四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その172 ネット歌会)

2025年03月19日 05時26分19秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その172 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き初める 富士桜」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆ドア押せばカウベルのなるカフェあり プレート置かれた指定席見ゆ
                         夕庵さん
★懐かしや学生時代の喫茶店 今はビルに様変わりする
                         西BOOさん
★懐かしき不二家のペコちゃん元気かな イチゴケーキに憧れし頃
                         夕庵さん

☆月ヶ瀬の梅がようやく咲き始む 一万本の花の競演
                         西BOOさん
★五月川に沿いて紅梅咲き競い 甘き匂いの月ヶ瀬の里
                         夕庵さん

☆陽春の胎児のエコー母の腹 蹴り成長のいのちの神秘
                         みっちっちさん
★へその緒は 母子を結ぶ命綱 絆は深し 女は強し
                         夕庵さん
★産院に響く産声 しあはせの春を連れくる天使の声よ
                         みっちっちさん
★五十歳(ごじゅう)にて初孫男(お)の子胸に抱く
            よくぞ生(あ)れにき吾の宝物
                         夕庵さん
★大相撲好きの娘と升席に 四十歳の玉鷲応援
                         みっちっちさん
★枡席のアップに知己の人見つけ 息災を知り安堵してをり
                         夕庵さん
★次々に好きな力士のタオル上げ 応援するは負けても愉快
                         みっちっちさん
★出産の祝いはこれと決めている ふんわりやさしい今治タオル
                         夕庵さん
★ふんはりとパン焼き上がり 鳥の声 北野ホテルの朝の目覚めよ
                         みっちっちさん
★もう一度北野ホテルの朝食を 春の光をテラスに浴びて
                         夕庵さん

     「遅い開花の ミモザ」

☆春日と共に歩かむポストまで 君への文を出すや迷いつ
                         みっちっちさん
★手紙書く宛名の人も減りゆきて ポストはだんだん遠くなりゆく
                         夕庵さん
★青春や恋の悩みをつらつらと 文通せしは中学の頃
                         みっちっちさん
★文通は懐かし 死語となりつつも 名前忘れぬ東北の君
                         夕庵さん
★直ちゃんと名のみ覚ゆる仲良しの 小学二年で別れし友よ
                         みっちっちさん
★お互いに気合い入れつつラインする 
        「気にすな、頑張ろう」スタンプなれど
                         夕庵さん
★スタンプはワンクリックで意のままに 愉快な会話成り立つ時代
                         みっちっちさん
★センスよきスタンプのみの応酬で会話も成り立つ言葉は何処へ
                         夕庵さん
★冗談の応酬なりき 漫才のごとき会話は関西人なり
                         みっちっちさん
★方言を聞けば何だか暖かく 上方文化は健在なりき
                         夕庵さん
★懐かしきいとしこいしの兄弟の ですます調のほのぼの漫才
                         みっちっちさん
★芸人を目指す若者多けれど 品よき言葉でボケとツッコミ
                         夕庵さん
★ぼけ役とつっこみ役は日常の 会話にもある関西の人
                         みっちっちさん
★関西に住んでよかったあなたとも 飾らぬ言葉で素の私居て
                         夕庵さん

☆澄みわたる空に伸びるや木蓮の ためらい開く白き花びら
                         ポエット・M
【詞書】写している写真家の人に聞いてみると、その木蓮の写真で
  誰かが賞を取られたとのことでした。
★山中にひっそりと咲く木蓮に 誰に聞いたか写真家集う
                         西BOOさん
★青空に串さす如く木蓮の 白きつぼみの まとう凛々しさ
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「空に突きさす 白木蓮」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (36)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「卒業式」へ

2025年03月16日 12時46分57秒 | ボランティア

 まさに三寒四温そのままに、寒い日と温かな日が交互に繰り返す日々。過日、比較的温かな日に挙行された地域の公立中学校の卒業式に招かれ出席して参りました。昨年のblogでも触れさせて頂きましたが、この学校にはかねてより学校運営協議会の委員として関わっていることからの招待でした。コロナ禍に続き、インフルエンザが依然広がっている中で、招待者はかなり限定されたとのことでした。

     「咲きみつる 河津桜」

 この中学校は当市の中でもマンモス校のひとつで、卒業生も200名を遥かに超えています。従って卒業生全員に「卒業証書」を授与するだけでもかなりの時間を要しましたが、それぞれの生徒の、卒業に当たって晴れやかな想いを秘めた表情が垣間見れ、少なからぬ感動を味わいました。

 また、校長先生、教育委員会等々からの卒業生への言葉も、心の籠った説得力のあるもので私達まで改めて学ばせて頂きました。校長先生からの言葉は昨年触れさせて頂きましたので、今回は教育委員会からみえた教育委員の方の言葉を紹介させて頂きます。曰く、『今年は清少納言の歿後1,000年の年にあたります。「枕草子」を著わした清少納言の鋭い観察眼と機知に富んだ表現に学び、自ら感じたことを言葉にする表現力を身に付け、コミュニケーション力を磨いてほしい。また、「春はあけぼの…」等の、四季の移ろいに感応する柔らかな感性を身に付け、友との友情を育てていくことを願っています』とのお話は、香り高い文学的な雰囲気を醸し出し、中学生の心にもきっと届いたものと感じました。

 想えば、小学生時代から続いた、コロナ禍とインフルエンザ等々による、相次ぐ行事の中止や、学級閉鎖等々の試練を乗り越え無事中学校卒業に漕ぎ着けた卒業生たち。入学時に比べ心身ともに一段と成長し、逞しさを身に着けてきたように見えました。

 この中学校とは、子供たちがお世話になっていた関係から、PTAの責任者を担って以降、地域連携の教育力推進委員、技術教育講座の講師、学校評議員、さらに学校運営協議会委員等々、ボランティアの一員として微力ながら関わって参りました。
 途中、業務の繁忙さもあり、抜けざるを得ない期間もありましたが、友人たちの助けを借りながら、なんとか繋がりを保ってきました。卒業生の巣立ちの場にも幾たびか立ち会って来ましたが、いつも新たな決意に満ちた生徒たちの凛とした表情に触れ、こちらまで励まされる思いを抱いて参りました。

     「咲き初める ラッパ水仙」

 今回も在校生の贈る言葉に応えた、卒業生全員による想いのこもった群読と合唱は「素晴らしい」の一語では表現し尽くせない、卒業生の決意と底力を感じるものでした。200名を超える生徒たちが心を一つにして、在校生に、父母に、先生に、さらに地域の人々へ感謝を込めて残す言葉は、一つ一つが心に沁みるものでした。なお、群読は谷川俊太郎氏の詩「だいち」を踏まえたものでした。この選択のセンスも心憎く感じました。
 これも、伝統により生徒たちが実行委員会を作り自主的に創り上げたもので、感動を新たにした次第です。地域から巣立ち、地域をさらに日本の未来を託するに足りる子供たちが、育っていると改めて頼もしく感じた瞬間でした。

なお、卒業生たちが「群読と合唱」で選択した詩を参考までに掲載致します。

 「だいち」 
                      谷川俊太郎 詩

  だいちのうえに くさがはえ  だいちのうえに はながさき
  だいちのうえに きはしげり  だいちのうえに あめはふる

  だいちのうえを うまはかけ  だいちのうえを とりはとび
  だいちのうえを へびははい  だいちのうえを かぜがふく

  だいちのうえに ひとはたち  だいちのうえに たねをまく
  だいちのうえに いえをたて  だいちのうえの つかのまに

  だいちのうえで あいしあい  だいちのうえで にくみあい
  だいちのうえで たたかって  だいちのうえで しんでゆく
                        了

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その171)

2025年03月12日 05時57分17秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その171) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き盛る 河津桜」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
「26.少女(おとめ)朝顔の君」
 源氏はなおも朝顔の姫君に言い寄るが、姫君のかたくなな態度は
 変わらない。一方、祖母大宮の元で養育されていた源氏と葵の上の子、
 夕霧が十二歳となり元服した。源氏は勉学を身につけさせるために、
 六位という下級の官位に留めおいた。大宮も夕霧もその処置に不満で
 あったが、発憤した夕霧は異例の早さで昇進した。同じころ、斎宮の
 女御が立后した。源氏は太政大臣に、かつての頭の中将は内大臣に
 昇進した。斎宮の女御の立后にあせる内大臣は、次女雲居雁の入内を
 考えるが、雲居雁は夕霧と相思相愛の仲になっていた。そのことを
 知った内大臣は雲居雁を自宅に連れ戻す。源氏は夕霧の後見を
 花散里に依頼する。夕霧は容姿はふつうだが気立てのよい花散里に
 心を許す。源氏は四季の町からなる六条院を完成させた。春の町を
 紫の上、夏の町を花散里の邸とし、秋の町を斎宮の女御の里邸とした。
〇かけきやは 川瀬の波も たちかえり 君が禊の 藤のやつれを 光源氏
註)思いもかけませんでした、今日、禊の日が立ち帰り、あなたの
  藤色の衣(喪服)を見るとは
〇藤衣 着しは昨日と 思ふまに 今日は禊の 瀬にかはる世を」朝顔の君
註)喪服を着たのはつい昨日のことと思っていましたのに、今日それを
  脱ぐ禊をするとは、世の中の移り変わりは早いものですね
(返歌)
☆姫君は 物思いにと 所在なく 思い出すこと 桂の木にも
☆しみじみと 源氏の君は 返歌こそ 所狭しと 品々贈る
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 作者の説明にもあります通り「少女」の巻における光源氏と朝顔の君の
 関係は、相変わらず微妙で複雑なものです。光源氏は朝顔の君対して
 変わらぬ情愛を持ち続けていますが、彼女はその進展に対して非常に
 慎重で、距離を保ち続けています。
 光源氏が朝顔の君に詠んだ歌には、彼女の喪が明けたことを祝うと
 ともに、深い思いが込められています。しかし、朝顔の君はその歌に
 対しても慎重に対応し、心の中で揺れ動く感情を抱えながらも、
 自らの立場をしっかりと守ろうとしています。
 この巻では、光源氏の求愛に対して朝顔の君が応じることなく、むしろ
 距離を置こうとする姿勢が強調されています。彼女は自分の気持ちを
 明かさず、決して光源氏に心を許さないことで、自らの誇りと立場を
 守ろうとする意志を貫き、物語の中でも印象的なシーンとなっています。
 源氏物語の中でも、朝顔の君との関係は常に緊張感を孕んでおり、その
 微妙な駆け引きが物語の魅力の一つとなっていると考えます。
 このような背景を前提としながら、作者の二首の返歌を鑑賞しました。
 一首目の歌、結句の「桂の木」は、物語の中で象徴的な存在として登場
 します。朝顔の君が住む邸宅には桂の木が植えられており、彼女自身を
 象徴する存在となっています。桂の木は夜に麗しい香りを放つことから、
 朝顔の君の清らかで高貴な人柄を表現しています。
 二首目の歌は、光源氏の思いに寄り添い、その思いを肯定して詠まれて
 います。今回も、それぞれの立場から率直な想いを詠んでみましたが…。
【ご参考】
★桂木の香り仄かに漂いて 深まりゆくも 君への想い
★みそぎにも漂いきたる香りあり 妖し誘(いざな)い切なきものよ

