柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

家族葬・・・困ったことに

2009年08月01日 | 世の中
7つのデス・ケアはチョット小休止。

最近聞いたお葬式の話を書きます。

遠方の友人から「葬式で大変だった」と連絡がありました。

そこは、ご近所付き合いも多く、昔の付合いが今も色濃く残っています。
もう30年ほど前に出した葬式は自宅葬で、それこそ、家の片付から
食事の煮炊きまで、ご近所、友人知人が手を貸し盛大に行なわれたそうです。

その頃のお葬式はどこもこんな感じでしたよね。
でもよく聞く話ですが、家の中に他人が出入りするのは
これまた、色々と大変なことなんですね。

その思いもあり、今の風潮もありで
今回は家族葬にする、と決めたそうです。
家族と故人の兄弟だけと決めました。

家族兄弟は知り合いに葬式をする事を伝えましたが
「今回はご遠慮下さい」が徹底していなかったようです。

と言うのは、隣近所が家族同然の付合いだから
伝えなくても、伝わっちゃうでしょう。
それに家族と兄弟と言われたら、兄弟の家族は?
とか、従姉だけどとても親しいのにとか?
親戚でも迷う人が出てきたそうです。

あちらこちらで「葬式に行ってもいいのか?」と言う声が聞こえてきたら
家族や兄弟は「家族葬で本当にいいのか?」と気にし始めました。

そこで、少しもめたそうです。
でも「家族葬をする」と言う喪主の主張があり
そのまま、決行したそうです。
当日来てしまった人は、そのまま受け入れようという事で。

ごく近くの人達は家族の意思を尊重して
葬式に参列するのを辞めました。

いざ、蓋を開けたら
何十人もの人が御参りに見えたそうです。

そこで身近な人に参列を断った家族や親族は
とても申し訳ない思いをしたそうです。



実はよくある話です。
ここでの問題は、
家族葬が向いている環境かどうか?
家族葬を決行なら、その対策が出来ているかどうかです。

葬儀の打合せに言って、家族や親戚の話を聞いていると
家族より、一般葬のほうがこの家庭にはより良い選択ではないか、と
感じる事があります。
その場合は、遺族の意思に反しても一応のアドバイスをするのが
葬儀社としての姿勢ではないでしょうか。

それでも「家族葬」の意志が固いのであれば
それなりに対応策を提案します。
私なら、先ず訃報を知らせる方法を徹底します。
書面に書いておく位に徹底します。

「このたび、○○が亡くなりました。
生前には大変お世話になり有難うございました。
家族親族で相談した結果、故人が生前より希望しておりました
家族と兄弟での葬式をする事に致しました。
お世話になった皆様方には、大変申し訳ないのですが
お焼香、お香典はご辞退させていただきます。
なにとぞご理解をお願い申しあげます。」

こんな事まで、決めるの?
と思うでしょうが、人の口は様々。
ピシッと言えない優しい人は
とかく相手は曖昧な言い方をしてしまいます。
聞いたほうは、自分のいいように解釈してしまうものです。

また、一番困るのは
意思を尊重したいけど、
焼香には本当に全員行かないの?
もしかしたら、私だけ?
・・・・この不安がとても大きいのです。

家族葬って言われたけど、どうなの?
と私は職業柄、よく友人に質問を受けます。

でも、普通の人が家族を亡くして
「家族葬」をしたいと思うのは今や一般的といえる時代です。

でも、そのときの混乱を察知する事はできません。
それが出来るのは、葬儀に慣れてる葬儀社です。
よく家族環境を見極めて
告知を徹底することです。

徹底すれば混乱も起きず、周囲の理解も得られ
心置きなく「家族葬」が出来ます。



最新の画像もっと見る