今年3月、九州新幹線は新八代~鹿児島中央の部分開業から10年を迎えました。ホーム対面乗り換えという斬新な方式でデビューしてから10年、3年前には全線開通を果たし、今や九州の基幹交通として大活躍しています。
この記念すべき春のダイヤ改定の日に合わせ、1万円で博多~鹿児島中央が乗り放題になる「開業10周年感謝・九州新幹線フリーきっぷ」が発売されました。そこで改めて、3年目・10年目の九州新幹線の全駅を巡る旅に出かけました。
■立体駐車場が間もなくオープン!久留米駅
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まずは、地元の久留米駅からスタート。久留米市のゆるキャラ「くるっぱ」生誕1年と、草野の「世界のつばき館」オープンとタイアップして、15日、16日には記念イベントが開催されました。
朝9時前とあって、駅前はまだ出店の準備中でした。昼は大勢の来場者で賑わったようです。
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自由通路でも、イベントの準備が着々と進んでいました。
ここではいつも、久留米ゆかりの歌手たちのヒットソングが流れています。
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さて3年目の新幹線久留米駅の話題といえば、西口の立体駐車場がオープン間近なこと。
民間・市営合わせて駐車場は余裕があり、満車になることはあまりありませんでしたが、今回オープンの立体駐車場は屋根付き通路で駅に直結。雨の日でも濡れずに乗れて、ますます快適になります。
■名実ともに公園の中の駅へ・筑後船小屋
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「つばめ」で下り、筑後船小屋駅へ。駅周辺に広がる筑後広域公園の整備が進み、「公園の中の駅」というコンセプトが目に見えてきました。
公園内を1kmほど歩いていくと、温泉施設や物販店もあります。ちょっと距離がありますが、公園の散策と思えば気持ちいいかも。
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そしてこの3年間でもっとも大きな変化といえば、駅前の九州芸文館のオープン。隈研吾氏設計の3つの特徴的な建物が並ぶ、芸術文化交流施設です。
その名も「ななつ星」と呼ぶカフェレストランもあり、降りて楽しい駅に変貌しました。
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利用者数低迷の一因でもあったと思われる駐車場不足は、駅裏の砂利敷きの暫定駐車場整備で解消が図られましたが、正式な駐車場の工事も年度内完成に向けて進んでいました。
■イベントで賑わう・新大牟田駅
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筑後船小屋からは一旦新玉名に下り、上り列車で新大牟田へ戻って来ましたが、駅の順番通り新大牟田から先に紹介します。
新大牟田駅でも、イベントを開催中。ミニSLや鉄道模型、1周年の際にもお見かけした抹茶のサービスもお目見えしており、大勢のギャラリーで賑わっていました。
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東口には民間、西口には市営の駐車場が立地していますが、西口の市営駐車場は拡張が進んでいました。
筑後船小屋や新大牟田は、利用者数が低迷している駅として上げられることが多かったのですが、いずれも駐車場の増設が進んでいます。それだけ、パーク&ライドの割合が多いということでしょう。
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東口には宅地が造成されましたが、まだ家が立ち並ぶには至りません。一部の区画は、月極駐車場になっていました。
■無料駐車場が功を奏したが・新玉名駅
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新玉名駅は、開業当初から想定通りの乗降客数を記録しており、筑後船小屋や新大牟田に比べ好調ぶりが際立っていました。博多まで遠く速達効果が高いことに加え、駅を乗り換え拠点と割り切り、巨大な無料駐車場を整備したのが功を奏しています。
ただ無料駐車場は好評すぎるのか、東口の送迎ロータリーには無断駐車の車が何台も停まっていました。
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西口も駐車場不足を解消するため、駅前広場や芝生の公園も、駐車スペースに使われていました。
暫定的な措置ならば仕方ないのですが、あまり好ましい眺めではありません。中長期的には、きちんとした駐車場整備に進んで行ってほしいと思います。
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駅内のカフェや土産屋を除けば、店らしい店もなかった駅周辺ですが、電気屋さんとホームセンターが進出していました。
■在来線の高架化工事が進む・熊本駅
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熊本駅に入る直前、東側の車窓には工事が進む在来線高架橋が姿を現します。
駅ではすでに、一部のホーム上屋が立ちあがり始めていました。木造(おそらく熊本県産材でしょう)の上屋は特徴的で、はやくも完成が楽しみです。
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今日は1万円乗り放題に加え、隣接駅間を500円で利用できる「ワンコインきっぷ」も発売。
子どもと一緒に新幹線体験ということか、新玉名~熊本の1駅間を乗る親子連れの姿が目立ちました。
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ホームを降りると、県内各地のパンフレット詰め合わせを持った女性たちがお出迎え。
震災翌日でイベントが中止になる中、最小限の歓迎行事が行われた開業の日を思い出しました。
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白川口の広場ではイベント開催中。出張開店中の人吉ラーメンを、お昼ごはんにしました。
開業1周年の際は、各駅ごとのイベントもダイヤ改定の日に行われましたが、今年は1週間前に行われた駅もいくつかありました。
■駅前の変化よりも駅内の変化が大きい・新八代駅
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暫定開業時から7年間は、新幹線と在来線のホームタッチ乗り継ぎで賑わった新八代。
かつての在来線ホームは新幹線規格に改軌されていますが、通常列車が乗り入れることはありません。