【詞書】妣(はは)で三首、出詠いたします。
☆春月のやはらに妣のこころ見ゆ 吾(あ)に降りそそぐ孤高の光
☆白梅の名残は妣の愛しさよ 一花一花の梅が香甘く
☆闘病の妣へパジャマを買ひしこと 小花模様の春色哀し
                         みっちっちさん
【解説】
 今回は、今は亡きお母様(妣)への想いを三首詠んで頂きました。
 一首目の歌、上の句の「春月のやはらに」で、春の月光が柔らかく
 降り注ぐ情景が繊細に描写されています。「妣のこころ見ゆ」では
 「妣(はは)」という言葉が使われていることで、亡きお母様の深い
 愛情や思い出を想起させ感動的です。下の句では、月光が降り注ぐ
 様子を「孤高の光」と表現することで、作者の孤独感とともに、母の
 愛情が静かに自分に降り注ぐ感覚が描かれ、深い情感が感じられます。
 総じて、自らに降り注ぐ柔らかな月光と、亡き母が注いでくれた愛情を
 繊細に結び付けた、感動的な歌と感じます。
 二首目の下の句「一花一花の梅が香甘く」の表現がいいですね。
 三首目の「小花模様の春色哀し」の「哀し」に込められた作者の想いの
 深さに打たれます。再び巡ってこなかった「春」への無念の思いも
 滲んでいます。

     「名残りの 白梅」

【詞書】3月1日の暖かかった日を詠みました。
☆陽春の庭に出でれば紋白蝶 梅が咲いたと触れ回るなり
【詞書】お水取りを詠ませて頂きました。
☆三月に入りて三寒四温とて 二月堂では滞りなく
【詞書】世界情勢を詠ませて頂きました。
☆ゼレンスキー・トランプ会談決裂は プーチン喜ぶ結果となるのみ
                         西BOOさん
【解説】
 今回は「紋白蝶」「お水取り」「ゼレンスキー・トランプ会談」と
 ホットなテーマについて三首詠んで頂きました。
 一首目の歌は、第二波に渡った最強寒波も和らぎ、春らしい日和と
 なった様子を詠み、好感のもたれる歌となっています。擬人化された
 蝶は、さながら作者の想いともリンクし、春の訪れを心から喜んでいる
 様子が素直に表現され共感を誘います。
 二首目の歌、前にも触れさせて頂きましたが、東大寺のお水取り本行は
 3月1日から14日に行われています。詠まれているように、気象状況に
 関わりなく「とて…滞りなく」実施されていますね。「とて」の表現に
 作者の
想いが滲んでいます。春の訪れを示す象徴的なイベントは本物の
 春を
招く力強いサポータとも感じます。
 三首目の歌は、詠まれている通りですね。作者の先週の歌への解説でも
 触れさせて頂きましたが、ゼレンスキー大統領は、アウエー感に満ちる
 アメリカ大統領執務室で、国を背負う者の矜持を保ちつつ自らの主張を
 毅然と述べられた事に清々しさを感じました。国連憲章を乱暴に踏み
 にじったロシアを利する、いかなる役割も、アメリカは果たすべきでは
 ないと思います。また、ウクライナの国と国民の将来を、己の卑小な
 利益と栄誉の為の手段にすべきでないとも考えます。

【詞書】椿二首
☆落ちてなお形崩さぬ椿あり 声かくときの息のむためらい
☆春を待ち乙女椿の名をもつも 花びら縁より朽ちてゆくなり
【詞書】春雨を聞きながら・・
☆しめやかに春雨降りつぐ枕辺に 白鳥しずかに羽根をやすめり
                         夕庵さん
【解説】
 今回は「椿」と「春雨」をテーマに三首の歌を詩情豊かに詠んで
 頂きました。
 一首目の歌は、落ちた椿の花の美しさとその静寂さを描写しています。
 椿の花が落ちても彩どりを保ち、形を崩さない様子は、自然の中での
 一瞬の永遠性を
感じさせます。なお、落ちた椿に対して声をかけようと
 する時の
「息のむためらい」という表現は、その椿の花の静けさと
 美しさに
対する、作者の繊細な美意識と畏敬の念を感じさせます。
 また、上の句と下の句が対比的で、美と静寂、動と静のコントラストが
 見事に表現されています。さらに、花の儚さとその中に宿る命の永遠性が
 余情と共に表現されています。
 二首目の歌、花の持つ美しさと儚さ、さらに残酷さが「縁より朽ちて」
 に凝縮され、鮮やかに表現されています。

     「乙女椿」 

【詞書】YouTube短歌:戦争をもたらす者
  ホルスト 組曲「惑星」より「火星」
☆力を得し者は更なる力のために戦う
            宿業の中で
                         自閑さん
【短歌解説】自閑さんご自身の説明です。
 ロシアーウクライナ戦争が、トランプの登場で更に見通しが分からなく
 なったと思います。EUも困惑し、日本も対岸の火事ではいられなく
 なったと思います。
 イギリスの作曲家グスターヴ・ホルストの組曲「惑星」は、占星術に
 インスピレーションを得て1914年から1916年に作曲しました。
 それぞれ惑星の名前とサブタイトルが付けられており、「火星」は、
 「戦争をもたらす者」が付いています。
 弦楽器とハープ、ティンパニー、ゴング、ファゴット、フォルンが
 奏でるリズムとトランペットとホルンを掛け合いを聴いていると、
 トランプ大統領による力での制圧を思い浮かべてしまいました。
 カナダ、メキシコ、EUに対する関税強化などはその典型だと。トランプ
 大統領とゼレンスキー大統領の会談を、副大統領を參入させ場内を
 混乱させるプロレスの樣にも見え、未だ未だ何が起きようとして
 いるのか不明な時となっています。ただ確かな事は、世界の人々は、
 この曲の様に不安になっているのは間違いはないでしょう。
 「戦争をもたらす者」なのか?力で「平和をもたらす者」なのか?
 主題が一端終って、徐々に楽器が演奏に加わって大きくなっていく、
 休戦後も燻り続ける野望の様に聞こえました。フィナーレには
 累々とした屍の荒野だけが残っていると。
 以下URLに、曲を貼付しておりますので、御視聴頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/aaed429af12909c8e6c50f5b5b2aa985
【解説】
 ご紹介頂いたホルスト作曲の『組曲「惑星」より「火星」』のYouTubeを
 視聴させて頂きました。曲全体を通して急激な強弱の変化があり、戦争の
 爆発的なエネルギーと突然の静寂が描写されています。特に強力で不規則な
 リズムは、戦争の不安定さと予測不可能性を反映し、5拍子のリズムが、
 緊張感と不協和感を強調しています。さらに、戦争の爆発的なエネルギーと
 突然の静寂は作者の解説にもありますように「累々とした屍の荒野」の状況
 を描写しているように感じました。
 この曲を踏まえて詠まれた歌には、歴史や人間の業を見つめた深い洞察が
 感じられます。勝ち得た力に満足せず、更に力を求め続ける姿は、歴史の
 中で営々と繰り返され、いまなお続く多くの権力闘争を象徴しています。
 また、
「宿業」という言葉が示すように、これは歴史の舞台で踊った、
 さらに、踊りつつある
個々の人間の問題ではなく、人類全体に普遍的に
 存在するテーマだという
ことが詠われています。
 また、自由律で詠われていますが、全体のリズムも心地よく「得し者」
 「更なる」「宿業」という言葉の選び方に工夫が感じられ、強いメッセージ
 性と詩的な美しさを兼ね備えた歌と感じます。さらに、ホルスト「火星」の
 曲と響きあい深い印象と、示唆を与える歌と考えます。

