教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

ガンバリズム一辺倒では何も解決しないんじゃないか

2013年04月25日 22時09分29秒 | Weblog

 ごぶさたしておりました。
 信じられないくらい仕事量が増えています。とくに、5倍くらいに増えた校内分掌の会議・作業量が。授業・授業準備や博士論文の修正はもちろん、来年度の教育実習先の選定も始まり、学生や園とのやりとりも加わりまして、現在「わやくちゃ」になっています。
 実習指導は、限られた時間の中で、毎日動く状況に応じて対応していかなければならないので、集中力を使います。判断を間違えられないので、気力も。疲れ果てる中で、次から次へと事務仕事が増えていく…何コレ。

 曲がりなりにも仕事は済んでいくので、一つ一つ充実感が残るのは救いか。
 それから、このところの授業の手応えがとてもよいので、うれしい。
 …そんなこと言っていると、明日の授業、失敗しそうでこわいですが(^_^;)

 とにかく、情報をインプットする間がなくて、困ってます。
 任された任務の範囲内で、仕事の合理化・整理を提案し、仕事の質維持向上と時間捻出とを両立する根本的な改善策を練っていますが、まだまとまってないし、効果が出たとしてももう少し時間がかかるんだよなぁ。

 「そんなこと言ってられない」とか、「がんばらなければならない」とか、「ガンバリズム」一辺倒では何の解決策にならない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なぜ理念・歴史を学ぶか? 『幼児教育とは何か』(幼児教育の理論とその応用1)より

2013年04月14日 21時53分26秒 | 教育研究メモ

 先週、2冊目のテキストを発行し、学生にも配布し終わりました。4年かけてやってきた仕事(授業内容づくり)がようやく一区切りついた心地です。まだまだ、テキストを使った授業づくりや、さらなる教材研究・授業改善を考えていかなければなりませんが…

 以下、先日発行された拙著第1巻のまえがきとあとがきの一部です。別記事の目次などをご参照の上、そんな内容なんだなと思っていただければ幸いです。 理念・歴史学習の必要性に関する根拠への言及部分は、個人的に気に入っています(笑)。


拙著『幼児教育とは何か』幼児教育の理論とその応用①、社会評論社、2013年より。

はじめに

 本書の目的は、幼児教育に関する理念・歴史・制度から、「幼児教育とは何か」を原理的に考えることである。
 現在の幼稚園は、「幼児教育」の理念にもとづく3歳以上~就学未満の幼児対象の保育施設(文部科学省所管)である。保育所は、「児童福祉」の理念にもとづく0歳以上~就学未満の乳幼児対象の保育施設(厚生労働省所管)である。これらの2つの施設は、管轄部署や対象年齢を異にするが、その違いはそれだけではない。これら両施設は、それぞれ理念・歴史を異にする。幼児教育の理念や歴史は、固有の思いと文脈とによって大勢の先人が守り、かつ形成してきたものである。それらを「なかったこと」にはできない。
 また、理念・歴史は、今を生きる我々がこれからを考えていく上で重要な知的基盤となり、手段ともなる。制度・実践は人の作るものである。そこには何らかの理念(目指すものや思い)と歴史(実践の積み重ね)が込められている。制度・実践は、完全または超越的なものではなく、未完かつ人間的なものである。だからこそ、批判する余地は残るし、合意・遵守する価値もある。幼保一体化をこのまま進めるべきか、もっと考え直すべきかは、幼児教育の理念・歴史(もしくは児童福祉の理念・歴史)を知ることによって、はじめて深く確かに考えることができる。
 [略]
 なお、本書は、保育学生・現役保育者・保育関係者だけでなく、国民一般も読者として想定している。幼児教育は、将来の国民を育てる事業であり、全ての国民の考えるべき問題である。また、幼児教育の直接の担い手は保育者だが、国民の支えがなければそれも立ちゆかない。本書は、われわれやわれわれの子孫の将来について、深く確かに考える機会を提供したい。本書が、幼児教育についてみんなで考える機会を提供できれば、幸甚である。

