1月2日は宮古から久慈へ、三陸鉄道・北リアス線で北上しました。
昨年は津波の被害で小本〜陸中野田間の35kmが不通で、この間の代行バスは1日2本、しかも休日運休という状態。このため小本で引き返し、一度八戸まで上ってから陸中野田へと下りました。
昨年の4月には田野畑〜陸中野田間が復旧し、不通区間は小本〜田野畑間の10.5kmにまで短縮。代行バスも1日6本に増発され、宮古と久慈の間もスムーズに乗り継げるようになっています。
震災数日後には、とにかく動かせる区間から列車を走らせ、全国からの注目を浴びた三鉄。津波に備え高台に線路を作ったことから、他線より被災した区間の長さが比較的短いこと、国からの支援を受けられることなど条件の違いはありますが、地域の足としての熱い自負心を何よりの原動力に、早期復旧を目指す鉄道会社です。
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三陸鉄道宮古駅。リニューアルを終えたJR駅に比べ、ちょっと質素な雰囲気ではあります。
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11:45の列車を待つ列。昨年、宮古〜小本間はわずか4往復の運転でしたが、7往復にまで増えました。徐行運転も解除された代わりに、特別割引運賃も終了。少しずつ、震災前の姿に近づきつつあります。
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著名人から寄せられた、応援の色紙。復興のシンボルとして、全国の注目を集めます。
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小本までの列車は、「手をつな号」。
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有名キャラクターたちが手を携える列車です。
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山の中を走った列車がはじめて海を望むのは、田老駅の前後。田老までの運行再開は震災わずか9日後で、がれきの中を走る列車の姿は驚きでした。
田老駅出発後も、津波浸水域を抜けるまで列車はしばらく徐行を続けました。アナウンスこそなかったものの、遠来の乗客に、目に焼き付けておいてほしい風景なのだと思います。
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小本着。田野畑までの県北交通バスは、列車代行ではない臨時バスのため、運賃は別払いになります。県北交通バスカードも使えます。
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島越駅を経由するため、海沿いに走るものとばかり思っていましたが、立派な自動車専用道の「三陸北道路」を登り始め意表を突かれました。
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海ははるか眼下で、島越駅との距離もかなりありそう。ただバスの経由する高台こそが田野畑村の中心部のようで、三鉄の駅以外にも細かにバス停が設けられていました。集団高台移転の用地も造成されていました。
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エンジンブレーキを駆使して山を下り、田野畑駅着。カンパネルラ田野畑の愛称が付いた駅舎はメッセージが掲げられ、かわいく改装されていました。
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駅の待合室には、29年前の開業時の新聞記事のスクラップが。この路線もまた、悲願の末に開業した鉄道でした。
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田野畑駅から、島越方面を望みます。来年にはこの先へ、宮古へ、列車が走ります。
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久慈駅行き列車が入線してきました。青い特別バージョンの車両の愛称は、「さんりく・しおかぜ」。その正体は…
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お座敷列車!しかもテーブルがこたつになった、三鉄名物「こたつ列車」です。2006年に走り始め、6年の歴史がある企画列車でしたが、昨年は不通区間が長く1年お休みになってしまいました。今年と来年までは田野畑〜久慈の1時間の旅路ですが、2年後の冬には宮古から乗れることになるのでしょう。
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大漁旗が揺れます。
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こたつといえば、みかん!車掌さんからの無料サービスです。ちなみに、こたつ列車の指定席料金は300円です。
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乗車券は、昔懐かしい硬券。鉄道会社としては駅員を配置せず、委託販売を行う駅で発行したことを示す「ム」印は、国鉄スタイルそのままです。
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トンネルが多くの区間を占める区間ですが、景勝地では徐行運転や一旦停止も。雪が降り始めましたが、あの日の高い波が嘘のような美しい風景です。
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トンネルの区間も、イベントに活かせるもの。真っ暗に照明が落とされ、現れたのは「なもみ」。なまはげの親戚??「悪い子はいねえが〜?」と車内を巡り、こたつに隠れる子あり、先手を打って「ごめんなさい!」と謝る子あり。車内がどっと沸きました。
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野田村に入ると、うずたかく積まれた災害廃棄物の山が現れます。
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女性車掌は、津波の遡上高さや堤防の決壊箇所などもきちんと解説。三鉄では被災地視察へのサポート事業も行っており、会社を窮状に追い込んだ大災害とも向き合い、経験を今後に活かす取組みを進めています。
このあたり、昨年の段階では線路の敷設もまだ行われていなかった区間で、1年で列車に乗れたことが感慨深かったです。
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久慈駅着。笑顔をつなぐ、ずっと…。
