Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

新型KTX・山河に乗る

2010年05月12日 | ■旅と鉄道
 GWの韓国旅行で、個人的に最大の目的だったのが、新型KTXへの乗車。従来のフランス技術を基にした車両から脱却、9割以上の国産化を図り、輸出も狙った国際戦略的な車両です。

 この新型KTXには愛称が付けられており、直訳すると「KTX山川」。「山川」とは韓国語で、車両デザインの象徴ともなっているヤマメを意味します。また「山」と「川」から美しい自然を連想させることで、環境に優しい列車という意味も含めているとか。
 日本語に訳すのは難しい言葉。「KTXヤマメ」では少しイメージと違う気がするし、「KTX山川」では苗字みたいなので、僕は便宜的に「KTX山河」と訳していきます。

 現在のところ、京釜線(ソウル~釜山間)は2往復、湖南線(龍山~木浦・光州)へ4往復と、まだまだ本数は少なめ。釜山からソウルに行く時は時間を合わせられなかったため、帰路に無理矢理、龍山から西大田まで乗車しました。


 龍山駅に姿を現した、KTX山河。ずんぐりとしたフランス生まれのKTXⅠから一新、スラリとスマートな東洋美人になりました。ちなみに従来型のKTXと同じく機関車方式です。


 丸型の乗降扉の窓が、目を引きます。塗装も窓周りをなぞったものではなく、斬新な雰囲気です。


 もっとも改善されたのが、一般室。全席回転式の座席になり、シートピッチは980mmに。リクライニングの角度も、少し深くなりました。長時間の乗車でも快適に過ごせそうです。湖南線に多く投入されているのも、京釜線より長時間の運行になるためだと思われます。
 ただ快適性の向上は従来のKTXに比べての話で、ゆとりある在来線列車に比べると、やはりまだまだ狭い。通路も狭く、すれ違いには難儀します。


 カーテンが省略され、ロールスクリーンのみになった窓周り。2列で1枚の大物になっており、前後の人に気兼ねする…と、地元ニュースで韓国人鉄道ファンが指摘していました。


 円形にデザインされ、見た目にも優しい多目的トイレ周り。ヌリロ号でも採用されており、機能性とデザイン性に優れています。日韓共通のトレンドとなりつつあるようです。


 こちらは特室車両。新幹線でいうグリーン車に相当します。壁は木目調になり、走る応接室といった趣。従来型のKTXに比べてかなり雰囲気がよくなっており、これなら高い特室料金を払う価値がありそうです。


 従来型のKTXでは一般室のセンターに設けられていたグループ用の座席は、1車両にまとめて4ボックスが設けられています。アクリル板で仕切られ、プライベート感がアップ。またテーブルには、手元灯も設けられています。


 同じ車両には、スナックバーも完備。簡単な飲食物を買えて、小さいながら飲食スペースも設けられました。特室のサービスも、こちらで受け取ることができるようです。
 代わりに車内販売はなくなっており、列車カフェを連結して車販を廃止した在来線に倣ったようです。

 KTX山河は10両編成と、20両編成のKTXⅠの半分。2編成併結の20両編成にすることも可能で、需要に合わせたフレキシブルな編成を組むことも可能です。

 現在はまだまだ少ないKTX山河ですが、今年末の京釜線全線開通、その後に控える湖南線延伸や麗水、浦項への乗り入れに合わせ、この機能を活かして活躍舞台を広げていくものと思います。
 今回は西大田で下車した後、タクシーを飛ばして大田駅に向かいさらにKTXで下りましたが、そんな無理をせずとも、手軽に乗れる日が来てほしいものです。

GWは韓国で過ごしました

2010年05月12日 | ■にっき
 GWの5月1日から、予定外に1日延びて6日まで、韓国で過ごしてきました。今回は、男だらけの5人旅。何かと大変だったけど、いつもの自分とは違う視点で旅できて、なかなか面白かったです。
 詳しい旅行記は後日アップするとして、とりあえずダイジェスト版をお送りします。