おわりに

 [略]
 本書は、もともと鳥取短期大学幼児教育保育学科の学生対象のテキスト『幼児教育の理論と応用』(私家版、2012年)の一部であった内容を再構成したものである。本書の内容を除いた残りの内容は、第2巻『保育者の専門性とは何か』に再構成した。子どもに対する保育者の役割については、本書では十分に論じていないが、その部分は第2巻で徹底的に論じている。子どもとかかわらない保育者などあり得ない。本書の内容は、第2巻とあわせて一つとなるので、ぜひ手にとっていただきたいと思う。
 歴史と理念は、ものごとの経緯と現状を知る手だてとなる。それゆえに、今後の方向性を定め、将来を生み出す基盤となる。歴史なき思考と実践は、自分の立ち位置を見い出せず、教訓を得られず、失敗と非効率とをくり返す。理念なき思考と実践は、目指すべきところを見失い、空論と罪とを生み出す。自らの役割すら知らない者に、責任をもって幼児教育・保育ができるわけがない。歴史・理念を知らない者に、責任の重い幼児教育・保育の将来を任せるわけにはいかない。幼児教育の実践・制度の今と未来は、幼児教育の歴史・理念を確かにふまえた人々の手で、担われることを願う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

幼児教育の理論とその応用

2013年04月11日 22時10分50秒 | Weblog

 2013年4月10日、訪問者274IPとか。本ブログ開設以来今までで一番多い数で、ちょっとびっくりしました。

 さて、以下、両著を購入できるネット販売サイトをまとめておきました。(私が見つけたものだけ)
 なお、発行所の社会評論社は、一般書店の販路も持っておられますので、お近くの書店でも注文できると思います。 

『幼児教育とは何か』(幼児教育の理論とその応用①)

 amazon  幼児教育とは何か-幼児教育の理論とその応用1-白石-崇人
 紀伊國屋書店BookWeb  http://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784784517145
 丸善&ジュンク堂書店  http://www.junkudo.co.jp/detail.jsp?ISBN=9784784517145
 hontoネットストア  http://honto.jp/netstore/pd-book_25576663.html
 JBOOK  http://www.jbook.co.jp/p/p.aspx/4579190/s/
 TUTAYA ONLINE  http://www.tsutaya.co.jp/works/41209627.html
 エルパカBOOKS(ローソン)  幼児教育とは何か-幼児教育の理論とその応用
 7netshopping(セブンイレブン)  http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1106279408/subno/1
 楽天市場  http://item.rakuten.co.jp/hmvjapan/5396589/
 livedoorBOOKS  http://books.livedoor.com/item/4990642

『保育者の専門性とは何か』(幼児教育の理論とその応用②)

 amazon  保育者の専門性とは何か-幼児教育の理論とその応用-白石-崇人
 紀伊國屋書店BookWeb  http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4784517154.html
 丸善&ジュンク堂書店  http://www.junkudo.co.jp/detail.jsp?ISBN=9784784517152
 hontoネットストア  http://honto.jp/netstore/pd-book_25502182.html
 JBOOK  http://www.jbook.co.jp/p/p.aspx/4534102/s/~6b19cf0ce
 TUTAYA ONLINE  http://www.tsutaya.co.jp/works/41191106.html
 エルパカBOOKS(ローソン) 保育者の専門性とは何か-幼児教育の理論とその応用
 7netshopping(セブンイレブン)  http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1106257055
 楽天市場  http://item.rakuten.co.jp/hmvjapan/5344376/
 livedoorBOOKS  http://books.livedoor.com/item/4959093

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『幼児教育とは何か』、こちらも名実ともに発行

2013年04月10日 22時40分45秒 | 教育研究メモ

 本日4月10日、拙著『幼児教育とは何か』(幼児教育の理論とその応用①、社会評論社、2013年)が発行されました。昨日はAmazonの注文ページが取り扱い不能になっていましたが、今日みたら注文可能になっていました。

