四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その165)

2025年01月29日 05時54分51秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その165) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 巳年の初春をお慶び申し上げます。本年もよろしくお願い致します。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 白梅」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
「20.蓬生(よもぎう)末摘花」
 源氏が須磨、明石を流浪している間、末摘花の暮らしは困窮を極める。
 邸は荒れ果て、召使いが皆去っていく中、姫は源氏を待ち続ける。
 源氏は帰京後も姫を訪れる気配はなく、姫は絶望しつつ独り冬を越して
 いく。夏になり、偶然邸を通りかかった源氏は、末摘花のことを
 思い出し再会する。邸は活気を取り戻し、後に末摘花は二条東院に
 引き取られる。
〇藤波の うち過ぎがたく 見えつるは 
                        松こそ宿の しるしなりけれ  光源氏
註)松にかかった藤の花を見過ごしがたく思ったのは、その松が私を
  ずっと待っているあなたの家の目じるしだったからですね
〇年を経て 待つしるしなき わが宿を
                     花のたよりに 過ぎぬばかりか  末摘花
註)長年待っていても甲斐のなかった私の邸をあなたは藤の花を御覧に
  なるついでに訪問しただけなのですね
(返歌)
☆物哀れ 数えてみれば 月日たち 聞かせる人なし 辛苦の跡も
☆身じろぎに 知れる姿も 昔より 袖に含んだ におい感じよく
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 光源氏の特技の一つに「絵を描くこと」と源氏物語にあります。その彼が
 描いた人物画は「末摘花」が最初で最後であったとの事です。ここでも
 紫式部のもつ人の美醜と愛憎への想い、それを超えて通い合う心の深淵を
 思わせる哲学と、人の本質に迫る洞察力が滲んでいると考えます。
 一首目の作者の返歌は、須磨への配流を経験し、人間的にも成長した
 光源氏が、末摘花の境涯に想いを寄せた様子を詠い納得感のある歌と
 なっています。
 二首目の作者の返歌は、末摘花が困窮を極める生活の中でも、振舞いの
 雅さや、袖の香りを保つ身だしなみの良さあげ、昔に比べ成長された
 様子を肯定的に詠っています。これらの想いをもう一歩進めて詠って
 みましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
★藤の花 松にかかれど君住まう 宿の記憶に想いも溢れ
★ひたすらに君の訪れまつ身にも 袖にこもりし香りなつかし

【詞書】「寒昴」「枯野」「寒暁」と冬の短歌、三首詠みました
☆冬天にひときは光る寒昴 考(ちち)の激聞くごとくに見つむ
☆母逝きて心枯野を行くごとく 我が細き影連れゆく斎庭
☆瑠璃色に六甲かすむ寒暁の 鎮魂の鐘鳴りやまぬ街
                         みっちっちさん
【解説】
 「寒昴」「枯野」「寒暁」と、冬の季語を織り込み、凛とした三首の歌を
 詠んで頂きました。
 特に三首目の歌は、「鎮魂の鐘」に震災の記憶と、それに対する哀悼の
 想いが表現されており、私達の心にも強く訴えかけてきます。
 上の句では、透明で鮮やかな瑠璃色の色彩が、静けさと冷たさを感じさせ、
 六甲山が薄霧に包まれる寒い夜明けの静寂さが印象的に詠われています。
 さらに、その静寂の中に鳴り響く鐘の音が、深い哀悼への想いを誘う歌に
 なっていると考えます。 
 二首目の歌、「心枯野を行くごとく」の表現が秀逸です。
 一首目の歌、冬の夜空に冴え渡るスバル星の輝きは印象的です。
 その星の冷徹な輝きに「考(ちち)の激聞くごとく」と詠う作者。心に
 刻まれたお父様の存在の大きさを改めて感じます。

【詞書】寒凪で二首詠ませて頂きました。
☆君病 少し改善したような 寒凪の中縁側に出る
☆寒凪にツァイスレンズ届きける 庭に飛び出し一枚パシャリ
【詞書】イチロー氏で詠ませて頂きました。
☆MLB殿堂入りのイチロー氏 アジア人初 快挙達成
                         西BOOさん
【解説】
 「寒凪」「イチロー氏」で、追加分も含めて三首詠んで頂きました。
 なお、「寒凪」とは、冬の寒さが厳しい時期の、風がなく穏やかな
 天気を言います。
 また、ツァイスレンズはドイツの企業であるツァイス(Carl Zeiss)社が
 製造する高品質なレンズですが、高解像度で、低歪曲等優れた性能を
 もっています。歪曲が少ない自然な画像を得ることができ、私達には
 垂涎の憧れの機材です。
 二首目の歌は、この「ツァイスレンズ」が届いた嬉しさを直截に詠い、
 少年のようなワクワク感を込めて「一枚パシャリ」と、試写する作者の姿が
 素直に詠われていて好感が持てます。
 三首目は、求めても届かなかった日本人初の「MLB殿堂入り」はイチロー氏
 により達成されましたね。「快挙達成」に嬉しさと、誇らしさのすべてが
 凝縮し表現されています。日本の野球フアン待望の「快挙」の歌です。
 なお、一首目で「寒凪の中」で、奥様が快方に向かっているご様子が
 詠まれていますが、一日も早いご本復をお祈り致します。


     「咲き競う 日本水仙」

【詞書】私の産土神の住吉大社への参拝をしました。白砂青松の美しい
  風景を見せていたという地も、埋め立てられて今や住宅街が広がって
  います。祭神は住吉大神と神功皇后。海の神様です。
  630年遣唐使がこの住吉津から船出するとき、航海の無事を祈ったと
  いう古事が残っています。
  当時家族を残して海を渡る遣唐使が無事に帰れますようにと見上げた
  月が煌々と輝いています。その同じ月を見上げた心情を詠みました。
☆遣唐使の遙か見し月 住吉津に 今畏みて同じ月見る
☆神楽女の挿頭は松に白鷺と 大空めざし飛び立つ気配
☆湯気の立つ七草がゆの淺みどり 臓腑ゆるりと蘇りたり
                         夕庵さん
【解説】
 「産土神」は、誕生した土地やその地域の守り神を意味し、その土地に
 根ざした信仰として古来より大切にされてきました。
 一首目の歌は、その住吉大社が祀られる住吉津から遣唐使が船出した故事を
 踏まえて詠まれています。
 上の句では、遣唐使が船出する際に見上げた月を想像させる表現で、彼らの
 無事を祈りながら、遠い異国への旅立ちに思いを馳せる情景が浮かびます。
 また、住吉津という具体的な地名を使うことで、歴史的な背景が明確になり、
 場所の特定が歌の情景を一層鮮明にしています。
 下の句では、作者が、過去の遣唐使が見たであろう同じ月を見上げることで、
 歴史の繋がりや時間の流れを感じ、畏敬の念を抱いたことが表現されています。
 この歌は、歴史的背景への深い想いと、過去と現在の共鳴を巧みに表現し、
 歴史の連続性を感じさせる印象深い歌と感じます。

 三首目の歌は、調べの良さ、「淺みどり」の色彩感、さらに「ゆるりと」の
 表現の巧みさが光ります。

【詞書】YouTube短歌:平和をもたらすもの ホルスト 組曲惑星 金星
☆戦場にしばしの安らぎ
 朝日の出る如く憎しみを越えて。。。春へ
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 組曲「惑星」は、イギリスのグスターヴ・シオドア・ホルスト
 (1874年9月21日 - 1934年5月25日)が作曲した曲で、今年はホルストが
 生誕150年と言うメモリアルイヤーとの事です。
 惑星は、惑星を題材としているが、天文学や神話ではなく占星術から着想を
 得て書かれたもので、第4曲「木星 快楽をもたらす者」(ジュピター)が
 有名です。
 金星は、第2曲で、「平和をもたらすもの」の副題が付いています。
 冒頭のホルンの演奏から、夜明け前に輝く明けの明星が現れ、日の出が
 近い事を告げている様に聞こえました。
 シリアでの内戦の終結、イスラエルとパレスチナのガザ地区のハマスとの
 停戦合意と、楽観出来ないが、中東に一つの希望が見えた様に思いました。
 長年戦い続けて来た憎しみも、春の朝日のような希望溢れる光景で、平和が
 訪れて欲しいと思います。
 下記URLに惑星を貼付しておりますので、どうぞ御覧いただけば幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/e2f1e4951be7a7e23fec7c026cd28b50
【解説】
 作者の紹介により、「惑星」組曲の第2曲「金星、平和の神」を視聴させて
 頂きましたが、ホルンとフルートが印象的な旋律を奏で、静かで穏やかな曲
 と感じました。
 上の句の「戦場にしばしの安らぎ」と詠われているように、曲はリラックスした
 雰囲気を与え、和音の移り変わりが非常に滑らかで、聴く者に安定感と平和を
 感じさせると感じました。まさに「憎しみを越えて」「平和が訪れて欲しい」
 との祈りの想いも併せて感じました。
 ホルストの生誕150年を機に「ジュピター」と共に「金星、平和の神」を、
 多くの方が味わい、分断と反目、さらに「○○ファースト」が、ことさら声高に
 叫ばれる
世情の中で、平和への想いを新たにできたらと改めて感じました。

【詞書】菜の花の季節にはいりますね。
  母の妹が結婚したばかりの私を心配してか?義母に手紙をしたためた
  そうで、随分あとに義母より聞きました。
  「早くに母親を亡くし、教育も何も受けぬまま育ちましたが、心根は
  良い子です。どうぞ宜しくお願い致します」〜と。
  義母は「出来の悪い娘が増えて楽しみだ」と笑いながら義父と話した
  ものよ!!〜と。そんな義母か106歳でみまかりました。
☆松の内 開けるを待って
   106歳 静(せい)なる永遠へ 
      母は眠りに
☆枕辺の子らに微笑み
   母(義母)は逝く
      優しく強く 激動の道
☆ありがとう 遺影の母に この言葉
      頭を垂れて そっとつぶやく
                         クロママさん
【解説】
 私達の世代のお嫁さんは「嫁姑問題」に少なからず苦労された方が
 多かったと感じます。作者はそのような事もなくお義母様にも、
 叔母様にも、さらに周辺の皆様に愛され、大切にされたことが、
 詞書からも、また、いずれの歌からも、しのばれます。
 三首目の歌は、その作者のお義母様への万感の想いの籠った
 「ありがとう」に集約された、深い想いの滲む歌となっています。
 一首目の歌、「松の内明けるを待って」に、お義母様の残される者
 への配慮と、それを受け止める作者を始め残され方たちの温かな
 思いの交流が表現されています。
 二首目の歌は、情景描写も的確になされ良い歌ですが、「激動の道」を
 優しさをもって歩まれたお義母様の来し方に触れ、次のように詠って
 みましたが、いかがでしょうか。字余りとなりますが…。
【ご参考】       
★激動の 道も優しく歩み逝く
   枕辺の子らに
     義母(はは)は笑みつつ

     「咲き初める 白梅」

【詞書】イチローさんを詠いましたが、どちらも選び難く…2首になりました。
  内容は日本で、そしてアメリカで“野球殿堂”入りしたイチローさんを
  讃えるものです。オリックスブルーウエーブで入団4年目で、日本
  プロ野球で初の年間200本安打を記録し、翌年の阪神・淡路大震災で
  寮や選手の自宅なども被災した中で、選手達自身も葛藤を抱えながらも
  優勝を果たしたのは神戸のファンあってこそ、あの日を決して忘れない、
  という思いからか、シーズンオフは1月17日からトレーニングを始める、
  事を長くやっておられました。そのイチローさんが野手として
  メジャーリーグに挑戦すると聞いた時は「投手でなく野手…通用する
  だろうか…?いや、あのバネ、レーザービーム…結構やれるかも…
  (←上から目線!)」不安と期待が半々でしたが、2001年のメジャー
  デビュー以後の活躍たるや…。👏失礼ながらちょっと細身でヒョロっと
  にさえ見えるイチローさんが、ごついマッチョなメジャーの
  ランナー達をレーザービームで仕留めたりした場面なんざあ…
  たまらん!!!😻って感じでした。10年連続200本安打を達成し、
  メジャーリーガーやファン達にも尊敬の念をもって語られる…。
  こんな選手二度と出てこないでしょう…。引退後も日本で学生たちを
  指導するための免許も取って、学生達の指導にあたる姿も素敵です。
  (しかも楽しそう!…どこかの学校では校舎のガラスを割っちゃって
  「あちゃー!」って顔してはったのがオチャメやった~。ガラスは校内で
  展示されたとかw)「小さいことを重ねることが、とんでもないところへ
  行くただ一つの道」と言う言葉は何に対しても言える言葉だろうと
  思います。タイパ、コスパにばかり目が行きがちな昨今、心に響く
  言葉です。
☆コツコツと“小さいこと”を重ねゆき
        イチローさんの足跡(そくせき)輝く
☆イチローさんコツコツ重ねた足跡(そくせき)が
             日にも米にも輝いており
【詞書】一昨年の2023年6月に(元SMAPの)中居正広さんとフジテレビの
  女性社員との間に起こったと言うトラブルに端を発した出来事は、
  当事者達のみならず、放送局に対して企業がスポンサーを次々と
  降り、もしかしたらテレビ界全体をも巻き込む事案になりつつ
  あります。テレビ局は女性が(いや、誰もが)安心して働くことが
  できるような場所であるべきだと思うんで、この際だから色んな
  膿は出きってしまう方がそりゃいい…しかし、昭和の時代から
  ある時までは大っぴらにある時からは地下水脈のようにテレビ界
  にあった“悪しき慣習”的なものを今だに身についている“上”の
  人間を一掃して風通しの良い、皆が働きやすい、働き甲斐のある
  テレビ局になるためには……と思うんですが…如何せん長い!
  10時間って…。報道陣もフジテレビ関係者の人々も大変やった
  やろうな…。視聴者も…。(関西テレビは午前2時より前にレギュラー
  のブラックマヨネーズの番組になりましたが)テレビ界、そこに
  携わる人達(特に男性方!)の意識の改革、フジテレビの再生の
  ためには、これも通る道かと思いますが…。
  まだ道は遠いのでしょうか…?
☆お台場に集結したる報道陣
       フジの社屋に怒号も起きつつ
                         ちがやねこさん
【解説】
 日米で野球殿堂入りを達成したイチロー選手で二首と、フジテレビの
 10時間を超える異例の長時間会見について一首の、計三首を詠んで頂き
 ました。いずれも最新の時事詠と受けとめました。
 一首目、二首目は「どちらも選び難く…」と作者は述べておられますが、
 いずれも、日本人初のMLB野球殿堂入り栄冠を讃える内容で良く整った歌と
 考えます。一首目をとらせて頂き、下の句を添削させて頂きました…。
【ご参考】
★コツコツと“小さいこと”を重ねゆき
         イチロー果たす 殿堂入りを
 三首目の歌、未だ「事件」の全貌が明確にされない時点で、ネット上の
 不確かな情報を根拠に論評することは控えたいと思います・・・。
 しかし、個人の人権を守るために報道機関としてどれだけ真剣に取り組み、
 さらに、企業ガバナンスに、それぞれの責任のある立場の方がどれだけ
 真摯に真向かい、取り組んだのかが、今問われていると考えます。
 これらを踏まえ前提としつつ、作者の詠んだ「記者会見」の情景描写は
 臨場感もあり見事と感じます。

☆陽にもまた香のあるごとく蝋梅は 冬陽を浴びて匂いこぼせる 
                         ポエット・M
【解説】
 散策で訪れる遊歩道の一角に、蝋梅が咲き初めています。透明な蝋細工にも
 似た繊細な花びらが夕陽に染まり、その黄金色を一層艶やかに見せています。
 その時仄かな香りが漂ってきましたが、まさに夕陽の香りであるかのような
 錯覚に囚われました。そんな蝋梅の咲く様を詠ってみました。

 
     「咲き初める 蝋梅」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(3)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

    砂山の裾によこたはる流木に
      あたり見まはし
        もの言ひてみる

    いのちなき砂のかなしさよ
      さらさらと
        握れば指のあひだより落つ

    しっとりと
      なみだを吸へる砂の玉
        なみだは重きものにしあるかな


【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 ・チョウキチさんからのコメントです。
  〇みおつくし 恋ふるしるしに ここまでも
           めぐり逢ひける えには深しな  光源氏
   どこか普段の源氏と違って殊勝な感じはしますが、心がこもって
   いないのではと疑うのはへそ曲がりでしょうか。それとも源氏の
   歳のせいでしょうか。

 ・ポエット・Mの返答
   いつも「水曜サロン」を見守って頂き、また示唆に富んだコメントを
   頂きありがとうございます。
   この歌の解説でも記させて頂きましたが、「澪標」の帖は、源氏物語で
   最も美しい歌のやりとりの一つと言われています。
   光源氏も須磨への辛い配流生活により、人間的にも成長し、人へ寄せる
   想いも深いものになっていったと、源氏物語では描かれています。
   その彼の詠んだ歌ですが「心がこもってない」との指摘は鋭いですね。
   けっして「へそ曲がり」ではないと思います。紫式部も「作歌」に少し
   手を抜いたのかも知れませんね。(こんなことを言うと歴史家と、
   紫式部のフアンに𠮟られるかも知れませんが・・・)。
   なお、光源氏は明石の君との間にもうけた我が娘により、その後の
   運命が大きく好転していきます。この二人のその後の展開を物語で
   見守って頂ければと思います。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その165 ネット歌会)

2025年01月29日 05時53分00秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その165 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 巳年の初春をお慶び申し上げます。本年もよろしくお願い致します。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き初める 白梅」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆君病 少し改善したような 寒凪の中 縁側に出る
                         西BOOさん
★縁側に射す陽をうけてほんのりと きみの頬にも気の蘇る
                         夕庵さん

☆寒凪にツァイスレンズ届きける 庭に飛び出し一枚パシャリ
                         西BOOさん
★愛用のデジカメ不調で出番なく 部品もなくて修理も効かぬ
                         夕庵さん
★生産を終えたカメラの怖さかな 修理不可でも銀塩を買う
                         西BOOさん
★あの頃はもてはやされたデジカメも 使い捨てとはあまりに悔し
                         夕庵さん

☆MLB殿堂入りのイチロー氐 アジア人初 快挙達成
                         西BOOさん
★コメントもスマートにして筋金の 野球男と認め誇らし
                         夕庵さん
★大谷もいつかはメジャーの殿堂に そんな夢を見 生きる糧とす
                         西BOOさん
★「少年よ 大志を抱け」を実践し 大谷選手は夢を叶えぬ 
                         夕庵さん

☆瑠璃色に六甲かすむ 寒暁の 鎮魂の鐘鳴り止まぬ街
                         みっちっちさん
★鳴り止まぬサイレンの音不安なり 今日もどこかで通り魔事件
                         夕庵さん
★サイレンの音近づきて近隣に 停まれば不安ます冬の真夜
                         みっちっちさん
★救急車何回乗ったと自慢する 緊急だったか問いたくもなる
                         夕庵さん
★コロナ禍の混乱の中 救急車 乗れず亡くなることもありしか
                         みっちっちさん

     「咲き初める ボケの花」

☆母逝きて心枯れ野を行くごとく わが細き影連れゆく齋庭
                         みっちっちさん
★極寒の夜の弔問の帰り道 切なく聞こゆ 犬の遠吠え
                         夕庵さん
★酷寒の喪の後列にとぼとぼと 故人を探しゐる愛犬よ
                         みっちっちさん
★亡き人を慕いて犬は旅をする 嗅覚たよりの長き道程
                         夕庵さん
★花好きの主のために立ち止まる 盲導犬は山茶花の前
                         みっちっちさん
★「これ以上歩けません」と主見上ぐ 子犬を抱っこの一心同体
                         夕庵さん
★愛猫を膝に抱(いだ)きて濡れ縁に 庭を眺めし春の日の妣(はは)
                         みっちっちさん
★ふるさとの濡れ縁とても懐かしや 西に東に風通り過ぎ 
                         夕庵さん
【詞書】京都市の住所は、西入る、東入る、北へは上り、南へは下ると
  表記されて、分かりやすいです。
★街角を西や東や春風の 上り下りて 京街さやか
                         みっちっちさん
★行きたいがオーバーツーリズムの京の街 静かなあの日になるまで待とか
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める 日本水仙」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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観音埼 散策へ

2025年01月25日 13時31分12秒 | 日々の歩み

 過日、一月にしては温かな日差しに恵まれた日。細君と共に、いつもの海岸通りでない、少し負荷のかかる丘陵地への散策に切り替え、観音崎公園へ行って参りました。ここ、観音崎は、私のblogでも度々紹介させて頂いていますので、重複は控えますが、少し触れたいと思います。


     「観音崎灯台」

 この公園は、東京湾に大きく突き出した観音崎の岬の上に広がる県立公園ですが、海と山の両方の魅力をあわせ持つ自然豊かな公園です。また、砲台跡などの歴史的遺構、観音崎自然博物館や横須賀美術館などの多様な施設もあります。美術館では、昨年人気アニメの企画展を行い、美術館始まって以来の月間来館者数を記録したとのことです。
 また、日本最初の洋式燈台である観音埼灯台をはじめ、各種園地、さらに、公園に隣接する海岸では、変化に富んだ自然美あふれる岩場と砂浜での磯遊び・釣り等も楽しめます。 

 過日は、観音崎公園内にある、なだらかに傾斜した花の広場を訪れましたが、その一角に菜の花が咲き初めていました。未だ蕾も多く一面の菜の花畑とは言えませんが、春を先取りする景観に少し元気をもらいました。ここは、芝生地と並んで花壇も作られており季節の花々が訪れるたびに目を楽しませてくれます。


     「咲き初める 菜の花」

 そろそろ終焉を迎える山茶花と、咲き初める菜の花、水仙との競演もあり、さらにビオラ、パンジー、藪椿等も咲き盛り冬の寒々しい花の広場に彩りを添えていました。広場を縁取る河津桜の花芽も膨らみ、開花の兆しも見えます。


     「浦賀水道(東京湾)を行きかう船舶 対岸は房総半島」

 そんな風景を眺めながら、標高差70m程の丘陵散策と、海辺で船舶のシップウォッチングを楽しみ、歩数8,000歩ほどの散策を終えました。平坦な海岸道路と比べそれなりに足への負荷もあり、結構な疲れを感じましたが、心地よい疲労感でした。

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その164)

2025年01月22日 05時54分30秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その164) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 巳年の初春をお慶び申し上げます。本年もよろしくお願い致します。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める ヒマラヤ雪ノ下」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
 今年もよろしくお願いします。
「19.澪標(みおつくし)明石の君」
 病がちな朱雀帝は東宮への譲位を考えるが、そんな時でも心を占めるのは
 朧月夜のことであった。東宮(実は源氏の子)が元服し、即位をした
 (冷泉帝)。源氏は内大臣に昇進、葵の上の父、兄もともに昇進し、再び
 源氏は権勢を強める。三月半ば、明石の君が女児を出産した。娘のために
 源氏は乳母を選び、明石に派遣する。同じ頃、源氏は紫の上に明石の君の
 件を打ち明ける。源氏の話を聞き、素直に嫉妬の感情をあらわにする
 紫の上の姿を源氏は好ましく感じる。秋、源氏は住吉にお礼参りに
 出かける。偶然居合わせた明石の父娘は、源氏のあまりの華やかさに
 早々と立ち去った。帝が代わるとともに娘と帰京した六条御息所は病に
 倒れ、出家した。御息所は娘(斎宮の女御)を源氏に託しこの世を去る。
 源氏は好き心を抑え後見を誓った。朱雀院は斎宮の女御を所望するが、
 源氏は藤壺と結託し、冷泉帝へ入内させることを計る。
〇みおつくし 恋ふるしるしに ここまでも
              めぐり逢ひける えには深しな  光源氏
註)身を尽くして恋いこがれていた印として、ここで巡り合うことができる
  とは、私たちの縁は深いのですね
〇数ならで 難波のことも かひなきに 
              などみをつくし 思ひそめけむ  明石の君
註)人数にも入らない身の上で、全て諦めておりましたのにどうして身を
  尽くしてまでお慕いすることになったのでしょう
(返歌)
☆行列に 気後れするは 明石の君 歌と慰めの 言葉を送る
☆逢うことの かなわぬ身分 差を思い きらびやかな一行 そっと涙する
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「澪標」の帖は、源氏物語で最も美しい歌のやりとりだとの説があります。
 私もこの説を是としたいと思います。明石の君は、当初光源氏との恋は
 身分違いだと慎重な態度でしたが…、それでも光源氏に傾いていく想いを
 留めることは出来ませんでした。
 光源氏の歌は、註)にもありますように「私達の縁は深いのですね」と
 詠い、その歌を受け取った明石の君は光源氏の心に涙し、それに答えて
 「貴方を思う気持ちを止めることができません」との、情熱を秘めた
 恋しい想いを歌に込めました。
 なお、澪標(みおつくし)は水路のしるしですが、「身をつくし」と
 かけて、恋の歌によく詠まれてきました。
 これらの経緯を踏まえて、作者の2首の「返歌」を鑑賞させて頂きました。
 作者の返歌は、光源氏の立場を、彼に寄り添い詠い、明石の君の切ない
 想いをおもんばかり、その立場への共感を詠っています。さらに踏み込み、
 それぞれの方の想いを直截に詠ってみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】

★めぐり逢う定めを負いし君ゆえに 深き縁を永遠へとつなぐ
★あきらめの想いを越えて慕いたる みをつくしたく君のみもとへ

【詞書】氷点下になった夜を詠みました。
☆水道の凍結防止に栓ゆるめ チョロチョロの音(ね)を聞きつつ眠る
【詞書】女子駅伝を詠みました。
☆女子駅伝古都の声援背に受けて 疾風のごと京都圧勝
【詞書】LAの山火事を詠みました。
☆LAの火災は異常乾燥で 冬も地球沸騰の影
                         西BOOさん
【解説】
 「凍結防止」「女子駅伝」「LAの火災」と、今回も時節にあった
 ホットな事象を取り上げて詠んで頂きました。
 一首目は、寒冷地での「生活の知恵」の一つでしょうが、凍結
 防止を兼ねて水道の栓を緩め、水を少量流すのは多くのご家庭で
 実施されていることと思います。この音は夜の静寂には意外と
 響くものですが、「音(ね)を聞きつつ眠る」と肯定的に捉えて
 眠りにつく、作者の姿勢に好感が持てます。
 二首目の歌、まさに「疾風のごと」の表現にふさわしい颯爽とした
 走りでしたね。
 三首目は、詠まれている通り、まさに「地球沸騰の影」が濃厚
 ですね。かのトランプ氏は、温暖化対策に背を向けながら州知事の
 責任を追及しています。トランプ新政権は、気候変動対策の
 国際的な枠組み、「パリ協定」から再び脱退すると表明しました。
 トランプ氏の再登場により、アメリカの気候変動対策が後退する
 ことは事実と考えます。この点への注視を促す社会詠と考えます。


     「咲き初める 日本水仙」

【詞書】「黒豆」「元旦草」(福寿草の別名)「初雀」の新年詠を三首
  詠みました。
☆ぬばたまの黒豆のつゆたつぷりと ほんのり甘き亡き母の味
☆残雪に黄色極めて元旦草 家族のやうに固まり咲けり
☆ふくふくと転がるごとく初雀 松が枝に二羽 春待つやうに
                         みっちっちさん
【解説】
 新春詠にふさわしい題材を詩情豊かに詠んで頂きました。
 特に二首目の歌、上の句で、雪が溶け残るすき間に鮮やかな黄色の
 福寿草が咲く情景を描写し、新春の寿ぎを印象深く詠っています。
 下の句ではこの福寿草たちが密集して咲いている様子を家族に例えて
 おり、親密さや絆をイメージさせてくれます。福寿草がひとつひとつは
 小さくても、集まることで強さや暖かさを感じさせることから、家族や
 共同体の力を象徴しているようにも感じます。
 視覚的な美しさと情緒豊かな表現が調和した、まさに新春詠のお手本とも
 言える歌と感じます。
 三首目の、初雀の「ふくふくと転がるごとく」の写生が見事ですね。

☆冬蝶は霜置く草を枕辺に色の褪せたる羽根たたみをり
☆ポンポンの形に八つ手の白き花 冬の花火やそこだけ明るい
☆さざんかの花びら散りてみな散りて 綿雪のごと積もりゆくなり
                         夕庵さん
【解説】
 「冬蝶」「八つ手の白き花」「さざんかの花びら」を題材に、それぞれに
 心をこめて詠んで頂きました。
 一首目の歌、風情のある情景を巧みに描いています。上の句では、冬の寒さの
 中で蝶が霜の降りた草に身を横たえる姿から、寒さと孤独感、さらに寂寥感が
 印象深く描かれています。下の句では、色あせた蝶の羽が畳まれている姿が
 描写され、蝶の寿命や生の儚さが強調されています。冬の静寂な風景の中で、
 その哀愁と美しさが強調され歌と感じます。蝶の儚い命に寄せる作者の繊細で
 温もりに満ちた感受性に魅せられました。
 二首目の歌、「そこだけ明るい」の字余りについてお尋ねがありました。
 「明るい」を「明る」へと表現を変える件ですが、現行通りであっても作品
 として十分完結していると考えます。ただ、「明る」等、形容詞の終わりの
 「い」を省略することは、一般的にはお勧めしません。そこで、下の句を
 「冬の花火や そこのあかるさ」と少し変えて見ては、いかがでしょうか。
 三首目は、「花びら散りてみな散りて」のリフレインが、山茶花のハラハラと
 散る様を
強調し、調べの良い歌となっています。

【詞書】YouTube短歌:除夜作 ショパン プレリュード EMinor op 28 no 4を
☆たった独りで過ごす。
   外にはプレリュードの寒燈が
    誰もいない道を
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 昨年の大晦日に、作った短歌ですが、ショパンのプレリュード4番を聴き
 ながら、唐の詩人高適の除夜作を思い浮かべました。
  除夜作 高適
 旅館寒燈獨不眠 旅館の寒燈独り眠らず、
 客心何事轉悽然 客心何事ぞ転た悽然。
 故郷今夜思千里 故郷今夜千里を思ふ。
 霜鬢明朝又一年 霜鬢明朝又一年。
 紅白も見ず、酒をくらって寝て、明日には、又白髪頭の自分の歳が一つ増える
 だけだなあと。
 ショパンのプレリュード4番は、とても単純な曲だが暗い曲の代表らしいです。
 下記URLにショパンを貼付しておりますので、どうぞ御覧いただけば幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/dd07746adaf31d613dfa623ceec67c19
【解説】
 「たった独りで過ごす」という初句が、孤独さと静けさを強く感じさせます。
 「外にはプレリュードの寒燈」という表現も、周囲の寒々しい空気や静寂を
 効果的に伝えています。そして、「誰もいない道を」という結句が、さらに
 その孤独の雰囲気を増幅させています。
 ショパンの「プレリュード」を聴きながら感じた想いと情感が、歌として
 見事に表現されていると思います。作者は自嘲的に説明されていますが、
 孤独のもつある種の美しさと、感受性の豊かさが伝わってくる歌と考えます。
 なお、「誰もいない道」を走っていたのは、「プレリュード」と言う名の車
 でしょうか。ホンダは新型「プレリュード」を、2025年1月に出展すると
 昨年、2024年12月12日に発表しました。
 ちなみに、フレデリック・ショパン作曲の前奏曲(Prélude)は、ピアノの
 ための作品で、24曲の前奏曲から成る曲集と独立曲2曲の、計26曲から成ると
 言われて
います。ショパン自身は4曲までしか演奏会では取り上げなかったと
 伝えられて
いますが、現在では24曲全体で一つの作品と考える考え方が主流と
 なっている
とのことです。全曲通しの演奏時間は40〜45分程度です。作者の
 ように
ゆとりをもって、全曲じっくりと聞いてみたいですね。


     「未だ咲く ガザニア」

【詞書】何てこと無い平日の今月15日に、節目でも何でも無い61歳になりまして…。
  いつも思うんですけど、(25年前に“ハッピーマンデー法”が施行されてから
  ほぼ毎年)何かなあ…。祝日ってカチッと日が決まっていて、カレンダーというか
  日々過ごす私達も何となくメリハリがあったんじゃなかったかなあ…って
  思うんです。いや、「働きすぎを解消する」「休日を増やす」は判るんですけどね…。
  あまり休日や祝日も関係なく仕事(世間の人が休んでる時に忙しい仕事、バイトが
  多かったし…)してたから関係なかったし…。何か、カレンダー、日の感覚が
  薄れたかなあ…なんて、つらつら考え“むそじ”(六十路)を辿る今日この頃です。
  まあ61年めちゃくちゃ大変な目に遭ってないことと、のほほん人生を歩ませて
  くれた両親(父は亡くなりましたが)には感謝です。
☆前世紀には“成人の日”やったよなあ…
            私は1月15日生まれ
【詞書】(あまりこの表現って好きではありませんが)“推し”のグループ、
  THE ALFEEさんの“向かって左のサングラスの人”桜井賢さんが1月20日で70歳に
  なられました!🎉🎂おめでとうございます!
  この日からALFEEさんのお三人さんは4月14日(15日の、“真ん中のメガネの人”
  坂崎さんの誕生日前日)まで「同い年」です。3人合わせて210歳!どうか、これからも
  お三人さんが、楽しく面白くカッコ良く元気でファンと、暮れの「紅白」で彼等の
  「面白さ」(笑わせてくれるというだけでなく、音楽性やキャラクターのバラバラさ
  加減が著しいのに力強いサウンドや素敵なハーモニーのカッコ良さがある…など)に
  気づいたかも知れないファン以外の方々を楽しませ、感動させてくれますように…。
☆つかの間のメンバー揃って70歳!
        古来稀なる三人組かな
【詞書】1月20日に、大阪や東京などのJRや私鉄の駅や車内アナウンスなどを多く
  担当され、CMにも多数出演されていたという、声優、ナレーターの津田英治さんが
  1月13日に亡くなった事が、所属事務所から発表された(1月18日)のを知りました。
  76歳だったそうです。
  '80年代前半は大学へ通学するのに近鉄奈良線を使い、’90年代はバイト先の
  書店の図書館納品業務の一つでいくつかの市立図書館に雑誌などを配達して
  いたので、難波を起点に地下鉄であちこち行ってました。また、THE ALFEEさん
  (他のアーティストのもありましたが)のライブに行くことも増え、その際に
  地下鉄に乗ったりもし、東京や横浜、広島、岡山など他地域への遠征などの時は、
  新幹線から地下鉄の新大阪へ移動した時には、駅に流れるアナウンスやホームへ
  電車が入って来る事を知らせるメロディを聞いて「ああ~、帰ってきたわぁ~」と
  実感しーのホッともしーの…。御堂筋線の車内に流れる「次は西中島南方
  (にしなかじまみなみかた)…」の声に再度「あ~、帰って来た帰って来た!」…
  なんて思ったものです。
  落ち着いた雰囲気で決して聞いていて邪魔にならない、感じのいいお声でした。
  …津田さんと言えば(津田健次郎さんのお声は好きです)耳に馴染んだあの
  アナウンスの声の方のお名前は訃報が出るまで知りませんでした。なのに
  脳裏にしっかりあるあの声…。ご冥福をお祈り致します…。(関東、中部エリアも
  担当されていたそうです。聞いたことある人も多いと思います)
☆地下鉄でほっとしました大阪の
       駅や車内のアナウンスの声
                         ちがやねこさん
【解説】
 「成人の日」「THE ALFEE」「津田さん」をテーマに、作者の深い想いを
 込めて三首詠って頂きました。
 一首目の歌、詠われていますように祝日法の改正により2000(平成12)年に
 1月15日の成人の日が、1月第2月曜日に移動されてしまいましたね。この日が
 誕生日の方は「祝日」が「普通の日」となってしまい、ガッカリされてきた
 ことと思います。この日が作者の誕生日であったとのこと。先ずは、お祝いを
 申し上げます。かく申し上げる私も当日が誕生日でした。かつては誕生日が
 祝日でしたが…、作者の歌に込められている残念さと、言いしれない哀しみを
 理解する者の一人です。個人史の一齣を、このように歌として残すことも大切と
 考えます。
 二首目の歌、THE ALFEEのお三人さんは1月20日から4月14日までの三か月間、
 三人合わせて
210歳とのことですね。紅白で「星空のディスタンス」を歌う
 三人の、古希とは
思えない迫力ある雄姿を拝見しました。そして、変わらぬ
 ハーモニーに拍手を
送らせて頂きました。作者の歌にも「推し」を超えた
 トキメキが滲んでいます。

 三首目の歌、詠われていますように、声優、ナレーターとして活躍された
 津田英治さんが1月13日に亡くなった事が、所属事務所から発表されました。
 JR西日本大阪環状線、JR東海中央本線などの駅構内アナウンスやCMの
 ナレーションなど多方面で活躍されましたね。詠まれているように優しく
 包み込むようなナレーションに「心のふる里」を感じられた方が多かったと
 思います。名前よりも、声を聴けば「ああ、あの方」と思い出す方も多いと
 考えます。作者の、さりげない表現の中に、そんな想いが溢れる歌になって
 います。改めてご冥福をお祈り申し上げます。

☆梢にも新芽あふれて艶やかに さくら古木は夕映えに立つ 
                         ポエット・M
【解説】
 時々訪れる公園の片隅に、早咲きで知られる熱海桜の古木が立っています。 
 年代を感じさせる古木ですが、その梢には既に新芽が膨らみ、夕映えを
 映して艶やかに耀いて見えました。冷たく厳しい季節の中でも、冬芽を
 育て、開花に向けて淡々と備えを続ける古木。そんな樹木の健気な営みを
 改めて感じ、粛然とした想いになり歌に詠んでみました。

 
     「咲き初める 蝋梅」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(2)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

   いたく錆びしピストル出でぬ
       砂山の
      砂を指もて掘りてありしに

   ひと夜さに嵐来たりて築きたる
       この砂山は
      何の墓ぞも

   砂山の砂に腹這ひ
       初恋の いたみを遠く
      おもひ出づる日

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】前回に続き掲載致します。
 ・チョウキチさんからのコメントです。
    〇惜しからぬ命に代えて目の前の
           別れをしばし とどめてしがな  紫の上
  いよいよ純真、紫の上らしくなりましたね。紫式部の本心は
  どうだったでしょうか。
  源氏物語に初めて接して以来、紫の上のファンです。

 ・ポエット・Mの返答
  いつも、「水曜サロン」を見守って頂き、また歌評や、アドバイスも
  頂きありがとうございます。
  「紫の上」は「葵の上」が亡くなった後、光源氏の正妻となりましたが、
  おっしゃる様に、光源氏が須磨配流の中でも、想いの籠った文を頻繁に
  届け、しっかりと支えましたね。流麗な文のやり取りで光源氏を最後まで
  励まし続けた律儀で理想的な女性として、源氏物語では描かれています。
  容姿も端麗で物語では主要なヒロインとの印象があります。
  チョウキチさんがファンと言うのも頷けます。
  私も「紫の上」の、桐壺を思わせる楚々とした姿と人柄に惹かれます。
  ただ、源氏物語では破格のキャラクターとして登場する「朧月夜」の
  何ものにも囚われない、自由で奔放な人柄にも惹かれます。当時の
  王朝文化の中では、中々存在しないキャラクターだったでしょうが、
  作者の紫式部も憧れと、願望を込めて描き出した個性的な存在とも
  読み取れます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その164 ネット歌会)

2025年01月22日 05時11分07秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その164 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 巳年の初春をお慶び申し上げます。本年もよろしくお願い致します。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き初める ヒマラヤ雪ノ下」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆水道の凍結防止に栓ゆるめ チョロチョロの音(ね)を聞きつつ眠る
                         西BOOさん
★眠れない夜はラジオの深夜便 アナウンサーの「眠り薬」で
                         夕庵さん
★テレビよりラジオの方が楽しみで 我が青春のヤングタウンや
                         西BOOさん
★気がつけば友達みたいなラジオなり 息の長きを鶴瓶とさんま
                         夕庵さん

☆残雪に黄色極めて元旦草 家族のやうに固まり咲けり
                         みっちっちさん
★雪の下春の兆しの福寿草 しあわせ連れてはやも待たれる
                         夕庵さん
★日だまりに母の眺めし福寿草 春を待たずに逝きし母なり
                         みっちっちさん
★しあわせ度の基準は何かと考える 寄る年波に亡母偲ぶ夜は
                         夕庵さん
★しあはせを与へてくれし母偲び 幾年たてど褪せぬ笑顔よ
                         みっちっちさん
★この足で行きたい場所へ行けること 父母より賜いしこれぞしあわせ
                         夕庵さん
★しあはせは己で見つけ育てろと 背なで教へ賜ひし父母
                         みっちっちさん
★肉体は滅べど亡母は傍に居て 折々に打つ相づち多し
                         夕庵さん
★亡き母は吾(あ)の肩先にぼうとゐて独り言にも答へくれゐる
                         みっちっちさん
★この頃は多くなったか独り言 犬がくんくん返事をくれる
                         夕庵さん
★気付かずに おのれ鼓舞する独り言 うまくゆかなき試合中にも
                         みっちっちさん
★コロッケのほくほく揚がる店の前 お昼はこれでと独り言ちたり
                         夕庵さん

     「咲き初める 河津桜」

☆ふくふくと転がるごとく初雀 松が枝に二羽春待つやうに
                         みっちっちさん
★降り積もる雪の北国音もなく 鳥は何処に羽根休めいむ 
                         夕庵さん
★寒空のいづこや 鳥やけものたち その身丸めて眠りゐる冬
                         みっちっちさん
★動物も子供と共に眠るのに 遺影を胸の地震(ない)の長きを
                         夕庵さん
★大地震(おおない)の怖さ忘れじ三十年 朝まだ早き神戸の市街
                         みっちっちさん
★鎮魂と祈りの神戸にルミナリエ 哀しみつつむ絆の深き
                         夕庵さん
★大火事の煙が山を越へ来しを 震へ眺めし大地震(おおなゐ)の夜
                         みっちっちさん
★竹筒のろうそく灯し手を合わす 無念の親へ詫びる息子(こ)の居て
                         夕庵さん
★子を亡くす親の無念や ろうそくのともしびに浮く幼き笑顔
                         みっちっちさん
★無念なり 亡くした子らの年数え 復興しつつも親は老いたり 
                         夕庵さん
★若き日のひと日ひと時 大切に 老ひとなれどもよき思ひ出に
                         みっちっちさん
★思い出は悲喜こもごもと両の手に 明日は嬉しい友との再会 
                         夕庵さん

☆霜まとい なお咲かんとす水仙の 香り仄かに 秘むる矜持も
                         ポエット・M
★水仙の花が小鳥の口のよう 春はまだかと囁き聞こゆ
                         西BOOさん
★水仙よ 春の兆しに先駆けて 酷き季節に凛と咲きいる
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める 日本水仙」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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誕生日

2025年01月19日 10時07分32秒 | お出かけ

 過日は私の誕生日でした。
私達の年代になると、この日は必ずしも楽しい日ではありませんが…。
ただ、細君には日帰り天然温泉と、食事をセットした、心温まる祝いの
宴を催して頂きました。


     「咲き初める 菜の花」

 最近は細君と共に、ボランティア等々の合間を縫って、公立の
温水プール通いを週三回程度行っている
こともあり日帰り温泉へは、
中々行く機会も少なくなっていました。

久しぶりの温泉に、その良さを実感してきました。露天風呂からは
180度の海の眺望が臨め、少し北風はあったもののゆったりとした
癒しのひと時を過ごすことが出来ました。温泉から出た後は、
海の見えるお食事処で、この店のお勧め「ご膳」を二人で頂きながら、
シェフの心をこめた料理を堪能させて頂き、祝膳に感謝しました。

 前にも触れましたが、私には3人の息子がいますが、受験期の子供も
おり、また、長引いたコロナ禍で少なからず影響を受けていることも
あり、精神的にも、経済的にも、大変なこともあり、誕生日など
諸々の贈物はもういらないと細君と共に宣言してきました。


     「咲き初める 日本水仙」

 しかし、子供達のお嫁さんの心遣いもあり、Golden Bearの
ダウンブルゾンやシャツ、さらには、日本酒大吟醸の飲み比べセット
等の祝いの品が届き、恐縮するばかりでした。
そして、何よりも嬉しかったのは孫たちのお誕生日祝いメッセージでした。
改めて感謝した次第です。

 孫たちも全員揃って年末年始に訪れてくれ、その成長を目の当たり
にし、頼もしさと共に、眩ささえ感じました。じいじ、ばあば冥利を
十分感じ、さらに心優しいコメントまで届けられ、この上ない幸せな
想いに浸りました。
今回はかなり甘々な文章で恥ずかしい限りですが、晴れの日に免じて
ご容赦頂ければ嬉しいです。

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その163)

2025年01月15日 05時39分26秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その163) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 巳年の初春をお慶び申し上げます。本年もよろしくお願い致します。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 日本水仙」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
 今年もよろしくお願いします。
「18.明石(あかし)明石の君」
 須磨で源氏を襲った嵐はなお続いていた。紫の上からの使者によると
 都でも天変地異が続いているという。雷雨の中、源氏は住吉の明神に
 祈りを捧げる。風雨が静まったころ、まどろむ源氏の夢枕に故桐壺帝が
 立ち、この地を去るように告げる。奇しくも翌朝、明石の入道が源氏を
 迎えに現れる。入道も源氏を迎えるお告げを明石で得ていた。明石に
 移った源氏は、都にも劣らない暮らしぶりに心を落ち着ける。入道は
 源氏に大切に育てた娘(明石の君)のことを持ちかける。入道の期待を
 受け、源氏は明石の君に手紙を送るが、身の程を知る姫はなかなか
 なびかない。一方都では凶事が続いていた。朱雀帝は桐壺院の幻を
 見て、眼病を患う。源氏への不遇が原因と考えた帝は源氏を都へ
 呼び戻すことを考える。 八月十三日、ついに源氏と明石の君が
 結ばれるが、紫の上を思う源氏は明石の君を冷遇する。明石の君は
 想像通りの事の運びに深く思い悩む。 年が変わり、源氏は赦免され、
 都への帰還が決まる。同じ頃、明石の君は懐妊し、源氏は再び明石の
 君に心を寄せる。明石の君に執心しながらも、源氏は2年ぶりに都に
 戻り、権大納言に昇進、久々に帝と対面した。
〇むつごとを 語りあはせむ 人もがな 
         憂き世の夢も なかば覚むやと 光源氏
 註)男女の語らいをできる相手がほしいのです、この辛い世の夢が
   いくらかでも覚めやしないかと
〇明けぬ夜に やがて惑へる 心には 
         いづれを夢と わきて語らむ  明石の君
 註)明けない夜の闇にそのまま迷っている私の心には、どちらが夢か
   現実か判別してお話しすればよいのでしょうか
(返歌)
☆気品あり 奥ゆかしさの 雰囲気で 情が深まる 明石の君に
☆明石の君 光源氏と すれ違い 身投げしたいと 思い悩むも
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 作者の 註)にもありますように光源氏の歌は「愛の言葉を語り合う
 あなたのような方がいれば、悩みの多いこの世の夢も覚めてしまう
 でしょう」と意訳出来ます。
 この歌を贈られた明石の君は「明けることのない夜に惑える私の心は
 夢か現実かもわかりません」と、想いのこもった返歌をしています。
 その後、かたく結ばれた二人は運命の波に翻弄されますが、光源氏に
 とっては、人生を大きく好転する起点ともなっていきますね。
 このような背景を踏まえて、作者の返歌を鑑賞させて頂きますと、
 いずれも光源氏と、明石の君へ寄り添った歌になっていると感じます。
 それぞれの想いをもう一歩進めて詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★君ともに 想い深めるこの宵に 憂さもいつしか 薄らいでゆく
 ★明けぬ夜を 吾をいだきて祓う君 惑える我の光明なれや

【詞書】庭の椿の花を詠ませて頂きたいと思います。
☆寒風に負けじと開花白椿 降りたる雨も雪になりそな
【詞書】クワガタの冬眠を詠ませて頂きたいと思います。
☆クワガタが冬眠に入り動かない 年甲斐もなく啓蟄を待つ
【詞書】新春詠を一首追加します。
☆年始め何より先に祈り給う 能登に御神の御加護のあらむ
                         西BOOさん
【解説】
 新年に追加頂き、三首の歌を詠んで頂きました。
 一首め歌は、自然の厳しさと白椿に寄せる作者の優しさを感じ
 させる詩情に満ちた良い作品と感じます。
 上の句では、寒風に負けずに咲く白椿の強さと美しさが描かれ
 寒風に逆らいながらも咲く姿は、逆境に立ち向かう椿の強い
 意志の存在が表現されています。
 下の句では、降り始めた雨が雪になる予感を描写して、自然の
 変化を捉えた一瞬の美しさを表現しています。まさに四季の
 移ろいと、そこに繰り広げられる厳しくも美しい情景が、余す
 ところなく詠われています。
 二首目は、作者の小さな命に寄り添う想いが溢れる歌と感じます。
 三首目は、雪に見舞われながら、水道を始め未だ復旧も道半ばの
 能登の人々に寄せる、多くの方の想いを代弁した歌と感じます。

【詞書】冬の景色色々を三首、出詠します
☆きしきしと大地の息や 深更のかけら かすかに霜柱の声
☆寒江をはるか越へ来し旅ごころ 車窓にもたれ荒野を眺む
☆流星の落ちゆく先は はるかなる 空と海との境界線か
                         みっちっちさん
【解説】
 「冬景色」について三首の歌を繊細に、かつ雄大に詠んで頂きました。
 特に、一首目の歌は、冬の深い静けさと厳しい冷気が繊細に美しく描写
 されています。
 上の句の「きしきしと大地の息や」という表現は、まるで冷え切った
 地面が音を立てるように感じられ、冬の厳しい寒さが伝わってきます。
 また、「深更のかけら」は、夜の静けさの中に散りばめられた寒さの
 断片を見事に表しています。さらに、「かすかに霜柱の声」という
 一節で、静寂の中で微かに響く霜柱の音を表現し、フィクションで
 ありながら、あたかも現実であるかのように感じさせ、繊細な感覚を
 呼び起こすことに成功しています。表現力の高さ故と考えます。
 二首目の「寒江」は冬の川を意味します。
 三首目の歌の雄大さに打たれます。下の句を「空と海との狭間かと見ゆ」
 等、余韻を残す工夫をしてみましょうか。なお、このよう表現を目指し
 たいものです。

     「咲く満る 山茶花」

【詞書】世の中忙しい 天国と地獄
☆世の中「忙しい」とて
 独り本を読み音楽を聴く時
   たのし
【詞書】寒冷歳暮
☆窓の外の日溜りをみれば暖かそう
  外に行きたくなる午後
【詞書】YouTube:新春 ヨハン・シュトラウス二世 春の声を
☆こんこんと涌き出る泉で
  春の妖精達が跳びはね踊るよ
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い
 いたします。
 一首目は、年末はどこも忙しいらしい。新古今和歌集の入道左大臣
 (藤原実房)歌に、
  いそがれぬ年の暮こそあはれなれ昔はよそに聞きし春かは
 出家引退後の歳の暮は、ゆっくりとしているが寂しいと言った意味。
 私はどうしても哀れなどは無いなあと。
 年末の忙しさを表現した曲とすれば、オッフェンバック作曲 
 喜歌劇「地獄のオルフェ」(初演1858年)序曲第三部、
 「天国と地獄」以外には無いだろう?
 実は、源氏物語と新古今和歌集、平家物語の勉強が遅れている。
 ちょっとは焦った方が良い?まあ、あと10日以上(20日時点)も
 ある?
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/de38cd5fc6cd81348e58d6f7c3698313
 二首目は、東京の気温は、10℃くらいだが、アメダスを見れば風が
 強く寒そう。窓から見る外の景色は、暖かそうだが。
 今日は、予定も無い月曜日。長いこと、年末年始とか関わらず生きて
 来て、年末だから、クリスマスだからと言う意識は無い。まあ、
 どこかに出かけようと思うも、遅れている源氏物語をずっと読んでおり、
 先は長い。
 バッハのアリオーソは、チェンバロ協奏曲 第5番 ヘ短調(BWV.1056)
 第2楽章のメロディだが、カンタータ 第156番「我が片足は墓にありて」
 の曲と同じとあった。まあ曲名は自分を表しているなあ。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/871a4a799a29328e7f49d3665623f3a2
 三首目は、新春と言う事で、どう言う曲があるかな?と思っていたら、
 ある雑誌に、春の声の楽譜があり、今年が生誕200年を迎える
 ヨハン・シュトラウス2世が、1882年に親友のリストと即興演奏会に
 出席した時にイメージして作曲した。ウィーン・フィルのニューイヤー・
 コンサートで毎年演奏される新年を代表する曲とのこと。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/ab394a4df30cb1790018108478487ed8
【解説】
 師走の繁忙下にありながら、悠然と音楽を聴きながら読書を楽しむ。
 そのゆとりある作者の日々が、歌からうかがえます。
 「たのし」と簡潔に言い切る潔い表現に惹かれます。また・・・、
 「哀れなどは無い」という、つぶやきにも。
 なお、短歌説明に記された「天国と地獄」は、説明にもありますが、
 第二帝政期のフランス社会が抱えていた偽善性や矛盾の風刺をすることで
 当時の世相を取り入れバロデー化されています。本来は死んだ妻を愛する
 あまり地獄に赴くという感動的な夫婦の物語を、互いに愛人を作り、
 決して愛し合っているわけではないのに体面だけを気にして仕方がなく
 妻を取り戻しにいく、という偽善に満ちた夫婦の滑稽さを風刺した「喜劇」
 作品を生み出し成功を収めたと言われています。
 二首目の歌、カンタータ 第156番の「曲名は自分を表して」はいませんよ!
 と申し上げます。益々のご健詠をとお祈り致します。
 三首目は、新年に追加詠として出詠頂きました。
 「こんこんと涌き出る泉で」の上の句で新春にふさわしい、明るく楽しげな
 雰囲気を醸し出しています。また、春の妖精たちが泉で踊る光景は、春の
 到来を祝う喜びと希望を象徴し、生き生きとした生命力を見事に表現した
 歌になっていると感じます。

【詞書】お正月3日間好天気に恵まれ 氏神様へ初参りに出かけました。
☆元朝のま清水からだを巡りめぐり やさしきひかり一身に浴ぶ
☆神さぶる木立ぬければ厳かに 小さく古き本殿御座す
☆初詣 祈りの言葉を胸に抱き 光の粒降る参道をゆく
                         夕庵さん
【解説】
 今年の三が日は好天に恵まれ佳い日和でしたね。「初参り」につき三首
 詠んで頂きました。いずれの歌も、初詣という新年の始まりの儀式が、
 神聖で希望に満ちた雰囲気を伝えます。
 特に三首目の歌、「光の粒降る」という表現は、参道に降り注ぐ光の
 輝きが美しく描写されており、視覚的なイメージを豊かに表現しています。
 また、参道を歩む姿が、祈りと共に新たな一年の始まりを迎える静かな
 決意を感じさせる歌になっています。作者の背筋を伸ばした凛とした姿が
 眼に浮かびます。
 一首目の「一身に浴ぶ」の体言止めが鮮やかです。

☆霜まとい なお咲かんとす水仙の 香り仄かに 秘むる矜持も
                         ポエット・M
【解説】
 海辺の公園の南斜面に日本水仙が咲き初めています。昨夜の寒さ故か
 咲き初める花に薄っすらと霜がついているかに見えました。雪中花との
 別称をもつ水仙ですから、雪にもめげず仄かに香りを漂わせ咲き切る
 強靭さは分かります。それでも、その凛々しさを支える水仙なりの
 自然の厳しさとの苦闘の跡には、感じるものがありました。そんな
 想いを詠ってみましたが依然として掘り下げの浅さを感じています。

 
     「咲き初める 日本水仙」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(1)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、
  土岐善麿は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
     認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  啄木の短歌の三行書も、善麿の発想であったと言われています。

  東海の小島の磯の白砂に
     われ泣なきぬれて
    蟹とたはむる

  頬につたふ
     なみだのごはず
   一握の砂を示し人を忘れず

  大海にむかひて一人
     七八日
   泣きなむとすと家を出にき

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】前回に続き掲載致します。
 ・チョウキチさんからのコメントです。
    〇惜しからぬ命に代えて目の前の
           別れをしばし とどめてしがな  紫の上
  いよいよ純真、紫の上らしくなりましたね。紫式部の本心は
  どうだったでしょうか。
  源氏物語に初めて接して以来、紫の上のファンです。

 ・ポエット・Mの返答
  いつも、「水曜サロン」を見守って頂き、また歌評や、アドバイスも
  頂きありがとうございます。
  「紫の上」は「葵の上」が亡くなった後、光源氏の正妻となりましたが、
  おっしゃる様に、光源氏が須磨配流の中でも、想いの籠った文を頻繁に
  届け、しっかりと支えましたね。流麗な文のやり取りで光源氏を最後まで
  励まし続けた律儀で理想的な女性として、源氏物語では描かれています。
  容姿も端麗で物語では主要なヒロインとの印象があります。

  チョウキチさんがファンと言うのも頷けます。
  私も紫の上の、桐壺を思わせる楚々とした姿と人柄に惹かれますが、
  源氏物語では破格のキャラクターとして登場する「朧月夜」の
  何ものにも囚われない、自由で奔放な人柄にも惹かれます。当時の
  王朝文化の中では、中々存在しないキャラクターだったでしょうが、
  作者の紫式部も憧れと、願望を込めて描き出した個性的な存在とも
  読み取れます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その163 ネット歌会)

2025年01月15日 05時19分35秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その163 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 巳年の初春をお慶び申し上げます。本年もよろしくお願い致します。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き初める 日本水仙」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆年始め何より先に祈り給う 能登に御神の御加護のあらむ
                         西BOOさん
★新玉のひかりは静かに身にふりて ただ平穏なる日々を祈りぬ
                         夕庵さん

☆寒風に負けじと開花白椿 降りたる雨も雪になりそな
                         西BOOさん
★ふっくらと開く椿の真白きに 今朝の冬空冴えわたりゆく
                         夕庵さん
★白椿年を越しつつ満開も 二月堂の椿はまだか
                         西BOOさん
★見はるかす二月堂より下を見る 東大寺の鴟尾 黄金に映え
                         夕庵さん
★大仏の蓮に刻さる華蔵界 世界に残る唯一の世界
                         西BOOさん
★阿弥陀仏の極楽浄土に咲く蓮の 泥にも染まず真白にぞ在り
                         夕庵さん

☆クワガタが冬眠に入り動かない 年甲斐もなく啓蟄を待つ
                         西BOOさん
★クワガタの冬眠したのを確かめる あの日の僕が今ここに居る
                         夕庵さん
★クワガタの産まれは多分ルソン島 ホントに冬眠しているのかな
                         西BOOさん
★アフリカの冬眠知らずのクワガタは はさみかざして獲物を探す
                         夕庵さん

☆きしきしと大地の息や 深更のかけら かすかに霜柱の声
                         みっちっちさん
★サリサリと野道分け入り霜草の 音確かめて楽しくなりぬ
                         夕庵さん
★七色の光かすかに霜柱 さりさりと踏む朝の楽しみ
                         みっちっちさん
★霜柱も冷たい風と昇華して 雪の芸術樹氷を作る 
                         夕庵さん
★星屑の煌めくごとく 雪まつり 芸術作に歓喜の札幌
                         みっちっちさん
★ピラミッドもクレオパトラも皆消えて 砂像愛しや泡沫の夢
                         夕庵さん
★夭逝のツタンカーメン はるかなる金のマスクにその美貌見ゆ
                         みっちっちさん
★マスクにも有効期限のあると聞く インフルエンザの猛威怖ろし
                         夕庵さん
★恐ろしや 共に卓球せし友がインフルエンザに罹患せしとは
                         みっちっちさん

☆寒江をはるかに越え来し旅ごころ 車窓にもたれ荒野を眺む
                         みっちっちさん
★冬鳥は 遙かな旅の終着を この湖と決めて安らぐ
                         夕庵さん

     「咲き初める 蝋梅の花」

☆流星の落ちゆく先は はるかなる 空と海との境界線か
                         みっちっちさん
★満月の夜に現れし流星群 不確かなれどきっとふたご座
                         夕庵さん
★流星よ 明日は晴れるや 海行きのバスに飛び乗り気まぐれの旅
                         みっちっちさん
★気まぐれの旅は羨しや いつの日かと思(も)いつつ過ぎてパンフ見るのみ
                         夕庵さん
★海原を眺め夜長の旅の宿 パンフにもなき寂れし湯宿
                         みっちっちさん
★長年の無沙汰を詫びる旅に出む きっと泣くだろ互いの姿に
                         夕庵さん
★初恋を語り合ひたる友垣よ 無沙汰なれどもなほ胸の奥
                         みっちっちさん
★あわあわの初恋なれど声聞くは 年の初めの定期便なり
                         夕庵さん
★眩しげに笑む君見つめ 初恋と 分からぬままの十歳の夏
                         みっちっちさん
★思い出のあれはきっと初恋と レモンのなかのはがゆいわたし
                         夕庵さん
★レモン水飲み干す君の喉仏 命見つむるごとき初恋
                         みっちっちさん
★胸にある言葉もついに口にせず 飲み下したりポカリスエット
                         夕庵さん
★告白もせぬまま過ぎし初恋は 甘くて苦きレモンスカッシュ
                         みっちっちさん
★恋占い(こいうら)を貴船の神に託さむと
         雪の階(きざはし)黙(もだ)してのぼる
                         夕庵さん
★夕映への八坂神社へ君とゆく ハートの絵馬に祈りを込めて
                         みっちっちさん
★絵馬に書く「合格祈願」の受験生 見交わすふたりの春はすぐそこ
                         夕庵さん
★絵馬に書く「能登復興」のボランティア 瓦礫の地にもちさき芽吹きが
                         みっちっちさん
★能登の地も成人式は敢行し 晴れ着の顔にひとときの笑み
                         夕庵さん
★ふるさとに初恋ありき 成人の日の晴れ晴れとなほしみじみと
                         みっちっちさん
★おのこらの金髪数多集まりて 成人式の今様を見る
                         夕庵さん

☆夕映えに燃ゆる姿も さらしつつ 散るに間のある 冬もみじ揺れ
                         ポエット・M
★秋実り鳥もつつかぬ渋柿の 重力に負け落つる運命
                         西BOOさん
★熟れてなお鳥のついばみ無き柿よ 孤高たもちて落暉に染まる
                         ポエット・M

☆コスモスの すがれる花に 舞う胡蝶 亡びに向かう命愛しく
                         ポエット・M
★枯れ花に命を託す小さき蝶 亡びの時も風のまにまに
                         夕庵さん
★枯れ花も命養う宝庫かも 蝶に見えるや豊穣の野と
                         ポエット・M
★村おこし休耕田にひまわりを過疎の明日はきっと明るい
                         夕庵さん
★村の明日 思う心にひまわりは 答えて咲くや光もまとい
                         ポエット・M
★ひまわりの種は好物リスの群れ 摩周湖ブルーに人気を添えて
                         夕庵さん
★ひまわりの群れ咲くかなた摩周湖よ 霧の晴れ間に冴える藍色
                         ポエット・M
★摩周湖はいつも霧に閉ざされて あなたの心の読めない旅は
                         夕庵さん
★君ともに「摩周ブルー」に魅せられて 澄みゆく水に想いものせて
                         ポエット・M
★魂も吸い込まれそうな摩周湖に 浄化され発つ身を軽くして
                         夕庵さん
★摩周湖の水底深く眠りたし 畔に祈る君を見つめて
                         ポエット・M
★祈るしか出来ぬこととは悔しくも 想いは深し摩周湖深し
                         夕庵さん
★摩周湖の深き底にも届きたる 君の想いと 厚き心は
                         ポエット・M
★身を律す切なき心摩周湖に 捨て見返れば漣の立つ
                         夕庵さん
★切なくも想い振り捨て摩周湖のさざ波見つめ旅を終えたる
                         ポエット・M
★旅終えてなお生きなむと新生の 一歩踏み出す朝日にむかい
                         夕庵さん
★決然と新たな歩み刻みゆく 君の髪にも冬日煌めく
                         ポエット・M
★わが髪にシャンパングラスにも煌めきて 門出を推しぬ冬の光は
                         夕庵さん
★バブリーなシャンパンタワーも遥かなり 失なわれしは心に及び
                         ポエット・M
★シャンパンのグラスを合わす新年も 家なき人らの心によぎる
                         夕庵さん
★手も足も心も凍る街角に 家なき人らに炊き出しの湯気
                         ポエット・M
★新年の朝の雑煮の炊き出しに ほこほこ笑顔の故郷恋し
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き満る 山茶花」

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                     了

コメント (19)
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映画『グランメゾン・パリ』

2025年01月12日 14時30分08秒 | お出かけ

 今、木村拓哉主演の映画『グランメゾン・パリ』が公開中で、12月30日公開から1月5日までの公開7日間の累計動員は96万人と、好スタートを切っているとのことです。私も12月30日の初公開日に細君共々横須賀の映画館で鑑賞してきました。暮れのテレビで「グランメゾン東京」のスペシャルドラマを見ていましたので、導入部から背景のストーリーも含めて違和感なく楽しめました。


     「咲き満る 山茶花」

 既にご覧になっている方も多いかと思いますが…、簡潔に触れて見ます。
今回は、フランス・パリでの大規模なロケ撮影も行われた本編で、監督は、映画「ラストマイル」ほか、TVドラマでは「MIU404」「アンナチュラル」など、話題作を手掛ける塚原あゆ子氏がTVドラマに引き続き担当されています。また、韓国のアイドルグループ「2PM」のオク・テギョン、アイドルグループ「Aぇ! group」の正門良規が新キャストとして参加していました。さらに実際に2020年に、アジア人初となるフランスの三つ星を獲得した「Restaurant KEI」の小林圭シェフが、映画の料理監修を務める等本物志向が随所に感じられる作品との印象がありました。

 異国の地でシェフが個人店で三つ星を獲ることは奇跡と言っても過言ではなく、2020年から2024年と5年経った今でも、ミシュランガイド・フランスでのアジア人店舗の三つ星は「Restaurant KEI」一店舗のみとの厳しい現実があります。そんな世界最高峰と称されるフランス料理の本場・パリを舞台に、アジア人初となる“三つ星”獲得へと挑むストーリーです。
 料理に人生をかけるフランス料理のシェフ・尾花夏樹(木村拓哉)が、女性シェフ・早見倫子(鈴木京香)と出会い、周囲と衝突しながらも日本で三つ星レストラン「グランメゾン東京」を作り上げました。
 それから時が経ち、尾花は早見と、フランス料理の本場・パリで、新店舗「グランメゾン・パリ」を立ち上げ、アジア人初となるミシュラン“三つ星”を獲得するために奮闘していました。

 名だたる巨匠たちがしのぎを削る本場フランス。そのフランス料理で “三つ星”を獲得することは、尾花にとっての人生をかけた悲願でした。しかし、異国の地のシェフにとっては、満足のいく肉や、野菜などの食材を手に入れることにすら高い壁があり、“三つ星”に選ばれるなど夢のまた夢の結果を出せない日々が続いていました。そしてあるガラディナーでの失態が原因で、かつての師と「次のミシュランで三つ星を獲れなければ、店を辞めフランスから出ていく」という約束を交わさざるを得ない状況に追い込まれます。カリスマシェフと称された尾花夏樹は、挫折や人種、さらには文化の高い壁を乗り越え、仲間と共に世界最高峰の“三つ星”を手に入れる熱き挑戦に挑みました。料理に注ぐ情熱と、あきらめない想いが次々に襲ってくる難関を乗り越え“三つ星”に到達する感動的な物語でもありました。

 ネタバレとなりますのでこれ以上の記述は控えますが、前作で「一滴のソースにも料理人は命を削り注ぐ」との尾花の台詞がありました。この想いが食材選びから、料理の隅々にに余すところなく注がれた本物志向の作品との印象をさらに深くしました。
 また、木村拓哉の舞台あいさつではありませんが「美味しく味わい深い」作品とも感じました。見終わった細君の感想も、今までの木村拓哉主演の映画の中で最高!と言っていました。

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初詣へ

2025年01月05日 21時52分09秒 | 新年

 「復活と再生」の年、2025年が明け既に五日となりました。

     「咲き初める 日本水仙」

 昨年クリスマスの日、ロシアによる電源設備のミサイル攻撃で、酷寒のウクライナでは子供たちをはじめ、多くの非戦闘員の人命にかかわる、さらに厳しい状況が発生し、パレスチナ、ガザ地区でも命に関わるような「壊滅的な飢餓」状況が発生しています。
 これらの状況から目を離すことなく「今、何が起きているのか」を注視し、停戦に向けての取り組みを後押しする「小さな声」を、あげて行きたいと思っています。

 一方、日本では昨年のような大地震等、大災害に遭遇すこともなく9連休も本日で終わり、多くの方は明日からの「仕事モード」に切り替わっていることと思います。


     「咲き盛る 山茶花」

 年末、年始、我が家では休暇で子供達が孫たちと共にさみだれ式に帰省して、しばらくどの部屋も人であふれ、賑やかな状況が続き、細君は嬉しい悲鳴を上げていました。
孫たちも上は大学生から、下も全員高校生になり受験も含めて皆忙しいようで一泊、二泊でそれぞれ帰って行きました。また、高校生の孫はアイスホッケーでインターハイへ選手として臨むため練習等もあり、早々に部活へ合流していきました。

 孫たちも既に私達の背丈を超え、少年、少女から青年・淑女へと変貌し眩いばかりに成長し、嬉しくさらに頼もしく感じてしまいました。
厳しく生きにくい世情の中ですが、このまま真っすぐに育って欲しいと祈る想いもしました。


     「氏神様 諏訪神社」

 残った子供達家族と、近所の氏神様への初詣に行ってきました。大晦日から元旦にかけては
かなりの混雑で長い行列が出来たようですが、三日目は流石に混雑も無くスムーズにお参りが
出来ました。
 お陰様で、巳年をつつがなく始めることが出来ました。本年もよろしくお願い致します。

コメント (2)
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