<1日目:5月1日>
★博多港へ9時に集合して、例によってビートルで日本を離れ、
(今回も比較的平穏無事な航海でした。毎回こうならいいのにね)

★釜山駅近くで昼飯を食ってから、模範タクシーに乗り込んで海雲台へ走り、
(本当は2階建オープンカーのシティツアーバスに乗りたかったけど満席で断念。一度渡ってみたかった広安大橋を渡って、気分爽快でした)

★複合コンベンション施設BEXCOで開催中の釜山モーターショーに潜入し、
(韓国3大自動車メーカーのコンセプトカーと、ヨーロッパデザインの影響を強く受けたバスが興味深かった。あ、お姉さんたちもキレイでした)

★夕食は釜山大学前に繰り出して、豚焼肉を堪能し、
(釜山大学の正門側には、立派な複合施設ができていてびっくり。官民協同事業の成果のようです)

★東菜温泉の泉一温泉ホテルで、韓国式温泉旅館を楽しみました。
(各部屋にタイル貼りの温泉浴槽を完備。2部屋押さえて8,500円は安い)


<2日目:5月2日>
★朝のKTXで一気にソウルへ上り、
(我が留学先・忠清北道に新設される五松駅の工事も、順調に進行中。忠州へ行くのも便利になりそうです)

★ソウル・合井駅からバスに乗り込み、統一路を北へ北へ走り、
(途中、出版団地を経由。街の建物はまるごとイカしたデザインで、建築コンペの模型の世界に迷い込んだよう)

★芸術家のギャラリーや住宅が集う街、坡州のヘイリ芸術村をレンタルサイクルで散策し、
(大胆で挑戦的な建築物は、建築好きでなくても楽しめそう。カフェやギャラリーが立ち並び、「本来の湯布院」を見ているようでもありました)

★カフェではドイツ製の生ビールを傾けつつ、ギターの生演奏に耳を傾け、
(ビールは高かったけど、それに見合う以上の素晴らしい味と時間でした。こんな贅沢、そうそうありません)

★昨日できたばかりという、近代史博物館ものぞき、
(数十年前を再現した街並みは、日本人にも充分共有できる懐かしさでした)

★市内に戻り、妹&友人と共に仁寺洞の韓食屋&カフェで、舌に美味しく心に安らぐ時間を過ごしました。
(飯屋はとにかく、じゃんじゃんご飯が出てきてビックリ。カフェは韓屋を現代風にリモデリングしており、中庭の空気が気持ち良さそうでした)


<3日目:5月3日>
★電車に乗り込み30分、安養市の芸術公園を散策し、
(世界の芸術家の作品を展示し、中に入って、触って楽しめる公園。芸術公園という気負いがなく、普通の山中にただ置かれているだけというノリが新鮮でした。写真はビールケースを積み上げて壁面を作った建物?光の漏れ方が、いい感じでしょ?)

★市内に戻り、梨花女子大の学生センターを俯瞰して、
(壁に見える左右両側が実は建物になっていて、屋上は緑地になり地面と一体化。もはや建築物と土木構造物の境界すら曖昧にさせる、半地下のダイナミックな構造物です。とても写真で、スケールと空気感を伝えきれるものではありませんでした)

★日々刻々と姿を変えつつある、東大門界隈をブラブラし、
(運動場跡は隣地の市場も飲み込み、巨大商業施設を建設中でした。歩道も広がり歩きやすくなっていたけど、昔日のゴチャゴチャした雰囲気の市場の面影は、刻々と消えつつあるようです)

★安国駅北側の韓屋村もブラブラして、夕ご飯にはお待ちかねの牛焼肉を食らい、
(夕方の韓屋街はいい雰囲気だけど、ギャラリーや博物館が多く、この時間に中に入れる韓屋はありませんでした。現代建設のおひざもとだけあり、身なりのよい勤め人が多い街。路地裏の焼肉屋も、しかしレベルの高い店でした)

