Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

SUN Q パスで巡る東九州【2日目・後】宮崎の山中は酒パラダイス

2017年05月04日 | ■旅と鉄道
 綾線の終点・酒泉の杜は、蕎麦焼酎でおなじみ雲海酒造の醸造所。ホテルや温泉、レストランにガラス工房まで伍する、山の中のテーマパーク?です。


 蕎麦焼酎だけではない! 地元産の葡萄を使った、綾ワインも醸造しています。


 結婚式でもできそうな雰囲気ですな。


 ワイナリーは見学自由。ガラス越しに、醸造場や瓶詰め工場を見学できます。


 芋焼酎の「木挽」も、雲海を代表するブランドの一つですね。雨の中、中庭には特設の試飲コーナーが開いていました。


 「コレ、試飲ですか?」思わず、係の人に聞いてしまいました。
 水割りは、スッキリごくごく飲める感じ。ご当地ではロックが一般的で、度数も他県向けは25度、鹿児島・宮崎向けは20度と分けてあるんだそうです。知らなかった。


 やはり本業は焼酎。ブランドもクラスも、多種多様です。
 お土産コーナーでは自由に試飲もできて、味比べも楽しい経験でした。


 綾自然蔵見学館へ。蔵見学は予約制で、事前にホームページから予約しておきました。
 1週間前の時点ではどの時間帯もガラガラだったけど、行ってみれば結構な人数。事前予約がベターです。


 エントランスから、立派な施設です。
 「綾手造り蔵」の中は撮影禁止でした。昔ながらの製法で、丁寧に作られた焼酎は、まさに「手作り」。雲海や木挽と違って、高級ブランドなんだろうな~簡単に飲めるものではないんだろうな~と早合点しながら巡りました。


 一巡りして焼酎への理解を深めた後は、お待ちかねの試飲コーナー。中庭を望む天井の高い試飲コーナーは、まるでビアホールみたいです。


 実際に、地ビールもあります。こちらは飲み放題ではなく、2杯まで。


 というわけで、まずはビールで乾杯!
 ワインは、試飲機で好きなだけ楽しめます。


 焼酎はおなじみの銘柄の他、自然蔵で仕込んだ高級ブランドも自由に飲み放題。ここぞとばかりに、ぐいぐい頂きました。いい香りです。
 ただ後から売店で見たところ、高級ブランドでも1瓶で2千円しないんですね。やっぱり焼酎、庶民の味方です。




 だいぶ酔っぱらってしまいました。敷地内にある古民家を見学したような記録は残っているものの、記憶は曖昧です。


 名残り惜しくも、酒泉の杜16時25分の最終バスで、酒の天国を後にしました。
 宿泊施設や温泉もあるようなので、ぜひ今度はゆっくり泊まりに来たいものです。


 宮崎交通のバスには、最前席と最後部の真ん中の席に、シートベルトが備わっています。


 綾の待合所で下車。この先は1時間に1本程度のバスがあるので、1本落として、酔い覚ましの街中散歩に出かけました。


 バス停から、道向かいの綾手づくりほんものセンターへ。


 酒に焼けた胃に、アイスが染みわたります。


 小雨降る中、歩いて坂道を上り、綾城址へ。酔っ払いの行動力は、恐ろしいものがあります。


 しかも入口だけ見て、引き返しちゃうし。




 かつては日本一の規模を誇った照葉大吊橋には行けなかったけど、公園の名もなき吊り橋は渡れました。リアルに恐怖を感じる高さではあります。


 綾待合所17時30分のバスで、宮崎市内へと戻ります。
 綾出発時点でこそガラガラだったバスも、市内に近づくにつれて乗り込む一方で、中心部に着く頃には立客も出るほどでした。


 綾発のバスは宮交シティ行きだったので、バスを乗り換えてJR宮崎駅へ向かいました。
 明後日のバス指定券を調達するため、駅前のバスの切符売り場へ。JR九州ホテルも入居する駅前の複合ビル「KITEN」内にあります。


 再びバスに乗り、中心街へ。短区間の乗車では、運賃がかからないことはもちろん、小銭をジャラジャラ準備しなくてもいいというのもパスのメリットです。
 夜の商店街は、歓楽街に近いこともあってひときわ賑やか。


 今夜はアーケードからアートセンターにかけて、おいらん、芸者、舞妓たちが練り歩く、宮崎おいらん道中なるイベントが開かれていました。


 「だれやみ」とは、晩酌や、疲れを癒すために飲むことを指す、宮崎弁の一つ。飲み屋の屋号や、飲み屋のプランの名前など、あちこちで見かけたワードです。


 ネオン輝く歓楽街は、連休を楽しむ人でいっぱいです。予約なしで入れるような、適当なお店も見つかりません。昼も飲み過ぎたしなあ…


 ならば夕食は酒抜きにしよう!というわけで、アーケードから一歩脇に入った通りにあった、珈琲houseメルビィ に入りました。
 繁華街の夜の喫茶店なのに、お客さんは若い人ばかり。深夜帯の郊外のファミレスのような客層です。