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新幹線とバスの乗り継ぎで、宮崎までを陸路最速で結ぶ「B&Sみやざき」も3周年。
これまで10人も乗らない姿ばかり見てきたので、15人ほどが乗り継いだ様子を見て少しほっとしました。
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駅周辺は、東横インやマンションがあるくらいで、あとは田んぼが広がるのどかな風景が広がります。
見どころといえば、駅から徒歩5分の物産館と、松中信彦スポーツミュージアム。駅のイベントに協賛して、ミュージアムは無料開放されていました。
後編に続きます。
この記念すべき春のダイヤ改定の日に合わせ、1万円で博多~鹿児島中央が乗り放題になる「開業10周年感謝・九州新幹線フリーきっぷ」が発売されました。そこで改めて、3年目・10年目の九州新幹線の全駅を巡る旅に出かけました。
■立体駐車場が間もなくオープン!久留米駅
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まずは、地元の久留米駅からスタート。久留米市のゆるキャラ「くるっぱ」生誕1年と、草野の「世界のつばき館」オープンとタイアップして、15日、16日には記念イベントが開催されました。
朝9時前とあって、駅前はまだ出店の準備中でした。昼は大勢の来場者で賑わったようです。
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自由通路でも、イベントの準備が着々と進んでいました。
ここではいつも、久留米ゆかりの歌手たちのヒットソングが流れています。
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さて3年目の新幹線久留米駅の話題といえば、西口の立体駐車場がオープン間近なこと。
民間・市営合わせて駐車場は余裕があり、満車になることはあまりありませんでしたが、今回オープンの立体駐車場は屋根付き通路で駅に直結。雨の日でも濡れずに乗れて、ますます快適になります。
■名実ともに公園の中の駅へ・筑後船小屋
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「つばめ」で下り、筑後船小屋駅へ。駅周辺に広がる筑後広域公園の整備が進み、「公園の中の駅」というコンセプトが目に見えてきました。
公園内を1kmほど歩いていくと、温泉施設や物販店もあります。ちょっと距離がありますが、公園の散策と思えば気持ちいいかも。
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そしてこの3年間でもっとも大きな変化といえば、駅前の九州芸文館のオープン。隈研吾氏設計の3つの特徴的な建物が並ぶ、芸術文化交流施設です。
その名も「ななつ星」と呼ぶカフェレストランもあり、降りて楽しい駅に変貌しました。
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利用者数低迷の一因でもあったと思われる駐車場不足は、駅裏の砂利敷きの暫定駐車場整備で解消が図られましたが、正式な駐車場の工事も年度内完成に向けて進んでいました。
■イベントで賑わう・新大牟田駅
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筑後船小屋からは一旦新玉名に下り、上り列車で新大牟田へ戻って来ましたが、駅の順番通り新大牟田から先に紹介します。
新大牟田駅でも、イベントを開催中。ミニSLや鉄道模型、1周年の際にもお見かけした抹茶のサービスもお目見えしており、大勢のギャラリーで賑わっていました。
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東口には民間、西口には市営の駐車場が立地していますが、西口の市営駐車場は拡張が進んでいました。
筑後船小屋や新大牟田は、利用者数が低迷している駅として上げられることが多かったのですが、いずれも駐車場の増設が進んでいます。それだけ、パーク&ライドの割合が多いということでしょう。
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東口には宅地が造成されましたが、まだ家が立ち並ぶには至りません。一部の区画は、月極駐車場になっていました。
■無料駐車場が功を奏したが・新玉名駅
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ただ無料駐車場は好評すぎるのか、東口の送迎ロータリーには無断駐車の車が何台も停まっていました。
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西口も駐車場不足を解消するため、駅前広場や芝生の公園も、駐車スペースに使われていました。
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駅内のカフェや土産屋を除けば、店らしい店もなかった駅周辺ですが、電気屋さんとホームセンターが進出していました。
■在来線の高架化工事が進む・熊本駅
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熊本駅に入る直前、東側の車窓には工事が進む在来線高架橋が姿を現します。
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今日は1万円乗り放題に加え、隣接駅間を500円で利用できる「ワンコインきっぷ」も発売。
子どもと一緒に新幹線体験ということか、新玉名~熊本の1駅間を乗る親子連れの姿が目立ちました。
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■駅前の変化よりも駅内の変化が大きい・新八代駅
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かつての在来線ホームは新幹線規格に改軌されていますが、通常列車が乗り入れることはありません。
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これまで10人も乗らない姿ばかり見てきたので、15人ほどが乗り継いだ様子を見て少しほっとしました。
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駅周辺は、東横インやマンションがあるくらいで、あとは田んぼが広がるのどかな風景が広がります。
見どころといえば、駅から徒歩5分の物産館と、松中信彦スポーツミュージアム。駅のイベントに協賛して、ミュージアムは無料開放されていました。
後編に続きます。