10月の最終週は、鹿児島県・十島村の島々を縦断する「トカラ島めぐりマラソン」に応募していましたが、定員超過! 残念ながら抽選で外れてしまいました。
十島がだめなら三島だ!というわけで、三島村・硫黄島への旅をB案として準備。結局トカラマラソンの補欠当選通知は来ず、3度目の硫黄島旅行が決定しました。
金曜日、ちょっとだけ残業を片付けてから、そのまま久留米駅へ。新幹線に乗ってしまえば、8時過ぎには鹿児島に着いてしまうのだから、新幹線はやっぱり便利です。
新幹線の接続を受け、大混雑の路面電車に乗り換えて、天文館へ出ました。
本日のお泊りは、繁華街のど真ん中にあるこのビジネスホテル。昭和レトロな空気満点です。
ロビーには漫画本がずらり並び、無料のマッサージチェアまで。出張で滞在するには、うってつけですね。
部屋も、地デジのテレビが似合わない昭和な雰囲気。チェーンロックがなかったのがちょっと不安だった以外は、満足のホテルでした。
夜も9時を回りましたが、街に出て居酒屋で薩摩の味を堪能。深夜営業の地元スーパーで買い出しをして、部屋に戻った時はてっぺんを回っていました。おやすみなさい!
朝は、これまた昭和の喫茶店な雰囲気の朝食会場で、朝ごはん。昼ごはんはまともに食べられないはずなので、しっかりお腹に詰め込んでおきました。
タクシーで約5分、鹿児島港南ふ頭の三島ターミナルへ。奄美や種子島方面の立派なターミナルに比べると、売店もない質素な建物です。
硫黄島まで往復7,200円の切符を買って、さっそく乗船。
三島航路は国の支援を受け、この10月から、週3便から週4便へと増便されました。平日でも行きやすくなり、観光客の増加も期待されているところ。
デッキに上がると、遠く霧島を望めました。3度目にして初めてのことで、今回は特に天候に恵まれそうです。
硫黄島といえばジャンべ!
硫黄島への入出港時はギニアの伝統打楽器「ジャンべ」のリズムで出迎えてくれるのが「恒例」なのですが、今回はイベントのため鹿児島港にもジャンべ隊が集結していて、鹿児島出港でも見送りがありました。
9時半、定刻に出航。テープでの見送りと、「手形」を振っての行ってらっしゃいコールもあり、いつにも増して盛大な見送りに。3度目でも、胸が熱くなります。
今日は鹿児島市から「ハカセと遊ぶ硫黄島2日間 花火師に教わる線香花火作り」なるツアーが組まれていて、鹿児島市職員のガイドさん引率の団体さんが乗船していました。
よい旅になられんことを!
錦江湾内は物流の大動脈。南西諸島への大型貨物船や、半島の対岸を結ぶカーフェリーとひっきりなしにすれ違います。
屋久島行きの水中翼船が、勢いよく追い抜いて行きました。
太陽キラリ。雲一つない晴天が続きます。
きれいな円錐形の開聞岳に見送られれば、外洋への船出です。
白波立つ海面。晴天とは裏腹に、波は高めです。断続的な縦揺れに加えて横揺れも始まり、カメラのアングルも斜めになりがち。乗り物酔いに弱くないはずの僕でも、少しへばってきました。
沖合に姿を見せた硫黄島の影が、なかなか近付いてこないことに、ちょっと恨めしくもあります。
鹿児島出港から約3時間、ようやく最初の寄港地・竹島が見えてきました。しばらく揺れから逃れられることに、少しほっとします。
その名の通り、島全体が竹林に覆われた島です。島の集落は、港とは反対側にあります。
週4回だけの鹿児島からの入港。出迎えと物資の受け取りに、島中の人が集まってきます。船に装備されたクレーンが、せわしなく荷捌き。離島の生活が垣間見えるひと時です。
竹島を出港すれば、硫黄島まではあと一息。波も落ち着き、元気が戻ってきました。
水蒸気を噴き上げる硫黄岳が、ずんずんと迫ってきます。
山腹からも上がる噴煙。人を寄せ付けない荒々しさは、健在です。
硫黄岳を南から回り込み、島西部の港へ。海底から湧き上がる硫黄分で、港内の海は茶色に染まっています。
そしてここでも、ジャンべのリズムがお出迎え。ジャンべを叩いているのは2人だけでしたが、港に鳴り響く調べは高らかです。
ジャンべの音を聞くと、硫黄島に来た感を強くします。
タラップを渡って上陸。空は青く、亜熱帯の植物が並び、南国の雰囲気です。
「定宿」の島宿ほんだは満室だったので、港から集落に入ったところにある民宿ガジュマルに宿を取りました。おばあちゃんが一人で仕切る、素朴な宿です。
部屋には、古いお札がずらり。結構な価値がありそうですが、鍵もかけない部屋に飾れるのは、さすが離島ですね。
さて島の滞在は、明日の朝10時までの短い時間。さっそく島の探検に出発です。