 宮崎名物、チキン南蛮をいただきます。1人前850円。
 待った甲斐あって、揚げたてサックリで美味でした。


 夜も9時前、ぼちぼち宿に入りましょう。少し街から離れた宿なので、またまたバスに頼ります。
 橘通3丁目のバス停は、宮崎県産杉でできていてユニーク。こんなバス停あるといいな~コンテストなるコンペの、入賞作なのだとか。


 しかし「九州のバス時刻表」を見てみれば、乗る予定の小林方面のバスは、3丁目に停車しないことが判明。急いで、隣のボンベルタ前に移動しました。
 この図、よく頭に入れておかねば。


 小林方面のバスは観光バスタイプで、レトロな雰囲気でした。ゆっくりくつろぎたい気分とは裏腹に、ものの数分で到着です。
 休日ダイヤのこの日、ホテル最寄りの大工町停留所は、なんと9時4分のこのバスが最終。昼間は10分と待たずにバスが来るのに、夜はずいぶん早いです。


 宮崎でのホテル探しは、大分以上に難航しました。変哲もないセミダブルの部屋に1万5百円を許容したもの、GWであればこそです。


 ユニークだったのは、温泉水付きだったこと。ポリタンクに入った温泉をお風呂に注げば、温泉気分…との触れ込みでした。
 実際入れてみたものの、うーむ、よく分からん(笑)。肌への効果は、昨日の大分での男性化粧品によるものなのか判断に悩みつつ、床に就いたのでした。

SUN Q パスで巡る東九州【2日目・前】「パシフィックライナー」で近づいた?大分~宮崎

2017年05月04日 | ■旅と鉄道

 ホテルを出発。飲みの待ち合わせ場所のイメージが強いジャングル公園。しげしげ眺めたこともなかったのですが、たしかに日光の下で見ると木が多く、ジャングルの雰囲気があります。


【パシフィックライナー】大分トキハ前⇒宮崎カリーノ前


 徒歩で約10分、大分のバスターミナル的存在のトキハ前へやってきました。実質的な、大分駅前のバスターミナルになっています。


 バス停に面して「のりあいバスプラザ」なる、乗車券販売所と待合所があります。バスの接近表示機もあって、吹きさらしで待つほかなかった学生時代に比べれば、ずいぶん改善されました。


 トキハ前から高速バス「パシフィックライナー」で、一気に宮崎へ下ります。2015年の東九州道「ほぼ」全通に合わせて登場した、新路線の1つです。
 新路線ながら、バスは見慣れた亀の井バスの高速バス。福岡行き「とよのくに号」のお下がりのようです。


 座席は4列配置で、3時間半(別府からなら4時間)の長時間乗車にはちょっと窮屈。ただ基本運賃自体が3,500円(平日は2,800円、さらにWeb割もあり)とかなり割安になっているので、格安高速バス的な位置付けなのかもしれません。
 大分交通と大分バスの担当便は3列シートなので、時間に自由がきくなら、狙いをつけるのも賢い選択です。


 大分駅のロータリに進んだバスは、しかし駅前に入らず左折し、要町バス停へ。一応、大分駅の高速バス乗り場と位置付けられているバス停なのに、駅も見えない場所に追いやられ、ひどい扱いです。
 たしかにJRの特急とは真っ向から挑みあうライバル関係ではあるけど、交通事業者同士、いがみ合っている場合でもないと思うんですが…。


 米良バイパスで大分市内を南に下り、大分米良から東九州道へ。津久見までは、2003年までの大分の学生時代に開通していたので、おなじみの区間です。
 乗客は、僕らを含め総勢17人。大荷物の人が多く、北九州~大分間より、明らかな「遠出」な雰囲気を感じます。


 車窓に映るのは、見慣れた大分の山々。佐伯付近では荒れた山林が多くみられ、林業県の行方が気になりもしました。


 佐伯ICで料金所を通過。佐伯~門川間は高速会社ではなく、国・自治体が建設した新直轄方式の区間のため、通行料金は無料です。
 なぜ同じような規格の道路なのに、佐伯を境に無料になるのかさっぱり分からないのですが、ともかくそういうことになっています。


 佐伯を超えると、急に流れが良くなりました。最高速度が70kmから80kmにアップしたのです。
 よく見れば、佐伯までは上下2車線の間にポールが立っていただけだったものが、しっかりしたコンクリート製の分離帯になっています。路肩の寸法も、いくぶん余裕があります。


 トンネルの幅も、こころもちゆったりしているようです。佐伯までは、将来4車線にすることを前提に、下り線のみを完成させて対面通行としている「暫定2車線」と呼ばれる区間。一方、佐伯以南は将来的に4車線にしない代わりにスペックを上げた「完成2車線」なのです。
 いつまでも4車線にならない「暫定」よりも、よほど実があるように思えます。


 鉄道にとっては難所で、人里離れた山間部を延々と走る佐伯~延岡の県境区間。高速道路は長大トンネルでショートカットし、いつの間にか日向灘が見えてきていました。
 高速道路から見下ろす日豊本線は、ほそぼそとした隘路に見えます。ただ大分~宮崎間の特急「にちりん」は、高速開通後もほとんど値下げなしの5,140円(2枚きっぷの1枚あたり)。本数も1時間に1本とバスより多く、案外強気です。


 北川ICで一旦高速を降りてすぐの、道の駅北川はゆまへ。無料区間ならではの芸当で、道の駅は国道のドライブイン、高速のSA両方の役割を果たしています。


 ここで10分間の休憩。途中の休憩時間は、長距離路線バスの旅の楽しみの一つです。長時間停車も車内販売もない特急列車より、楽しみがあるという見方もできそう。
 さすがはGW、盛り場のような賑わいでした。


 ちょうど大分方面のパシフィックライナーが、真横に並びました。宮崎交通の担当便は、4列シートながら新型車で、座席がゆったりしているそう。トイレもパウダールーム付きの巨大なものと聞いていて、あっちに乗ってみたかった!


 北川以南は、再び暫定2車線区間に。延岡~宮崎間はともかく、北川~延岡間が4車線になる日なんて来るんでしょうか。完成2車線という選択も、あったのではないかなと思います。


 門川からは、また有料区間に。


 日豊本線よりも高い場所を走る、東九州道。太平洋の大海原も、高い視線から見晴らせます。


 延岡~宮崎間の都市間高速バス「ひむか」が、直前を先行します。


 高速を降り、大淀川を降りれば宮崎市街地。途中の休憩があったおかげで、思っていたよりは短い旅路でした。
 それでも大分~宮崎3時間半は、福岡~鹿児島に迫る所要時間。同じ東九州の隣県は、高速が開通してもまだまだ遠き地ではあります。


 宮崎駅の手前、カリーノ宮崎前で下車。


 向かい側には宮崎の百貨店・山形屋(やまかたや)がそびえる、宮崎市街地の中心部です。宮崎市内のバスが交差する交通結節点ながら、バス停の上下線で名前がそれぞれ異なり、乗りこなすにはバス停の位置関係を抑えることが大切です。


 山形屋のロッカー(有料200円)に荷物を預け、昼食を求め街歩きに出発。


 中心部で幹線道路は広いのに、一歩脇道に入ると店の並ぶ路地が張り巡らされ、迷路を歩くような楽しみがあります。宮崎名物、チキン南蛮の某有名店も路地の中。


 アーケード街からも路地が伸び、テレビ東京の某街ぶら番組のいう「商店街in商店街」もありました。




 古びたアーケードは、店が抜けたり屋根が朽ちかけてたりと、少し寂しい風情も醸し出しつつ…


 新しいラーメン屋や「肉バル」、古着屋なんかも入居してて、新旧の雰囲気のミスマッチが楽しい界隈になっています。


 そんな中の一軒、漁師魚屋へ。ぜんぶが屋外席で、街中で浜焼きを楽しめる、漁師の直営店です。
 昼間からビールを交えた女子会で盛り上がる席もあり、気楽になれる場。浜焼きもいいけど、時間もないので気軽なランチを頼んでみました。


 フライ定食(手前)、刺身定食(奥)ともに850円!刺身定食の刺身なんて、これだけで850円取られそうなボリュームです。品数も豊富、あら汁もだしが出てておいしかった!
 海辺の空気をアーケード街で感じられる、楽しい体験でした。


【宮崎交通綾線】宮交橘通支店前⇒酒泉の杜


 お腹も膨れたところで、バス旅を再開。まずは宮崎市から北西へ1時間、綾町を目指します。


 宮崎神宮や文化公園など、緑豊かな市内のオアシスを抜ければ郊外へ。
 バスが東九州道と交差する時、高速道路上の国富バスストップが見えました。綾線の塚原入口バス停までは、歩いて10分もかからなそう。「パシフィックライナー」は通過だけど「ひむか」は停車するので、うまく使えばショートカットコースになりそうです。


 国富バスセンター。バス全盛期には立派なターミナルがあったことを想像させるバス停名ですが、今はコンビニと一体化しています。
 もっとも、ポール一本のただの「バス停」と化してしまうよりは、ずっと便利で実用的ではありますね。


 ほとんどの座席が埋まっていたバスも、綾待合所で地域の利用客を降ろせば数えるほどの乗客に。田んぼの中を走って数分、終点の酒泉の杜に到着しました。
 さあ、飲むぞ!