「口語短歌・水曜サロンの会」(その71) 短歌の投稿を歓迎します!!
☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。
【サロンの運営について】前回に続き掲載致します。
運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。
「咲き初める 河津桜」
「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」
【詞書】冠雪の雄大な浅間山連峰を眺めることは実に楽しいし気持ち良くなります。
長野県民は浅間山連峰や八ケ岳連峰、北アルプス、中央アルプス、南アルプス等
冬の冠雪を眺めながら暮らしていると思うと感慨深いものがあります。
そこで拙者ブログ掲載予定「雪山登山・甲信越編」より雪山を詠んでみました。
☆眼前に八ヶ岳ブルー青空と 連峰拡がり眺め絶景
註)長野県佐久穂町「北横岳」
☆雪山は登竜門こそ天狗岳 挑戦するは2つのピーク
註)長野県茅野市「天狗岳」
☆絶壁のアルペン的な双耳峰 二つ耳こそ厳しい試練
註)新潟県湯沢町・群馬県みなかみ町「谷川岳」
浅間山明鏡止水さん
【解説】
「雪山登山・甲信越編」より雪山を詠んで頂きましたが、何れもかつて登った山であり
懐かしく拝見しました。
特に、三首目の「谷川岳」は、日本百名山のひとつですが、最近でこそ減少している
ものの「世界一遭難者が多い山」としてギネス認定された「魔の山」でもありますね。
私もかつて先輩に誘われ、バイトをさぼり晩秋の日に一泊二日の強行軍で登山に挑んだ
ことがありました。当然初級者ですから、一の倉沢のロッククライミングは避けましたが、
麓から見上げるだけで足のすくむ想いを感じた記憶があります。
詠われている「二つ耳」は、標高1963mの「トマの耳」と、標高1977mの「オキの耳」
の2つの山頂を指していますが、「オキの耳」がこの山の標高になっていると思います。
谷川岳への挑戦を別の視点から詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
★死を賭してなお挑みしか谷川の 崖に光るはハーケンの跡
【詞書】京都の城南宮は垂れ梅ばかりの神苑です。室町の庭、桃山の庭、平安の庭と
平安王朝を彷彿とさせる神社です。また曲水の宴でも有名です。築山から
垂れる梅はまるで簾のように大宮人の優雅な姿を想像させます。
また源氏物語に描かれた80首の草木があり花の園としても親しんでいます。
なお、春はあけぼの…清少納言の枕草子から引用しましたがどうでしょうか?
☆神苑の垂れの梅のさゆらぎに大宮人の遠き相聞
☆貴人(あてびと)が垂れの梅が枝そとあげて結ぶ恋文 春はあけぼの
☆咲き初めし梅一輪に化身して春を届けにくる郵便夫
夕庵さん
【解説】
京都の城南宮とは懐かしいですね。
城南宮で行われてきた「曲水の宴」は、昨年はコロナ禍の下で実施はしたものの、
一般公開はされなかったようですね。この曲水の宴は、奈良時代から平安時代に
かけて宮中で催された歌会を再現した行事で、京都を代表する年中行事のひとつに
数えられていますね。
そんな雅な宴の様を髣髴とさせる三首は、何れも「し垂れ梅」を詩情豊かに詠い
春の華やぎを趣き深く表現しています。
お尋ねのあった「春はあけぼの」ですが、清少納言の枕草子では「春はあけぼの」と
記述されていますが、「春はあけぼのがよい」が本来の意味で、「がよい」が省略
されています。従って、二首目の歌は発想は面白いですが意味が少し曖昧になるやも
知れません。次の結句ではいかがでしょうか。面白さに欠け平凡になりますが…。
【ご参考】
★貴人(あてびと)が垂れの梅が枝そとあげて結ぶ恋文 返しはあるや
【詞書】戦争三首
註)イラク戦争
☆何人戦死
今日モ統計上ノ数字ガツミ上ガル
アトイクツ?
註)911テロ
☆ 人ガ死ニ
人ノ恨ミニ
アフレケリ
アルマゲドンニ
集マリシ
鬼
註)アフガン戦争
☆閃光ノ一ツ一ツニ命散ル
寝ナガラテレビ
見テイル私
自閑 (jikan314)さん
【短歌説明】自閑 (jikan314)さんご自身の説明です。
カタカナについて、皆さんでは、それぞれのイメージが有ると思います。
私の場合、コンピューターの無機質な打ち出しです。今でも銀行の通帳印字は
半角カタカナですね。
半世紀前に、コンピューターを始めて覚えた時、文字を表示するにもアスキー
コードで入力していました。
無機質な報道と、現実の戦争は、余りにも生々しく、その違和感を表現しました。
二首目の911テロは、「ニ」で韻を踏んでいますが、和歌のルールでは、歌病として
忌むべきものとなっています。世界の詩歌は、韻を踏むのですが、和歌だけは
別のものです。歌病だとして、そう言うものを作りたがる天邪鬼です😉
【解説】
「戦」に関わる挑戦的な三首は、カタカナによる表現もさることながら、内容にも
報道の在り方への違和感を率直に表現されていて、学んで行きたい詠いぶりです。
コンピュータの表示も、英文から、ローマ字、カタカナ、そして漢字へと長い歳月を
経て進展しており、その開発に関わった一人として隔世の感があります。今では
当たり前になっている、漢字等日本語表現のシステム開発の難解さには苦労した
記憶があります。ご存知と思いますが、漢字を一文字表現するには、英文字二字分の
データ量を要します。
また、「歌病 (かへい) 」も、かつて歌合等の批評の場では重視されましたが、
それ以外にはそれほど浸透せず、さらに藤原俊成が積極的に排斥したのちは、
歌学での知識として継承されたほかは、今ではほとんど重視されなくなったと
理解しています。
従って、このサロンでは「天邪鬼 結構!」でタブーにも挑戦していきたいと
思っていますが、いかがでしょうか。
「咲き初める 白梅」
【詞書】母は私の俳句を読むのが好きで、どんな下手な俳句も褒めてくれる優しい
母でした。二人で推敲したり「これいいね」と笑顔で褒めてくれたり、
最期まで私の俳句ノートをベッド脇に置いて愛読してくれました。
☆母偲ぶ 今際(いまわ)の母の口元に含みし白湯は甘かりしやと
☆晩年の母看し我の俳句帳 鎮魂の句の想ひはいまも
みっちっちさん
【解説】
二首のお歌は、何れもお母様を偲ぶ想いが溢れていて共感を誘います。しかも情に
流されない客観性を維持しつつ聡明さも感じられる詠歌となっています。
なお、二首目の下の句「鎮魂の句の想ひはいまも」には、母恋の想いを超えた余情が
あり優れた詠歌と思います。
【詞書】各地から大雪、雪害のニュースが流れてきますが、道央の当地は今のところ
穏やかな毎日です。元旦からもうひと月が経ちましたが恒例の早朝ランニングの
初詣での時の一首です。
一陣の風と言いますが、夜明け前の雪原にどこからともなく柑橘系の香りのする
風が吹き抜け、気分が更にあらたまりました。
☆走り行く初詣の雪原に檜葉の香りの一瞬の風
I.SATOさん
【解説】
「恒例の早朝ランニングの初詣での時の一首」とのことですが、作者の1月2日付けの
ブログを改めて拝見させて頂きました。正月早々に早朝ランニングを兼ねて初詣される、
その身体と精神の健全性に改めて拍手を送りたいと思います。
アスナロが、寒い北国で変種したヒバ(檜葉)は、美しい木目とともに、清々しい
柑橘系の香気を放っていたことと思います。そんなかぐわしい香りを嗅ぎつつ元旦の
雪原を走るのは、爽快そのものだったと思います。
「一瞬の風」にのって運ばれた「檜葉の香り」によって、その爽快感が一層高められ
臨場感に満ちた歌になっていると考えます。また、新年に当たっての作者の心意気も
感じられる爽やかな詠歌となっています。
【詞書】照れくさいけれど…詠んでみました。
☆愛してる 言える幸せ 長き道
バレンタインを 迎えた日々に
クロママさん
【解説】
バレンタインに「愛してる」との言葉を添えて、ご主人にチョコレートを渡す。
その微笑ましいシーンと、お二人の幸せな笑顔が詠歌から浮かんできます。
お互いに慈しみながら越えてきた長い道のりを想い、今日ある事を肯定し合える
幸せを詠った詠歌は、深い共感を呼ぶ素敵なお歌と思います。このような歌をさらりと
歌える作者に学んで参りたいと思います。下の句を少し変えてみましたが…。
【ご参考】
★愛してる 言える幸せ 長き道
バレンタインの 今日も佳き日に
☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
【詞書】引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
注) ☆:元歌 ★:返歌
☆氷雨をも まといて咲ける寒椿 散りたる花も 艶やかにして
ポエットM
★寒椿ほろりと落ちるその朝に古武士のごとき師は逝きませり
夕庵さん
【詞書】実家の垣根の寒椿が散った頃の事で、返歌させて頂きます。
★ 寒椿散りたる垣に佇めば その表札は亡父のままに
みっちっちさん
【詞書】年は違えど両親は同じ桜の咲く前に逝きました。桜が咲き始めると複雑な
気分になるのです。
★満開の桜も待たず父母は逝き季節の巡りは背中が寒い
夕庵さん
☆貴人(あてびと)が垂れの梅が枝そとあげて結ぶ恋文 春はあけぼの
夕庵さん
★貴人(あてびと)が垂れの梅が枝そとあげて結ぶ恋文 返しはあるや
【添削】 ポエット・M
★貴人(あてびと)が梅の上枝(ほつへ)に文結えば 恋の返しは下枝(しづへ)にあるや
みっちっちさん
☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆
☆聴こえるや 虐殺される民の声 荒野に満つる怨嗟の叫び
ポエット・M
【解説】
昨年の2月24日に始まったロシアのウクライナ侵略から、間もなく1年になろうとしています。
この国際法違反の暴挙を国連を始め世界の英知をもってしても、未だ止めることに成功して
いません。今も酷寒の大地で、命を落とす子供たちを始め多くの民が存在します。
ロシアの大攻勢が再び始まりつつある今、その怨嗟の叫びを私たちは「我がこととして」
胸に刻みながら、この戦の停戦に向けて自らのできる事を、そして声をあげ続けることが
必要と思っています。そんな想いをこめて詠いました。
「咲き盛る 熱海桜」
「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (14)
3.白いブランコ(3)
〇青春夢遊ばせる春の夜は
星の煌めき白いブランコ
〇亡霊は心のなせる業なるか
さればなおさら永遠ならずや
嵯峨吹雪
純白の
レースを青き
星影に
染めて浮かんだ
君の亡霊
「わたくしには
触れては駄目よっ」と
手で制す
仕草のあわれ
君は亡霊
「寒いわっ」て
かすかに君が
ささやいた
そんな気がする
白いブランコ
「冷たいねっ」て
君を死ぬほど
抱きしめて
僕の体温
分けてあげたい
亡霊と
我が身よ共に
消え失せよ
願いも哀し
明けの明星
「早咲きの 紅梅」
【短歌入門・質問・提案コーナー】
この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
幸いです。
なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
それが学びに繋がれば嬉しい限りです。
【サロン参加者からのコメント】自閑(jikan314)さんのコメントです
2月4日は立春と言う事で、立春の歌を紹介します。古今集以来、春の初めの歌は、
巻頭歌として特に重要視されました。
みよし野は山もかすみて白雪のふりにし里に春は来にけり (後京極摂政太政大臣)
「みよし野の」ではなく「みよし野は」とした所が優れていると本居宣長も評している
九条良経の代表歌の一つです。
ほのぼのと春こそ空に来にけらし天の香具山かすみたなびく (後鳥羽院)
太上天皇としての気高さを感じる歌ですが、隠岐に流され、たぶん真っ先に削除した
でしょう?
山ふかみ春とも知らぬ松の戸にたえだえかかる雪の玉水 (式子内親王)
私は式子内親王の歌でこの歌が一番好きです。初春をイメージ出来る印象的な歌です。
松は、春を待つの掛詞です。
かきくらし猶ふる里の雪のうちに跡こそ見えね春は来にけり (宮内卿)
宮内卿と言う二十歳前の歌人が、如何に評価されていたか。この後に続く俊成、
俊恵両巨頭の前に配置されています。
時はいまは春になりぬとみ雪ふる遠き山べにかすみたなびく (よみ人知らず)
新古今、万葉集中臣朝臣武良治の歌です。立春と霞は古くから歌われております。
あらたまの年行き返り春立たばまづ我が宿に鴬は鳴け (大伴家持)
万葉集大伴家持の歌です。これは節分の前日の宴で作られたものですが、春の到来を
告げるのは、霞、梅、そして鶯となっております。
としのうちに春はきにけりひととせをこぞとやいはむことしとやいはむ (在原元方)
袖ひぢてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ (紀貫之)
最後は古今和歌集です。この両歌には賛否が有ると思いますが、その後500年の
勅撰集の歴史の冒頭となる記念すべき歌です。
fumiel-shimaさんからのコメントです
「感涙にむせび・・・」
今日も皆さんの歌に胸が締め付けられるような思いと共に温かく豊かな気持で一杯に
なりました。
みっちっちさんの侘助とお母さんの優しいほほえみ…鉄瓶から立ち昇るしなやかな湯気…
この情景と朝粥はお母さん好みの味で…という語らずとも相通じる親娘の深い愛情…
本当に目頭が熱くなり思わず零れ落ちるものがありました。
夕庵さんの「鬼遣らい」も、いにしえから伝わる鬼打ち、鬼を追い払う行事として
捉えるだけではなくその鬼の行方とその心情にも思いを寄せる優しいお人柄がにじみ
出ているところはポエットMさんと同じような気持ちになりました。
また「破れ蓮」についても目立たない存在であっても役目を全うし、次代に託すという
心意気と「死してなお…」という見習うべき矜持を感じました。
【ネット歌会について】
「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。
各位に記入して頂いた短歌を基に、編集し、掲載させて頂きます。
従って、統一性や「お題」に向けた収斂性には欠けますが、面白いと思っています。
当面は、手探りでやってみたいと思っています。さらに、良いアイデアがあれば
各位よりお寄せ頂ければ嬉しいです。
「日本水仙」
【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
(1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
(2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
(3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
(4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
(5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
(6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
(7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
(8) 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。
(9) 投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
ニックネームのみでIDのない方、あるいは匿名の投稿は内容により掲載
できない場合もありますのでご了承願います。
了