相変わらず、あっという間に一日が終わってしまう毎日です。新刊紹介も途中で途切れてしまっていました。先月Kindleで出版したテキスト第3巻の後半部分を紹介します。
なお、第3巻の表紙も、他の巻と同様、妻と一緒に完成させました。第1・2巻と比べて少し躍動的な感じになっています。こうしたのは、教育の心構え的な要素が強かった第1・2巻に比較して、実際に教育を動かしていく方法を中心に取り扱っていくことを表現したかったためです。
教育の理論シリーズ第3巻『教育の制度と経営―社会の中の教育』の後半=第2部は、教育の経営について論じています。教育経営は教育学の研究領域の一つですが、ここでは教育目的を達成するための組織的・計画的な仕事、と単純に定義してまとめました。教育経営学や教育行政学の反応が気になりながら、とにかく、教師や様々な人々が学校・園を経営に関わっていく上で持っていてほしい見方・考え方を提供することに徹しました。
なお、第3巻の表紙も、他の巻と同様、妻と一緒に完成させました。第1・2巻と比べて少し躍動的な感じになっています。こうしたのは、教育の心構え的な要素が強かった第1・2巻に比較して、実際に教育を動かしていく方法を中心に取り扱っていくことを表現したかったためです。
教育の理論シリーズ第3巻『教育の制度と経営―社会の中の教育』の後半=第2部は、教育の経営について論じています。教育経営は教育学の研究領域の一つですが、ここでは教育目的を達成するための組織的・計画的な仕事、と単純に定義してまとめました。教育経営学や教育行政学の反応が気になりながら、とにかく、教師や様々な人々が学校・園を経営に関わっていく上で持っていてほしい見方・考え方を提供することに徹しました。
目的達成のための仕組み(組織)が制度ですから、教育経営は教育制度を動かすこととも言えますね。そのため、第2部「教育の経営」の内容は、第1部で見てきた教育制度を動かし方の面から考えていくんだなと思って読んでいただけるとよいと思います。
第2部は、子ども達や教師、または学校・教育から政治・福祉の方向へ、近いところから遠いところ・大きいところに視野が広がっていくように構成しています。第8章は、主たる教材である教科書を取り上げました。教科書は、教師と子どもとの間にあって子どもの学習を支え、発達を促す教育を経営していく上で欠かせない教育制度の一つです。制度と経営の両方に深く関わるものとして、教科書を取り扱っています。第9章は、学級経営について、教師と子どもの協働による学級づくりと、保護者との関係づくりについて論じました。教師だけでなく子どもとともに学級をつくっていく方法や、学級の外とのつながりを意識しながら学級を経営すること、学級経営と子どもの背後にいる保護者との関係、保護者との関係づくりにおいての目標や気を付けるべきことなどについて論じています。学級経営を保護者連携と絡めて論じているのが特徴です。第10章は、学校経営について、チーム学校と学校運営協議会(コミュニティ・スクール)に焦点を当てて論じました。現在、教員と他職種との連携機会の増加、公立学校のコミュニティ・スクール化が大きな課題になっており、これらをどのように統合して学校経営につないでいくかを問題としています。子どもたちのための学校経営を実現するには、やはり基本的な制度と方向性の理解が重要だと思います。第11章は、学校をめぐる教育環境を整備することについて、地域学校協働活動や地域の様々な機関・施設との連携、学校間連携、保護者間連携に注目して論じました。学校が地域内で孤立せずに、子どもたちの教育環境を改善していく方向で教育経営・学校経営の体制を整備するにあたって、学校の外との関わりに注目する必要があると考えて設定しました。続いて、第12章は教育政策、第13章は教育行政について論じ、政治・行政の中で、教育・学校をどう位置付けて経営していくかについて考えようとしています。第14章は、学校安全や学校衛生、安全・防災教育などについて論じ、養護・福祉の立場から学校経営を見つめ直そうとしています。教育と福祉の接続・連携については、制度論として長く研究が続けられてきていますが、本章は教育実践・教育経営論として研究したいと思っています。保育における「教育と養護の一体的展開」の考え方に学びながら、人類の福祉向上が教育目的の一つであるという認識を前提にして、学校教育と児童福祉の一体的展開を展望したいという意図が背景にあります。
こうしてみると、第3巻は、これまでの教育学や学校教育に対して挑戦的な内容になっています。まだ粗削りな内容ですが、今後のさらなる研究や実践の展開につながればと思っています。
白石崇人『教育の理論③教育の制度と経営―社会の中の教育』Kindle、2022年。
第1部 社会と教育制度
第2部 教育の経営
第8章 「教科書」とは?―制度と経営をつなぐ
1.教科書(教科用図書)とは?