★夜の道をタクシーで飛ばし、高麗大学に通う妹の下宿にちょっとだけお邪魔してきました。
(狭く、寝て勉強するだけの部屋といったイメージの強い考試院と聞いていて心配していたけど、広く設備も整っており、防犯設備もしっかりしていたので安心しました)


<4日目:5月4日>
★今回の旅で、僕が最も大きな目的にしていた新型高速列車・KTX山河に乗り込み、
(ヤマメをモチーフにしたという外観は、フランス生まれの既存KTXとは違った美しさ。丸窓の乗降扉も目をひきました)

★在来線列車のゆとりには負けるものの、全席回転式に改善された普通席の乗り心地を楽しみつつ、1時間で西大田に到着し、
(写真の特室車は、木目調の壁面になり雰囲気がよくなりました。グループ用のコンパートメントやスナックバーコーナーなど、旅を楽しめる設備も整っています)

★更に大邱まで出て、バスを乗り継ぎ、伝統的建築物と集落が現代に生きる村、河回村を3年ぶりに再訪、
(観光客が消え、夕日が茅葺き屋根を優しく照らす夕方から夜にかけてこそが、この村の魅力と思います。魂の故郷と感じた景色は、わずか3年で変わりも褪せりもするものでは ありませんでした)

★「柿の木の家」民宿の中庭で、安東名物の蒸し鶏と焼酎を味わいつつ、たまらなくいい気分で夜は更けていきました。
(35度の焼酎と、辛い蒸し鶏で火照った体を、夜風が優しく包む…夜風に乗って聞こえる虫の声と、部屋で近所のおばちゃんと共に伝統的な民族遊びに興じる宿主の歓声も、いいアクセントでした)


<5日目:5月5日>
★朝の燐とした空気に包まれた河回村を後にし、
(大邱から釜山へは、久々の在来線特急セマウル号。PCにマッサージチェアにカラオケにと何でもありのカフェカーは、KTXでは得られないゆとりです)

★わずか2時間の釜山での自由時間で、頼まれていた土産をすべて見つけ、満足して最後の昼食にビビンバを食らったものの、
(南浦洞にはロッテのスーパーができていて、日用食品を土産にするには便利になりました)

★パスポート紛失という大失態に気付き、祭日で手続きもできないため、急遽滞在が伸びることになり、
(これまで泊まった各ホテルに確認し、証明写真を撮り、交番では必死に紛失証明を取得しと、どっと疲れました)

★日本に帰った気分を味わおうと東横イン中央洞に投泊し、釜山港の夜景を見て夜は更けていきました。
(55,000ウォンは、ちょっと高値だったけど、落ち着きたい気持ちの方が勝っていました)


<6日目:5月6日>
★無事領事館で帰国のための渡航書を得たものの、今日のビートルはすべて満席のため、夜のカメリアラインまで時間が空き、
(突如休むことになったため、仕事先には緊急連絡。携帯代は、この2日間分だけで4,500円に達しました)

★安全に楽しめる観光として、午前中は1日目に乗れなかったオープン型観光バスを楽しみ、
(少し肌寒かったけど、爽快感は抜群。まだ運行を始めて数週間のようで、周囲の関心のまなざしが熱かったです)

★さらに午後は、乙淑島自然生態コースの観光バスで湿地の自然環境を学び、
(大都市の目と鼻の先なのに、渡り鳥の飛来地があるとは。釜山、なかなか奥深い都市のようです)

★11年ぶりのカメリアライン2等室では同室の人と意気投合、風呂にお酒にと気ままに過ごし、帰国しました。
(時間と旅費の都合でいつもビートルになってしまうけど、本当はゆったりした時間を過ごせるフェリーの旅が大好きです)

<7日目:5月7日>
 大急ぎで久留米に帰り、出勤。溜まった仕事を、夜までかかって片付けました…。