スーパーホテルの名物、「健康朝食」をモリっと食べて、旅の実質1日目がスタートです。
甑島への船が出発する川内港へは、専用シャトルバスで約25分。電気式の、最新式低床バスです。
しかもデザインは、JR九州の車両デザインでお馴染みの水戸岡鋭治氏。白基調に青のアクセントが入ったバスは、氏のデザインである岡山のバスを思い出します。
川内港へは、急行運転で25分。結構な距離を走ったにも関わらず、運賃はわずか150円でした。鹿児島県内の共通ICカードも使えます。
木造平屋の川内港ターミナルも、水戸岡デザイン。
中には、どこかで見たような椅子やボールプールがあって、氏の個性が強く打ち出されています。
離島航路とはいえ、甑島航路には最新鋭の予約設備が導入されています。船のチケットはインターネットで予約して、港の発券機で受け取るシステムです。
この航路も、ふるさと旅行券の適用範囲。宿代もまかなえたので、一人当たり数千円は元を取ることができました。もっとも、財源の多くが税金ということは、忘れちゃいけないのですが…
高速船・甑島に乗船。もちろんこの船も水戸岡デザインで、800系新幹線から乗り継げば、博多~甑島を「水戸岡のりもの&たてもの」でリレーすることができます。
船内のデザインも、新幹線や「おれんじ食堂」で花開いたデザインが随所に盛り込まれていました。
さすがは夏の盛り、観光客を中心にほぼ満員の盛況です。
上甑までであれば、所要時間はわずか50分。高速船で風もあるので、デッキに立っていてもさほど苦ではありません。
港のカフェで買った400円の生中を傾けながら、出航です。
再稼働間近の川内原発に見送られ、潮風を浴びていれば、もう東シナ海に浮かぶ島影が見えてきました。
上甑島の中心部である旧里村の、里港で下船です。
石積みの塀が独特な、里町の中心部。歩道の縁石までも石積み調なのは、ユニークです。
里の武家屋敷集落跡へ。武家屋敷が残っていないのは残念ですが、石垣や生垣からは、往時の街並みを思い起こすことができます。
どことなく、出水の武家屋敷群を思わせる家並みでした。
生垣からところどころにのぞくのが、島のシンボルでもあるカノコユリ。ビニールひもで支えが入れてあり、大切にされているのが分かります。
薩摩川内市への合併までは村だった場所で、集落もそれほど大きいわけではありません。通りを1本入れば、田園地帯が広がっていました。
8月1日だというのに、稲穂の首が垂れていたのは驚き。島の食堂や民宿では、今年一番の「新米」を食べることができます。
ただ早場米のアドバンテージも、島からの輸送コストを考えれば厳しいということか。休耕田もあちこちで見られました。
平地は決して広くない島なのに、もったいない…と思うのは、島外の来訪者の勝手な感想でしょうか。
小学校裏の展望台に上がれば、里町の中心部が一望。トンボロの形態も、よく分かりました。
午前中から余裕で30度を超えたこの日、屋根のついた展望台は離れがたいものがありました。
ヒッ。
田んぼの中の一角に、カノコユリが「群生」していました。
休耕田の有効利用か、たまたま生えたのかは分からないけど、夏山を背景に映える花々です。
一方で、離島でありながら薩摩川内市内であることを実感するものも。白い金属製の箱は、空間放射能測定局です。
再稼動に向けて準備が着々と進む川内原発。「万一」の際には、40km圏内にあるこの島も無縁ではいられません。
大きな島なので、きちんと下調べさえすれば、ちゃんとご飯にもありつけます。
予約してもらっていたのは、港から歩いて5分の「時春」さん。
大将お任せで出してもらったのが、きびなご丼。たまりかねて、生も一緒に。
たぶん どんな状況で食べてもうまい地の魚料理だけど、暑い中歩き回っただけに、おいしさもひとしおでした。
数時間の滞在でしたが、上甑を離れ下甑に向います。串木野からのフェリーは、串木野を起点に甑島の港を巡って串木野に戻るダイヤです。
荷物や車の積み下ろしが行われ、高速船にはない離島航路の生活感が感じられます。
観光船仕様だった高速船に比べ、船内は質素な雰囲気。売店があり「燃料補給」できるのは、高速船にない楽しみです。
吹き抜けには、やはり島のシンボル・カノコユリの絵が掲げられていました。
デッキに出れば、抜けるような青空と、どこまでも青い海。上甑島と中甑島を結ぶ橋が見えました。
一方で、中甑島と下甑島を結ぶ橋は、再来年の完成を目指して工事が進んでいます。前後のアプローチ道路を含め、なかなか大規模な工事です。
橋自体の延長はさほどでもないように見えますが、潮流が早く、難工事なのだとか。
下甑の北端・鹿島にも寄航し、長浜港までは1時間半の道のりでした。南へ下り、海の色も変化したように感じます。
串木野へ向ってフェリーが出航していきます。若者たちが、海に飛び込んで見送っていました。
