[注釈]
* Que dans ce troisie`me mille'naire (…) aucun enfant (...) ne soit abandonne' a` la faim ou a` l'ignorance, : que + subj. で、命令、願望を表します。それから、pas の省略にも注意して下さい。接続法が使われている節においては、ne だけで否定となります。
ex. Il n'y a personne qui ne comprenne cela.
* A lui la royaute' : ヘラクレイトス He'raclite は、前ソクラテス時代の哲学者で、彼の思索を記した断章から、プラトンが「万物流転」の思想を読み取ったことはよく知られています。<< On ne peut pas entrer deux fois dans le m^me fleuve. >> などという断章が非常に有名です。ここにルクレジオが参照している一節は、<< Le temps est un enfant qui joue,en de'placant des pions, la rayaute' d'un enfant.
a` l'Enfant la Royaute' >> だと思われます。ただ、原典の含意はここでは希薄で、Moze さんがおっしゃるように、「子供を王座に」と素直に受け取ればいいでしょう。
………………………………………………………………………………
ルクレジオは、子供たちに十分な栄養と教育を、と訴えているわけですが、それはなにも、肌の色がぼくたちとは違った、遠い国の子供たちの問題であるとは限りません。2005年の統計では、日本の公立の小中学校に通う子供たちの13%が「就学援助」を受けていると言います(p.188, 湯浅誠『反貧困』岩波新書)。先進国の中で今の日本ほど、子供たちを取り巻く経済的な状況が、その子が受ける教育の質と量に露骨なほどに反映する国は少ないのではないでしょうか。教育が「経済」から、もう少し適当な距離を保てないものか。この日本に生きる大人として、子供たちに対する責任を感じずに入られません。
さて、今年の Lecon はここで区切りをつけさせて下さい。新年は、1/8(木)までには新しいテキストをお届けすることにします。それまでに、時間があればみなさんの今年の読書の収穫3点と、お住まいの地域を聞かせてもらえれば幸いです。というのも、この「教室」をはじめてもう5年は経つと思うのですが、来年こそは一度オフ会を実現したいと考えています。よろしくお願いします。
今年もこの地味なブログにおつき合いいただき、ありがとうございました。それではみなさん、どうかカゼなどに気をつけてよい新年をお迎え下さい。
smarcel
* Que dans ce troisie`me mille'naire (…) aucun enfant (...) ne soit abandonne' a` la faim ou a` l'ignorance, : que + subj. で、命令、願望を表します。それから、pas の省略にも注意して下さい。接続法が使われている節においては、ne だけで否定となります。
ex. Il n'y a personne qui ne comprenne cela.
* A lui la royaute' : ヘラクレイトス He'raclite は、前ソクラテス時代の哲学者で、彼の思索を記した断章から、プラトンが「万物流転」の思想を読み取ったことはよく知られています。<< On ne peut pas entrer deux fois dans le m^me fleuve. >> などという断章が非常に有名です。ここにルクレジオが参照している一節は、<< Le temps est un enfant qui joue,en de'placant des pions, la rayaute' d'un enfant.
a` l'Enfant la Royaute' >> だと思われます。ただ、原典の含意はここでは希薄で、Moze さんがおっしゃるように、「子供を王座に」と素直に受け取ればいいでしょう。
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ルクレジオは、子供たちに十分な栄養と教育を、と訴えているわけですが、それはなにも、肌の色がぼくたちとは違った、遠い国の子供たちの問題であるとは限りません。2005年の統計では、日本の公立の小中学校に通う子供たちの13%が「就学援助」を受けていると言います(p.188, 湯浅誠『反貧困』岩波新書)。先進国の中で今の日本ほど、子供たちを取り巻く経済的な状況が、その子が受ける教育の質と量に露骨なほどに反映する国は少ないのではないでしょうか。教育が「経済」から、もう少し適当な距離を保てないものか。この日本に生きる大人として、子供たちに対する責任を感じずに入られません。
さて、今年の Lecon はここで区切りをつけさせて下さい。新年は、1/8(木)までには新しいテキストをお届けすることにします。それまでに、時間があればみなさんの今年の読書の収穫3点と、お住まいの地域を聞かせてもらえれば幸いです。というのも、この「教室」をはじめてもう5年は経つと思うのですが、来年こそは一度オフ会を実現したいと考えています。よろしくお願いします。
今年もこの地味なブログにおつき合いいただき、ありがとうございました。それではみなさん、どうかカゼなどに気をつけてよい新年をお迎え下さい。
smarcel