昨年は津波の被害で小本〜陸中野田間の35kmが不通で、この間の代行バスは1日2本、しかも休日運休という状態。このため小本で引き返し、一度八戸まで上ってから陸中野田へと下りました。
昨年の4月には田野畑〜陸中野田間が復旧し、不通区間は小本〜田野畑間の10.5kmにまで短縮。代行バスも1日6本に増発され、宮古と久慈の間もスムーズに乗り継げるようになっています。
震災数日後には、とにかく動かせる区間から列車を走らせ、全国からの注目を浴びた三鉄。津波に備え高台に線路を作ったことから、他線より被災した区間の長さが比較的短いこと、国からの支援を受けられることなど条件の違いはありますが、地域の足としての熱い自負心を何よりの原動力に、早期復旧を目指す鉄道会社です。
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三陸鉄道宮古駅。リニューアルを終えたJR駅に比べ、ちょっと質素な雰囲気ではあります。
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11:45の列車を待つ列。昨年、宮古〜小本間はわずか4往復の運転でしたが、7往復にまで増えました。徐行運転も解除された代わりに、特別割引運賃も終了。少しずつ、震災前の姿に近づきつつあります。
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著名人から寄せられた、応援の色紙。復興のシンボルとして、全国の注目を集めます。
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小本までの列車は、「手をつな号」。
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有名キャラクターたちが手を携える列車です。
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山の中を走った列車がはじめて海を望むのは、田老駅の前後。田老までの運行再開は震災わずか9日後で、がれきの中を走る列車の姿は驚きでした。
田老駅出発後も、津波浸水域を抜けるまで列車はしばらく徐行を続けました。アナウンスこそなかったものの、遠来の乗客に、目に焼き付けておいてほしい風景なのだと思います。
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小本着。田野畑までの県北交通バスは、列車代行ではない臨時バスのため、運賃は別払いになります。県北交通バスカードも使えます。
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島越駅を経由するため、海沿いに走るものとばかり思っていましたが、立派な自動車専用道の「三陸北道路」を登り始め意表を突かれました。
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海ははるか眼下で、島越駅との距離もかなりありそう。ただバスの経由する高台こそが田野畑村の中心部のようで、三鉄の駅以外にも細かにバス停が設けられていました。集団高台移転の用地も造成されていました。
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エンジンブレーキを駆使して山を下り、田野畑駅着。カンパネルラ田野畑の愛称が付いた駅舎はメッセージが掲げられ、かわいく改装されていました。
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駅の待合室には、29年前の開業時の新聞記事のスクラップが。この路線もまた、悲願の末に開業した鉄道でした。
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田野畑駅から、島越方面を望みます。来年にはこの先へ、宮古へ、列車が走ります。
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久慈駅行き列車が入線してきました。青い特別バージョンの車両の愛称は、「さんりく・しおかぜ」。その正体は…
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お座敷列車!しかもテーブルがこたつになった、三鉄名物「こたつ列車」です。2006年に走り始め、6年の歴史がある企画列車でしたが、昨年は不通区間が長く1年お休みになってしまいました。今年と来年までは田野畑〜久慈の1時間の旅路ですが、2年後の冬には宮古から乗れることになるのでしょう。
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大漁旗が揺れます。
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こたつといえば、みかん!車掌さんからの無料サービスです。ちなみに、こたつ列車の指定席料金は300円です。
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乗車券は、昔懐かしい硬券。鉄道会社としては駅員を配置せず、委託販売を行う駅で発行したことを示す「ム」印は、国鉄スタイルそのままです。
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トンネルが多くの区間を占める区間ですが、景勝地では徐行運転や一旦停止も。雪が降り始めましたが、あの日の高い波が嘘のような美しい風景です。
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トンネルの区間も、イベントに活かせるもの。真っ暗に照明が落とされ、現れたのは「なもみ」。なまはげの親戚??「悪い子はいねえが〜?」と車内を巡り、こたつに隠れる子あり、先手を打って「ごめんなさい!」と謝る子あり。車内がどっと沸きました。
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野田村に入ると、うずたかく積まれた災害廃棄物の山が現れます。
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女性車掌は、津波の遡上高さや堤防の決壊箇所などもきちんと解説。三鉄では被災地視察へのサポート事業も行っており、会社を窮状に追い込んだ大災害とも向き合い、経験を今後に活かす取組みを進めています。
このあたり、昨年の段階では線路の敷設もまだ行われていなかった区間で、1年で列車に乗れたことが感慨深かったです。
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久慈駅着。笑顔をつなぐ、ずっと…。