Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

九州新幹線ダイヤ発表【2】新ダイヤのここに注目・特急編

2010年12月19日 |  □九州新幹線全線開業
 平成23年春のJR九州ダイヤ改定では、新幹線はもちろん、在来線でも大きく動きがあります。項目だけでもかなりの数に上りますが、個人的に気になる点をピックアップしてみました。

■九州新幹線、攻めの運転本数

 新幹線の運転本数はほぼ予告どおりでしたが、時刻表を見ると、その本数と頻度に圧倒されます。近年開業した新幹線の中でも別格の規模で、「なぜ今まで新幹線がなかったのか」という思いにまで至りました。
 事前の情報では、博多~熊本間に1時間2本の各駅停車型を運転と報道されていましたが、実際には1本が新鳥栖・久留米のみ停車の速達型、1本が各駅停車となりました。新大阪直通列車については全駅に停車させるという配慮がありましたが、データイムは1時間に1本停車という駅は多く、九州島内列車については、速度重視のダイヤだと感じました。

■博多~佐賀間、特急1時間3本運転へ

▲特急「みどり」の一部も787系へ
 高速バスとの激しい競争が続く、福岡~佐賀間。4枚きっぷで半額以下の運賃を「実勢価格」として、わずか40分という所要時間を武器に、JRも善戦している区間です。
 とはいえ、博多~鳥栖間の過密ダイヤゆえ、小倉~博多~熊本間のような1時間3本運転には踏み切れていませんでした。今回、鹿児島本線特急が減る余裕を利用して、併結運転の「かもめ」「みどり」を分離することで、事実上の増発。多くの時間帯で、1時間3本運転を実現することになりました。
 「かもめ」が1時間間隔となる時間帯では、1時間2本運転に留まるのは残念な点。博多~佐賀間の区間列車で埋めてほしいところで、今後に期待したいと思います。
 佐賀市の「ベッドタウン化」は、ますます進みそうです。

■きりしま、鹿児島から宮崎を10往復

▲残るか?787系のグリーン個室
 国分までの区間運転「きりしま」が削減される一方、鹿児島中央と宮崎を結ぶ「きりしま」は2往復増発の10往復になります。「リレーつばめ」「有明」の787系電車もこちらへ転籍、立ち遅れていた車両の改善も達成されることになりました。客室乗務員の乗務も始まり、Aクラス特急の仲間入りです。
 787系のグリーン個室やボックスシートが、「きりしま」にも引き継がれるのかは、まだ分かっていません。2時間というやや長めの所要時間になることもあり、ぜひ残ってほしいなと思います。
 一方で、新八代駅から宮崎方面へ接続する高速バスの運行も決まっており、博多~宮崎間ではこちらの方が早く行けます。バス接続ルートと「きりしま」乗り継ぎルートを、どういう棲み分けで売り込んでいくのかも注目です。

■787系大移動、「にちりん」「ひゅうが」に加え、「かもめ」「みどり」にも

▲783系で運転継続?「にちりんシーガイア」
 787系が「にちりん」「ひゅうが」「きりしま」に転籍することは既報通りですが、783系で運転している「かもめ」全列車と、「みどり」の一部にも投入されるとのこと。「かもめ」の783系がどの列車に移動するのかは、今のところ発表がありません。
 また「にちりん」「にちりんシーガイア」には、客室乗務員も乗務するとのこと。長距離列車だけに、車内販売の復活も期待したいところです。

■さよなら「ドリームにちりん」

▲大分駅で長時間停車中の「ドリームにちりん」
 急行「日南」の流れを汲む夜行特急「ドリームにちりん」。夜を越える大分~延岡間の利用は少なく、いつまで持つのか危ういと感じていた列車ではありましたが、今回、ついに命運尽きることに。「にちりん」系統へ787系投入と聞いて、「ドリームにちりん」にも787系復活かと淡い期待を抱いていましたが、あえなく崩れてしまいました。
 これで、九州から夜行列車は姿を消すことになり、一つの時代の区切りとなります。なお廃止されるのは大分~延岡間で、残りの区間は「ソニック」「ひゅうが」として引き続き運転されます。

■豊肥本線観光特急は、4月29日デビューに

▲あそぼーい!の改造タネ車「ゆふDX」
 ゆふDXを大改造、まずは「ファミリー車両」を除いた3両編成で、新幹線と同時デビューすることになっていた特急「あそぼーい!」。その後、再検討が行われたようで、4両フル編成を揃えて4月29日にデビューすると、改めて発表されました。
 新幹線と同時デビューにした方がインパクトは強かったと思いますが、満を持してフル編成でのデビューを優先させたといったところでしょうか。なお4月29日までは、「阿蘇ゆるっと博」号を運転するとのこと。どの車両を使うのかが、気になります。

 その他にも、「かいおう」の時刻変更や、「九州横断特急」「くまがわ」の減便、区間変更なども行われます。JR九州始まって以来の大規模ダイヤ改定で、3月12日前後の787系電車の動きも、ファンとしては気になるところです。
 詳細な時刻は、2・3月号の時刻表で明らかになることでしょう。今から楽しみです。

