山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

ヤマモモ(山桃)の雄花序

2010-03-12 06:54:59 | 植物(木本)
ヤマモモは5~6月に熟する果実を、少年時代の山遊びの中でよく採って食べた想い出があります。

表面に細かい粒状突起のあるイチゴに似た果実は直径2㌢ほどの暗紅色で、熟期には木の下に沢山の

実が落ち、多少アルコール発酵した香りが辺りに漂います。

ほどよい酸味とあっさりとした甘みの果実は生で食べても美味しいし、ジャムやリキュールに加工しても楽しめます。

ところで、この木が気になり出すのは果実のできる5月頃からで、今の時期に咲く、美しくもない花については

誰もが、関心を向けません。

正直言いまして、そう言う私も今までヤマモモにこんな花が咲くとは知りませんでした。

この木は雌雄異株で、画像のものは雄株に付く雄花序です。



ヤマモモ<ヤマモモ科 ヤマモモ属>



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ジンチョウゲ(沈丁花)と初孫

2010-03-10 22:08:37 | 植物(木本)
菜種梅雨と言うのでしょうか、このところ本当によく雨が降ります。

画像は今朝起き抜けに撮った我が家の庭に咲く沈丁花の花ですが、昨年も撮った記憶があったので

調べてみると、やはり雨の日に写していました。

晴れた日にはほとんど気付いていないにもかかわらず、雨が降っていると何故か思い出すこの花・・・

本当に雨の似合う花です。

沈丁花という名は、沈香や丁子のような良い香りがすることからきているそうです。

本当にそんなにいい香りがするのでしょうか?

残念ながら今日はのため確認できませんでした。の日にもう一度嗅いでみましょう



ところで私事ですが、先週の金曜日に初孫が誕生しました。

早速病院へ会いに行ってきました

初孫は可愛いって同世代の友人からよく聞かされていましたが、やっぱり可愛いですねぇ~

嫁曰く 「目がお父さん(私)に似ていて、まるでお父さんを抱っこしてるみたい」

当然、ちょっとした社交辞礼?ですが、そう言われてみて悪い気のするはずもありません。

思わず「本当やね~」と孫の顔を見ながらデレデレになってしまう私・・・(何たるじじバカか)

そこへ女房の強烈なツッ込みが・・・「それって気持ち悪くない?」






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シロモジ(白文字)

2010-03-02 21:46:36 | 植物(木本)
これはクスノキ科、シロモジの花で、2月末頃から葉に先駆けて花を咲かせます。

遠くから眺めるとまるで泡が付いているように見えますが、これは小さな淡黄色の花が集合したものです。

花の咲いている所までは3~4㍍位の高さがあったので、個々の花の形までははっきりしませんが

同じクスノキ科のダンコウバイやアブラチャンなどに比べ、かなり複雑な形のようです。

この木は果実や樹皮にクスノキ科特有の油脂成分を多く含み、古い時代には採取した油を灯油として

使っていたそうです。


シロモジ<クスノキ科 シロモジ属> 落葉中高木 雌雄異株





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オニシバリ(鬼縛り)

2010-02-22 22:34:03 | 植物(木本)
オニシバリはジンチョウゲ科の花の中では比較的早く咲き初めますが、黄緑色をした筒状の萼は

上から見下ろすと全く目立たず、見過ごしてしまいます。

花の数もジンチョウゲやミツマタに比べて少なく、葉腋に5~6個といったところです。

雌雄異株で、雄花は雌花よりやや大きいそうですが、単独ではよく分かりません。

果実は長さ約8㍉の長楕円形でクコの実に似ていますが、辛くて弱い毒性があります。

オニシバリの名は樹皮が丈夫で鬼でも縛れるだろうという意味から、

夏に落葉するところからナツボウズの別名もあります。


オニシバリ<ジンチョウゲ科 ジンチョウゲ属>


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カラタチバナ(唐橘)