【詞書】3月8日(土)は「国際女性デー」で、それを象徴するミモザをよく
  目にしました。その日私は宇治北の平和堂(フレンドマート)や
  コーナン、ドラッグユタカなどに買い物に行った時に100均に寄ると、
  ミモザの柄の小皿が目に入り、「8日やしなー」と思わず一枚衝動買い…。
  行きしなに去年今頃綺麗にミモザが咲いていた近所のお宅は
  まだ咲いてなさそうだったこともあって…変わりと言っちゃ
  何ですが…でしたが。(帰りにそーっと見に行くとバッサリ切られた
  のか、凄く剪定したのかちょっと見当たりませんでした)そして、
  この日の朝日新聞の朝刊も、ミモザが満開の枠の中に題字が有る
  という素敵な特別デザインでした。新聞自体の内容もよく見かける
  「Think Gender」というタイトルを付けた記事がいつもより多かった
  かなと思います。
  まだまだ女性も生き辛さを抱えることも多い昨今、多少なりとも声を
  あげることが可能になりつつあるだけ昔よりはいいのかなと思い
  ながらも、いやそこで止まったらあかんのやろうな…とも思います。
  子供(女の子たち)も含めて哀しい、悲しい、辛い、しんどい思いをする
  女性が少しでも減りますように…。(自分の幼い娘に性被害を行う
  父親よ呪われろ!💢)
☆ミモザ柄の小皿を100均で買った日の朝刊
              題字もミモザ満開
【詞書】いや~、3月8日は新聞の題字も驚きでしたが社会面(テレビ欄の前)
  を開いて「うわああ~!!」と思わず歓喜の叫び…。
  大阪府堺市の大山古墳(伝・仁徳天皇陵)へ3/7に「歴史、考古学系の
  17学会・協会」の代表者さん達が墳丘に立ち入り、現状を観察した…
  とのこと。戦後、学会関係者のこの古墳への立ち入りは初めて
  だそうです。
  宮内庁職員さんの案内で、ボートでお濠(ほり)を渡って墳丘に
  上陸して視察したとか…。もう、記事を読む間「うひゃあ~」とか
  「うわぁい!」とか、端に居た母はうるさかったやろなあと思うぐらい
  大騒ぎして読んでいました。2008年に「陵墓」の立ち入り観察が初めて
  許可されて、今回18箇所目だったそうな。いや~…「やった~!!🎉」
  みたいに快哉を叫んだ学者先生たちはきっと多かったかと思います。
  (いや「やっとか~!」だったりして…)考古学者の先生方って、長年
  「我々は墳墓の調査をしたいぞー!」「掘らせろー!」「おー!」って
  感じで調査が出来ることを願ってたでしょうから…。…森浩一先生が
  健在で居られたら、きっと墳丘に足を踏み入れた学者先生達と共に
  視察したかっただろうなあ…という気がします。(私だって見てみたい!
  高校はすぐ横を電車で毎日通っていたし、大学やバイトの時でも電車
  から墳丘の上の木々を見ながら通ってましたし…)しかし、昔母が
  人から聞いた話で、大雨や台風の時に近くのお店の人とかが、埴輪が
  流れて来たと言ってたとか言ってなかったとか…。え゙~っ?!
☆学者達
  「調査させろ!!」と願ってた
     大山古墳へ“上陸”果たす!
【詞書】3月10日の「東京大空襲から今年で80年」というのを聞いたり
  見たりしていると、「3月14日の大阪大空襲からも80年やねんな…」と
  思い、「空襲で逃げてた時に軍手していて火が付いて手に火傷した」
  という話は、それを聞いたという姉から聞いたものの、本人が存命の
  間に「手のどこ?」とか「どうして助かったん?」とか詳しく聞かんかった
  なあ…と思ってました。とはいうものの父の死後、家の事とか保険や
  何かの事とか仏事、お寺の事とかetc.…事細かに父が書き残した物の
  中に、空襲から逃げた話や疎開先での話、大阪で会社に入った当時の
  事など、「忘れてしまう前に思い出せる事を書いておく」感じで少し
  ですが書いたものを見つけました。今ならば父が父親(私の祖父)と
  焼夷弾による炎の中を逃げ、手や足に何カ所か火傷を負った事、
  逃げる途中爆風に飛ばされて頭を打った事、気を失った後に介抱され
  (頭も治療してもらって)祖父と合流できた事、梅田まで何とかたどり
  着いて阪神電車で兵庫県の伯父さんの家に行った事、痛みも忘れて
  逃げていて、伯父さんの家で牛乳を貰ったけど吐いてしまい、その後
  1週間ほど朦朧としていた事、家の様子を見に
行った祖父に家が全焼
  していたと聞いた事、伯父さんの家にしばらく
居た後、島根の親戚を
  頼って疎開した事(父の弟と妹3人は先に行って
いたという。父には
  昭和40年代に外国で客死したお兄さんが
居ましたが、戦中は出征して
  いたそうです)、空襲が無くてほっとして
いた事、…あと、疎開先で
  大阪弁をからかわれたり、いじめられたけど
先生達は優しかった事、
  労働奉仕は辛かった事、高校を卒業して
祖父は大学に行って欲しかった
  みたいだけど、商社に就職できて
嬉しかった事、始めのうちはお金に
  苦労した事…等々を知り、ドラマを
見るようにその場面を想像する
  ことができます。…ちらちらと途切れ
途切れに聞いてはいましたが、
  まとめて一連の話としてははっきり
聞いてませんでしたから、身内の
  辛くとも貴重な戦時中の体験の
話ならばちゃんと聞いておいたら
  良かったなあ…しかし、父がその
戦火を生き延びたから私が居るんよ
  なあと3月14日を目前にして
思った次第です。(母は父が疎開した近くが
  実家ですが、低く飛ぶ
B29に乗っていた派手なスカーフをした
  パイロットを見たと言って
ます。空港とかあったらしいから全く静か
  でもなかったやろうと
思いますが…。9日の天声人語にありましたが、
  結構有る話や
そうです。パイロットの顔が見えたって…凄い話や……)
☆大阪大空襲で負った火傷跡(あと)
        聞けないまんまで父亡き今年
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「国際女性デー」「大山古墳」「大阪大空襲」をテーマに、
 最新の時事情報を掘り起こし三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、今年は花の開花がなべて遅れていますね。ミモザも少し
 遅れていましたが、ここ二三日でようやく開花し始めました。
 国際婦人デー(3月8日)は、女性の社会的地位向上や平等を祝う日で
 あり、ミモザの花が象徴的な役割を果たしていますね。この日の
 朝日新聞の題字は、詠われているように「ミモザが満開」に彩られて
 いました。ジェンダー平等の実現と、女性の権利向上への意識を高める
 ための取り組みと闘いの歴史を学びながら、今何をすべきかを考える
 出発点の日としたいですね。それらを意識する歌でもあると感じます。
 二首目の歌、今年の3月に行われた大山古墳(仁徳天皇陵)の上陸調査は、
 歴史的・考古学的に非常に重要な出来事でした。この調査は、作者の
 詞書でも述べられているように、戦後初めて学会関係者が墳丘に立ち
 入る機会となり、17の歴史・考古学系の学会・協会の代表者が参加
 しました。調査の結果、墳丘の保存状態は良好であり、今後の保存・
 管理に向けた具体的な対策が検討されることとなり、古代日本の歴史や
 文化を理解する上で重要な一歩となると考えます。歌には身近な関係者の
 一人として、この調査への作者の喜びが率直に表現されています。
 三首目の歌、「東京大空襲」の4日後、「3月14日の大阪大空襲」が
 アメリカ軍のB29によって強行されましたが、お父様がその被害者の
 一人であったと初めて知りました。その後島根県への疎開等々でご苦労
 された話は、まさに戦中戦後の個人史としても明確に書き残したい貴重な
 歴史と感じます。
 1945年3月に行われた東京大空襲、大阪大空襲等、さらに8月の広島、
 長崎への原爆投下はアメリカ軍による大規模な無差別爆撃であり、
 数十万人を遥かに超える市民が犠牲となりました。この攻撃は一般市民を
 対象としたものであり、国際法違反であり、さらに戦争犯罪と考えます。
 このような、歴史的な出来事を記すことは、戦争の悲惨さや愚かさを後世に
 伝えるために重要ですし、せめて「一つの証言」として個人としても詠い
 継ぎ、記していきたいと思います。

☆澄みわたる空に伸びるや木蓮の ためらい開く白き花びら
                         ポエット・M
【解説】
 第二波に及ぶ最強寒波によるものでしょうが、今年の春の花はなべて
 平年よりも開花が遅れていると感じます。それでもここ二、三日の温かな
 日差しに誘われるように白木蓮が、ためらいがちに開花し始めました。
 青空を背景に未だ吹く北風の中へ、すっくと枝を伸ばし純白の花弁を
 開く様は「本物の春」の到来を告げているかに感じます。
 そんな、きりっとした白木蓮の咲き初める様を詠ってみました。


     「咲き初める 白木蓮」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(9)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

    なみだなみだ
    不思議なるかな
    それをもて洗へば心戯けたくなれり

    呆れたる母の言葉に
    気がつけば
    茶碗を箸もて敲きてありき

    草に臥て
    おもふことなし
    わが額に糞して鳥は空に遊べり

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は文字数制限により割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

コメント (13)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その171 ネット歌会)

2025年03月12日 05時05分56秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その171 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き盛る 河津桜」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆陽春の庭に出でれば紋白蝶 梅が咲いたと触れ廻るなり
                         西BOOさん
★梅が枝に飛び交うメジロの賑々し チーチー囀る甘き求愛
                         夕庵さん
★野良猫かメジロ滅多に顔みせぬ 椿に梅が咲き誇れども
                         西BOOさん
★満開の梅の花の愛しさよ より来るメジロもおなじに愛し
                         夕庵さん

☆闘病の妣へパジャマを買ひしこと 小花模様の春色哀し 
                         みっちっちさん
★吾の縫いしスカートにそっと足通す 和服ばかりの亡母の日常
                         夕庵さん
★クローバー探す少女ら原っぱに スカートの円丸くして春
                         みっちっちさん
★嫩葉萌ゆ 原野にうち出寝転べば 雲雀は高く空に消えたり
                         夕庵さん
★天平の鴟尾かがやきて 揚雲雀 天心目指し声高々と
                         みっちっちさん
★うららかな春の日差しの草原に 「チュルリ・ピチュリ」とヒバリの飛翔
                         夕庵さん
★春空へ大ホームラン 少年を称ふるやうに雲雀の飛翔
                         みっちっちさん
★誉めて子の指導する監督に 叱る・体罰 頭にあらず 
                         夕庵さん

     「咲き初める 白梅」

☆春月のやはらに妣のこころ見ゆ 吾(あ)に降りそそぐ孤高の光
                         みっちっちさん
★白梅はぽこぽこ咲きて春を呼ぶ 洞ふたつ持つ孤高の盆栽
                         夕庵さん
★かざす手に日の濃く淡く 白梅のはち切れさうな蕾数へて
                         みっちっちさん
★風雪に耐えて開きぬ白梅に 光やさしくエールを送る 
                         夕庵さん
★花街のちさき稲荷のしだれ梅 手をはんなりと舞妓祈りぬ
                         みっちっちさん
★梅園の野点の席にあでやかな 舞妓の笑みてにおう春風
                         夕庵さん
★華やぎの花見小路に 舞妓らの 銀のかんざし春風に揺れ
                         みっちっちさん
★訪ねしは石塀小路の曲がり道 ぼんぼり淡し横顔寂し
                         夕庵さん
★花街の曲がり角にて肩触れし 横顔いづこで会ひしデジャブか
                         みっちっちさん
★花街の笑顔の外人青年は 日本文化に感銘しきり
                         夕庵さん
★外人の浴衣姿は靴履きて 裾は短く胸ははだけて
                         みっちっちさん
★身の軽くスニーカー履きて春の町 五感ふるわす発見あるやも
                         夕庵さん

☆果て知らぬ悲しみ癒えぬ日々の中 君ら逝きたる 春巡り来る
                         ポエット・M
★震災を乗り越え建てた家々に 靡く山火事容赦を見せぬ
                         西BOOさん
★悔しさも辛き想いも秘めきたる 今また襲う 無念山火事
                         ポエット・M

☆悔しさも辛き想いも秘め来たる 今また襲う 無念山火事
                         ポエット・M
☆山火事は自然の甚振り雨降りて 鎮火宣言なるも痛まし
                         夕庵さん
★山火事に 地震・津波と幾たびを われらを試す 天地の神は
                         ポエット・M
★ふたたびの災害なるも夢でなし かける言葉も浮かびもせずに
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める 椿」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (21)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

14年目の3.11

2025年03月09日 10時54分31秒 | 鎮魂

 今月3月11日で、2011年(平成2 3年)3月11日14時46分に発生した東日本大震災から14年目となります。この東日本大震災での死者は15,900人、行方不明者は6県で2,520人、関連死は3,808人とのことです。さらに、全国の避難者は今も約28,000人に上っています(2025年3月11日付け 朝日新聞)。
 この大震災で被害に遭われ身罷った御霊に哀悼の誠をささげるとともに、未だ行方不明となっている方と、そのご家族の皆様に改めてお見舞いを申し上げたいと思います。この間、被災された皆さんの筆舌に尽くしがたい労苦と闘いの日々を、そしてそこから立ち上がり前を向く多くの皆さんの歩みを、私たちも改めて共感をもって想い起したいと思います(最新情報で数値を更新しました)。


