教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

腰が痛い中の近況

2015年11月17日 21時55分35秒 | Weblog

 3週間ほど前からぎっくり腰になって、動くのが億劫になっている毎日をすごしております。

 先日、中国四国教育学会で発表してきました。明治30~40年代において、「教師が研究すること」の意義がどのように論じられていたかを試論しました。国会図書館所蔵の当時刊行の書籍から関連する言説をピックアップして、その傾向を整理・分析したものです。発表はかなり活発に質問をいただきまして、よかったです。
 たぶん中国四国教育学会の紀要で活字化します。次は、もう少し史料を広く収集して実証の精度を高めるのと、社会的要因の分析もしていきたいと思います。もちろん教育会研究にも絡んでいます。時間と研究費がほしいです。
 中国四国教育学会は、第一日目の午前だけ参加して帰宅。第二日目は、学内分掌のうち主担当の行事と重なっていたため。出会えなかった人には失礼しました。

 行事とは、学友会体育局主催のうんどう会。参加任意の行事ですが、私は主担当で役割もあるため出なければならない行事でした。役割はしっかり果たせたと思います。

 また、現在、4本の論文を執筆中。上の中国四国教育学会紀要の論文のほか、教員養成における教育史教育のあり方について、幼稚園教育実習のカリキュラム(事前事後含む)について、学び続ける保育者を養成することを目指すカリキュラム(幼児教育学演習、教職実践演習)についての論文を書いています。今までやってきたことをいったん取りまとめておこうと思ってます。実践報告論文は初めてです。
 腰の調子がよくなくて無理できないので、なかなか進められないのがもどかしいです。

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明治30~40年代における「教師が研究すること」の意義

2015年11月13日 20時57分16秒 | Weblog

 明日、岡山大学で中国四国教育学会があります。今回は、「明治30~40年代における「教師が研究すること」の意義」と題しまして発表します。

 当時の人々が、教師の教育研究の意義についてどのように認識していたかを明らかにします。国会図書館所蔵の教育書を使って試論を試みたのですが、またもや面白いことがわかりました。今後の研究発展につながる予感。

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学び続ける明治期の教師たち

2015年11月11日 20時24分47秒 | Weblog

 自分でするのもなんですが、ちょっと宣伝です(笑)。

 拙著『鳥取県教育会と教師―学び続ける明治期の教師たち―』(鳥取県史ブックレット16、鳥取県、2015年、500円)

 はじめに
1 鳥取県教育会とは何か
 (1) 明治期鳥取県教育会の目的と事業
 (2) 因伯私立教育会の結成―鳥取県教育会の嚆矢
 (3) 明治期鳥取県教育会の会員と幹部
2 鳥取県教育会における小学校教員批判の勃興
 (1) 明治30年代における小学校教員
 (2) 日清戦争後の小学校教員批判
 (3) 教員検定試験と教員の学び
 (4) 県内教員の性質に対する批判
3 鳥取県教育会における教育研究態度批判の展開
 (1) 県内教育界の混乱・鎮静・安定化
 (2) 授業参観・批評の奨励
 (3) 実践的・実効的教育研究の推進を目指して
 (4) 子ども・地域・国家の事情に応じた教育開発
 (5) 明治30年代の鳥取県教育会における小学校教員批判の特徴
4 鳥取県教育会による教育研究の奨励
 (1) 鳥取県教育会における事業の多様化
 (2) 教員講習事業の展開
 (3) 県内における教育研究の発表推進
 (4) 日露戦争に関わる教育研究調査
 (5) 県内外に拡がる教員社会の形成と教育研究の奨励
 (6) 教育成果と教育研究
 おわりに

 新鳥取県史編さん事業では、通史編を作らない代わりにこういうブックレットを作って頒布しています。誰も書いたことのない新しい研究成果ですので、鳥取県史研究はもちろんですが、日本教育史・教員史・教師論の研究書としてもぜひ。教師が教師としてのあり方を模索する上でも、刺激を与えうる内容だと思っています。
 もう少し詳しい説明はこちら(4月12日記事)。

 本書の入手方法は、鳥取県外の方の場合、鳥取県立公文書館に問い合わせて購入するしか手がありません。一般の書店やamazonなどでは取り扱っていないので、お手数かけますがよろしくお願いします(鳥取県内の書店は販売しています)。なお、県公文書館HPの「配送による頒布方法」のリンク先がなくなっていますが、HPページ下の連絡先に連絡すれば手に入るはずです。
 いくらか白石も持っていますので、知り合いは連絡してくださればお分けしますよ。上の画像は、作っていただいたチラシ。シブい出来です。

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幼小中高の学習指導要領・教育要領の改正・移行時期の見通し

2015年11月07日 16時47分09秒 | 教育研究メモ

 10月23日に中教審教育課程部会幼児教育部会の第一回会議が行われたようです。小中高の学習指導要領だけでなく、幼稚園教育要領も並行して改正するようですね。

 中教審の教育課程企画特別部会の予定通りでいけば、小中高の学習指導要領と幼稚園教育要領は、平成28(2016)年度に改正公示、平成29(2017)年度から移行措置、平成32(2020)年度から全面施行ということになります。なお、幼稚園教育要領が改正されるということであれば、その翌年度のうちには保育所保育指針と認定こども園教育要領も改正されるでしょう。というより、幼保三元化状態をどうにかしてから進めてほしいものです。

 となると、今の大学2年生より下の世代は、採用試験時に現行の要領と新要領をしっかり読み込んでおかなければならない世代になります。そのためにも、現行の要領の学習は今のうちにしっかりしておきましょう。現行との違いがわかれば新要領の理解も進みます。教職課程教員もそのつもりで、教材研究の心の準備をしておかなければ…
 ちなみに新要領に文句を言いたい人は、後で独り言を言うことにならないよう、きちんとパブリックコメントをしましょう。たぶんこちら(e-Gov)でできるようになるはず。受付期間はだいたい短いのでご注意。

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