島の真ん中にある「冒険ランドいおうじま」。市外ですが鹿児島市の施設です。ツアー参加者はここが宿のようで、バーベキューの準備が進んでいました。ダイナミックな山を見ながらのキャンプも、楽しいだろうな。
僕らが目指したのは、冒険ランドからさらに分け入ったところにある、稲村岳への登山道。島宿ほんだのおかみさん達が、手作りで整備した道です。
前回は船の時間が迫っていて途中で断念しており、今回再チャレンジになります。
麓の登山口から標高236mまでを、一気に450mで登り切る、超急こう配の登山道。階段があるのは序盤だけで、あとは竹に結ばれたロープが頼りです。
一気に登っていくので、すぐに息が上がってしまいます。50mごとに小休止。
25分で登頂成功!島の中でも高い位置にある牧場も、眼下に見えます。
硫黄岳の威容も、真横から。
硫黄岳にも登山道があるのを確認できますが、活発な活動が続いていて一般登山者の立ち入りは長らく禁止されています。あちこちから水蒸気が上がる様子を見ていたら、とても登る気なんてしませんが。
下山して、さらに歩くこと30分、島の東海岸に出てきました。夕方5時前、日没が迫る時間になり、海もオレンジに色づきつつありました。
海は、硫黄分で薄い青色に染まります。
海岸の岩場を歩いて行った先にあるのが、東温泉。海を臨む、野趣満点の露天風呂です。
先客に挨拶して、ドボン!自然と一体になったかのような、爽快な気分。僕が硫黄島に何度でも訪れたくなるのは、この気分をまた味わいたくなるからです。
島影に陽が落ち、海も色味を増してきます。自然の中にいることを実感するひとときでした。
硫黄島の集落までは、海岸沿いの道が30分で行けて近道…だったのですが、ロープが張られ荒れた様子。どうやらがけ崩れで通行止めになっているようです。仕方なく山越えルートを戻りました。
初めて来た時には朝食後、船の出港までにひと風呂浴びに行ったものです。車があればさほど困らないんだろうけど、歩きで行くにはちょっと遠くなってしまいました。
冒険ランドからは、賑やかな声が。例のツアー、夕食の時間のようです。天気も良好、いい宴になるといいですね。
僕らも夕食を終えて、波止場で一杯。肴は、天の川が見えるほどの、満天の星空です。
団体さんの歓迎なのか、花火も打ち上がりトクした気分。離島の夜は、満ち足りた気分で更けて行きました。
十島がだめなら三島だ!というわけで、三島村・硫黄島への旅をB案として準備。結局トカラマラソンの補欠当選通知は来ず、3度目の硫黄島旅行が決定しました。
金曜日、ちょっとだけ残業を片付けてから、そのまま久留米駅へ。新幹線に乗ってしまえば、8時過ぎには鹿児島に着いてしまうのだから、新幹線はやっぱり便利です。
新幹線の接続を受け、大混雑の路面電車に乗り換えて、天文館へ出ました。
本日のお泊りは、繁華街のど真ん中にあるこのビジネスホテル。昭和レトロな空気満点です。
ロビーには漫画本がずらり並び、無料のマッサージチェアまで。出張で滞在するには、うってつけですね。
部屋も、地デジのテレビが似合わない昭和な雰囲気。チェーンロックがなかったのがちょっと不安だった以外は、満足のホテルでした。
夜も9時を回りましたが、街に出て居酒屋で薩摩の味を堪能。深夜営業の地元スーパーで買い出しをして、部屋に戻った時はてっぺんを回っていました。おやすみなさい!
朝は、これまた昭和の喫茶店な雰囲気の朝食会場で、朝ごはん。昼ごはんはまともに食べられないはずなので、しっかりお腹に詰め込んでおきました。
タクシーで約5分、鹿児島港南ふ頭の三島ターミナルへ。奄美や種子島方面の立派なターミナルに比べると、売店もない質素な建物です。
硫黄島まで往復7,200円の切符を買って、さっそく乗船。
三島航路は国の支援を受け、この10月から、週3便から週4便へと増便されました。平日でも行きやすくなり、観光客の増加も期待されているところ。
デッキに上がると、遠く霧島を望めました。3度目にして初めてのことで、今回は特に天候に恵まれそうです。
硫黄島といえばジャンべ!
硫黄島への入出港時はギニアの伝統打楽器「ジャンべ」のリズムで出迎えてくれるのが「恒例」なのですが、今回はイベントのため鹿児島港にもジャンべ隊が集結していて、鹿児島出港でも見送りがありました。
9時半、定刻に出航。テープでの見送りと、「手形」を振っての行ってらっしゃいコールもあり、いつにも増して盛大な見送りに。3度目でも、胸が熱くなります。
今日は鹿児島市から「ハカセと遊ぶ硫黄島2日間 花火師に教わる線香花火作り」なるツアーが組まれていて、鹿児島市職員のガイドさん引率の団体さんが乗船していました。
よい旅になられんことを!
錦江湾内は物流の大動脈。南西諸島への大型貨物船や、半島の対岸を結ぶカーフェリーとひっきりなしにすれ違います。
屋久島行きの水中翼船が、勢いよく追い抜いて行きました。
太陽キラリ。雲一つない晴天が続きます。
きれいな円錐形の開聞岳に見送られれば、外洋への船出です。
白波立つ海面。晴天とは裏腹に、波は高めです。断続的な縦揺れに加えて横揺れも始まり、カメラのアングルも斜めになりがち。乗り物酔いに弱くないはずの僕でも、少しへばってきました。
沖合に姿を見せた硫黄島の影が、なかなか近付いてこないことに、ちょっと恨めしくもあります。
鹿児島出港から約3時間、ようやく最初の寄港地・竹島が見えてきました。しばらく揺れから逃れられることに、少しほっとします。
その名の通り、島全体が竹林に覆われた島です。島の集落は、港とは反対側にあります。
週4回だけの鹿児島からの入港。出迎えと物資の受け取りに、島中の人が集まってきます。船に装備されたクレーンが、せわしなく荷捌き。離島の生活が垣間見えるひと時です。
竹島を出港すれば、硫黄島まではあと一息。波も落ち着き、元気が戻ってきました。
水蒸気を噴き上げる硫黄岳が、ずんずんと迫ってきます。
山腹からも上がる噴煙。人を寄せ付けない荒々しさは、健在です。
硫黄岳を南から回り込み、島西部の港へ。海底から湧き上がる硫黄分で、港内の海は茶色に染まっています。
そしてここでも、ジャンべのリズムがお出迎え。ジャンべを叩いているのは2人だけでしたが、港に鳴り響く調べは高らかです。
ジャンべの音を聞くと、硫黄島に来た感を強くします。
タラップを渡って上陸。空は青く、亜熱帯の植物が並び、南国の雰囲気です。
「定宿」の島宿ほんだは満室だったので、港から集落に入ったところにある民宿ガジュマルに宿を取りました。おばあちゃんが一人で仕切る、素朴な宿です。
部屋には、古いお札がずらり。結構な価値がありそうですが、鍵もかけない部屋に飾れるのは、さすが離島ですね。
さて島の滞在は、明日の朝10時までの短い時間。さっそく島の探検に出発です。
島の真ん中にある「冒険ランドいおうじま」。市外ですが鹿児島市の施設です。ツアー参加者はここが宿のようで、バーベキューの準備が進んでいました。ダイナミックな山を見ながらのキャンプも、楽しいだろうな。
僕らが目指したのは、冒険ランドからさらに分け入ったところにある、稲村岳への登山道。島宿ほんだのおかみさん達が、手作りで整備した道です。
前回は船の時間が迫っていて途中で断念しており、今回再チャレンジになります。
麓の登山口から標高236mまでを、一気に450mで登り切る、超急こう配の登山道。階段があるのは序盤だけで、あとは竹に結ばれたロープが頼りです。
一気に登っていくので、すぐに息が上がってしまいます。50mごとに小休止。
25分で登頂成功!島の中でも高い位置にある牧場も、眼下に見えます。
硫黄岳の威容も、真横から。
硫黄岳にも登山道があるのを確認できますが、活発な活動が続いていて一般登山者の立ち入りは長らく禁止されています。あちこちから水蒸気が上がる様子を見ていたら、とても登る気なんてしませんが。
下山して、さらに歩くこと30分、島の東海岸に出てきました。夕方5時前、日没が迫る時間になり、海もオレンジに色づきつつありました。
海は、硫黄分で薄い青色に染まります。
海岸の岩場を歩いて行った先にあるのが、東温泉。海を臨む、野趣満点の露天風呂です。
先客に挨拶して、ドボン!自然と一体になったかのような、爽快な気分。僕が硫黄島に何度でも訪れたくなるのは、この気分をまた味わいたくなるからです。
島影に陽が落ち、海も色味を増してきます。自然の中にいることを実感するひとときでした。
硫黄島の集落までは、海岸沿いの道が30分で行けて近道…だったのですが、ロープが張られ荒れた様子。どうやらがけ崩れで通行止めになっているようです。仕方なく山越えルートを戻りました。
初めて来た時には朝食後、船の出港までにひと風呂浴びに行ったものです。車があればさほど困らないんだろうけど、歩きで行くにはちょっと遠くなってしまいました。
冒険ランドからは、賑やかな声が。例のツアー、夕食の時間のようです。天気も良好、いい宴になるといいですね。
僕らも夕食を終えて、波止場で一杯。肴は、天の川が見えるほどの、満天の星空です。
団体さんの歓迎なのか、花火も打ち上がりトクした気分。離島の夜は、満ち足りた気分で更けて行きました。