 「幼児教育の理論とその応用」シリーズは、拙著『幼児教育保育学科用テキスト 幼児教育の理論と応用』(私家版、2012年)の再構成・改訂・加筆版です。第1巻である『幼児教育とは何か』は、幼児教育の理念(原理)・歴史・制度に関する内容をまとめたものです。第2巻である『保育者の専門性とは何か』(幼児教育の理論とその応用②、社会評論社、2013年)は、幼児教育の方法・内容と保育者論とに関する内容をまとめたものです。
 第1巻では、まず第1章・第2章では、「教育とは何か」という一般的・根源的な問題を取り扱っています。第1章では、語源、人間形成、学習過程、および現代日本の教育目標から考えています。第2章では、教育を構成する要素について、子ども・教師・学校・学力(教育方針・内容)・家族に注目して考えてみました。正直言うと第2章は自分でも論じ足りていないと思っていますが、以前私家版を読んでくださった研究者の方から、この部分がコンパクトにまとまっているのでむしろよい、という声をいただきましたので、あえて簡潔なままにしました。いずれ教育学(幼児教育学でなく)でテキストをまとめる機会があれば、その時にはしっかり論じたいと思っています。
 第3章~第6章では、「幼児教育とは何か」という問題を直接に取り扱っています。第3章では、幼稚園・保育所、および教育基本法という制度面から考えました。第4章では、幼児教育の担い手としての保育者の歴史と現状について、主に養成・資格・資質の観点から考えています。第5章では、保育者のあり方について、子ども以外の関係から考えています。子どもに対するあり方については、第2巻『保育者の専門性とは何か』において詳しく述べています。
 なお、第1巻をまとめるにあたって、私家版の内容に加えて補章を追加しました。 補章は、私が主担当をしている幼稚園教育実習の成果分析です。学生の日誌から事例を抽出して、実習生が幼稚園で何を学んでいるかを検討したものです。 

 先日、学生に著者割引で配布したのですが、学生から「先生って、何者なの?」と聞かれたのは面白かったです。「学者だよ」と答えておきました(笑)。
  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『幼児教育とは何か』目次(章節)

2013年04月08日 23時53分13秒 | 教育研究メモ

 2013年4月10日付発行の拙著『幼児教育とは何か』ですが、以下のサイトでネット販売が開始されていました。

 amazon  幼児教育とは何か-幼児教育の理論とその応用1-白石-崇人
 hontoネットストア  http://honto.jp/netstore/pd-book_25576663.html
 JBOOK  http://www.jbook.co.jp/p/p.aspx/4579190/s/
 livedoorBOOKS  http://books.livedoor.com/item/4990642

 そのほかのサイトはまだのようです。


幼児教育の理論とその応用①
白石崇人『幼児教育とは何か』 社会評論社、2013年。

 はじめに

第1章:教育とは何か
 第1節:語源から考える「教育とは何か?」
 第2節:人間形成における「教育とは何か?」
 第3節:「わかる」とはどういうことか?
 第4節:「生きる力」とは何か?―現代日本における幼児教育の目標原理

第2章:教育を構成する要素
 第1節:子どもとは何か?
 第2節:教師とは何か?
 第3節:なぜ学校で教育するのか? ―幼児教育の原点としての教育史
 第4節:学力とは何か? ―小学校以後を見据えた幼児教育のために
 第5節:家族にとって学校とは何か? ―教育要求を読み解く

第3章:幼児教育の制度
 第1節:幼稚園はどのように日本に定着したか?
 第2節:なぜ幼稚園・保育所とがあるのか? ―教育と福祉の系譜
 第3節:現代日本における幼児教育の目的とは何か?

第4章:保育者とは何か
 第1節:保育者はどのように誕生したか ―「子守」から「教師」へ
 第2節:保育者の資格とは? ―「教諭」と「保育士」
 第3節:保育者の資質とは? ―保育者論の系譜
 第4節:いま、保育者はどのような状況にあるか?

第5章:保育者の役割 ―子ども以外との関係から
 第1節:保育者同士における役割とは? ―同僚・後継者・先輩
 第2節:保護者に対する役割とは? ―「通訳」と「パートナー」
 第3節:地域社会に対する役割とは?

補 章:教育実習における学び―2011年度鳥取短期大学幼児教育保育学科の「教育実習」を事例に

 おわりに

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テキスト2冊の雄姿

2013年04月07日 23時55分55秒 | Weblog

 拙著テキスト2冊を並べてみました。
 4月10日発行予定の『幼児教育とは何か』(幼児教育の理論とその応用①)については、先週すでに手元に届いていたのですが、写真を撮る余裕すらなかったという毎日… 

 幼児教育の理論とその応用シリーズは①②ともに、定価2,000円です。税込で2,100円。

 ちなみに先週、勤務校に新入生がたくさん入ってきました。また1年担任を務めます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

しだれ桜と拙著新刊発行日

2013年04月04日 22時06分37秒 | Weblog

 勤務校キャンパス内のしだれ桜です。ぶれてますが。
 超忙殺中です。そして明日はいよいよ入学式です。

 さて、拙著『幼児教育とは何か』(幼児教育の理論とその応用①、社会評論社、2013年)が、2013年4月10日付けで発行されるようです。
 取り急ぎ、お知らせまで。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする