「宝泉寺の大銀杏の木」
国道311号線に、緑の木々の中で、一本の大銀杏の木の姿を目にすることができる。
中辺路町福定地区にある。「宝泉寺にある大イチョウの木」である。
周囲約6m、高さ約22m、樹齢推定400年以上という大樹で中辺路町の天然記念物に指定。
根本から4mの所で幹が数本分かれ、さらに数十本の支幹となって林立していることより「千本銀杏」とも呼ばれている。
黄色の落ち葉で敷き詰められた境内に身を寄せ、大イチョウを見上げると、言葉に表現できないほど見事な風景という。
11月下旬、紅葉の最盛期になると夜間照明でライトアップされ、漆黒の闇に幻想的に光を放つ姿は見事という。
2、3年は木に与える影響を考慮し、中止とか。
太陽の光によるライトアップは実施中している。
あまりの大木銀杏で驚いた



「熊野古道中辺路」は、 牛馬童子像箸折峠、 近露王子跡、 野長瀬一族の墓地、 比曾原王子跡、野中伝馬所跡、 継桜王子跡野中の一方杉
野中の清水、秀衛桜、 中川王子跡、 小広王子跡、、、、。
国道311号線は、白浜、南紀田辺に向かっている。
熊野九十九王子あるが、五体王子の一つ発心門王子から熊野の神の聖域に入るとされ、ここから本宮大社に至る古道は、平たんで人気になっている。コースを簡単に示すと、発心門から水呑王子1.7k伏拝王子1.9k九鬼口関所三軒茶屋1.9k熊野本宮大社2k。
大斎原は、大社0.5k日本一の大鳥居が立つ、江戸時代は、音無川で徒歩で体を清めて大社へお詣りしていた。



「熊野古道中辺路、和歌山県の王子社、稲葉根王子と春日神社」は、 八上王子社から岡川を越えて川沿いの道を東南方面へ行く。
深見集落に入り、竹林の中をのぼって新しい道路を潜って小さい峠を越えて、国道311号の上岩田に出る。富田川沿いに上ると
側に赤い小橋が見える。ここが、 稲葉根王子跡の岩田神社である。
稲葉根王子の石碑と鳥居をくぐり境内に。



稲葉根王子の建つ富田川流域は熊野詣での水垢離場として「平家物語」などに記述されているとのこと。「御幸記」では、「この王子、五体の王子に準ず。御幸の儀、五体の王子と同じ。」と記され、近くには石田御所があり、上皇や女院方の宿泊や昼養の所であった。
稲葉根王子の鎮座するこの土地は、水田地帯であり、稲荷神が鎮座していたと伝わる。稲持王子の別名を持つ。
小山に鎮座、社殿は大きくはないが威厳をたたえて鎮座している。社殿の前には岩田神社跡の碑も立っていた。



岩田川は現在の富田川。信仰の川としての岩田川は歌に詠まれ、「続拾遺和歌集」熊野にまゐらせ給ひける時、いはた河にてよませ給ひける 花山院 、 岩田川わたる心のふかければ神も哀とおもはざらめや。
「玉葉和歌集」夏、熊野へまゐりけるに、岩田と申す所に涼みて下向しける人に付けて京へ、西住上人の許へ遣はしける。
西行、 松がねの岩田の岸の夕涼み君があれなとおもほゆる哉、「続千載和歌集」 為家、 五月雨は行さき深し岩田川渡る瀬ごとに水まさりつつ、 「田辺町大帳」江戸後期の遊行上人、 岩田川こころもそそと夏衣すずしくわたる瀬々の白波、
「続紀伊風土記」 加納諸平 いたづらに月日流るる岩田川たえし御幸や待ちわたるらん、、、。
山道を黙々と歩く



「旧岩田川・富田川」
稲葉根王子前の岩田川(富田川)付近は、熊野の霊域に入る前の重要な水垢離場とされ、この王子から川で水垢離を取り対岸の一ノ瀬王子へ渡ったと伝えられている。 清流・富田川沿いの道をたどる爽やかなコースで、滝尻王子までは約12kmの距離がある。
川を見てほっとした。

次回の南紀白浜で終了します。