     「咲き満る 河津桜」

 昨年も、このブログで掲載させて頂いた内容ですが、再び巡りくる3.11を前に、改めて「共にある」ことの確認を込めて、重複となりますがこの記事を掲載いたしと思います。なお、福島第一原子力発電所では燃料が溶けた1~3号機は、安定的に冷却されているとは言え、原子炉内の溶融した燃料(燃料デブリ)の取り出しは、やっと0.7グラムを取り出した状況に過ぎず880トンの取り出しの目途もたっていない状況です。従って廃炉も、さらに遠い道のりになると考えています。

 今から14年前、多少でも手助けになればとボランティアで訪れた福島の海辺の町は、すべてを破壊しつくされた瓦礫の街でした。昨年の能登地震の惨状が重なりますが、廃墟とも言えるその地でしっかりと日々の生活を立て直し、明日を見据えて踏ん張る多くの方たちに接し、 私たち自身が励まされる思いがしました。
 お手伝いの合間に、現地の皆さんのお話を聞くことが出来ました。言葉少なに、自らの現状に折り合いをつけつつ、 絞り出すように語ってくれた多くの方達の言葉は、 私たちの想像を遥かに超えていました。目の前で、大津波にご主人も、お子さんもさらわれたと言われる一人の女性。立ち直ることも出来ないであろう厳しい状況に直面し、涙も枯れ果てたと言いながら、それでも気丈にふるまう方。
  その方の想いに寄り添い「あの子の分も」との題で、私なりに詞に紡いでみました。ずーと心に留め、しまっておいた歌詞ですが、一昨年、東日本大震災から12年目の節目に当たって「共にある」ことを再認識するとともに、 あの想像を絶する事態を改めて心に刻む意味で、詞を少しブラッシュアップしてみました。

 その詞の作曲・歌唱依頼を含めてYokiさんに提案させて頂きました。今回もYokiさん、じいじさんの多大なご尽力で、歌詞に命が吹き込まれました。先に本ホームページで紹介させて頂いた、Yokiさん作曲・歌唱の二曲の延長に、「あの子の分も」の楽曲を、皆さんにお披露目出来ることに感謝したいと思います。

「あの子の分も」の楽曲公開に当たっては、工藤慎太郎さんの楽曲「旅の途上(なか)」の作詞の際、 ペンネームとして「ショー・ジロー」を頂きましたので、今回も前二曲に続いて、それを踏襲させて頂きました。 作曲&歌はyokiさん、ギター&ハーモニカはじいじさんに担って頂きました。改めて感謝申し上げます。

今回は、2022年3月11日に、改めて Yokiさんに歌って頂いた曲を掲載させて頂きます。

画像をクリックしますと「Youtube」を視聴できます。

ユーチューブの背景画像はYokiさんに選んで頂いた「ニゲラ」という花で、
花言葉は「未来」です。

 「あの子の分も」
     作詞*ショー・ジロー  作曲&歌*yoki  ギター*じいじ

  1.あの子の声がこだまとなって 
    今でもはっきり響いてくる  
    目の前で波に呑まれ さらわれた
    あの子が今でも目に浮かぶ
    あんなに身近な海なのに
    今は見るのも つらい 
    切なくて 悲しくて 
    眠れぬ夜をいくつ重ねたことだろう
    でも・・・涙はお日様に預け
    もう泣かない   
    あの子にもらったこの命 
    抱えてしっかり 生きて行くわ

     2.あなたの声がこだまとなって 
       今でもはっきり響いてくる
       目の前で波に呑まれ さらわれた 
       あなたが今でも目に浮かぶ
       あんなに好きな海なのに
       今は見るのもきらい
       寂しくて 苦しくて
       眠れぬ夜をいくつ重ねたことだろう
       でも・・・涙はお日様にあずけ
       もう泣かない
       あなたにもらったこの命 
       抱えてしっかり生きて行くわ

  3.あれからもう10年たつのね 
    やっと探した写真には
    あの子とあなたの笑顔が写ってる  
    家も町も光の中輝いてる
    津波が全てを奪っていった
    あの日々が 愛おしいまでによみがえる
    辛いけど 寂しいけれど
    私の愛したあなたと あの子の思い出を
    抱えてしっかり生きて行くわ
    あなたの分も あの子の分も
    私のこの胸にずっと ずっと

 「あの子の分も」の楽曲作成に当たって作曲&歌はyokさん、ギター&ハーモニカはじいじさんに担って頂いた旨は先に申し上げました。ギター&ハーモニカを担って頂いた、じいじさんに「あの子の分も」をカバーして頂きましたので、一挙に公開させて頂きます。

 画像をクリックしますと「Youtube」を視聴できます。

 なお、拙い詞ですが、著作権は放棄していません。
無断転載等はご遠慮願います。転載いただけるのであれば、あらかじめ当方へ
連絡を頂き「ポエット・M」の作詞者名を明記して頂ければ嬉しいです。
なお、最新情勢で関連数値を更新しました。

                        了

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その170)

2025年03月05日 06時00分46秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その170) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き盛る 河津桜」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
「25.朝顔(あさがお)朝顔の君」
 父宮の薨去により朝顔の姫君は斎院を退き、桃園の宮で暮らしていた。
 姫と同居する女五の宮の見舞いにかこつけて邸を訪問した源氏は朝顔の
 姫君に恋心を訴えるが、姫君は聞こうとしない。世の人々は源氏と
 姫君のことを理想のふたりだと噂をする。それを聞いた紫の上は、
 さしたる後見のない自分の身と前斎宮である姫君をくらべ強い不安を
 覚える。源氏の求愛を聞くことなく朝顔の姫君は勤行に明け暮れる。
 あきらめきれない源氏だが、紫の上を放っておくこともできず弁明に
 明け暮れる。雪が降る中、源氏と紫の上が女性論を交わしていると、
 藤壺の宮が源氏の夢枕に立ち、秘密の漏洩を深く恨んだ。
〇見し折の つゆ忘られぬ 朝顔の 花の盛りは 過ぎやしぬらむ 光源氏
  昔拝見したあなたの姿がどうしても忘れられません。
  朝顔の花のようなあなたの容姿は盛りを過ぎてしまいました
〇秋果てて 霧の籬に むすぼほれ あるかなきかに 移る朝顔  朝顔の君
  秋が終わって霧の立ち込める垣根にしぼんで今にも
  枯れてしまいそうな朝顔の花のような私です
(返歌)
☆恋ごころ 長い年月 募らせた 私の気持ち 朝顔に見て
☆朝顔は 源氏の心 思いやり 真面目な気持ち そっと伝える
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 『源氏物語』の「朝顔」の巻は、光源氏と朝顔の姫君(斎院)との関係や
 和歌を通じた微妙な感情のやり取りが特徴となっています。この巻では、
 二人の間の恋愛感情が主題となりながらも、朝顔の姫君は光源氏の求愛に
 応じようとしません。そのため、華やかな恋の物語というよりも、静かな
 哀愁や諦念が漂う内容となっています。
 朝顔の姫君は斎院として育ったことから、恋愛よりも清廉さや義務感を
 重んじる価値観を身に付けてきました。光源氏はそんな彼女に長年恋慕を
 抱き続けてきましたが、その思いは実ることがなかったと読み取れます。
 それゆえに、二人の関係は静かな対話と精神的なやり取りに収まって
 います。従って、この巻は全体的に、恋愛の儚さとともに、過ぎ去った
 時間への哀惜を感じさせる内容として深い趣があると感じました。
 なお、ここに例示された朝顔の君の歌は、光源氏の歌を故意に曲解して
 返歌したという説もあります。
 これらの背景と、二人の歌のやり取りを踏まえて、作者の「返歌」を
 鑑賞させて頂きました。
 一首目は光源氏の立場から、朝顔の姫君への長年にわたる変わらぬ恋心を
 強調して詠って、光源氏の想いに寄り添う歌となっています。
 二首目は、朝顔の姫君の想いを代弁し光源氏への淡い想いを詠っています。
 それぞれの立場から、その想いを直截に詠ってみましたが…。
【ご参考】
★朝顔の花の盛りの麗しさ 君は留めて今もまばゆく
★秋にさえ艶なす花よ朝顔の 想いは君に寄り添いてゆく 

【詞書】各地の大雪を詠ませて頂きました。
☆積雪の記録更新あちこちで 異常気象の影響ならむ
【詞書】もうすぐ春だと思い詠ませて頂きました。
☆雨水とて雪のちらつく如月も お水取りはもう目の前に
【詞書】アメリカのトランプを詠ませて頂きました。
☆何よりもロシアの味方トランプよ お前の偉大はこういうことか
                         西BOOさん
【解説】
 一首目の歌、近年は異常気象が続き、「異常」が「通常」化しつつ
 ありますが…。それでも今年の積雪は北陸地方を始め各地で記録を
 更新し、際立った異常さを示しました。2度に及ぶ「最強寒波」の
 影響もあり、例年の4倍を超える積雪は異常をさらに超えています。
 淡々と詠っていますが、「異常気象の影響ならむ」の静かな告発に
 作者の想いが滲みます。
 二首目の歌、東大寺お水取りは3月1日~14日に本行が行われますが、
 春の訪れの象徴的なイベントを楽しみたいですね。「もう目の前に」の
 表現に想いが凝縮されています。
 三首目の歌、3月2日付けでメディアは「米ウクライナの会談決裂」を
 一斉に報道しています。ゼレンスキー大統領の想いの中には、
 詠われているようなトランプ大統領の想いや、姿勢への不信感と、
 いらだちがあったのではないかと感じます。トランプ大統領への
 へつらいと、忖度に満ちる執務室のアウエーの雰囲気の中で、国と
 国民の誇りを背に、自らの主張を毅然とされたゼレンスキー大統領の
 姿勢。諸々の批判はありますが、清々しさと、国を背負うものの
 矜持を感じました。これからの道のりの険しさはありますが、
 ウクライナを孤立させない欧州をはじめ私達の国の支援は必須と
 考えます。国連憲章を乱暴に踏みにじったロシアを利する、いかなる
 役割も、アメリカは果たすべきではないと思います。こんな想いも
 滲む歌と改めて感じました。 

【詞書】「梅の花」で三首、出詠いたします。
☆咲き満ちて色を極むる梅の花 妣(はは)と眺めし いのちの輪廻
☆歌碑守のごとく白梅匂ひけり 小雨に色をうつして静か
☆紅ほのと白ほのぼのと梅の花 青空に色交差して美(は)し
                         みっちっちさん
【解説】
 梅の花にまつわる余情に満ちた三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌は、梅の花が満開になり、鮮やかに咲き誇る様子を描写
 しています。なお、「妣(はは)」との言葉から、この情景は亡き
 母とともに過ごした日々の思い出が今も生き続けていることを示して
 います。作者は、梅の花の美しさに母との思い出を重ね合わせ、人生の
 輪廻、命の循環へ想いを巡らせています。さらに、梅の花の鮮やかな
 彩りを詠い、母への深い愛情と敬意を改めて確認する、深い感動を誘う
 歌になっています。
 二首目の「小雨に色をうつして」の繊細な情景描写が秀逸です。
 三首目の歌、上の句のリフレインと紅梅、白梅の繊細な描写が的確です。
 また、「紅」「白」「青」の色の交差と着眼点も素敵です。