2010-01-28 06:36:02 | 植物(木本)
冬に赤い実を付ける縁起物の「~両」シリーズの1つで、別名をヒャクリョウ(百両)ともいいます。

ヤブコウジと違って背丈が50~70センチと高く、葉の長さも8~10㎝とヤブコウジに比べ

かなり長いのが特徴です。

杉や檜などの暗い林の林床に生えているのを稀に見ますが、数のうえでは少ない方だと思います。

画像の個体は、一般的に見るものより葉の質が少し薄いようですが、その他の特徴からは

カラタチバナで間違いないと思います。

葉の形や質は、その地方や生息場所によって多少の変異があるのかも知れません。

暗い林に射し込んだ陽光が、ちょうど赤い実に当たっているのが印象的でした。


カラタチバナ<ヤブコウジ科 ヤブコウジ属>  落葉低木 別名ヒャクリョウ



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ツルコウジ(蔓柑子)

2010-01-25 22:37:33 | 植物(木本)
ちょっと目はヤブコウジに似ていますが、葉にはヤブコウジの様な艶は無く、全体に褐色の

軟毛が生えていて、長さは2~5㌢とヤブコウジの半分位です。

茎は名前が示す通り下部は蔓性で地面を這い、上部は斜上して高さ10~15㌢位の高さになります。

少し見に来るのが遅かったのか、この群落の中で見られた果実は5~6個程度でした。


ツルコウジ<ヤブコウジ科 ヤブコウジ属>




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モチノキ(黐の木)

2010-01-19 21:51:38 | 植物(木本)


モチノキ科を代表する木です。元来、海岸に近い山地に生える木なので

内陸盆地の南山城で見られるのは、植栽されているものか、またはその実を

鳥が運んだものだと思います。

和名は、この木の樹皮から小鳥を捕える「鳥もち」を作るところからだそうです。

その作り方は、5~6月にこの木の樹皮を剥がし、秋まで水に漬けておいたものを

鉈の背などで叩くと粘りがでてチュウインガムのようになってくるので、これを流水で洗い、

更に叩くといったことを2~3回繰り返すと出来上がります。

尚、ほとんど野鳥は鳥獣保護法で捕獲や商取引が禁止されています。

ペットショップなどで売られているメジロなどの野鳥は、ペット用として

海外から輸入されたものです。



モチノキ<モチノキ科 モチノキ属> 常緑高木 雌雄異株







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タマミズキ(玉水木)

2010-01-18 06:24:08 | 植物(木本)

先日の記事で、一度UPしたタマミズキです。

樹高が15㍍を超える木の上部に付く実なので、木に付いた状態の実は

300㍉手持ちでの撮影ではこの程度の画像しかお見せできません。

この木はモチノキ科ですから、雌雄異株で、実の付いているこの株は

雌株ということになります。

樹形は主幹が真っ直ぐ伸びるのが特徴で、他の落葉樹の様に主幹が

枝分かれしないため、伸びるのが非常に早く、数年で10㍍以上にもなり、

高いものでは20㍍を超えるものもあります。

個々の実は直径3㍉ほどですが、ほとんど見る花のない1月の里山で、

この密集して付いた鮮やかな紅色の実は、際立った存在感を示しています。

※名前に「ミズキ」と付きますが、ミズキ科ではありません。念のため




タマミズキ<モチノキ科 モチノキ属> 落葉高木







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ワビスケ(侘助)

2010-01-16 06:46:34 | 植物(木本)

ツバキとチャノキの雑種といわれていますが、正確なルーツについては不明です。

昔から茶花によく使われていて、和名は茶道の「侘び」と「数寄」が一緒になったとする説と

千宗易の弟子であった侘助の名前をとったとする説などがあります。

画像のものは白色系のシロワビスケ<白侘助>ですが、他に紅色でラッパ咲きのベニワビスケ<紅侘助>や

京都に多い極小輪で紅色に白絞のコチョウワビスケ<胡蝶侘助>淡紅色のウラクツバキ<有楽椿>などがあります。

※ウラクツバキは関西名で、関東での呼び名はタロウカジャ<太郎冠者>は、現存のワビスケ系椿の

ルーツとする説もあります。



ワビスケ<ツバキ科 ツバキ属>

この系統の椿は、花が全開しない猪口咲きで、雄蕊は極端に短く退化していて

花粉を作らず、したがって実もできません。

このシロワビスケは少し傷んでいますが、中々いいものが見つかりません





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カンツバキ(寒椿)

