教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

新卒採用試験時期のゆれ

2010年10月24日 22時21分38秒 | Weblog
 忙しすぎて私生活に回す時間が…たまにあっても心身の回復に費やしてしまってます。長いこと放置しているので、少しだけ。
 9月25日の記事に、新卒採用試験の時期が変わるかも、産経新聞の記事をつかって書きました。10月中旬に最終決定を出すと聞いていましたが、どうなんでしょう。新聞等に報道されるのを待っているのですが…。
 政府も地方自治体も、現在、新卒採用試験の早期化に歯止めをかけるため、熱心に働きかけています。しかし、なかなか十分な効果は出てない様子。経済界の反応は、理解を示すところもあるようですが、優秀な人材を確保するには早期に採用試験をする必要がある、として曖昧な態度をとっているところの方が多いみたいですね。どこかの企業が早期化すると、我も我もと早期化に同調するしかない、というのが実態のようです。
 今後どうなるかわかりませんが、とりあえず今回の一連の動きの意味は、採用試験時期を社会(政策)問題化したことだと思います。
 早期化防止を受け止めるには、産業経済界が大学4年間の教育効果を信頼するかどうかにかかっています。学費を払いながら普段時間を使っているのは就職活動、という現状はやはりおかしいので、どうにかしたいものです。大学側には、相手方から信頼してもらえるような努力が必要でしょうね。
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「子ども園(仮)」の制度化について

2010年10月04日 21時10分44秒 | 幼児教育・保育

 現在、政府内で「子ども園(仮)」が審議されているのはご存じの通り。このたび、国務大臣等から成る「子ども・子育て新システム検討会議」の作業グループが、「幼保一体化」ワーキングチームを発足したとのこと。基本制度と「子ども指針(仮)」との検討も同時並行で行い、来年3月に法律案を提出するのだとか。「子ども指針(仮)」は、幼稚園教育要領や保育所保育指針のような教育(保育)課程のことでしょう。どうやら、「子ども園(仮)」をつくる作業が本格化したようです。でも、法律案を「予算非関連」で出そうとしているのは、どうなんでしょうね。どこまで本気なんでしょうか。まずは制度を作るのが優先、ということでしょうか。
 私としては、「子ども園(仮)」の制度化にあたって、保育所の論理(養護>教育)が優先されないよう祈るばかりです。幼稚園と保育所とは果たす役割も違うし、通園する子どもや利用する家庭のニーズも違います。施設が一緒になるのは今の時代致し方ないんでしょうが、それぞれには無視できない意味と特性があります。いっしょくたにして、ぐちゃぐちゃに混ぜてしまわないよう、気をつけてもらえたらと思います。そんなことになったら、保育者にとっても、子どもにとっても、保護者にとっても、我が国にとっても不幸な結果を生むと思います。ワーキングチーム(WT)には、幼児教育学や発達心理学に長年かかわってきた学者や、実績ある保育者も加わるようです。そのあたりをしっかりと主張してくださればいいなぁ、と思います。

 忙しすぎて自分で宣言したことができてませんが、仕事柄重要な情報を得たのでメモ。

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