透き通るような海にたまらず足をつけてみたら、意外と泥っぽかったです(笑)。
長浜港では、一人乗り電気自動車のレンタルをやってます。今回はグループ旅行だから見るだけだったけど、一人旅なら使ってみるのも楽しそう。
ロゴには火力、風力、太陽光のイラストが描かれ…あれ?一番の「稼ぎ頭」が描かれていないのは、どういう意図でしょうか…。
今日の泊まりはさらに町外れなので、長浜で夜食の買出し。
コンビニなどもちろんありませんが、おなじみ全日食チェーンのスーパーがありました。
離島にしては、値段もほどほど。お魚類の充実っぷりは、さすが漁業の島です。
甑島には、島内バスのネットワークがあるのは心強いところ。長浜港からは、船の到着に合わせて3方面のバスが同時出発します。
以前は通常の路線バスだったとのことですが、現在は市のコミュニティバスに位置づけられ、150円均一と激安。3月までは100円だったとか。
瀬々野浦行きは、島内バスでありながら40分を超える長距離路線。
どんな風景なのか楽しみだったのですが、たまった疲れから夢の中で過ごしてしまいました(笑)。
今夜は、瀬々野浦泊まり。お年寄りが中心の集落で、小学校も廃校になっています。
その割には子どもの姿が目に付くと思ったら、夏休みの帰省客なのだとか。集落の小学生は1人だけで、学校へはスクールバスで通っているとのこと。
釣り人にとっては聖地の島。民宿も釣り客目当てで、瀬渡し船も持っています。僕らのような観光目的の客には、4人以上だと遊覧で船を出してくれるサービスも。
予約の時は、船が出払っていて難しいとの話でしたが、船が帰ってきたとのことで、夕暮れの遊覧に出てくれました。
左側の岩は、誰が名づけたか「ナポレオン岩」と称します。つんと出た鼻が、ナポレオンにそっくり…かも。
海岸には、地層がくっきり現れた岩が連なります。荒々しいとも勇壮とも形容しがたい、甑ならではの風景です。
少しでも足場のある岩場には、何人もの釣り人が陣取っていました。
港に戻れば、夕暮れの時間。ナポレオンの鼻先を赤く染めて、甑島に夜がやってきました。
島の民宿の楽しみは、ずらりと並ぶ海の幸! 行くのが大変な分、1泊2食6千円とは信じられないほどの料理が並びます。
ご主人が、目の前の海から揚げてきたばかりの魚。あ~幸せです。
酒盛り用の酒を大量に買い出していましたが、暑さ+食べすぎで一同ぐったり。部屋に戻ったら、その場に倒れこんでしまいました。
夜中に起き出してみれば、スーパームーンが集落を照らしていました。
甑島への船が出発する川内港へは、専用シャトルバスで約25分。電気式の、最新式低床バスです。
しかもデザインは、JR九州の車両デザインでお馴染みの水戸岡鋭治氏。白基調に青のアクセントが入ったバスは、氏のデザインである岡山のバスを思い出します。
川内港へは、急行運転で25分。結構な距離を走ったにも関わらず、運賃はわずか150円でした。鹿児島県内の共通ICカードも使えます。
木造平屋の川内港ターミナルも、水戸岡デザイン。
中には、どこかで見たような椅子やボールプールがあって、氏の個性が強く打ち出されています。
離島航路とはいえ、甑島航路には最新鋭の予約設備が導入されています。船のチケットはインターネットで予約して、港の発券機で受け取るシステムです。
この航路も、ふるさと旅行券の適用範囲。宿代もまかなえたので、一人当たり数千円は元を取ることができました。もっとも、財源の多くが税金ということは、忘れちゃいけないのですが…
高速船・甑島に乗船。もちろんこの船も水戸岡デザインで、800系新幹線から乗り継げば、博多~甑島を「水戸岡のりもの&たてもの」でリレーすることができます。
船内のデザインも、新幹線や「おれんじ食堂」で花開いたデザインが随所に盛り込まれていました。
さすがは夏の盛り、観光客を中心にほぼ満員の盛況です。
上甑までであれば、所要時間はわずか50分。高速船で風もあるので、デッキに立っていてもさほど苦ではありません。
港のカフェで買った400円の生中を傾けながら、出航です。
再稼働間近の川内原発に見送られ、潮風を浴びていれば、もう東シナ海に浮かぶ島影が見えてきました。
上甑島の中心部である旧里村の、里港で下船です。
石積みの塀が独特な、里町の中心部。歩道の縁石までも石積み調なのは、ユニークです。
里の武家屋敷集落跡へ。武家屋敷が残っていないのは残念ですが、石垣や生垣からは、往時の街並みを思い起こすことができます。
どことなく、出水の武家屋敷群を思わせる家並みでした。
生垣からところどころにのぞくのが、島のシンボルでもあるカノコユリ。ビニールひもで支えが入れてあり、大切にされているのが分かります。
薩摩川内市への合併までは村だった場所で、集落もそれほど大きいわけではありません。通りを1本入れば、田園地帯が広がっていました。
8月1日だというのに、稲穂の首が垂れていたのは驚き。島の食堂や民宿では、今年一番の「新米」を食べることができます。
ただ早場米のアドバンテージも、島からの輸送コストを考えれば厳しいということか。休耕田もあちこちで見られました。
平地は決して広くない島なのに、もったいない…と思うのは、島外の来訪者の勝手な感想でしょうか。
小学校裏の展望台に上がれば、里町の中心部が一望。トンボロの形態も、よく分かりました。
午前中から余裕で30度を超えたこの日、屋根のついた展望台は離れがたいものがありました。
ヒッ。
田んぼの中の一角に、カノコユリが「群生」していました。
休耕田の有効利用か、たまたま生えたのかは分からないけど、夏山を背景に映える花々です。
一方で、離島でありながら薩摩川内市内であることを実感するものも。白い金属製の箱は、空間放射能測定局です。
再稼動に向けて準備が着々と進む川内原発。「万一」の際には、40km圏内にあるこの島も無縁ではいられません。
大きな島なので、きちんと下調べさえすれば、ちゃんとご飯にもありつけます。
予約してもらっていたのは、港から歩いて5分の「時春」さん。
大将お任せで出してもらったのが、きびなご丼。たまりかねて、生も一緒に。
たぶん どんな状況で食べてもうまい地の魚料理だけど、暑い中歩き回っただけに、おいしさもひとしおでした。
数時間の滞在でしたが、上甑を離れ下甑に向います。串木野からのフェリーは、串木野を起点に甑島の港を巡って串木野に戻るダイヤです。
荷物や車の積み下ろしが行われ、高速船にはない離島航路の生活感が感じられます。
観光船仕様だった高速船に比べ、船内は質素な雰囲気。売店があり「燃料補給」できるのは、高速船にない楽しみです。
吹き抜けには、やはり島のシンボル・カノコユリの絵が掲げられていました。
デッキに出れば、抜けるような青空と、どこまでも青い海。上甑島と中甑島を結ぶ橋が見えました。
一方で、中甑島と下甑島を結ぶ橋は、再来年の完成を目指して工事が進んでいます。前後のアプローチ道路を含め、なかなか大規模な工事です。
橋自体の延長はさほどでもないように見えますが、潮流が早く、難工事なのだとか。
下甑の北端・鹿島にも寄航し、長浜港までは1時間半の道のりでした。南へ下り、海の色も変化したように感じます。
串木野へ向ってフェリーが出航していきます。若者たちが、海に飛び込んで見送っていました。
透き通るような海にたまらず足をつけてみたら、意外と泥っぽかったです(笑)。
長浜港では、一人乗り電気自動車のレンタルをやってます。今回はグループ旅行だから見るだけだったけど、一人旅なら使ってみるのも楽しそう。
ロゴには火力、風力、太陽光のイラストが描かれ…あれ?一番の「稼ぎ頭」が描かれていないのは、どういう意図でしょうか…。
今日の泊まりはさらに町外れなので、長浜で夜食の買出し。
コンビニなどもちろんありませんが、おなじみ全日食チェーンのスーパーがありました。
離島にしては、値段もほどほど。お魚類の充実っぷりは、さすが漁業の島です。
甑島には、島内バスのネットワークがあるのは心強いところ。長浜港からは、船の到着に合わせて3方面のバスが同時出発します。
以前は通常の路線バスだったとのことですが、現在は市のコミュニティバスに位置づけられ、150円均一と激安。3月までは100円だったとか。
瀬々野浦行きは、島内バスでありながら40分を超える長距離路線。
どんな風景なのか楽しみだったのですが、たまった疲れから夢の中で過ごしてしまいました(笑)。
今夜は、瀬々野浦泊まり。お年寄りが中心の集落で、小学校も廃校になっています。
その割には子どもの姿が目に付くと思ったら、夏休みの帰省客なのだとか。集落の小学生は1人だけで、学校へはスクールバスで通っているとのこと。
釣り人にとっては聖地の島。民宿も釣り客目当てで、瀬渡し船も持っています。僕らのような観光目的の客には、4人以上だと遊覧で船を出してくれるサービスも。
予約の時は、船が出払っていて難しいとの話でしたが、船が帰ってきたとのことで、夕暮れの遊覧に出てくれました。
左側の岩は、誰が名づけたか「ナポレオン岩」と称します。つんと出た鼻が、ナポレオンにそっくり…かも。
海岸には、地層がくっきり現れた岩が連なります。荒々しいとも勇壮とも形容しがたい、甑ならではの風景です。
少しでも足場のある岩場には、何人もの釣り人が陣取っていました。
港に戻れば、夕暮れの時間。ナポレオンの鼻先を赤く染めて、甑島に夜がやってきました。
島の民宿の楽しみは、ずらりと並ぶ海の幸! 行くのが大変な分、1泊2食6千円とは信じられないほどの料理が並びます。
ご主人が、目の前の海から揚げてきたばかりの魚。あ~幸せです。
酒盛り用の酒を大量に買い出していましたが、暑さ+食べすぎで一同ぐったり。部屋に戻ったら、その場に倒れこんでしまいました。
夜中に起き出してみれば、スーパームーンが集落を照らしていました。