九州新幹線ダイヤ発表【1】久留米視点で見てみれば

2010年12月19日 |  □九州新幹線全線開業

 17日(金)、予告通り、平成23年3月ダイヤ改定の概要が発表されました。注目の九州新幹線の詳細なダイヤや、平行在来線のダイヤも合わせて公表。新聞各紙によると、沿線自治体からは概ね肯定的な評価がなされているようです。
 まずは我が街、久留米からはどれだけ便利になるのか、JR九州のニュースリリースや、南日本新聞で公表されている時刻表から分析してみました。

■博多への特急通勤は劇的に便利に
 まずは朝の通勤時間帯。現行のダイヤでは、上り特急は5時台1本、6時台にはなく、7~8時台にはそれぞれ2本という陣容です。
 本当は増発したいのでしょうけれど、朝は普通電車の本数の確保が最優先で、特急をダイヤに入れる余裕がないものと察します。また普通電車に挟まれたダイヤになることから、二日市通過ながら昼間の特急に比べて4分長い、30分を要しています。

 これが新幹線では、6時台3本、7~8時台は4本ずつの本数を確保。また在来線特急も5時台に1本、7時台に2本残ることから、通勤時間帯の速達列車は合わせて14本と、現在のおよそ3倍にもなります。
 また新幹線なら、通勤時間帯でも所要時間は同じ。この時間帯の列車は新鳥栖停車で、所要時間は19~20分になります。西鉄電車も、朝の上りは急行で40分程度を要するので、勤務地によっては新幹線を選択する人も増えるかもしれません。
 久留米から博多の新幹線特急料金は200円アップに抑えられたので、新幹線定期券のアップも1ヶ月で3千円程度に留まるのではないかと思われます。

 朝の時間帯の10~20分は貴重で、特急定期からの乗り換えはもちろん、快速・普通からの転移も相当数が見込めるのではないでしょうか。またこれを期に、住まいに久留米を選ぶ人が増えればと思います。

■新大阪直通は昼間1時間に1本「程度」の感覚
 新大阪直通の「さくら」は、1日8往復が停車。久留米駅から、9、10、12、14、15、16、17時の46分発に乗れば、広島・岡山・神戸・新大阪まで乗換えなしで行けるようになります。昼間の時間で「穴」になっている11時台と13時台は代わりに新鳥栖停車になっているので、マイカー利用ならばこの時間帯、鳥栖まで行くという選択もあります。
 新大阪までは2時間58分。福岡空港まで出る手間を考えれば圧倒的に飛行機より便利で、時間的にも互角か、新幹線がやや有利といえそうです。
 出張に便利な時間帯は「みずほ」として運転されるので、久留米には停車しないのが残念なところ。博多駅では、可能な限り同一ホームで山陽新幹線と接続するようなので、「のぞみ」乗り継ぎであれば、「さくら」より早くなりそうです。

■少し不便な昼間の新幹線ダイヤ
 一方、博多への足として見た場合、久留米駅の停車本数は昼間1時間に3本で、現在と変化はありません。また新大阪直通「さくら」の停車を新鳥栖と分け合った影響で、時間帯によって発車時刻が変わるのも、分かりにくい点です。
 基本、9~17時台は毎時4、36、46分ですが、11時台と13時台のみ4、16、36分になるのでご注意を。1時間に3本といってもきれいな20分間隔ではなく、これは中間駅の宿命といえそうです。

 時刻表を見ずに久留米駅に行って、ちょうど特急が発車してしまい、次の列車を待って博多まで行く際の所要時間は、今は最大で52分(待ち時間25分+所要時間27分)。新幹線ダイヤでは、最大51分(待ち時間32分+所要時間19分)と、1分の短縮に留まる結果となってしまいました。このタイミングだと、新幹線を待つより快速に乗ってしまった方が早そうです。

 ダイヤの不揃いは熊本方面も同じですが、1時間3本のうち、2本は熊本までノンストップ。熊本まで21分で行ける列車が毎時2本というのは衝撃的で、速達効果が高そうです。

■快速が増える、普通は半分に
 在来線特急がほぼ廃止される一方で、快速電車は増発。昼間の時間帯では、久留米~博多間は1時間3本、久留米~大牟田間には1時間に2本運転されます。
 所要時間は、博多まで最速33分と、特急廃止でダイヤに余裕ができることから、現行よりはある程度のスピードアップは見込まれるようです。一方、現在25分程度で走っている大牟田からの所要時間は、筑後船小屋停車の影響もあり、若干伸びるようです。
 本数は倍増することから、羽犬塚や瀬高など、特急から見放される駅でも、まずまずの利便性が確保されることになります。

 一方、快速増発と引き換えに、荒木~大牟田間の普通電車は、昼間1時間に2本から1本へと、ローカル線然とした本数に減ってしまうことになりました。久留米市内であっても、西牟田駅は1時間に1本と、久大本線並みの本数になってしまいます。
 確かに、鳥栖~大牟田間の2両編成の普通電車は、いつもガラガラの印象ですが…なかなか踏み込んだ減便です。

 来年春のダイヤ改定では、減便や廃止になる列車もあり、利便性のアップになる地域とそうでない地域が分かれています。そんな中でも久留米は、全体的に見れば利便性がアップするといえそうです。来年の春が、今から楽しみになってきました。