教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

今年の自分を振り返ってみる

2011年12月30日 17時00分17秒 | Weblog

 今年はどうでしたか、みなさん。来年へ向けて、今年を大事にしつつかき捨てるために(?)、恒例の振り返りをしてみましょう。

 今年は山陰の大雪に驚きました。生まれも育ちもほとんど雪の降らない所なので、雪解けがこんなに待ち遠しいものとは知りませんでした。雪解けがこんなにすがすがしいものとは知りませんでした。今も待ち遠しいです。雪はキレイで観賞するのは良いのですが、生活上これほど不便なものはないですね。
 東日本大震災にも驚きました。ショックで、長い間気力が失せていました。ニュースや動画を見て、被災者の方々が積み上げてきた人生や感情が一瞬のうちに消えていく様を思い、たまらない気持ちになって何度も涙しました。被災していない自分がこんなんじゃダメだと思うようになってから、少しずつ立ち直っていきました。

 今年はずっと疲れていたような気がします。この数年ずっと、がむしゃらにやりながらいろいろ耐えてきた疲れがたまっていたのか、若干「重し」がゆるんだから反動がきたのか、よくわかりませんが、ずっと疲れていました。授業準備もうまくいかず、授業もうまくいかず、久しぶりに、鬱に入っていく感覚を思い出しました。職場の先輩たちに支えられて、最悪の事態だけは避けられたのは、本当によかった…!
 頑張ろうとしても力が出なかったためか、今年は仕事時間についても具体的に考えました。次から次へと積み上がっていく仕事を前にして最善を尽くすには、どのように時間を使っていけばよいか考え、具体的に計画していかなくてはなりませんでした。仕事の整理や優先度なども考えるようになりました。仕事時間を具体的に計算してみたのはずいぶん前だと思っていましたが、ブログを振り返ってみると今年のことだったのですね。

 やっかいな新規科目を持つことになったので、研究のペースをぐっと落としました。おかげで知識・仕事の幅は広がり、学生との接点も増えたのですが、疲れ調子に拍車をかけた気がします。こんな状況のなかで、科研が通ったのは、うれしいやら、焦るやら。研究をやめるな、やれ!、という天のおしかりの声が聞こえた気がしました。科研交付通知が出てから、研究ペースを元に戻していかざるを得なかったのですが、ペースを元に戻すことの難しさも感じました。
 研究ペースを作るのに苦労したとはいえ、共同執筆した教科書が初めて出版されたり、久しぶりにレフェリー付き論文を発表したりしました。先日も記事にしましたが、懸案の授業用テキストもようやく形が見えてきました。研究の幅も広がった一年でした。ただ、博論はほとんど進んでいません…来年こそは…!

 3月には、初めて最初から最後まで見た学生たちが卒業しました。今でもたまに話に来てくれる人やら、えーっこんなところにいたの!てな感じで再会する人やら、まったく音沙汰ない人やら、結婚・出産した(する)らしいと伝え聞いた人やら、いろいろですが、皆それなりに頑張っているようです。
 4月、入学から卒業まで世話をした経験をもちながら、新しい学生の担任を持ったのも初めてでした。実際やってみての感想は……「強いままでニューゲーム」みたいな感覚がします(笑)。教育経験というのは、教師の仕事上、これほどの威力を発揮するものなんだなと実感しています。といっても、まだまだ至らないところもあり、精進が必要ですね。
 仕事でも、プライベートでも、人との縁を実感することも多くありました。人とのコミュニケーションは苦手なので、どうしても避けてしまいたくなりますが、少し姿勢が変わったような気がします(当社比)。まだダメダメなのはわかってますけどね(笑)。

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講義録を仮製本した

2011年12月28日 23時55分55秒 | Weblog

 自分でやった仮製本ですが、私が受け持っている幼児教育系の講義内容を文字化しました。まだ校正しきってないので、未完成ですが。自分の授業のテキストにするために、来年春には地元の印刷所に印刷してもらって私家版を出そうと思っています。直したいところ、追加したいところなど、たくさんあるため印刷するのはためらわれますが、学生の授業理解(予習・復習)を助けるため、文字化・印刷配布は不可欠だと思ってまとめています。
 内容は、書き殴ってきたものをまとめただけなので、研究書としては脇の甘い限りです。とはいえ、全体像をつかまなければ授業シラバスを作れませんし、私は自分で納得しなければ説明できない人なので、私なりに幼児教育の理論を理解・再構成したものにはなったんじゃないかと思っています。私の興味関心や専門領域と関係して、歴史的視点から幼児教育・保育者とは何かを考える内容が多いですが、実践上必要な理論はまんべんなく抑えたつもりなので、それなりに意味のある「紙の塊」なったと思いたい。 
 「教育原理(幼児教育)」「保育内容総論」「教育実習指導」「保育者論」の内容をまとめて、4部構成・全11章立て、A5版20字×44行×2段で全211頁になりました。文字数は単純計算で約37万字… おう…いつの間にこんなに… 主要参考文献を挙げてみたところ、100冊を超えていました。この数年間、気の遠くなるような思いをしてまとめてきました。こう形になると、自分のことながら、「(いろんな意味で)よくやったなあ」と少々満足を感じます(笑)。
 まだ自前の校正やら、印刷所への入校作業などがありますが、今の当面の仕事に区切をつけられそうな気がしています。これで何とか次の研究段階に行けそうです。他に研究したいこともある。教師論もまとめたい。博論もまとめたい。私の目の前には、やりたいこと・やらねばならないことが、まだまだたくさんあります。

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イブとクリスマス―ただの仕事日

2011年12月25日 20時36分50秒 | Weblog

 昨日は学生を巻き込んでお仕事(補講)。ごめんね(反省の色なし)。どうせやるならと3コマ詰め込んだところ、最後の授業では疲れで若干気が遠くなりました。

 イブはとくに何の用事もないので、年賀状でもやるかと思いきや、在学中担任をしていた卒業生カップルの訪問を受けました。といっても、私が目当てではなく、別用で大学に来たが当てがはずれて途方に暮れていたところに、たまたま出会っただけですけど。
 まぁ、こちらとしてはさみしくもなく、いい一日を過ごせました(笑)。保育士をしている卒業生たちの役に立てそうな話もできたし、よかったんじゃないかと勝手に思っています。

 さて、写真はクリスマスの昼間を撮ったものです。昨日から降っていたものの、一夜にしてこれだけ積もりました。除雪車が入ってくれていたので、主要道路は除雪されていましたので助かります。
 今日は遅れていた年賀状を仕上げました。明日は仕事納め。年末には実家に帰ります(雪に閉ざされなければ)。それまでに、講義録を完成させたり、研究を進めたい。

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明治30年代初頭の鳥取県倉吉における教員集団

2011年12月23日 21時00分44秒 | 教育研究メモ

 この間、発行された中国四国教育学会編『教育学研究ジャーナル』第9号(2011年)に、拙稿「明治30年代初頭の鳥取県倉吉における教員集団の組織化過程―地方小学校教員集団の質的変容に関する一実態」が掲載されました。このたびの拙稿の論文構成は以下の通り。

  はじめに
1.鳥取県倉吉の小学校教員の特徴
 (1) 全国から見た鳥取県の小学校教員
 (2) 鳥取県から見た東伯郡倉吉の小学校教員数の特徴
2.東伯私立教育会における教員集団の衝突・分離
 (1) 東伯私立教育会の活動
 (2) 東伯郡における多様な小学校教員集団
 (3) 東伯私立教育会に対する解散要求の高まり
 (4) 東伯私立教育会の解散―「師範卒」への対抗意識の顕在化
3.教員集団の合流・変容
 (1) 私立東伯教育会の結成と解散派・非解散派の合流
 (2) 師範卒教員に対する対抗意識の収拾
 (3) 師範卒教員のねらい―自己を高める教師を求めて
 (4) 教育研究活動の促進
  おわりに

 地方の教員たちが、日清戦争後、自らを高めるために教員集団の変革に向けて見せた具体的な動きが、明確にわかる研究になりました。稲垣忠彦氏の研究で、明治30年代以降、教員たちが校内研修や研究会を頻繁に開くようになったことは明らかになっていましたが、そのスタート地点とも言えるような事実が明らかにすることができました。師範卒教員たちの動きや、それに対する負の感情、地域の対立、年長教員に対する若手教員の不満、激変する時代に対する使命感など、当時の教員たちのリアルな世界のなかで、教師たちが自分たちで自分たちの道を切り開こうとしていた様が、少し見えてきたと思います。
 この研究は、今風に言えば、「教職生活全体を通じた資質向上」という問題につながる研究だと思っています。明治10年代・20年代の研究を続けてきた私としては、もともとこの「教職生活全体を通じた資質向上」というのは、教師たちが明治以来はぐくんできた教職文化の一つだと思っています。養成段階や公的な現職研修だけで、教師は育ってきたのではないわけです。「教職生活全体を通じた資質向上」という文化は、近年ようやく、教育学や教育政策のなかで正当に位置づけられる局面を迎えていると思います。その位置づけに、一役買えたら幸いです。

 このところ(というより今年はずっと)、心のエンジンがなかなかかかりません。本来はもう少し説明したいと思っていて、記事にしなかったのですが、そうこうするうちに活字化から何週間も経ってしまいました。
 待遇改善要求や数字だけではない教員史、教員統制策の対象としてだけではない教員の主体性や向上心に関わる教員史が少し見えてきました。興味がありましたら、読んでいただけると幸いです。

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雪景色

2011年12月18日 23時55分55秒 | Weblog

昨日はお仕事でした。
写真は昨日の朝です。

一昨日から降り続いた雪が積もりました。
今はなくなりましたけど。

あぁ、今年の冬も雪で苦労しそうだなぁ。

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中国四国教育学会

2011年12月10日 20時00分00秒 | 研究業績情報

参加して来ました。

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初雪つもった

2011年12月09日 21時43分19秒 | Weblog

うわああ

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机上の限界

2011年12月08日 23時52分20秒 | 教育研究メモ

 私は、毎日自分なりに保育者養成に励んでおります。他の先生方もそうだと思います。
 ただ、学者として育った私が、保育・教育現場に出てどうのこうのできるわけでもないので、「机上で出来ること」をひたすら追求する毎日です。

 本日、実習先からもらった書類を眺めていて、「机上の限界」を感じることができました。
 この1年くらいはその限界を超えるためにもがいていました。実習から帰ってきた学生から様々な話を聞いて、一喜一憂していました。しかし、今日、あることに気づきました。そして、少し考え方が変わりました。

 養成校ができることには限界があります。まさに「机上の限界」。
 我々も「実践的指導力」や「現場で役に立つ保育の計画力」が必要だと思いますし、それに向けてできることを日々努力しています。しかし、それらを一定の水準以上に育てるには、現場で何日も何週も何ヶ月もかけて働きながら身につけていくしかありません。
 戦前のように週20時間も実習に出て行かせることができれば、それも可能かもしれませんが、それはそれで、基礎的な理論・技術の学習や実践の理論的反省などをする時間がなくなってしまいます。養成校で基礎的な理論・技術の学習を十分できないとなれば、養成校が存在する必要はありません。
 長期的な基礎的理論・技術の学習やその研究は、保育者・教員の専門性を確立するために不可欠です。学者や養成校には、学者や養成校にしかできない役割があるのです。

 机上の限界、理論の限界を知ったということは、今後の私にとって、とても重要な体験になると思います。

 理論の限界を知っていれば、その可能性を過信しなくて済みます。
 実践家より、理論を深く理解している自分の方が正しい、などと勘違いをしなくて済みます。
 教育学者・養成校ができることについて、適切に把握し、適切に考えることができます。
 養成校で育てるべき力量と専門性を適切に把握し、学生を適切に教育することができます。

 意外なことかもしれませんが、現場は、学者や養成校にかなり大きな期待をしているように思います。「大学なんて」「理論なんて」という言説も聴かれますが、その裏側にも、あまりに大きな(過剰な)期待に大学や学者が応えられていないのだと思います。
 しかし、学者や養成校には限界があります。我々ができることは何なのか、できないことは何なのか。これを過信や勘違いなしに考えることができれば、我々は、すべきことを適切に把握し、我々の真の役割を果たすことができるのだと思います。

 私にできることには限界があります。自分で全部やろうなんて無理なことです。
 現場とともに協力し合って、よりよい保育者・教員を養成していくしかないのです。

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もやもや

2011年12月06日 21時25分20秒 | Weblog

 なんか変わったテンプレにしました。

 今の気分にぴったりです(どういう意味だ)。

 順調に仕事は進んでいますが、なぜかモヤモヤしたものが晴れません。

 まあ、すべき仕事をするだけです。

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