提供をしたい人はまだ多くはありません。
もしかしたら、臓器提供の正しい、詳しい情報が一般の方に届いていないからかもしれません。
身体から臓器を摘出するイメージだけが強いのかもしれません。

実例の紹介は臓器提供の意義や周囲の人々の気持ちや考えが垣間見えます。
そのせいか、セミナー後には考えが少し変わったと言ってくださいます。
一人でも多くの方に臓器提供の事を知っていただくのが大事と思っています。

例え死後のことであっても臓器提供は嫌というお考えも当然あります。
どんな考え方もその方の大切な意思です
その意思もきちんと家族に伝えることが大事ですね。

伯母が88歳で亡くなり数年たってから
失明している母は「姉さんが死んだ時は思いつかなかったけど、あの時目をもらって移植しておけばよかった」とつぶやきました。
この時は母80才になっています。
高齢でも「目が見えれば」「姉さんと一緒になれる」という思いがあったのだと気づかされました。