【詞書】如月三首
☆わが影を踏みしめながら如月の 孤高の月よ ともに帰らむ
☆降る雪に閉じ込められし鯖街道 「花折」に食ぶ鯖寿司冷たし
☆雰囲気の悪(あ)しき男とすれ違う 思わず構える日傘なれども
                         夕庵さん
【解説】
 如月の日々、「月」「鯖寿司」「悪しき男」をテーマに三首詠んで
 頂きました。
 一首目の歌、酷寒の如月の夜道。その寒さと月の光が作者の孤影を
 照らし出し、幻想的な雰囲気を醸し出しています。
 下の句の「ともに帰らむ」と、月に呼びかけるように語りかける
 ことで、作者の寂寥感を際立たせています。なお、「ともに」と
 いう言葉は、月との一体感を求めつつ孤独感を分かち合い、その
 状況を楽しむゆとりも一方では感じられます。また、月を擬人化する
 ことで、作者の心情をより深く表現されていると感じました。
 二首目の歌、歴史と風土に育まれた「京鯖寿し」の老舗「花折」。
 そこで、京を代表する「ハレの食」を頂きながら豪雪に閉ざされた
 「鯖街道」を偲ぶ作者の、優しさが滲む歌と感じます。作者の
 ような方たちによって、京の食文化は営々として守られて来た
 との想いを新たにしました。
 三首目は、作者の気丈さが頼もしく表現されています。


     「咲き初める 白梅」

【詞書】風の紛れ 源氏物語 手習に
☆我が方に風の紛れに逢いてしな
 黄なる泉の蓮の上にて
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 六十の手習いに、源氏物語の手習を勉強しております。源氏物語は、
 未だ7~8帖しか読んでおらず、1週間に4ページなので、54帖は
 生きている間は無理と確定しております。
 同帖に「風の紛れ」と言う単語が有り、これは源氏物語が初出の
 単語とか辞書にありました。
 「うつし人になりて、末の世には、黄なる泉のほとりばかりを、
  おのづから語らひ寄る風の紛れもありなむ。我がものに
  取り返し見むの心地、また使はじ」
 死んだと思っていた浮舟が、生きていると知ったが、尼僧となった
 ので、今世ではもう逢う事は無理だが、来世以降に、偶然でも
 逢いたいと言う薫大将の気持ちです。
 新古今和歌集には、本説取と言って、物語の場面から和歌を
 読むと言う物が有り、その習作です。
【解説】
 今回は、源氏物語からの「本説取」で一首詠って頂きました。
 なお、「風の紛れ」は、「風の中に隠れる」「風に紛れる」という
 意味合いを持ち、偶然の出来事や予期せぬ巡り合わせを表現している
 とのことです。
 紫式部は「絵合」競技の創作や、「風の紛れ」のような独特な表現を
 生み出しています。これは彼女の文才と創造力の賜物だと言えますが、
 「源氏物語」では、これらを含めて、多くの美しい言葉と表現が散り
 ばめられており、その一部は現代でも使われ続けていると感じます。
 詠まれた歌について触れたいと思います。
 上の句では、「風の紛れ」という「本説取」の言葉が巧みに使われ、
 思う方との偶然の出会いや巡り合わせを願う、作者の気持ちがより
 鮮明に伝わってきます。
 下の句では、「黄なる泉」は黄泉の国を示しており、来世であっても
 逢いたいと願う気持ちが表現されています。また、「蓮の花」は仏教で
 しばしば再生や浄化の象徴とされるため、ここでは出逢いへの希望が
 より強調されていると感じました。
 総じて、この歌は偶然の巡り合わせで来世であっても逢いたいという
 切なる願いが込められ、「風の紛れ」という言葉が効果的につかわれ
 歌の深みを増しています。
 「本説取」の短歌創作の事例として、今回も学ばせて頂きました。

【詞書】3月2日(日)のNHKスペシャル(総合夜9:00~)で(「ディープ・
  オーシャン」というシリーズ)「幻・シーラカンス王国」という
  タイトルの、シーラカンスの最新の映像が紹介されました。
  日本人の研究者、技術者を含むチームが、インドネシアの海で
  深海を調査しシーラカンスを見つけるといった内容で、写真なら
  ともかく動く姿はまあ見たことはないシーラカンスの最新映像
  が見られるということで楽しみにしていましたが……予想以上
  でした。最初は潜水艇2機で二手に別れた研究者達がそれぞれ
  シーラカンスの撮影を果たし、よりまだ謎の多い生態に迫ろうと
  撮影を続けていると、日本の学者さんは前回と同じ場所で再び、
  もう一方の女性の研究者さんが載った探査艇(カッコ良いん
  ですよ!ドラえもんにでも出てきそうな感じで…360°近い
  視界が凄かったです)が行った場所に何と!8匹のシーラカンス!!
  初めて見たシーラカンスの団体さん!もう、うひゃあ~!と
  テレビの前で叫んでしまった!…すごかったです。
  見て良かった!女性の学者さんが撮影したいと思っていた
  生殖活動らしきものも撮影できてました。これで生きた化石
  シーラカンスの研究がまた進むことでしょう。
  楽しかった内容でしたが、画面を見ていて「ん?」と思った懸念が
  終盤で明らかになりました。シーラカンスの近くを漂ういわゆる
  “スーパー袋”のような「プラごみ」の映像が出てきたんです。
  「ん?…違うよなあ…いや…」と思っていた画面に写っていた
  ものの中にもやはり人工物がありました。
  そして何よりショックだったのは、死んだシーラカンスの腹が
  裂かれ、そこから色鮮やかなお菓子の袋を始めとしていくつかの
  プラスチックごみが出ている写真…。…深海にプラごみが漂って
  いる映像は以前にも見ましたが、もう本当に待った無しやで…。
  どこぞの大統領は「ストローはプラスチックに!」と言って
  (「抜かして」と言いたくなる)ますが、きっと責任を持って完璧に
  適切に廃棄できるから言ってるんでしょう(皮肉)。
  地球の新参者に迷惑を被る、古き住人たちに人間はこれ以上
  迷惑をかけたらあかん…とマジで思いました。
☆深海のシーラカンスの目の前を
      プラごみ漂う恐ろしさかな
【詞書】もう、最近は何か言うのも嫌になりそうな某大統領ですが…。
  その言動、本人以外の側近、取り巻きの発言も…もう、「アメリカに
  夢を見る」ことに絶望する人も多いんでは…?と思ってしまいます。
  あと、ふと“安禄山”という名が脳裏に浮かびました。某マスク氏を
  見て…。(けっこう違いますが、何か連想してしまったということで…)
  自由を民主主義を人権を守る、自由の女神が掲げる松明の光…
  アメリカのイメージがあまりにも変わったここ数日です。
  “ガザの未来図”みたいな動画の馬鹿馬鹿しさ加減にはもう開いた
  口が…。(黄金像の等身やら足の長さのフェイクっぷりも爆笑もの)…
  せめて欧州の元首達や日本の首相が冷静で賢くあれと思いました…。
☆アメリカは「自由の国」の看板が
    塗り替えられつつあるんじゃないか…
【詞書】岩手県の大船渡市の周辺の山火事は今だ消火に至らず、
  乾燥した気候が続く中被害は拡大しています。こっち(近畿)は
  昨日からしっかりした雨が降り、関東圏はえらい雪が降ってました。
  何故雨雲が岩手の方に行かへんねん!と天気予報を見るたび思います。
  東北、関東など各地から消防車が駆けつけて協力していますが鎮火は
  困難で、消防士さん達、自治体の職員の方々、避難を余儀なくされた
  地元住民の方々…。東日本大震災での被災地でもあり、高台などに
  住宅が再建されたところもある彼の地でおもわぬ“山火事”という
  災害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げるとともに、
  せめて降雨があれば延焼の勢いを止められるでしょうから一刻も
  早い降雨を祈るのみしかできません……。どうか…と。
☆山火事を消したや雨を降らせてや
      我(われ)が龍神ならばそうする
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「プラごみ」「自由の国」「山火事」と、今日的なテーマを
 中心に作者の世界観が滲む歌を三首詠んで頂きました。
 一首目の歌、「生きた化石」と言われるシーラカンス王国に迫るNHK
 スペシャルは、「プラごみ漂う恐ろしさかな」と詠まれているように
 改めて、プラごみによる地球的な汚染の実態を静かに告発していますね。
 そして、詞書でも記されているように、地球の新参者である人間が、
 「古き住人たちに…これ以上迷惑をかけたらあかん」ですね。かの
 大統領は世界史はおろか、化学、技術、環境の知見には極めて無頓着で、
 それすら認識していないと感じます。この歌は告発の時事詠と感じます。
 二首目の歌は、詠われている通りですね。国の利益ではなく己の利益と
 名声を強要するディールを繰り返す、かのお方の暴走を「自由の女神」の
 名において止める必要があります。玄宗皇帝と楊貴妃の時代に、国政の
 混乱が招いた「安禄山の乱」にも似た状況に陥らないことを願う
 ばかりです。
 三首目の歌、詠われているように「我(われ)が龍神ならば」との思いは
 皆さん共通の想いと感じます。東日本大震災での被災地が再び山火事に
 襲われる状況は、能登半島の豪雨災害を思いださせ痛切な悲哀を感じます。
 大船渡市の山火事は平成以降で国内最大規模となり焼失面積が約2600haに
 拡大しているとの報道があります。気象条件や傾斜地等の複数の要因が
 重なった結果とのことですが、5日から6日にかけて火災の発生以降、
 初めてまとまった雨が降る予報です。被災された皆様にお見舞いを
 申し上げるとともに、一刻も早い鎮火を祈らずにはおれません。

☆果て知らぬ悲しみ癒えぬ日々の中 君ら逝きたる 春巡り来る
                         ポエット・M
【解説】
 ロシアの3年にわたるウクライナの侵略と、そのもとでの惨劇、ガザの状況、
 アメリカ大統領等の傍若無人の振る舞い等々、世界情勢が混とんとする中
 山林火災等々痛みなしには見れない事象、状況が続きます。こんな日々の中、
 あの3.11
「東北地方太平洋沖地震」の日が巡って来ます。
 かつて、ささやかな
ボランティアで訪れた地で伺った、災害の実態は
 涙なしで聞くことが
出来ませんでした。しかし、その底知れない悲しみの
 中でも、明日を向く
少なからぬ人々の覚悟と気概を知り、逆に励まされた
 記憶が蘇ります。
しかし、未だ「復興」に至っていない現実も少なからず
 あります。
そこから眼を放さず、しっかり現状を見つめていくことが
 必要ですが、
そんな想いを込めて未だ消えない喪失感と無念さを詠って
 みました。