(1)「教科の主たる教材」としての教科書
(2)教科書が配られるまで
2.知識・技能の習得と資質能力の育成
第9章 「学級経営」とは?―学級づくり・保護者連携
1.学級経営の仕組み
(1)教師と子どもたちによる学級経営
(2)学級の決まり事の指導、学級の事務
(3)学級と学級の外とのつながり
2.保護者との連携
(1)子どもの「通訳」として
(2)「パートナー」としてともに子どもを育てる意識
(3)教育のプロとしてのアドバイス
(4)保護者同士のつながる場・居場所の提供
第10章 「学校経営」とは?―社会に開かれた教育課程の実現
1.チーム学校と学校経営
2.学校運営協議会とコミュニティ・スクール
(1)コミュニティ・スクール化の方法
(2)教育課程における学校・地域の連携協働
第11章 学校をめぐる教育環境を整えるには?―学校と地域
1.地域学校協働活動の推進
2.地域における学校・園
(1)地域における教育・子育て支援センター
(2)地域にある学校・園の連携
3.日本のPTAの歴史とこれから
第12章 「教育政策」とは?―教育政策過程、教育振興基本計画
1.現代日本における国の教育政策過程
2.国の教育政策の基本となる第3期教育振興基本計画
第13章 「教育行政」とは?―地方自治と教育委員会
1.教育行政と教育・学校経営
2.地方自治と教育委員会
3.これからの教育委員会への期待―地域学校協働活動を例に
第14章 学校での安全確保・危機管理・防災教育とは?―養護・学校安全・学校衛生
1.養護と教育
(1)教育の前に養護ありき
(2)ウェルビーイングのための教育と養護の一体的展開
2.学校における安全確保・危機管理に関する仕組み
3.防災教育について
結 章
第2部は、子ども達や教師、または学校・教育から政治・福祉の方向へ、近いところから遠いところ・大きいところに視野が広がっていくように構成しています。第8章は、主たる教材である教科書を取り上げました。教科書は、教師と子どもとの間にあって子どもの学習を支え、発達を促す教育を経営していく上で欠かせない教育制度の一つです。制度と経営の両方に深く関わるものとして、教科書を取り扱っています。第9章は、学級経営について、教師と子どもの協働による学級づくりと、保護者との関係づくりについて論じました。教師だけでなく子どもとともに学級をつくっていく方法や、学級の外とのつながりを意識しながら学級を経営すること、学級経営と子どもの背後にいる保護者との関係、保護者との関係づくりにおいての目標や気を付けるべきことなどについて論じています。学級経営を保護者連携と絡めて論じているのが特徴です。第10章は、学校経営について、チーム学校と学校運営協議会(コミュニティ・スクール)に焦点を当てて論じました。現在、教員と他職種との連携機会の増加、公立学校のコミュニティ・スクール化が大きな課題になっており、これらをどのように統合して学校経営につないでいくかを問題としています。子どもたちのための学校経営を実現するには、やはり基本的な制度と方向性の理解が重要だと思います。第11章は、学校をめぐる教育環境を整備することについて、地域学校協働活動や地域の様々な機関・施設との連携、学校間連携、保護者間連携に注目して論じました。学校が地域内で孤立せずに、子どもたちの教育環境を改善していく方向で教育経営・学校経営の体制を整備するにあたって、学校の外との関わりに注目する必要があると考えて設定しました。続いて、第12章は教育政策、第13章は教育行政について論じ、政治・行政の中で、教育・学校をどう位置付けて経営していくかについて考えようとしています。第14章は、学校安全や学校衛生、安全・防災教育などについて論じ、養護・福祉の立場から学校経営を見つめ直そうとしています。教育と福祉の接続・連携については、制度論として長く研究が続けられてきていますが、本章は教育実践・教育経営論として研究したいと思っています。保育における「教育と養護の一体的展開」の考え方に学びながら、人類の福祉向上が教育目的の一つであるという認識を前提にして、学校教育と児童福祉の一体的展開を展望したいという意図が背景にあります。
こうしてみると、第3巻は、これまでの教育学や学校教育に対して挑戦的な内容になっています。まだ粗削りな内容ですが、今後のさらなる研究や実践の展開につながればと思っています。
白石崇人『教育の理論③教育の制度と経営―社会の中の教育』Kindle、2022年。
第1部 社会と教育制度
第2部 教育の経営
第8章 「教科書」とは?―制度と経営をつなぐ
1.教科書(教科用図書)とは?
(1)「教科の主たる教材」としての教科書
(2)教科書が配られるまで
2.知識・技能の習得と資質能力の育成
第9章 「学級経営」とは?―学級づくり・保護者連携
1.学級経営の仕組み
(1)教師と子どもたちによる学級経営
(2)学級の決まり事の指導、学級の事務
(3)学級と学級の外とのつながり
2.保護者との連携
(1)子どもの「通訳」として
(2)「パートナー」としてともに子どもを育てる意識
(3)教育のプロとしてのアドバイス
(4)保護者同士のつながる場・居場所の提供
第10章 「学校経営」とは?―社会に開かれた教育課程の実現
1.チーム学校と学校経営
2.学校運営協議会とコミュニティ・スクール
(1)コミュニティ・スクール化の方法
(2)教育課程における学校・地域の連携協働
第11章 学校をめぐる教育環境を整えるには?―学校と地域
1.地域学校協働活動の推進
2.地域における学校・園
(1)地域における教育・子育て支援センター
(2)地域にある学校・園の連携
3.日本のPTAの歴史とこれから
第12章 「教育政策」とは?―教育政策過程、教育振興基本計画
1.現代日本における国の教育政策過程
2.国の教育政策の基本となる第3期教育振興基本計画
第13章 「教育行政」とは?―地方自治と教育委員会
1.教育行政と教育・学校経営
2.地方自治と教育委員会
3.これからの教育委員会への期待―地域学校協働活動を例に
第14章 学校での安全確保・危機管理・防災教育とは?―養護・学校安全・学校衛生
1.養護と教育
(1)教育の前に養護ありき
(2)ウェルビーイングのための教育と養護の一体的展開
2.学校における安全確保・危機管理に関する仕組み
3.防災教育について
結 章