生姜ちくわのぶらぶら山日記

趣味の登山を中心としたブログです。2014年11月より日本百名山登山開始、2018年9月23日全座登頂。

2009年9月11日横浜・山手西洋館巡り(その1)

2009年09月11日 | 都外散歩
この日は前から気になっていた横浜・山手の西洋館を見て回った。

山手は横浜開港後の外国人居留地だったが、現存している西洋館は関東大震災以後に建てられたものがほとんどだ。西洋館のうち、横浜市所有の7つの西洋館はなんと(!)全て無料で公開している。無料で見学できるのは実にありがたいが、維持費を考えると入場料を少しでも取ったほうが・・・と余所者だが余計な心配をしてしまう。


■横浜市イギリス館
ここと次の山手111番館は港の見える丘公園内にある。昭和12年(1937)に上海の大英工部総署の設計によって英国総領事公邸としてこの場所に建築。鉄筋コンクリート2階建てで、広い敷地と建物規模をもち、東アジアにある領事公邸の中でも、上位に格付けられていた。


外観。


ホール。現在はコンサートに使用される。


サンルーム。


寝室と休憩室。


■山手111番館
大正15年(1926)、アメリカ人建築家J.H.モーガンによってアメリカ人ラフィン氏の住宅として現在地に建築。スパニッシュ様式で赤瓦と白壁が美しい建物。


外観。


吹き抜けのあるホール。


食堂。


■山手234番館
昭和2年(1927)頃、朝香吉蔵の設計による外国人向けの共同住宅。従来は4つの同一形式の住戸が中央部分の玄関ポーチを挟んで対称的に向かい合い、上下に重なっていた。1階は展示室、2階は貸し出しスペースとして使用されている。元町公園の向かい側にある。


外観。


居間。


■エリスマン邸
生糸貿易商社シーベルヘグナー商会の横浜支配人だったエリスマン氏の邸宅として、大正15年(1926)に山手町127番地に建築。設計は、チェコ出身の建築家アントニン・レーモンド。平成2年(1990)年に元町公園内に移築。


外観。


食堂兼居間。


サンルーム。


応接室。


明治時代の電話機を模した公衆電話。実際に使えるらしい。


西洋館を使った結婚式の案内。6館で挙式可能。1館で毎月2名程度受付。費用は使用範囲により10~15万円程度。歴史ある西洋館で思い出に残る挙式をしてはいかが?(写真をクリックすると別ウィンドウに拡大写真を表示)


■ベーリック・ホール
昭和5(1930)年にイギリス人貿易商B.R.ベリック氏の邸宅として現在地(元町公園内)に建築。スパニッシュ様式を基調とした建物で、現存する戦前の山手西洋館の中では最大規模。設計は山手111番館の設計者J.H.モーガン。


外観。個人的には7館の中で最も好きな建物だ。


玄関。扉の装飾が素敵。


居間。


居間の隣のパーム・ルーム。休憩室として使用されたようだ。


応接間。当初は客用寝室として作られた。クワットレフォイル(四葉形)の窓が特徴的。


子供部屋。


寝室。


■ブラフ18番館
大正末期に山手町45番地に建てられた外国人住宅で、カトリック山手教会の司祭館として平成3年(1991)まで使用されていた。平成5年にイタリア山庭園内に移築。


外観。


食堂。


居間。


■外交官の家
明治43年(1910)に、明治政府の外交官内田定槌(さだつち)氏の邸宅として、アメリカ人建築家J.M.ガーディナーにより東京渋谷の南平台に建てられた。平成9年(1997)に山手イタリア山庭園に移築され、同時に国の重要文化財に指定された。建物は木造2階建てで、アメリカン・ヴィクトリアン様式の影響を強く受けている。


外観。


玄関。玄関扉は内田家の家紋「丸に剣三つ柏」がデザインされている。手前の扉のアールヌーボー風のステンドグラスが華やか。


食堂。


サンルーム。


大客間。


書斎。


寝室。


寝室に隣接するサンルーム。