     「咲き初める 紅梅」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(8)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

    浅草の夜のにぎはひに
    まぎれ入り
    まぎれ出で来しさびしき心

    愛犬の耳斬りてみぬ
    あはれこれも
    物に倦みたる心にかあらむ

    鏡とり
    能ふかぎりのさまざまの顔をしてみぬ
    泣き飽きし時

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は文字数制限により割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

コメント (19)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その170 ネット歌会)

2025年03月05日 05時38分12秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その170 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き盛る 河津桜」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆何よりもロシアの味方トランプよ お前の偉大はこういうことか
                         西BOOさん
★停戦の交換条件の卑しさに 狂気の沙汰と理解し難し
                         夕庵さん

☆積雪の記録更新あちこちで 異常気象の影響ならむ
                         西BOOさん
★この度の異常気象は体にも 変調来たし 薬剤増える
                         夕庵さん
★君 病、全て完治するまでは 粉骨砕身朽ち果てるまで
                         西BOOさん
★気がつけばのんびり生きて成人病 元気の仮面もはがれゆきそう
                         夕庵さん

☆降る雪に閉じ込められし鯖街道 「花折」に食ふ鯖寿司冷たし
                         夕庵さん
★奈良育ち娘の好物柿の葉寿司 吾は鯖寿司 娘鮭寿司
                         西BOOさん
★柿の葉を解(ほど)けばいずれ鯖鮭と くじを引くよなときめきの寿司
                         夕庵さん
★法隆寺 帰りにちょこっと平宗へ 鯛と穴子の柿の葉頬張る
                         西BOOさん
★法隆寺(てら)の鐘いまも鳴ります名物の 柿の葉寿司は歴史を語る
                         夕庵さん

☆紅ほのと白ほのぼのと梅の花 青空に色交差して美(は)し
                         みっちっちさん
★如月の雪のきららは耀きて 梅の蕾へふんわり降りる
                         夕庵さん
★如月のにはか雪にもふつくらと くれなゐ兆す梅ふふみけり
                         みっちっちさん
★白梅にさきがけ開く紅梅に ほのかな甘きかをり愛しも
                         夕庵さん
★闘病の窓に一福 梅の花 甘き香りに妣(はは)の安らぎ
                         みっちっちさん
★紅梅のひと枝手折りて卓上に 春待つ人に笑顔とどけむ
                         夕庵さん
★茶釜には絹のごとくの湯気立ちて 投げ入れの梅なほ匂ひたつ
                         みっちっちさん

     「咲き初める 白梅」

☆咲き満ちて色を極むる梅の花 妣(はは)と眺めしいのちの輪廻
                         みっちっちさん
★盆梅は古木を愛でて花咲かせ 芸術品と見事完成
                         夕庵さん
★千年のしじまなる大くすの木に 手を当てて聞く己れの心
                         みっちっちさん
★雨水を吸いあげ森を潤すと ブナの大樹の声を聞きをり
                         夕庵さん
★豊かなる雨水受くる森林は 生き物たちのいのち潤す
                         みっちっちさん
★黄葉の白神山地のトレッキング ブナの林をまだ踏みもせず
                         夕庵さん
★一港を望み六甲をちこちと 暮るれば有馬 金銀の湯へと
                         みっちっちさん
★金泉に入ればタオルは黄金(きん)色に 雛の膳には桃の花添え
                         夕庵さん
★光りつつ色をこぼして紙の雛 花びらのごと大海原へ
                         みっちっちさん
★紙雛は女の祈りを乗せて発つ 白木の舟で春の海へと
                         夕庵さん
★雛段は 子らの作りし紙雛や 気に入り人形賑々し
                         みっちっちさん
★AIで描きし雛(ひな)の顔白し 美しくとも親しみうすく
                         夕庵さん
★丹精に折り目はしかと紙雛は その表情に個性光りぬ
                         みっちっちさん
★雛の顔 時代を映す美人にて 令和の雛はアニメの多し
                         夕庵さん

☆艶めきし香りに遠きつましさよ 沈丁の花浅き春呼ぶ
                         ポエット・M
★うつむきし白き項を想い出す 沈丁花さく記憶のなかで
                         夕庵さん
★美わしき白きうなじの匂い立つ 遠き記憶よ 宵の沈丁花
                         ポエット・M
★夕闇に沈丁花の匂い漂いて 人は見えねど密やかに在り
                         夕庵さん
★見えねども秘かに香る沈丁花 宵にまぎるる君の気配も
                         ポエット・M
★風通る窓を開ければ沈丁花 今宵やさしき歌を紡がむ
                         夕庵さん
★宵闇をぬいて香るや沈丁花 遥かな記憶呼び覚ますがに
                         ポエット・M
★記憶とは切なきものよあの日より 熟せぬ想いは夢にさえ来て
                         夕庵さん
★切なくもかの日の君の思い出は 今も温もり胸裡(むなうち)にあり
                         ポエット・M
★人はみな恋しき想いを胸に抱き 生きてゆくのか今日も明日も
                         夕庵さん
★恋しさも熱き想いも胸に秘め 走りし日々は今も尊く 
                         ポエット・M
★人恋いし記憶は豊かな財産と 四季の巡りに胸熱くする
                         夕庵さん
★この思い四季の巡りに消え残り 未だ仄かな埋み火なるや 
                         ポエット・M
★ほろ苦き恋の残滓もなつかしき 埋み火ふたたび起こさなくとも
                         夕庵さん
★ほろ苦き恋の残滓は淡々と 埋み火なすも もえることなし
                         ポエット・M
★埋み火の恋ゆえしずかに温めて 消せぬ想いは美しきまま
                         夕庵さん
★望月(つき)に寄せ花を詠みたる西行の 消せぬ想いよ叶わぬ思い
                         ポエット・M
★月と花詠みし西行の願いなら お伴しましょう望月の夜に
                         夕庵さん
★西行は春死なむとも詠いたる 望月の夜の耽美な誘い
                         ポエット・M
★望月の夜の観梅は肌寒し 思わず手をとり君に寄り添う
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き盛る 菜の花」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (23)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「三浦桜祭り」へ

2025年03月02日 21時23分24秒 | お出かけ

 第二派に及んだ最強寒波の影響か、三浦海岸の河津桜も開花時期が平年に比べ10日ほど遅れました。ここ三~四日の春を思わせる温かな気象の中で、一気に開花する状況になっているとのブログ友のお知らせがありました。こんな知らせに促され過日、細君共々「三浦桜祭り」に出かけて来ました。

     「三浦海岸駅周辺で咲き盛る 河津桜」

 このブログでも度々触れてきましたが、京急線の三浦海岸駅から小松ヶ池公園までの線路沿い約1kmにわたり、早咲きで知られる河津桜約1,000本が植樹されています。これは「桜の咲く里づくり」を目指した「三浦海岸まちなみ事業協議会」の方々が中心となり、平成11年度に苗木の植栽が始められたことが契機となっています。その後、三浦市内外の多くの協力者によって増殖され今日に至っています。
 今では毎年種をまく菜の花とともに、黄色と薄紅の彩どりの映える景色や、春の香りが漂い、早春の風物詩として定着しています。祭りの期間中30万人前後の観光客が訪れるメジャーな観光地にもなっています。

 私たちが訪れたのは、寒波も緩んだウィークデーでしたが、観光客の方が歩道を埋め尽くすほどに混雑していました。その二割程度は外国人のツアー客と感じました。菜の花の黄色と薄紅に咲き競う河津桜、さらに時々通過する京急電車の赤い車体とが格好の「映え」景色となっていました。

     「京急電車と河津桜」

 私達も、観光客の皆さんに押されるように、京急三浦海岸駅から小松が池までの片道1km程の距離を桜と菜の花の景観を楽しみながら、またデジイチでのスケッチも行いながら往復してみました。なお、沿線の河津桜は8分咲きで見ごろでしたが、小松が池周辺は既に散り時を迎えていました。

 昼食はいずこの店も混雑して行列が出来ており、待ち時間も半端でないため、いつも訪れるお馴染みの店で済ませました。また、駅周辺の出店も大分賑わっていましたが、細君の大好きなあんぽ柿と、生ワカメ、テングサ等を土産として購入しました。テングサは帰宅後細君はさっそく「ところてん」をつくり冷蔵後おやつとして頂きました。「ところてん」はお店で購入するものの味に比べ、仄かな甘さもあり美味しく頂きました。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その169)

2025年02月26日 05時56分49秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その169) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 河津桜」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
「24.薄雲(まつかぜ)明石の君」
冬になり明石の君が姫君と住む大堰は寂しさを増す。源氏は明石の君の
つらさを思いながらも、姫を紫の上の養女にする申し出をする。
明石の君は思い悩むが、娘の将来を考え娘を手放す決心をする。二条院に
引き取られた姫は、はじめこそ悲しんだもののすぐに紫の上になついて
いった。春になると天変地異が相次いだ。それに呼応するかのように
太政大臣、そして、源氏最愛の女性、藤壺の宮がこの世を去った。
源氏は人目につかぬよう御堂に籠もり悲嘆に暮れた。四十九日の法要が
済んだころ、ある高僧が帝に出生の秘密を告白する。天変地異の理由を、
父を臣下とする自身の非礼と結びつける帝は源氏に譲位をほのめかすが、
源氏は固辞する。帝の態度から源氏は秘密の漏洩を察し動揺する。秋、
斎宮の女御が二条院に下がった。源氏は、春秋の優劣を論じつつ恋心を
ほのめかす。女御に好色を厭われた源氏は恋心を自制する。以前と
異なる自分の姿に、源氏は恋の季節が終わったことを自覚する。
〇末遠き 二葉の松に 引き別れ いつか木高き かげを見るべき  明石の君
註)幼い姫君にお別れしていつになったら成長した姿を見ることが
  できるのでしょう
〇生ひそめし 根も深ければ 武隈の 松に小松の 千代をならべむ 光源氏
註)生まれてきた因縁も深いのだからいつか一緒に暮らせるように
  なりましょう
(返歌)
☆姫君は 無邪気に車 乗りこむも 袖をおさえて 明石涙ぐむ
☆宿縁は 深い我が子を 末永く いっしょにくらす 日を夢見るも
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「薄雲」では、光源氏と明石の君との関係が感動的に描かれていますが、この
 巻の背景には、光源氏の政治的影響力の高まりと、明石の君との愛情関係の
 深まりがあります。明石の君が愛する我が子の将来を想い、哀しさを押さえ
 つつ、わが子を紫の上へ託す心の揺れも描かれ、源氏物語の中でも味わい深い
 人間ドラマが繰り広げられ、感動的な物語になっています。
 明石の君の歌は、作者の註にもありますが、自分の子供の将来への不安を
 切々と詠っています。「二葉の松」は若い松の木を指し、これが成長して高く
 そびえることを願う切ない母心が表現されています。
 一方、光源氏の歌では、二人の間の子「明石の姫君」がしっかりと根を張り、
 長く繁栄することを願って「気を長くお待ちなさい」と詠われています。
 なお、「武隈の松」は深い根を持つ松の木を象徴しており、子供の成長と繁栄を
 意味しています。これらを踏まえて作者の返歌を鑑賞させて頂きました。
 一首目は、「明石の姫君」が光源氏に引き取られ、迎えの車に嬉々として
 乗り込み、母親も一緒にと無邪気に誘う様をみて「明石の君」が思わず涙する
 場面を詠っています。情景を明確に表し、娘と別れなければならなくなった
 母の哀しみに寄り添った歌となっています。
 二首目は、光源氏の立場から深い縁を信じ、一緒に暮らせる日を待ちましょうと
 詠っています。その後の展開は正にその通りになっていきましたが…、この歌を
 少し整理し詠んでみましたが…、いかがでしょうか。
 【ご参考】
  ★君ともに深いえにしの姫ゆえに ともに暮らせる日は遠からじ

【詞書】妻が発熱したことを詠みました。
☆インフルとコロナの両方陽性に 君三週目ようやく完治す
【詞書】輪島塗のカメラをオークションで見つけて詠みました。
☆輪島塗ミノルタカメラがヤフオクに 欲に眩むももう置き場無し
【詞書】第二寒波の到来を詠ませて頂きました。
☆雨水とて第二寒波が到来す 能登に大雪 心が痛む
                         西BOOさん
【解説】
 今回も、追加分も含めて「奥様の完治」「輪島塗のカメラ」、さらに
 「第二寒波の到来」と三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、奥様が、インフルエンザとコロナに同時に感染された
 とのこと。作者のご心痛も大変なものであった事と思います。
 改めて御見舞い申し上げます。三週間を経て完治したとのことで
 何よりと思います。「ようやく完治す」に作者の安どした思いが
 凝縮し表現されています。作者共々ご自愛の程をお祈り致します。
 二首目の歌、「輪島塗のカメラ」は垂涎物ですが「もう置き場無し」
 と良く決断されましたね。「輪島塗」は湿度管理等、環境保全の
 大変さもありますね。
 三首目の歌は、自然の厳しさと、それに対する想いが巧みに表現されて
 います。「雨水とて」という句は、春の訪れを意味する雨水の季節にも
 かかわらず、第二の寒波が到来するという状況を示しており、驚きと
 戸惑いが率直に表現されています。
 また、状況の具体的な描写により、能登地域の厳しい冬の情景が
 リアルに表現されています。さらに、「心が痛む」という結句が
 効果的で、この歌全体に深みが加わり、自然災害やその影響に対する
 作者の哀しみ、さらに、痛みが伝わってきます。
 この歌は大震災、豪雨と相次ぐ災害に襲われた能登へ想いを寄せ、
 自然の厳しさ、それに対する人々の想いを背景に詠まれています。
 自然現象に対する鋭い感性と、その想いを詩的に表現した印象深い
 歌と感じました。

【詞書】まだ浅き春の様子を三首詠みました。
☆夕照の丘に登れば くれなゐの雲流れゆく春の瀬戸内
☆春光る須磨浦ながめ はるかなるおのころ島のいにしへ想ふ
☆手鏡のうすき埃のそと拭けど 朝の我が顔ぼうとして春
                         みっちっちさん
【解説】
 「浅き春」「光の春」等、早春をテーマに三首詠んで頂きました。
 一首目の歌は、自然の雄大さと時の移ろいを巧みに表現し、特定の
 場所と季節を結びつけることで、作者の感性の煌めきと、その瞬間の
 魅力を高めています。少し詳細に触れさせて頂きますと…、
 上の句の「夕照の丘に登れば」の情景描写を通じて、詠み手が夕方に
 丘に登るという行動が精緻に表現されています。「夕照」は夕日の照る
 光景を指し、詩的な美しさを表しています。
 下の句「くれなゐの雲流れゆく」の「くれなゐ」は鮮やかな紅色を指し
 ますが、夕日の下で赤く染まった雲を描写しています。「流れゆく」では、
 時の移ろいと共に、雲が流れていく様子が詩情豊かに表わされています。
 二首目の歌、春の訪れを感じさせる光の中で、国生みの聖地と伝えられる
 丘がある「おのころ島」を須磨浦海岸から眺めながら、印象深く詠って
 います。その眺望を通じて自然の壮大さと静寂が伝わってきます。さらに、
 作者が自然との一体感を感じつつ、いにしえの物語に想いを馳せる深淵な
 想いを滲ませる歌になっています。
 三首目の下の句に込められた「おかしみ」、洒脱さがいいですね。

【詞書】昨今の世相を詠んでみました。なお、一首目の(の)の重なりが
  気になります。リズム的に如何でしょうか?
☆静かなり 寒の戻りの公園の つららに透ける人影もなし
☆スーパーの値引きタイムを狙ってる 手慣れたカートのサラリーマンも
☆スーパーへ週三回の買い物も食品のみに 生きねばならぬ
                         夕庵さん
【解説】
 今の厳しい世情に触れ、状況を正確に活写されている姿勢に打たれます。
 一首目の歌は、寒の戻りが訪れた静かな公園を描写していますが、
 「の」の重なりについてお訊ねがありました。「の」の繰り返しは歌に
 リズムを生み出し、しっとりとした静寂に深みを与え、歌として成功して
 いると考えます。この件はご参考として文末に私見を交えて記します。
 下の句の「つららに透ける人影もなし」は、視覚的な効果を生み出して
 います。また、つららが太陽の光を受けて透き通る様子を描き出し、
 その中に人影がまったく見えないという寂寥感を強調しています。この
 静寂と無人の風景が、一層の寒さと冷たさを感じさせます。
 二首目の歌、サラリーマンの退勤時間帯に合わせて、売り切るために
 「値引き札」が貼られるスーパーがかなり存在します。奥様からの
 依頼か、役割分担かは判りかねますが、詠まれているような
 「手慣れたカート」を操るスーツ姿の方も散見されます。かく申す私も、
 現役の時代、定時に帰れる日に細君の依頼で新橋のスーパーへ直行した
 経験があります。値上がり品目が二年連続で一万件を超える状況の中で、
 私達庶民の「生活の知恵」の実態を、詠歌として残していくことも
 大切な「時事詠」かと思います。

 なお、短歌において「の」の繰り返しは、次のような効果を生み出すことが
 できます。
  ・リズムの強調:同じ音を繰り返すことで、詩全体にリズム感が生まれ、
          読み手に一定のテンポを提供します。
  ・情景の描写 :「の」を繰り返すことで、情景や想いが連続的に描かれ、
          絵画的な効果を生み出します。
  ・想いの強調 :同じ表現を繰り返すことで、想いが増幅され、歌の中で
          強調されます。

     「咲き初める 白梅」

【詞書】雪国二首
☆ふるさとは
  まだ雪やまず
  泣けとごとくに

  静かにしんしん
     しんしん

☆誰も歩かない道をあるく
  人のいないふるさとを

   寒い寒い
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 石川啄木は、故郷の近所(とは言っても80km離れているが)なので、
 地元の姉の嫁ぎ先に遊びに来て詩を書いているし、渋民駅、盛岡駅、
 好摩駅などには、啄木の短歌が掲示されており、子供の頃から慣れ
 親しんでいて、最初に読んだ歌集は、一握の砂だった。
 大人になって、一握の砂を調べてみると、啄木は、金田一京助の家の
 2階に居候して、その有名な短歌は、寝転がって「暇な時」の数日で
 出来た物。歌の女神が正に舞い降りたと言える。
 ネタバレされるとがっかりされる方もおられるが、短歌歌集を読む時、
 この短歌の凄さが分かります。
 本歌は、
  やはらかに柳あをめる
  北上の岸辺目に見ゆ
  泣けとごとくに
 実家に帰省途中、盛岡駅前には、歌碑があります。
  ふるさとの山に向ひて
  言ふことなし
  ふるさとの山はありがたきかな

 今見ると、前に作った
  故郷の雪はまだ止まず
  つぎつぎ舞い落ちる
  そこにいる人に
    春を
 と一二句がほぼ同じだった。才能の無さですね。
 二首目は、実家の法事も終わり、懐かしい所を歩いてみたが、人っ子一人
 歩いておらず、1m50cmの積雪が壁となって、人を寄せ付け無いです。
【解説】
 作者の短歌説明にもありますように、啄木は、1910年10月4日に東雲堂書店
 と出版契約を結び、短期間で
歌集を再編集し、当初の題を変え『一握の砂』
 にしました。
この時期、啄木は経済的にも精神的にも苦境に立たされており、
 妻・節子の
出産費用を得るために歌集の出版を急いでいたとも言われています。
 一首目の歌は、啄木の「やはらかに柳あをめる・・・」の本歌取りとの事
 ですが、豪雪に閉ざされる故郷の雪景色のもつ底知れない厳しさ、切なさを
 詠って本歌を超える世界観を表現していると感じます。「泣けとごとくに」
 という句は、自然の厳しさが人の想いと共鳴し詩的な深みを醸し出しています。
 また、「静かにしんしん しんしん」という繰り返しは、降り続く雪の音や
 静寂な風景を強調し、視覚的にも聴覚的にも豊かなイメージを与えています。
 また、このリズム感は、歌全体に穏やかな雰囲気をもたらします。
 二首目の歌は、まさに「1m50cmの積雪が壁」となる故郷の道を淡々と歩む
 作者の姿が思い浮かびます。人を寄せつけない現実に「寒い寒い」と言い
 ながらも、その状況を受け入れ、むしろ楽しんでしまう作者の懐の深さを
 感じさせる歌と感じます。
 「才能の・・・」と謙遜されていますが、本歌の甘さを超える才能の冴えも
 感じられる二首の歌と考えます。

【詞書】2月19日に、ヤクルトスワローズの球団マスコット「つば九郎」の中に
  入っていた球団のスタッフの方が亡くなられたと発表がありました。
  '94年に球団のマスコットとして登場して30年余り、ずっとお一人の
  スタッフさんが務められてたということだそうです。「つば九郎」=中の
  人の、ちょっと辛辣でも人は傷つけないコメントは、時に他球団の
  ファンである私達をも笑わせ、頷かせていました。
  スワローズの選手たちに愛され、他球団の選手へのリスペクトや
  思いやりも忘れなかった「つば九郎」さんの“中の人”
長いこと
  楽しませていただきありがとうございました。

  お疲れ様でした。(…トラッキーの次に)大好きでしたよ。
  …謹んでご冥福をお祈りいたします…。
☆秀逸な“フリップ芸”の「つば九郎」
         ウィットに富む“中の人”逝く
【詞書】風邪ひきました。😥
  22日あたりから怪しくなり、23日には完全にひいていました。
  23~24日は咳をすると気道の方から臭いが上がってきて、
  いっぺんこれはどういう状態なのか、スマホでではありましたが
  調べてみると、病原菌を迎え撃って死んだ白血球の死骸が
  腐敗した臭いだとありました。そーかぁ…白血球さん頑張って
  くれてたんや…と、アニメ版「はたらく細胞」の白血球さんを
  思い出して「有り難いなあ~」と感じ入っておりました。今日25日は
  咳はしても臭いはしません。多少ピークは過ぎたのかなあ…。…で、
  午前中に姉から「ちょっと手伝いに来て」の電話がありましたが、
  スマホの向こうの姉も思いっ切り風邪っぴきでした。「(母に)絶対に
  移しなや!」と言われましたが、そもそも私は母から風邪を貰った
  可能性が高いんですけどね…。(母は具合が良くなって咳き込む
  ことも殆どなくなっています)
☆風邪引いた 咳に寒気(さむけ)に熱、鼻水
          白血球よ頑張ってくれ
☆母に風邪 絶対移すなと厳命す
          電話の向こうの姉も風邪声
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回は、「つば九郎」と、「風邪」をテーマに三首詠んで頂きました。
 一首目の歌、作者の詞書にもありますように「スワローズの選手たち
 に愛され、他球団の選手へのリスペクトや思いやりも忘れなかった」
 「つば九郎」さんは、稀有な「球団マスコット」だったと思います。
 この「中の人」に寄せて詠まれた歌には、作者の愛情が溢れています。
 「つば九郎」のもつ「ウィットに富む」を詠みこんだ感性が素敵です。
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
 二首目、三首目の歌、「白血球よ頑張ってくれ」「姉も風邪声」に、
 表現の工夫が感じられ、さらに悲壮感に陥らず、風邪に負けない
 前向きな姿勢と、意気のこもった力強い歌と考えます。
 なお、立春寒波に続く、第二波寒波で体調を崩す方が続出している
 ようですが、作者も、お姉様もお風邪をめされた様子でお見舞い
 申し上げます。くれぐれもご自愛の程をお祈り致します。

☆艶めきし香りに遠きつましさよ 沈丁の花浅き春呼ぶ
                         ポエット・M
【解説】
 雨水を過ぎても相次ぐ寒波に襲われ列島も冷え切ってしまいましたが、
 ようやく寒波を凌ぎ少し春らしい温かさが戻ってきました。そんな日の
 夕闇の底から微かな沈丁花の香りが漂ってきました。寒波のせいか
 例年より少し開花が遅れましたが、甘やかで官能的でもある確かな
 沈丁花の香りでした。
 濃い紅のつぼみが一転して白い花となる沈丁花。どんな厳しい冬の季節
 にも必ず春が来ることを、いち早く香り立ち慎ましくも確かに告げる花。
 そんな凛とした花の姿と香り立つ様を詠んでみました。


     「咲き初める 沈丁花」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(7)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

   いと暗き
     穴に心を吸はれゆくごとく思ひて
       つかれて眠る

   こころよく 
     我にはたらく仕事あれ
       それを仕遂げて死なむと思ふ

   こみ合へる電車の隅に
     ちぢこまる
       ゆふべゆふべの我のいとしさ

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】

 fumiel-shimaさん へのポェット・Mの返答コメント
 いつも、水曜サロンと、そのメンバーへの温かな励ましを篭めた
 コメントを頂きありがとうございます。今回のコメントもサロンに
 集う皆さんへの大いなるエールのコメントとなります。
 なお、fumiel-shimaさんは「歌は詠めない」と謙遜なされますが、
 私達より歌を深く鑑賞され、その真髄を正確に把握されていると
 常々感じてきました。
 また、「ひたひたとさざ波が岸辺を打つように静かに、また時には
 大きなうねりとなって」等の表現に触れますと、まさにそのまま、
 散文詩のフレーズとも感じ、私達もさらに表現を磨かねばとの
 想いにさせられます。

 「絵合(うたあわせ)」に触れて頂きました。Kenさんへの解説の
 中で書かせて頂きましたが、この雅な「競技」は源氏物語で初めて
 出てきたもので紫式部の「発明」とも言われています。絵が堪能な
 光源氏が、人生後半の巻き返しを図る起点ともなった競技が紫式部の
 発明であったことは興味深くもあり、物語作家としての紫式部の
 アイデアのひらめきと、凄さを感じます。

 なお、それぞれの方の歌と、私の拙い解説まで熟読して頂き恐縮して
 います。このような方がおられることは心強い限りです。
 私にとっても皆さんの歌に学びながら、歌の世界が作者も含めて
 多くの方に、こんな視点からも味わったらいかがでしょうかとの、
 ご案内が出来ればと思いつつ拙い文を書かせて頂いています。
 時には作者の意図を十分理解できないまま申し上げることもあり、
 作者の方にも申し訳ない思いもありますが…。
 ただ、古今集から整ってきたと言われる「やまとことば」の繊細さと、
 優美さ、それゆえのしなやかさの持つ強さ。これは時代の荒波の中
 でも、磨かれ日本語の底流をなし、かつ支える言語のいしずえを
 築いてきたと思っています。その一翼を短歌は間違いなく担って
 きたとも考えています。
 これからも、このようなコメントをお寄せ頂ければ嬉しいかぎりです。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

コメント (15)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その169 ネット歌会)

2025年02月26日 05時49分28秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その169 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き初める 河津桜」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆インフルとコロナの両方陽性に 君三週目ようやく完治す
                         西BOOさん
★全快の病の後の楽しみは 花咲く春の待たれるものを
                         夕庵さん

☆雨水とて第二寒波が到来す 能登に大雪心が痛む
                         西BOOさん
★豪雪に悩まされつもこの土地を 捨てることなどさらさらないと
                         夕庵さん

☆スーパーの値引きタイムを狙ってる 手慣れたカートのサラリーマンも 
                         夕庵さん
★スーパーの値引きタイムの前日は 朝一番の天気をチェック 
                         西BOOさん
★値引きなら楽しみにして今夜こそ 海鮮丼の材料を買う
                         夕庵さん
★ご近所で6時値引きと聞くけれど 最後頼みは生協宅配
                         西BOOさん
★ありがたき生協宅配値上がるも 雨にも風にも届く確かさ
                         夕庵さん

☆夕照の丘に登れば くれなゐの雲流れゆく春の瀬戸内
                         みっちっちさん
★瀬戸内の小島も潮の流れかも 浅蜊も昆布も獲れなくなりぬ
                         夕庵さん
★春風に吹かれランナー駆け抜ける 瀬戸内めぐるマラソンロード
                         みっちっちさん
★瀬戸内の島巡りする春の日の 波はきららに光清かに 
                         夕庵さん
★さざ波の光のかけら くれなゐに 春夕の海 飽かず眺めむ
                         みっちっちさん
★立ち尽くす春夕の海父と子の 夢を語りて影絵のごとし
                         夕庵さん
★晴れやかにキャッチボールの父と子の 掛け声響く春夕の原
                         みっちっちさん
★寝る前に何でもないことラインする キャッチボールのスタンプばかり
                         夕庵さん
★次々に会話弾みて長電話 楽しきもまた 疲れしもあり
                         みっちっちさん
★会えずともビデオ電話で知るひ孫 食べた・歩いた・もう走ってる
                         夕庵さん

     「如月に咲く 白梅」

☆手鏡のうすき埃のそと拭けど 朝の我が顔ぼうとして春
                         みっちっちさん
★手に取りて鏡かざせば嘘のない 女の年輪刻む哀しさ
                         夕庵さん
★わくわくと楽しき時は笑ひ皺 なんて構はず わははと笑はむ
                         みっちっちさん
★笑い皺多い人ほどしあわせと 三面鏡に数えてみたり
                         夕庵さん
★三面鏡 右は泣き顔 左には 幾つの顔や春昼の夢
                         みっちっちさん
★春昼の夢楽しきよ花いちもんめ あの子もこの子も息災なるや
                         夕庵さん
★夕照の下校道にて初恋や 夢を語りし友の笑顔よ
                         みっちっちさん
★ランドセルの色も鮮やか子供らの 夢を育てる個性の光る
                         夕庵さん
★三叉路に別れて友のランドセル 角曲がるまで ちさく弾みて
                         みっちっちさん
★宝物いっぱいにした鞄あり 岐路に迷いしは夢のごとしよ
                         夕庵さん
★少年は数多の夢をリュックへと詰めて都会へ旅立つ春日
                         みっちっちさん
★非常用リュックの中身を点検す 消費期限の切れた缶詰 
                         夕庵さん

☆移り香の気配まとうか蝋梅の 梢のはてに スノームーン浮く
                         ポエット・M
★香木の残り香ほのと漂わせ 姿よき女(ひと)楚々と行きすぐ
                         夕庵さん
★焚き込めし香木の香よ そこはかと 漂いくるも もてなしと受く
                         ポエット・M
★香木の観音像に朝夕の 祈りの時は 心無にして
                         夕庵さん
★暁闇の祈りの場にも漂うや 観音像の香木の香よ
                         ポエット・M
★仏像を彫ってみようと白檀を 求めしままに幾年も過ぐ
                         夕庵さん
★木像は彫りたる己映すがに 姿おもざし露わに晒す
                         ポエット・M
★ほの暗き御堂に立てば真達羅は われを諭すか背を強く打つ
                         夕庵さん
★真達羅(しんだら)は薬師如来の守り神 武器を持たずに「専守」を旨と
                         ポエット・M
★真達羅はわが寅年の守り神 新薬師寺に 御朱印を受く
                         夕庵さん
★御朱印の墨跡すがし薬師寺の 仏の教え 帰依促すや 
                         ポエット・M
★過ぎ去りし新薬師寺での同期会 十二神将にみな会いたしと
                         夕庵さん
★いきりたつ十二神将のかんばせに 深き哀しみ 滲むかに浮く
                         ポエット・M
★拉致された子の歳数える毎日よ 深き哀しみ母は老いたり 
                         夕庵さん
★国の闇 ここにも覗く拉致被害 母のみ胸に いつ帰れるや
                         ポエット・M
★哀れ母 少女の頃の写真抱き 待ち焦がれつつ いつか白髪
                         夕庵さん
★焦がれつつ未だ帰えりを待つ母の 温きみ胸に 帰して欲しい 
                         ポエット・M
★夢ならば覚めてもほしき拉致憎し 年月ばかりが無為に流れぬ
                         夕庵さん
★拉致と言う国策憎し かの国の 犯罪未だ糺されぬまま
                         ポエット・M
★拉致しかり領土侵害許せない 平和はかくも尊きものを 
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------


     「咲き盛る 河津桜」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (42)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする