Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

小川島でイカ合宿【1】追憶の小島へ

2014年01月24日 |  □福岡発おでかけ日記
 1月第2週の週末(1月12日~13日)は、島旅仲間総勢11人とともに、佐賀県唐津市呼子町の離島・小川島へと渡りました。
 小川島は、中学1年生の時の恩師の転任先で、翌年の夏には遊びに行った思い出の土地です。なにかと思い悩むことが多かった18年前の中2の夏、島の自然と人の優しさに癒されたことを思い出します。


 西鉄電車で天神に出て、バスセンターから昭和バスに乗って唐津に向かいます。JRの快速より若干時間はかかるものの、リクライニングシートに座って移動できるし、16枚回数券なら1人あたり625円とお得です。
 やたらと料金所の多い、唐津までの高速道路&有料道路。料金所の度に渋滞に巻き込まれていました。


 唐津でのお昼ご飯は、鰻の名店・竹屋さんにて。建物は、木造3階建ての登録有形文化財です。
 シンプルにデザインされた欄間や、料理を運ぶつるべ井戸式のエレベーターなど、近代の木造建築物ならではの意匠や工夫も楽しめます。


 どどん、鰻丼!僕はかば焼き定食にしました。
 ふっくらしているだけでなく、もっちりした食感がイキの良さを物語ります。おいしかった~


 お腹も膨れたところで、さらに路線バスを乗り継いで呼子へ。公共施設も併設した、真新しいバスターミナルから発着します。
 18年前にはバスに並行して、未完に終わった悲運の鉄路・呼子線の跡が見えたものですが、一度も使われなかった高架橋は撤去されてしまったようで、痕跡はまったく見られませんでした。


 呼子着。海岸では、呼子らしい風景が風に揺れていました。


 小川島への「そよかぜ」は、ターミナルもない船着き場から小さなタラップで乗り込みます。
 500円のきっぷは船内で精算。小さな島の生活航路です。


 呼子大橋を背に、25分の航海に踏み出します。渡し船のような小さな船ゆえに、外洋に出たら結構揺れました。
 ちなみに唐津の離島7航路はすべて本土と直接結ぶもので、至近距離の島へ渡るにも一旦本土へ出なければいけません。


 小川島が近づいてきました。防波堤には代々の卒業記念のペイントが並び、どこかほのぼのとしてしまいます。
 今夜の宿「めぐりあいらんどおがわ」は公共の宿なので、唐津市の公用車が迎えに来てくれていました。


 さっそく、歩いて島めぐりへ出発!小川小中学校は18年前にも来たけど、こんな校舎だったかな?新しい感じの校舎だし、建て替わったのかも。
 ちなみに恩師の先生のことは、もう10年以上も前なのに、施設の皆さんはご記憶でした。小さな島では、先生も島の仲間なのですね!


 コンクリートの丸い円…ヘリポートなんだそうです。離島にとって、緊急時の生命線ともいえる施設ですが、案外シンプルなものでした(笑)。


 脇道に入り、夕暮れ迫る海岸へ。透き通る海がきれいでした。


 ただ漂着ごみの多さは、ヒドイなあ…。


 島内の集落を歩いていると、空き家や空き地が点在しています。処分が難しいのか、雑草が生えるのを防ぐためか、瓦を敷き詰めた区画も見られました。
 18年前に比べても、だいぶ人口が減っているという小川島。のどかで平和な変わらないように見える島だけど、これももう一つの現実です。


 島は、車の通れる道がグルリ1周していますが、人の集まる中心部の集落はご覧の通り、狭い路地のネットワークが結びます。坂道も多いので、原付バイクが島の人の主たる足になっています。
 中学生の目にはこの島のスケール感が新鮮で、驚きでした。


 漁港のそばの神社へ。昔の旅客船はこちらに発着していたとかで、そういわれればまわりの風景に見覚えがあります。
 神社の石碑に掘られた言葉は、「防波堤」「電気」「水道」。いずれも島にとって、生命線というべきものです。


 にゃあ、にゃあ、にゃあ…にゃあにゃあにゃあ!


 宿に戻れば夕食ターイム!新鮮な玄海灘の海の幸が並びました。
 22時頃には管理の方も帰宅されて、我々12人だけに。新鮮な魚介類を前にした宴は、深夜まで続きました。

九州最後の炭鉱の島、池島を歩く。

2013年12月01日 |  □福岡発おでかけ日記
 一つの旅が、次の旅のきっかけになることもある。

 10月始めに、長崎・軍艦島上陸ツアーに参加した際、ガイドをつとめて頂いたのが長崎・池島出身の女性でした。池島も同じ炭鉱の島で、軍艦島とちがって炭鉱の中も見ることができる。機会があればぜひ訪ねてみてほしい…との説明に興味を持った私。
 調べてみると、「軍艦島より面白い!」と評する人もいるほどで、これは行ってみなければ! というわけで職場の同期に声を掛け、11月30日(土)に再び長崎の海を目指しました。


 いつまでも寝ていたい土曜日の朝だけど、眠気を我慢して7時半に久留米を出発。
 長崎自動車道から、佐賀平野に無数に浮かぶ熱気球を眺めつつ、西へ西へ。


 西九州道を経由し、西海パールラインに乗ると、佐世保海上保安部・針尾送信所跡の3本タワーが見えてきました。
 大正時代に建設された軍事施設で、これも一つの歴史遺産です。


 パールラインからは、名橋・西海橋を俯瞰できます。


 約2時間強で西海市・大瀬戸町へ。市営駐車場に車を止めて、瀬戸港に到着しました。
 こじんまりしていますが、デザインされたターミナルです。


 池島までは2等、430円。「2等」の字がありますが、1等があるわけじゃありません。さらに乗船券、上陸券に分かれていますが、いずれも乗船時に回収されてしまいます(笑)。
 島の航路は、郷に入れば郷に従えです。


 テキパキと準備は済み、定刻に出航。渡し船のような船で、天気も良かったのですが、外海に出るとピッチング(縦揺れ)が感じられました。


 航海時間によって定員が変わるとは、これいかに??
 ちなみに船の乗客数は、6.0時間航海の定員にも満たないものでした。


 約20分ほどで、池島の姿が見えてきました。
 軍艦島のような「すごみ」はありませんが、人口は200人という予備知識を持ってみると、それにしては多い集合住宅と工場施設に「ただものでない」感を感じられます。


 池島炭鉱は2002年に閉山された、九州最後の炭鉱でした。
 今もその施設はほとんどが名残りを留め、貴重な存在になっています。


 瀬戸から30分で池島到着。炭鉱マン姿のガイドさんが待っていました。
 今回は、長崎さるくの1コース「池島炭鉱さるく」へ参加します。


 車には、炭鉱を運営していた松島炭鉱株式会社の字が残ります。
 ガイドさんも、かつては現役の炭鉱マンだった方。大人の社会科見学にふさわしいリアル感があります。


 最盛期は7,500人の人口を数えた島ですが、現在の人口は約200人。
 「商店街」と呼べる規模の中心部があった名残が見られますが、現在も開いている店はほんの数軒です。


 池島小中学校。併設校のため、立派な体育館が校庭を挟んで2つ、並んでいます。
 最盛期の児童生徒数は1,700人、さぞかし手狭だったことでしょう。現在は5人、あまりに広すぎます。


 丘の上に立つ炭鉱住宅跡。8階建ての高層アパートは、一般的な公団型住宅とは異なる、立体的な意匠です。
 2階レベルに設けられたパイプは、島内の発電所で出た蒸気を張り巡らせたもので、暖房や給湯に使われたとか。日本では珍しいコージェネレーションの地域暖房であり、エネルギーの島では省エネ化が図られていたのです。


 島の傾斜を利用して裏の出入口は5階にあり、棟同士をつなぐ連絡通路も見られます。3次元な棟構成です。
 ただ鉄骨の部分は特に劣化が進み、連絡通路はぼろぼろ。このまま放置されれば年を追うごとに、姿を変えていきそうです。


 人の気配はあまり感じられませんが、コミュニティバスの存在に、この周囲にも住む人がいることを知らされます。
 ちなみに池島の現在の行政区域は、市町村合併に伴い長崎市になっています。バスの運行も長崎市から、さいかい交通に委託されているものです。


 坑道の入口。つるべ井戸式のエレベーターは、約1分で海面下650mの海底坑道に到達できたとか。
 スカイツリーの高さを超える高低差であり、エレベーターの高速性能も高かったようです。


 公団住宅型の社宅も無数にあり、そのうち1戸は見学可能。「展望台」として屋上に上がる階段も設けられており、団地を見渡すことができます。
 職級によって住む場所も変わり、出世するほどに広い住宅に移れたのだとか。でも出世する頃には子どもは高校生になり島を出てしまうので、部屋が余ってしょうがなかったそうです。


 部屋の中はテレビやちゃぶ台が置かれ、昔の暮らしを再現していました。


 建物そのものはRC造ですが、建具は木造。後から設けられた、屋上への階段が映ります。




 玄関につけられた「安眠中」の札は、3交代勤務で昼に寝ている炭鉱マンが下げていたものです。


 お昼ごはんは、島の中心部の池島会館で。宿泊もできる施設で、1晩過ごしてみるのもいい経験になりそうです。
 もとは映画館だったこともあり、昔の映画ポスターが並べられていました。


 昼食には、オプション(750円)で炭鉱弁当を注文することもできます。金属製の弁当箱に、気分はちょっと炭鉱マン?


 午後はいよいよ、炭鉱の坑道跡へ入ります。
 炭鉱時代に使っていたホンモノのヘルメットと長靴を装着、いざ出勤です。ご安全に!


 坑道へは、炭鉱電車で向かいます。座高の高い僕は、頭がつかえてしまいました。


 急カーブを車輪きしませ走る姿は遊園地の豆汽車のようですが、資材を運ぶためのパワーは段違いでしょう。


 いよいよ坑内へ!


 坑内はいくつもの「支線」に分かれており、地下鉄のようです。


 海底の坑道まで行ければ貴重な経験になるのですが、排水ポンプを稼働させる財源もなく、現在は水中に没してしまっているとか。現在も見学できる坑道は、90kmに及んだ全体から比較すればわずかな範囲です。


 採掘に使われた道具の説明。採掘といえば、こんなツルハシで掘り出し一輪車で運び出すイメージだったのですが…


 池島ではこんなハイテクな採掘器を使い、効率よく行われていたそうです。採炭開始は1959年、閉山は2002年。最先端の技術は、安価な輸入炭へ対抗するための最後の挑戦だったのでしょう。
 一台に数億円を投じた最先端の機械の多くは、水中の坑道に遺されていったとのこと。


 ただ最先端の採掘技術は、炭鉱事故が続発する途上国にとっては必要な技術。そこでつい最近まで、技術の海外移転研修が行われており、採掘現場の再現もなされていました。
 テレビで見た、トンネルの建設現場を思い出すものでした。


 炭鉱電車で地上に戻ったところで、見学終了。2,500円の見学料では申し訳ないほどの、充実したコースでした。
 坑道入口から港にかけても、公営住宅の住宅街になっており、「ショッピングセンター」と名のついた商店もありました。


 現在は長崎市の市営住宅となっている団地からは、比較的人の気配が感じられました。
 島というよりは、高度経済成長期に開発されたニュータウンを歩いている気分がします。


 港の集落には、猫の姿が多く見られました。


 帰路はパールラインではない、一般道経由で。


 佐賀市に立ち寄り、名物B級グルメの「シシリアンライス」を食べ…


 イルミネーション「佐賀ライトファンタジー」を車窓見物。


 久留米に戻って、近所の小学校で1日限定で行われた大銀杏のライトアップを見て、充実した土曜日を終えました。

南阿蘇・高千穂 紅葉ドライブ

2013年11月17日 |  □福岡発おでかけ日記
 夏から冬へ、一気に移り変わるようになってしまった昨今。秋を追い求めるには、一瞬を突くタイミングを読まねばならなくなってきました。
 11月第3週末、四季のある国に生まれた喜びを感じたくて、ドライブへ。仲間とともに、高千穂へと出発です。


 南阿蘇村に差し掛かる頃には、うっすら山が色付き始め…


 県境のループ橋を回る頃には、山は点々と黄や赤に彩られていました。


 高千穂町中心部へ向かっていると、突如赤い車両が!車を停めてもらい駆けよると、それは旧高千穂鉄道のパノラマカー「たかちほ」号でした。
 保存の話は鉄道雑誌で読んだことはあったのですが、場所まではよく知らず、突然の再会にテンションが上がります。


 車内も現役当時そのまま。高校2年生…もう15年も前に乗った記憶がよみがえります。
 一昨年までは喫茶スペースだったようですが、今は休憩所として利用されるのみ。それでもきれいに清掃されているのは救いで、末永く保存されてほしいものです。


 たかちほ号が保存されているのは、ひむかの黒馬でお馴染み神楽酒造の「トンネルの駅」なる施設です。
 熊本~延岡を結ぶべく工事が進んでいた九州横断線の最後の区間、高森~高千穂間ですが、9割以上が完成したところで、国鉄改革のあおりを受け工事中止の憂き目に。


 高千穂~延岡間も水害で廃止となり、ついに夢途絶えたトンネルは今、酒の貯蔵蔵として活用されています。
 見学自由のトンネルにはぷーんと酒の匂いが漂い、「呑み鉄」にはたまらないスポットでした。


 ほとんど完成していた橋脚は撤去されてしまいましたが、トンネルの駅の横の橋脚は残され、蒸気機関車が「お召列車」の装飾で飾られています。
 時代に恵まれなかった路線でしたが、一度乗ってみたかったと今も思うのでした。


 猪焼肉をがっつり食べて、高千穂峡散策に出発!






 色付く木々は、どこを切り取っても絵になります。


 前に高千穂へ来たのは14年前。あの時は、某旅行会社のバイト添乗員として、仕事で来ました。
 はじめての地の仕事に緊張していて、景色なんてろくに覚えておらず、新鮮に感じられました。


 高千穂といえば渓谷ボート!
 しかしベストシーズンともいえるこの日は、1時間~1時間半待ちということで、泣く泣くパスです。


 帰路は、白川水源に立ち寄り。ゴポゴポと湖底から湧き出す大量の水は、目の前にあるのになんだか不思議な光景です。
 駐車場は離れていて、12リットルの水タンクを運んだらちょっと筋肉痛になりました。


 駐車場横の「とまとロール」のお店。ゆっくり食べて行きたかったけど、夕方4時半のオーダーストップの時間を過ぎていて、お持ち帰りに。
 ほんのりとトマトの香りが広がり、甘いクリームとの相性も案外よかったです。そういえば韓国では、トマトが「果物」に分類されてたっけ。


 夕方に来たからこそ、出会える風景も。
 夕陽に色付く山と、柿の木。正しい日本の秋の風景です。


 つるべ落としの秋の陽。阿蘇ファームランドに着く頃には、お目当てのイルミネーションが始まる時間になっていました。
 きれいはきれいなんだけど、「玉切れ」が多かったのは残念!LEDではないので、玉の交換作業は手間がかかるみたいです。


 むしろ、エントランスの電飾の方が迫力あったかも。


 宿泊棟のファームヴィレッジの「住宅街」を見下ろします。

 九州観光マスターの試験では、九州でもっとも集客力を誇る観光施設は、ハウステンボスでもグリーンランドでもなく、実は阿蘇ファームランドである…という設問があり、それで知っていたファームランドですが、実際に行ったのは今回が初めて。
 ドーム型離れの宿泊は楽しそうだし、温泉は大規模。食事処もよりどりみどりで、今度は仲間内でわいわい泊りに来たいなぁと思いました。韓中からの観光客も多く、九州が初めての韓国の友達と来ても喜ばれるかも。


 最後は熊本市内に立ち寄って、夕ご飯。
 鶴屋百貨店では はやくもクリスマスのイルミネーションが始まっていて、いよいよ冬に向かってまっしぐらの気配を感じました。

長崎ドライブ~軍艦島・大村あま辛黒カレー・武雄市図書館を巡る~

2013年10月07日 |  □福岡発おでかけ日記
 10月5日(土曜日)はひさびさに、職場同期と共に行くドライブツアーを企画しました。今回の行先は、世界遺産リストへの登録で脚光を浴びつつある産業遺産、長崎市の端島(通称、軍艦島)です。

 端島は海底炭鉱の島として、一時は人口密度世界一を記録するも、閉山とともにわずか2ヶ月で無人島に。残された炭鉱施設や高層団地は荒れるに任せる状態となり、島は立ち入り禁止の措置が取られます。
 しかし高度経済成長を支えた遺構は折に触れ話題となり、2009年、見学コースに限り上陸が許可されました。以後毎年、うなぎ上りに見学者が増えているとのことです。

 僕は対岸から遠目に眺めたことはありましたが、ぜひ一度、上陸してみたいと思っていました。
 一人で行っても寂しそうなので、ツアーを企画。帰路にはB1グランプリの常連でもある「大村あま辛黒カレー」と、話題の武雄市図書館にも立ち寄る充実の1日になりました。

 久留米市役所には朝8時に集合し、長崎道を下り一路、長崎市へ。
 時間には余裕を持っていたつもりでしたが、10時10分の受付終了時間にはギリギリの到着になってしまいました。何事も余裕が肝心です。


 軍艦島へはツアーへの参加が必須で、今回は「軍艦島コンシェルジュ」さんのお世話になりました。参加費は島への入場料込みで、一人4,200円です。
 小型の高速艇に乗り込みます。


 乗船が済んだところで、まずはレクチャータイム。本日のガイドと乗り組み員の挨拶は、船内モニタで中継されます。タブレットを駆使した写真による説明もあり、なかなかハイテクです。
 本日のガイドさんは同じく炭鉱の島として知られる池島出身で、島の炭鉱の生活を知る立場としてのガイドは、実感のこもったものでした。


 本土に残るスタッフが、手を振って見送ってくれます。


 約30分で、島の姿が見えてきました。まずは島の周囲を回り、船上から島を見学します。


 島で唯一の学校は、低層部が小学校、高層部が中学校になっています。大きく取られた窓は、高層団地では満足に陽が当たらないことから、せめて学校では陽の光をという願いから設けられたものだとか。
 子どもたちへの優しさを感じる一方で、耐震性には不安を感じる建物ではあります。


 びっしりと並んだ住宅群。以前勤めていた職場では、戦前の建築物も多く扱っていたのですが、デザインには通じる部分が見られます。
 風化は激しく、すでに基礎や1階床が波にさらわれている建物もあるのだとか。安易な立ち入りは、命に係わります。


 一旦島から離れ、もっとも「軍艦」らしく見える場所へ。
 なるほど、遠目には見間違えても不思議はない…かも。


 上陸準備。波で船が揺れる中、船員さんが島へ飛び越えて船をつなぎます。


 ぞろぞろと上陸。この日は外国人の見学者も多く、長崎観光の新たなコースの一つとなったようです。


 レンガ壁の痕跡が印象的。


 波に洗われた岸壁の跡と、朽ちた建物。
 わずか5日前に、三陸沿岸でよく似た光景を見たばかりの身にとっては、表現できない思いも去来します。


 坑道への入口跡。炭鉱事故で、この階段を登ったまま降りられなかった人々も大勢いました。


 炭鉱の街で育ったガイドさんの説明からはリアリティを感じられ、目の前の廃墟が、生きた街だった頃に想像が至ります。


 高低差をクリアするため、階段の路地が無数に張り巡らされています。
 高台の住居は、幹部社員の住居だったとのこと。


 高層住宅の30号棟、31号棟。
 日本の鉄筋コンクリート黎明期の高層建築は、建築学的にも貴重なものですが、近づくことはかないません。


 建物の間にも、路地が続きます。迷い込んでみたい!






 廃墟として見られがちな島ではあるが、島の暮らしが日本の高度経済成長を支えたことを忘れないでほしい。
 ガイドさんの説明に、この島に来た意義を感じるとともに、いつか池島にも行ってみたいとの思いにかられました。


 1時間半の見学を終え、出航です。


 お隣の島、高島。現在は長崎市の一部です。
 点々と炭鉱住宅が残ります。


 一方、伊王島は観光リゾートの島へと舵を切り、架橋も実現して、「炭鉱の島」らしさは感じられなくなっています。


 長崎港の遊覧船で巡るような場所も、軍艦島コンシェルジェではガイド付きで案内してもらえます。
 三菱造船所の門型クレーン。三菱マークの周囲の白が、テニスコート1面分…なんて言われても、にわかには信じられません。


 女神大橋。二本の柱脚で囲まれた範囲に、端島はすっぽり入るとのこと。
 感じるのは島の小ささか、橋の大きさか。


 ポニョ的世界観。
 往復の乗船時間を含めて約3時間の見学コースは、往復の乗船時間も飽きさせない、充実したものでした。


 せっかく長崎市まで来ましたが、今日はこのまま引き返します。
 併走する路面電車に、長崎にいることを実感。ただ運転していると、対処に戸惑い焦ります。


 大村インターで降りて、大村あま辛黒カレーを頂きます!
 フルーツがたっぷり煮込まれたカレーは、まろやかな甘みが広がり、A級品のB級グルメでした。


 さらに武雄インターでも途中下車して、話題の武雄市図書館に立ち寄りました。


 オープンカフェのようで、いい雰囲気。混雑してて、ゆっくりコーヒーを味わうことができなかったのは残念です。

 夕方6時には久留米に帰着。次は三池炭鉱を見に行きたいね!という声もあり、産業遺産には また行きたくなる魅力を感じたのでした。 

長崎1泊ドライブ

2012年11月04日 |  □福岡発おでかけ日記
 僕が日本で一番好きな街、長崎。何度も行ってるんだけど、近くてついつい日帰りしてしまう土地でもあります。
 今回の旅行は、金曜夜発の1泊旅行。いつもとちょっと違う一面を楽しんできました。


 高速道路を飛ばすこと2時間あまり、稲佐山に到着。30分100円の駐車料金で、上まで車で登れるようになったんですね。
 もう何度目かだけど、秋の空気は澄んでいて、今までで一番きれいな夜景でした。


 路面電車で出かけた夜の街は、どこかノスタルジック。


 11時過ぎの本格中華。おいしかったです。


 明けて土曜日、オランダ坂も朝日に輝きます。


 あまりの斜度に…。


 グラバー園行きの斜行エレベーターで登ると、街も朝日に輝いていました。


 エレベーター乗り場でネコと戯れていたら、突然おばちゃんがチクワを投げつけるものだから、びっくり仰天。待ってたんだね。




 グラバー園、何度行ってもいいところです。


 相変わらずにぎやかな、アーケードをぶらぶら。自治会加入促進の垂れ幕が、なんだかポップな感じで印象的です。


 女神大橋、歩道を歩く人が多かったので…


 駐車場に車を止めて、橋の真ん中へ。逆から見た長崎港もきれいでした。


 フィナーレは、大村湾の落日。充実の24時間でした。

日田へぐうたらグルメ旅行

2012年10月14日 |  □福岡発おでかけ日記
 JR九州の人気パックの一つが「駅長おすすめの日帰りグルメきっぷ」。往復JR券とおいしいご飯がセットになって、かなりの率で割り引いた切符です。
 ウチの母も何度かご近所さんと使ってよかったよかったと言っていましたが、齢31の僕もたまにはぐうたらした旅をしたい!

 というわけで職場の同期7人を誘って、日田コースを楽しんできました。


 久留米駅では、ついつい無意識に博多方面のホームへ足が向いてしまいましたが、今日は切欠き式の久大本線ホームへ。2両のイエローワンマンが待っていました。


 善導寺・田主丸方面は仕事でもよく行くのですが、田んぼの真ん中を走る久大本線の車窓はまた一味ちがった風情。
 秋晴れの空に、耳連連山が映えます。


 うきはから先はこの夏、大雨により2ヶ月近く不通になった区間。道床がえぐられた隈上川橋梁は、25km/hの最徐行で通過しました。
 ちなみに今回の旅のサブタイトルは、「がんばれ日田!久大本線全線復旧記念」です。


 夜明ダムでは、カヌーをこぐ人の姿があちこちに。大学のサークルかなにかかな?

 1時間ばかりで日田到着。送迎の車があるのもこの切符のいいところで、ハイエースに乗って5分、「よろずや」さんに到着です。
 グルメきっぷは「部屋食」で、食後も3時までは ごろごろできるのもいいところ。三隈川の眺めが自慢の宿でもあるんだけど、部屋は街並み側で、それだけは残念でした。


 豪華な料理がずらっと並んだ、「日田まぶし会席」。全部おいしかった!
 ちなみに街中で食べれば、日田まぶしだけでも2千円以上します。それがグルメきっぷなら、久留米から往復の列車を合わせても4,700円。一体どれだけ割り引いているんだか。


 掛け流しの柔らかい泉質の温泉も、お値段込みです。


 ぎりぎり3時までごろごろした後は、送迎車で豆田町へ。街並み散歩で腹ごなしです。
 この日の空にはうろこ雲が広がり、秋の景色を作っていました。


 ここからは「グルメきっぷ」から外れて、タクシーに乗り10分少々、サッポロビール九州工場へ。団体さんで大盛況の工場見学に乗っかりました。
 10年ぶりに来ましたが何も覚えておらず(笑)、新鮮な気持ちで楽しめました。シルシルミシルを、生で見ている気分でした…。


 しかし何よりのお楽しみは、やっぱり試飲!日田の街を一望する試飲室で「乾杯!」「サッポロ!」の掛け声でグラスを空けました。エビス、それもできたて、うまい!
 ちなみに10年前は制限時間内で飲み放題でしたが、いろいろあったのか(?)、2杯までになっていました。


 2杯では呑み足りず、森のビール園へ。昼食でお腹いっぱいだったのでジンギスカンは頼まず、めいめいがアラカルトを頼みましたが、周りからただよってくるいい匂いに「あっちにすればよかったかな…」とちょっと後悔。ビールは無関係にうまかったです。


 夕暮れから夜景に移り変わる日田の街並みも楽しみつつ、今回の旅もフィナーレ。
 余韻に浸ろうとサッポロの缶を買って帰路の列車に乗り込んだのですが、キハ220系のロングシートでとても飲みづらいというオチで、無事に久留米に帰り着きました。

大分24時間弾丸ドライブ

2012年10月08日 |  □福岡発おでかけ日記
 10月7日、大分の大学の所属研究室の大同窓会が開かれることに。せっかくの機会なので、同じく福岡から参加の友人とともに、大学時代に通った「懐かしい場所」の足跡を車でめぐってみました!


 午前0時20分、筑紫野市・天拝山駅で拾ってもらい、日田経由で小国へ。道の駅で2時間ばかり仮眠して、朝焼けのくじゅう高原を走りたどり着いたのは…


 21世紀くじゅうの森展望台。森の手入れのボランティアで、卒業後も何度か通った場所です。「森」に成長するまでにはまだまだ時間がかかりそうですが、今後も折に触れて参加したいなと思いました。
 高原を照らす朝焼けも、美しかった。


 長湯に抜けて、人目もはばからずに「ガニ湯」へドボン! 通行人の視線さえ気にしなければ、こんなにソーカイな温泉はありません。
 気温12度で浸かる ぬるい温泉、なかなか温まらないなと感じてたけど、服を着たら内面から湧き上がるポカポカ感! さすがは日本有数の炭酸泉です。

 水の駅おづる経由で、由布市庄内町へ。10年も経つとだいぶ道が変わっていて、迷ってしまいました。


 旧長野小学校を改装した体験交流施設「しょうないゆうゆう館」に到着。「しょうない里山学校」で何度か通った施設でもあり、研究で木造校舎の調査に来た場所でもあります。
 屋根裏まで上った木造校舎はあまり使われていないのか、特徴的なルーバー庇も落ちて荒れた雰囲気…


 みんなで耕した畑も、荒れ地に変わってました。
 「里山学校」も開かれていないようだし、由布市との合併であまり使われなくなったのかな…と、少し悲しい気分になりました。


 でも、庄内の美しい里山と棚田は変わりません。実りの秋が、黄金色に輝きます。


 由布院に移動して、5月にオープンしたばかりの「原っぱカフェ」へ。もみ殻の壁がいい空気を作る、イマドキ風の言葉で表現すればスローなお店です。


 体が喜びそうなランチでした。


 お腹も満たされ、狭霧台を越えて別府へ抜けます。


 210円で露天風呂や蒸し湯まである柴石温泉でちょっと昼寝をした後は、別府市内へ。大学時代は設計課題のテーマに選んだ場所でもあり、中心市街地なら路地裏まで勝手知ったる、思い出深い場所です。
 昨日から別府ではアートフェスティバル「混浴温泉世界」を開催中で、楠銀天街もオブジェに彩られていました。


 大分唯一のストリップ劇場だった「A級劇場」は「永久劇場」と名を変え、アートパフォーマンスの場に。踊り子が踊った舞台で繰り広げられるライブは、なかなかシュールな光景です。

 6時からの同窓会では、同級生の懐かしい面々だけではなく、職場の上司、さらには元職場の上司とも思わぬ遭遇。時間と空間の位置関係が絡み合い、ちょっと戸惑いつつも、それが楽しい時間になりました。


 帰路には、天瀬の川沿いの露天風呂にもドボン。ゆうゆうと流れる三隈川を前に、夜空を見ながら浸かる硫黄泉。こんなに贅沢な100円はありません。

 久留米に帰り着いたのは1時。1週間分くらいの刺激に包まれた、駆け足の24時間でした。

久住・中岳アタック

2012年05月12日 |  □福岡発おでかけ日記
 連休後初の週末は、職場の建築屋仲間と共に、九州最高峰の久住・中岳にアタック! 幸い天候に恵まれ、くっきり広がる大パノラマを堪能できた1日でした。


 新緑が目に眩しい季節です。




 今日も活発な火山活動が続きます。


 火口湖なんだそうです。


 澄んだ水面が輝きます。


 間もなく頂上。飛行機雲が蒼い空に映えます。


 中岳山頂到着。牧ノ戸登山口から休み休みしつつ、2時間20分の道のりでした。






 山頂での昼食を楽しんだ後は、2時間で下山。おいしい空気と美しい景色を堪能できた、贅沢なひとときでした。

由布岳アタック!

2012年04月29日 |  □福岡発おでかけ日記
 GW2日目は、由布岳へ登ることに!
 学生時代の通算4年間を過ごした大分でしたが、山登りの機会はなく、由布岳も高速道路や列車から眺めるだけの山でした。今回は、現役ワーンダーフォーゲル部員がリーダーなので、怖いもの知らず!?午前8時半、久留米を出発です。


 麓に着いたのは11時過ぎ。既に帰る人もいる時間で、ちょっと出遅れた感じですが、おかげで無料の駐車場に停めることができました。


 芽吹いたばかりの新緑や…


 健気に咲く可憐な花々に目を奪われつつ…


 少しずつ、少しずつ遠ざかっていく湯布院の街。
 森の中を歩いている間は傾斜もゆるく、ハイキング並みの余裕のコースだなと思ったものですが、森を抜けると傾斜が急になり、息も少しずつ上がっていきます。山頂直前は急傾斜の岩場で、もう手を使わずには登れない…と思っていたら、ひょいひょいと登っていくリーダー。さすがは、ワンフォーの現役部長です。
 その先に待っていた景色は…


 日出、杵築、国東半島から…


 志高湖、別府、高崎山、別府湾、大分市から…


 湯布院の街をはるかに見下ろす絶景!
 空で描ける大分県中部の地図が、実際に目の前に広がっていました。


 下界は汗ばむ夏日でしたが、山頂はウインドブレーカーを着込んでも肌寒い気温。ウエイトにしかなってなかった2リッターの水を使って、カップ麺とミルクティーを沸かします。もうこれが、うまいのなんのって。
 山頂で食べる飯のウマさを目的に山登りしている軟弱者ですが、止められそうにもありません。

 登り2時間、下り1時間半の行程でしたが、さほどの疲れがなかったのは、リーダーの休憩配分の上手さ故かな?
 「下山後の温泉」も楽しみの一つで、由布院の湯に浸かり、爽快な気分で久留米へバック。その後の打ち上げは、日付が変わる時間まで続いたのでした。

旅名人きっぷで南阿蘇名水めぐりの旅

2012年04月28日 |  □福岡発おでかけ日記
 ゴールデンウイーク1日目は、南阿蘇の名水めぐりに出かけました。5年前の3月に一人旅したコースとほぼ同じですが、今回は職場の同期7人を巻き込んでのグループ旅行。気分と季節を変えて、新鮮な気持ちで旅することができました。

 今回使ったきっぷは前回と同じく、「旅名人の九州満喫きっぷ」。市電やモノレール、地下鉄も含む九州の全鉄道の普通列車が乗り放題で、3回分10,500円という使い甲斐がある切符です。僕にはお馴染みの切符ですが、同期7人は「こんな切符があったんだ!」と驚いた様子でした。
 青春18きっぷのように毎年設定されてきた切符でしたが、この4月には晴れて通年販売に昇格。ただし有効期限は1年から、発売日から3ヶ月間に短縮されています。

 同じ職場とはいえ、住んでいる場所はばらばらなので、JR、西鉄の各駅から分かれて乗り込み。大牟田駅で7人が集まり、さらに熊本在住の一人も新水前寺で乗り込んできて、無事に全員が揃いました。


 立野駅から乗り込んだのは、名物トロッコ列車。当日券の行列は長く、席が取れるかやきもきしましたが、なんとかギリギリで8人分を買うことができました。小学5年生の時に乗って以来だから、もう20年ぶりくらいになる列車です。この間、機関車とトロッコは新型車に変わりました。
 先頭で写真を撮っていたら、運転士に帽子を貸してもらって記念撮影。シャッターサービスまであり、ローカル鉄道ならではの思い出が、リピーターを生んでいくのでしょうね。


 新型車に変わっても、大迫力の車窓はもちろん変わらず。汗ばむ陽気だったこの日ですが、渓谷を渡る風が吹き抜けていきました。
 長陽駅では忍者が登場!駆け寄ってきた親子忍者は、お菓子を車両にバラ撒いてくれました。駅舎カフェからのサービスなのだとか。


 中松駅で降りて、駅内そば屋でランチ。大きくない店だったので、満席だったら困るなと思ってましたが、8人入ることができました。
 二八蕎麦と十割蕎麦の食べ比べセットに、昼から冷酒を合わせての贅沢ランチでした。


 高森まで移動して、湧水トンネルへ。国鉄新線建設のために掘られていたトンネルですが、大規模な湧水に遭い工事中断。現在は観光施設として活用されています。


 中はひんやり、幻想的なオブジェにも目を奪われました。


 高森から立野へは、白川水源コースと下田駅温泉コースの2パターンを用意していたのですが、温泉は月に一回の休業日!ということで、全員が水源コースへ。GWのかきいれ時にお休みとは…。
 白川水源へはこの3月、「南阿蘇白川水源駅」が開業。水源まで5分もかからなくなり、ぐっと便利になりました。駅舎の建設工事は、看板には「3月31日まで」となっていましたが、現状はようやく躯体が立ち上がった段階。どんな駅舎になるのか、楽しみです。


 底からごぼごぼと湧く阿蘇の恵みに、毎回ながら圧倒。久留米から持ってきていた「南阿蘇天然水」のボトルに補充しました。


 南阿蘇での自然いっぱいのひと時を終え、熊本市内へ。ここからのガイドは、現地人にバトンタッチです。
 JRとの連絡駅舎が完成し、市内へのアクセスが便利になった熊本市電。今日は城まつりに合わせて、なんと全線無料運行になっていました!いつも乗客の多い市電ですが、輪を掛けて大混雑になっていました。
 さらに今日は、街なかにある熊本市現代美術館も無料開放ということで、葉祥明展も見学。描く地平線の美しさに見ほれました。


 いつも賑やかな熊本の市街地ですが、今日は祭りの一環でイベントも開催中。文字通りのお祭り騒ぎです。


 夕ご飯は、馬刺しに辛子蓮根、一文字のぐるぐるなどなど、酒がうまくなる熊本名物が目白押し。特に馬刺しはいつも地元で食べるものとは大違いで、こんなにもうまいものかとビックリでした。

 熊本で飲んで泊まらずに帰るというのも、また一興。仲間内で余韻に浸りながら、817系普通電車の革張りシートと、8000系急行のクロスシートにゆったり揺られれば、久留米まであっという間でした。
 自由な一人旅もいいけど、こんな旅も楽しくて最高です。