2010-01-14 22:52:46 | 植物(木本)
カンツバキは別名シシガシラとも呼ばれ、サザンカ(山茶花)の変種で、

園芸種と見るのが一般的ですが、異説もあります。

注目すべきは、若い枝や葉柄、葉の裏面にある毛が、サザンカに比べて少ない点です。

普通のサザンカに比べ遅咲きで12月~2月に開花し、八重咲きで花弁が湾曲しているので、

牡丹の花のミニチュア版といった雰囲気です。


カンツバキ<ツバキ科 ツバキ属>







中には、蕊が変形して花弁化しているものもあります。


こちらはヒオトメ(緋乙女)、1957年頃に関西で作られたカンツバキの品種
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ニシキマンサク(錦満作)

2010-01-12 21:50:11 | 植物(木本)
年明け、山で一番早く咲き、春を告げる木、

”先ず咲く”というのが訛ってマンサクとなったとする説が有力です。

しかし、この花が咲き始める頃は、本格的な寒さへと向かう1月、

どうも春告げ花とするには少し無理があるような気がします。

むしろ年の初めに枝いっぱいに咲く黄色い花を、稲穂にみたてて

その年の”豊年満作”を祈って付けられた名前ではないでしょうか。


ニシキマンサク<マンサク科 マンサク属>  落葉小高木

マルバマンサクの仲間で、中心の赤いものをニシキマンサクといいます。

近似種には、全体が赤味を帯びるアカバナマンサクという品種もあります。





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アラカシの冬芽

2010-01-11 11:27:19 | 植物(木本)

アラカシの冬芽が一番美しく見られるのが丁度今頃です。

艶のある美しい赤褐色の鱗片が特徴、冬芽の美しさではかなり上位にランクできます。


アラカシ<ブナ科 コナラ属> 常緑高木


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静寂

2010-01-07 22:53:56 | 植物(木本)
藪椿には里山の静寂がよく似あう。

鮮やかな花の色とは対照的とも言える

この落ち着きと気品に満ちた姿は

厳しい自然に耐えた者たちの

研ぎ澄まされた美しさにほかならない。





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ヤシャブシ(夜叉五倍子)の仲間

2010-01-06 20:19:16 | 植物(木本)
ヤシャブシは平安時代には、喪服の色である鈍色(にびいろ)の染料「矢車」の原料として

タンニンを多く含む果穂が利用されてきました。

「五倍子」は本来ウルシ科のヌルデの葉にヌルデノミミフシムシが寄生してできる虫瘤のことで

黒色の染料を作る原料とされてきました。

夜叉五倍子はその代用品、鈍色とは今で言う灰色に近い色です。

また「夜叉」は染料名の「矢車」が変化したものと類推できます。


ヤシャブシ<カバノキ科 ハンノキ属>

俵のような形の雄花序は枝の先端に数個付き、その後ろに尖った雌花序が付きます。





オオバヤシャブシ<カバノキ科 ハンノキ属>

同じ仲間で、オオバヤシャブシがありますが、こちらは逆に雌花序が先端に付くので見分けられます。




ヒメヤシャブシ<カバノキ科 ハンノキ属>

他の2種類とは明らかに違う、細く長い形の雄花序です。

果穂は数個が連なって垂れ下ります。


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キミノソヨゴ(黄実の冬青)

2010-01-05 21:00:30 | 植物(木本)


ソヨゴにはごく普通に見られる、赤い実のソヨゴの他に、キミノソヨゴと呼ばれる

黄色の実を付けるものがあります。

赤い実のソヨゴは縁起が良いとされ、昔から庭木や公園樹としてよく使われてきましたが、

この淡黄色の地味な実を付ける、キミノソヨゴはあまり普及しなかったようです。

そのため現在、この木を見ようとすれば、山に行くしかありませんが、それでも絶対数が少ないのか

ほとんどの図鑑やwebサイトでも、この木に言及したものが見られません。



キミノソヨゴ<モチノキ科 モチノキ属>

果実の色を除いては、普通のソヨゴと特徴は同じ、これもモチノキ科なので、雌雄異株になります。




こちらは、普通に見られる赤い実のソヨゴです。
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